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「1on1、その限界と可能性の中心」株式会社Maxwell’s HOIKORO/ HYAKUNENが、近年流行の人事施策「1on1」の効果の実態を明らかにした、調査レポートの後編部分を公開

〈HRダダ〉レポート第2号「1on1、その限界と可能性の中心」【後編】心理的安全づくりが苦手な上司に求められる1on1とは?




[画像1: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/132731/9/132731-9-1be10903b0f383345891136c989608de-769x1083.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]


株式会社Maxell's HOIKORO(マクスウェルズ ホイコーロー、代表:前山匡右、本社:大阪府大阪市西区)は、「本当の人的資本経営を実現する唯一のサーベイアプリケーション」を標榜する「TSUISEE(ツイシー)」を提供するスタートアップ企業です。この度、コンサルティングファームの株式会社Consulente HYAKUNENと共同で行ったオンラインイベント「HRダダ」にて公開した「1on1」の調査内容をレポート化し、その後編部分を公開しました。
「HRダダ」とは何か?レポートを発信する意味について
私たち株式会社Maxwell’s HOIKORO(マクスウェルズ ホイコーロー)、Consulente HYAKUNEN(コンスレンテ ヒャクネン)は、人と組織のデータ解析を行い、あらゆる企業のコンサルティングを行ってきました。
実際に、人と組織を変革していく現場で格闘し、その現場から多くの知見を得て、今日も活動を続けています。
これを読む多くの人は、過去に一度でも、ご自身の組織の状態をより良くしなければと、「人と組織に介入したい」、「組織を変革したい」と思われたことがあるのではないでしょうか。
一体、何を変えていけばいいのか。
本や最新の人事施策、キーワードを紹介する記事に目を通し、それをヒントにご自身の組織を観察してみたりします。
とはいえ、「組織を変えるために、一体何が必要なのか」はなかなか確信をもっては見えてきません。
ハッキリとは分からないけれど、上手くいっていない違和感は確かにある。そうなってくると「他社もやっているから、とりあえず・・・」と言ったかたちで、施策や打ち手を導入せざるを得ない。
人や組織に無関心な経営層がいるなら、なおさら他社と横並びの施策の方が理解を得やすい。
もしかすると、そんな風にして、1つのキーワードや施策が、HR業界で市民権を得ていくのかもしれません。
最新の「流行している」ように見える施策の導入それ自体が目的になり、そのために仕事をするようなことを繰り返してしまう。
実際、近年は当たり前のようにHR領域で流行が生まれては消える、というサイクルが繰り返されています。
振り返ると、そんな流行に振り回される数年間を過ごしてきた、という担当者の方も決して少なくはないようにお見受けします。
人と組織に対して、真摯に向きあう姿勢が、いつの間にか妙なサイクルに飲み込まれてしまっている。
人や組織のことを真剣に悩む人に対して、ミスリーディングさせるような情報を渡すこと。
こうした態度から距離を置いて、プロという立場から情報発信することに、私たちは年々、大きな意味を感じます。
私たちの主催するイベント<HRダダ>とそのレポートでは、数多くの介入の現場を経験した私たちだから発信可能な、地味で、地道で、正直で、誠実な、知見をお伝えしています。


[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/132731/9/132731-9-b70ece01fae53fc9d03771c77ef38dac-1128x838.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]


「1on1」への違和感 【後編】
HRダダ レポート第二号では、第一号に引き続き、「1on1」を題材に扱った後編部分の内容をお届けします。
私たちがコンサルタントの立場で、「1on1」についてお話しをうかがう時、「1on1を取り入れて、社内の雰囲気が変わったように思う」とお伝えいただくことがあります。
その一方で、「1on1て本当に効果があるんですか?意味ないと思うんですよね」と、その効果に懐疑的な方も、決して少数派ではありません。
「1on1」は、社内の雰囲気を変えることを期待されている一方で、「意味が無いと思う」と、失望されてしまってもいます。
こうした複数のヒアリングの結果からだけでも、「1on1」が社内のあらゆる問題を解決、緩和してくれる、万能薬のような施策であるとは、決して言えないように思われます。
その上、レポート第一号の「1on1」特集の前編部分では、次のような結果を確認しました。
マネジメント力のない上司が、部下に寄り添って話すような「オープンな1on1」を行うと、部下のパフォーマンスが向上している。
この結果だけからは、「1on1」に有用な効果があるように受け取ることが出来ます。
しかし違う視点から、より詳しい解析を行うと、そんな都合のいい結果からはほど遠い結果が示されました。
「1on1」は決して、人と組織を変える万能薬ではない。
本紙の後編部分でも、私たちは執拗に、「1on1」の実態に迫ります。
今回のレポートでは、「心理的安全づくりが苦手な上司に求められる1on1とは?」を主題に、議論を進めていきます。


