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『母を失うこと』が第10回 日本翻訳大賞を受賞!!

このたび、榎本空訳『母を失うこと――大西洋奴隷航路をたどる旅』が、『台湾漫遊鉄道のふたり』楊双子/三浦裕子訳(中央公論新社)と共に、第10回 日本翻訳大賞を受賞しました。




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帯付き書影
[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/123287/9/123287-9-a1bfe8d201c362adbb2c3fe24222d92c-2000x1125.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
訳者の榎本空さん
■受賞によせて(訳者 榎本空さん コメント)
『母を失うこと』は、ある個人の喪失をめぐる物語。米国で黒人として生きる著者は、
祖先の墓を求めてガーナへとわたるが、そこでも彼女はよそ者だった。帰るとは、
記憶とは、母を失うとは何か。濃密なテキストをぜひ味わってみてください。
故郷を追われたすべてのよそ者たちへ。

■日本翻訳大賞とは
12月1日〜翌年の12月末までの13ヶ月間に発表された翻訳作品中、最も賞讃したいものに贈る賞。小説、詩、人文学書、児童文学、そして書籍以外のものまで広くカバーする。一般読者の支援を受けて運営し、選考にも読者の参加を仰ぐ。
第10回の選考委員は岸本佐知子・斎藤真理子・柴田元幸・西崎憲・松永美穂。

第10回 日本翻訳大賞 詳細ページはこちら

■本書の内容
「歴史が個人の物語になるとき、ソウルを揺さぶる一冊になる」
――ブレイディみかこ

ブラックスタディーズの作家・研究者、サイディヤ・ハートマンが、かつて奴隷が旅をした大西洋奴隷航路を遡り、ガーナへと旅をする思索の物語。奴隷になるとはいかなることか? そして、奴隷制の後を生きるとはいかなることか? ガーナでの人々との出会い、途絶えた家族の系譜、奴隷貿易の悲惨な記録などから、歴史を?ぎ取られ母を失った人々の声を時を超えてよみがえらせる、現代ブラック・スタディーズの古典的作品にして、紀行文学の傑作。

■プロローグより
“わたしは、消滅した人々の残余を発見するという目的とともに、ガーナに降り立った。(…)奴隷制という試練がいかにして始まったのか、理解したかった。いかにしてひとりの少年が綿布二メートル半やラム酒一本と、そしてひとりの女性がかご一杯の宝貝と等価になったのかを、了解したかった。類縁と他者を隔てる境界を越えたかった。名のない人々の物語を語りたかった──奴隷制の餌食となった人々や、捕囚を免れるために辺鄙な、荒漠とした土地へと追い込まれた人々の物語を。”

■訳者プロフィール
榎本空(えのもと・そら)
1988年、滋賀県生まれ。沖縄県伊江島で育つ。同志社大学神学部修士課程修了。台湾・長栄大学留学中、C・S・ソンに師事。米・ユニオン神学校S. T. M 修了。現在、ノースカロライナ大学チャペルヒル校人類学専攻博士課程に在籍し、伊江島の土地闘争とその記憶について研究している。著書に『それで君の声はどこにあるんだ?』(岩波書店)が、翻訳書にジェイムズ・H・コーン『誰にも言わないと言ったけれど――黒人神学と私』(新教出版社)がある。

■著者プロフィール
サイディヤ・ハートマン(Saidiya Hartman)
作家、研究者、思想家。コロンビア大学教授。専門はアフリカン・アメリカン研究、フェミニスト・クィア理論、パフォーマンス・スタディーズなど。2019年、マッカーサー・ジーニアス賞受賞。奴隷制の暴力、またそれに対する黒人の抵抗についての語りを一変させたScenes of Subjection: Terror, Slavery, and Self-Making in Nineteenth-Century America(1997)でデビュー。最新作はWayward Lives, Beautiful Experiments: Intimate Histories of Riotous Black Girls, Troublesome Women, and Queer Radicals (2019)。

■書誌情報
書名 『母を失うこと――大西洋奴隷航路をたどる旅』
著者名 サイディヤ・ハートマン
訳者名 榎本空
定価 3,080円(本体2,800円)
判型 四六判上製
頁数 376頁
ISBN 978-4-7949-7376-4
発売日 2023年9月発売
発行 株式会社晶文社
書籍サイト https://www.shobunsha.co.jp/?p=7760

■目次
第一章:アフロトピア
第二章:市場と殉教者
第三章:家族のロマンス
第四章:子よ、行け、帰れ
第五章:中間航路の部族
第六章:いくつもの地下牢
第七章:死者の書
第八章:母を失うこと
第九章:暗闇の日々
第十章:満たされぬ道
第十一章:血の宝貝
第十二章:逃亡者の夢
訳者あとがきにかえて──『母を失うこと』についてのノート
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