〈HRダダ〉レポート第2号「1on1」【後編】心理的安全づくりが苦手な上司に求められる1on1とは?
ハーバード・ビジネス・スクールのエイミー・エドモンドソンが約25年前に提唱して以降、心理的安全は、イノベーティブで活気のあるチームや職場を作る上での必須条件の1つと考えられてきました。
しかし実際のところ、チームや職場に心理的安全を作ることは容易ではありません。例えばあなたが、上司から「何でも話してほしい」「失敗しても大丈夫」と言われたとします。その瞬間、心の奥底から安心や安全を感じながら、仕事に向き合うことは想像できますか。また、「仕事とは関係のない雑談はできるけれど、仕事の中で新しい価値を生み出すための本音や意見は、対立しそうだから言わない」という職場での経験もあるのではないでしょうか。
「うちの会社の管理職たちに、心理的安全を作り出すリーダーシップの発揮は期待できない」。1on1は、そうした判断の下で、きっと良い効果が出るはずだと期待を背負わされています。これに関しては、【前編】でも「ゴミ箱のように扱われる1on1」※と表現していました。
「うちの管理職が、日常業務を通じて、心理的安全を作り出すことはきっと難しい。ただ、1対1の面談を通じて部下に寄り添い、オープンな場を作ることなら無理ではないはず。その積み重ねから、徐々にイノベーティブで活気あるチームや職場へと変化していくに違いない」。
このような期待通りの役割を、1on1によって果たすことが本当に出来るのでしょうか。ビジネスパーソン約1,000名を対象に行った調査の結果をもとに、検討していきましょう。

[画像3: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/132731/9/132731-9-97cb7538cb6be63cc14ee37a839dbe5b-1411x991.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
※HRダダ レポート第一号 1on1特集前編より「ゴミ箱のように扱われる1on1」


[画像4: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/132731/9/132731-9-bac525937e9ffd2a21d3191d1c5c16c2-1349x819.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
【図1】部下の変化創出的な行動(縦軸)が最も高くなっているのは、右側の2本の棒グラフです。右側の2本の棒グラフは、心理的安全を作れる力を持つ上司がいる場合を示しています。この時、1on1は部下の行動に影響を与えません。一方、左側の2本の棒グラフには高さのギャップがあります。そのため、1on1が上司の弱みを補っているように見えます。


まず、図1の棒グラフを見てください。棒グラフの高さは、部下が仕事のなかで自ら変化を生み出そうとする程度を示しています。これは、心理的安全が担保された職場で生まれやすいとされている行動です。実際、右側の2つの棒グラフ(赤色と灰色のペア)が、同じくらいの高いレベルであることが確認できます。このことから、次のことが明らかになります。
日常の仕事のなかで心理的安全を作り出せる上司のいる職場では、その部下が創造的な行動をとれる風土が整っていること。そして仕事について話す1on1を行っていても、行っていなくても、部下の変化創出的な行動に差が生まれないということ。
逆に左の2つの棒グラフは、その高さが大きく異なっています。これは、心理的安全づくりが苦手な上司の場合、仕事について話す1on1を行うことで、部下の変化創出的な行動を増やすことができるという事実を示しています。
この結果から、上司の弱みを1on1が補っていると言えそうです。しかし、1on1に対する期待、すなわち、「普段の仕事のなかで心理的安全を実現することは難しくても、1対1の面談なら安心・安全な場を作れるだろう」という期待には応えることが出来ていません。
心理的安全づくりに苦手意識を持っている上司が、部下の創造性を高めるために行うべき1on1とは、仕事について話す1on1です。より正確には、部下が果たすべき役割とその遂行のための指示やアドバイスを伝えるような、タスクにフォーカスした1on1です。
これは、部下に寄り添い、多様性とオープンさを重視し、心理的安全を強調したような、一般的に期待される1on1の姿とは、質的に大きく異なっています。


[画像5: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/132731/9/132731-9-e6af78f88e126c6badbf54c9aa5876ec-2075x1269.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
【図2】左右の赤色と灰色の棒グラフのペアを比べたとき、一見して右側のペアには、その高さに大きな差があることが分かります。これは、部下が自ら同僚に助けを求めるようになる場合に、1on1が部下の変化創出的な行動を大きく増加させるということを意味しています。


仕事について話す1on1を行うことで、変化創出的な行動が増えた部下は、どのような部下なのか。図2は、こうした解析の結果を示しています。左側の2つの棒グラフのペアと比べると、右側の2つの棒グラフのペアの方が、棒グラフの高さに大きなギャップがあることが確認できます。これは、1on1で仕事について上司と話した後、自主的に周りの同僚に助けを求めた部下が、変化を生み出す行動をとれるようになったことを意味します。
周囲に助けを求める行動が、変化創出の条件であるという結果自体には、何ら驚くべき点はありません。何か新しいことに挑戦しようとする場合、自分一人で達成できることには限界があります。特に、その挑戦が大きく、困難で、重要な価値を生むものであればあるほど、より多くの助けが必要となるでしょう。
しかし、図2において奇妙なのは、「心理的安全の欠如した職場なのに、なぜ部下は助けを求めるようになったのか?」という点です。一般的に、多様性やユニークさを認め、ミスや失敗を許容することのない職場では、社員は「助けを求めたら、嫌がられるかもしれない。評価が下がるかもしれない」といった不安と恐怖を感じます。そのために、周りに助けを求めることは容易ではありません。ではなぜ、上司との1on1によって、助けを求めるための、こうした高いハードルを克服できるようになったのでしょうか?
それは、「1on1を通じて、職場の心理的安全が高まったから」という単純で楽観的な理由では決してありません。
さらなる解析を通して明らかになったのは、むしろ、「1on1を通じて、部下に対して強固なプレッシャーをかけることで、部下が周りの助けを求めざるを得なくなったから」というものでした。


[画像6: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/132731/9/132731-9-5d18b32352cae62fdf37c3309341d815-1347x822.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
【図3】部下が周りに助けを求めるようになる程度(縦軸)が最も高くなっているのは、一番右側の棒グラフです。創造性発揮へのプレッシャーを伴った形で、1on1において仕事について話すことが、最も大きな効果を持っています。


図3の棒グラフを見てください。一番右の棒グラフは、仕事について話す1on1を行うにあたって、高い創造性を発揮するよう部下にプレッシャーをかける上司を示しています。それに加え、「グラフが最も高いレベルにある」=「部下が周りに助けを必死に求めるようになる」ことを意味します。逆に、左から2つ目の棒グラフは、仕事について話す1on1を行ったものの、そのようなプレッシャーをかけなかったため、「グラフが低いレベルにある」=「1on1が、周囲に助けを求める行動に繋がらない」ことを示しています。
結局のところ、心理的安全づくりが苦手な上司にとって、部下の変化創出的な行動を促すために求められる1on1とは、高い目標や成果に対するプレッシャーを強くかけることで、部下がイノベーティブになるよう追い込む1on1なのです。これは、「上司と部下が安心・安全の雰囲気の中で対話できる場を作ることで、部下からのボトムアップなアイデアが主体的に生まれ…」といったような、一般的に1on1が創造性へと貢献するストーリーとして語られるものとは全く異なる実態です。
【前編】【後編】を通して、1on1に対する違和感の正体をめぐる調査結果について確認してきました。大規模な調査の結果が示しているのは、マネジメント力の欠如した上司にしろ、心理的安全づくりを苦手とする上司にしろ、彼(女)等の弱みを代替する力は1on1にはないという事実でした。
一見、1on1によって部下のパフォーマンスが高まったようにも見えました。しかしそれは、上司の代わりにマネジメントを担っている先輩社員や、トップダウンによる強固なプレッシャーが鍵となっていることがわかりました。これは、一般的に1on1に対して期待されている役割とは、全く異なるメカニズムで生まれたものです。
したがって、「1on1による、上司と部下との対話は〇〇を解決する」といった、まるで1on1を万能薬のように捉えることは危険です。成果や価値に繋がる考え方ではありません。求められるべきは、1on1の効果を詳細に調査・解析し、「どのような場合に、いかなる1on1を行うことが効果的なのか」というメカニズムに基づく検討を行なっていくことです。
現在私たちは、この問いに答えるべく、さらなる調査や解析をすすめています。今後も、1on1について明らかになった知見は、様々な場でみなさんと共有していきたいと思います。

株式会社Maxwell’s HOIKORO
Chief Development Officer 
武蔵野大学 経営学部経営学科准教授
宍戸 拓人

※本レポートの内容を利用される場合は、著作権法に則り、引用元を明記の上、ご利用をお願い致します。


【レポートのダウンロードはこちらから】
https://tsuisee.com/report/

【第二回 「HRダダ」への参加お申込みはこちらから】
https://www.maxwellshoikoro.com/event


【会社概要】

株式会社Maxell's HOIKORO
代表取締役社長 前山匡右
大阪府大阪市西区土佐堀2-1-6 TOSABORI IVY3階
URL(提供アプリケーション)  https://tsuisee.com
URL(弊社WEBサイト)  https://www.maxwellshoikoro.com

協力 株式会社Consulente HYAKUNEN
URL  http://hyakunen.com
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