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高度な原子力教育は日本における安全確保と経済発展に不可欠

                                       ロスアトム国家原子力公社
                                            2016年3月9日

報道関係者各位

            高度な原子力教育は日本における安全確保と経済発展に不可欠


 現在、原子力産業における急速な技術の発展に伴い、原子力関連企業は関わるプロジェクトの重要性や責任について深く考えています。原子力技術のサプライヤーにとっては、優秀な人材の派遣や教育、原子力技術を学ぶためのグローバルシステムの形成が重要になっています。

 世界的に、原子力技術に関する教育が原子力の発展に成功する基本であるという認識があります。2015年4月に開かれた核不拡散条約の会議では、日本の岸田文雄外務大臣は、40カ国を代表して平和的かつ効果的に原子力技術を活用することが、教育と新しい「原子力文化」の醸成につながると述べました。多くの国々が原子力技術に関する教育と知識の基礎形成の必要性を強く認識しています。原子力施設のライフサイクルのすべての段階での人材教育の重要性は、特に国際的なレベルで学術的パートナーシップの複数の存在によって証明されます。

 日本にとって原子力発電はエネルギーバランスを考える上で不可欠であり、日本政府が指揮し福島第一原発の悲劇的な事故の後、原子力産業の復興を進めています。原子力発電の再稼働は、温室効果ガスの排出量を低減し、貿易赤字を減少し、液化天然ガス、石炭や石油の輸入を減少することに寄与します。原子力教育システムを支援することは大変重要です。東京大学をはじめ、東京工業大学、京都、大阪、東北、名古屋、北海道、九州の各大学など、日本の多くの大学ではその人材教育が行われています。また、日本で人材教育を行う科学者の多くは、ロシアで研究を行い、そこで得た知識や経験を活かしています。

 ロシアは日本のように積極的に業界団体と連動し、国内および国際レベルでの教育を開発する先進国の一つです。外国のパートナーとの協力は、教育プログラムの開発、人材の専門教育訓練、研究などが行われます。たとえば、2015年にロシアの原子力コンソーシアムの基本大学において、26カ国からの300人以上の新入生が入学しました。2016年末には、ロシアの大学に1400人の外国人留学生が予定されています。

 現在、日本とロシアの大学の協力がさまざまな分野で行われ、学生と教員の交流、留学、共同講演会、調査研究のためのラウンドテーブルや専門家委員会の実施、原子力産業の専門家の先進訓練と再訓練、ロシアの大学での学生、大学院生の教育、原子力発電所の人材、エンジニア、建設要員の教育などで連携しています。

 日本の専門家は、様々な分野での経験とベストプラクティスを交換するために、ロシアの大学や研究センターが主催する日ロ科学イベントに参加するために頻繁にロシアを訪問しています。成功した協力の例としては、文化交流はもちろん、共同ビジネスイベント、助成金や奨学金、共同研究プロジェクト実施、大学における研究室の創造など、東北大学で行われるロシア向け活動を上げることができます。大学のパートナーは、モスクワ大学、ノボシビルスク大学、ロシア科学アカデミーシベリア支部、極東連邦大学、ロシア科学アカデミー極東支部、スコルコボというロシアの科学機関が含まれます。

 特にロスアトム中央先進訓練研究所(「ROSATOM-CICE&T」)と東京工業大学の間の人材訓練での関係は活発です。2014年にロシアの研究所は、東京で開催された「原子力安全・セキュリティ・核物質防護のための国際原子力人材養成について〜国際シンポジウム・セミナー(International Symposium and Seminar on Global Human Resource Development for Safety, Security and Safeguards)」に参加しました。東京工業大学の学生や専門家は、ロシア専門家の物理的なセキュリティについての講義とワークショップに参加する機会ができました。また、昨年から「ROSATOM-CICE&T」が日本の国際大学院プログラムの中間審査に参加しはじめました。例えば、昨年末、「ROSATOM-CICE&T」のウラジミール・アルチシュク国際関係副学長は、外国の東京工業大学のグローバル原子力安全・セキュリティ・エージェント教育院の大学院生の博士論文を国外専門家として評価を行いました。アルチシュク氏が高く評価した学生の論文は、核セキュリティや保護された燃料サイクルの作成計画への日本社会の関心が高まっていることを示しました。

 この方法は教育院での最も迅速に発展している方針の一つとして、学生には異文化コミュニケーション能力を活躍させる海外機関で留学するチャンスです。「ROSATOM-CICE&T」のロシア人の専門家は、学生の評価制度の検討における最初の国際評価者の一つとなりました。日本と協力を続けるモスクワの国立原子力研究大学MEPhIというロシアの主な原子力大学の活動は注目されます。今、共同研究及び教育プロジェクトの中で積極的に東京早稲田大学、北海道大学、会津大学との関係を発展しています。

 現在の日本は、地方や国レベルで福島第一原発の事故後の復興に関する多くの課題に直面していることは明らかです。それは、今後数年間で国のエネルギー政策に従って、以前に停止された原子力発電所を再稼働する課題だけではありません。日本は危険な原子力施設の安全性を確保しながら、業界全体の復興を確実にすることも重要です。これに関して、国際社会の支援は原子力事業の実施の段階だけでなく、原子力教育制度の発展にも特に重要です。

 去年、東京でロスアトムが開催したロシアのバックエンド原子力技術に関する会議で、資源エネルギー庁電力・ガス事業部原子力発電所事故収束対応室長の江口純一氏が、「日本は福島第一原発事故の処理についてロシアからの支援に期待している」と述べました。また「ロシアと日本の間で原子力エネルギー問題をめぐる協力が活発に発展しています。福島第一原発事故後、事故処理のために、両国間の協力が活発化しており、いま我々はロシア人専門家の参加をともなう技術を事故処理に適用することを検討しています」とも江口氏は述べています。江口氏によれば、事故処理には日本の技術だけでは不十分であり、ロシアの専門家は事故の処理と人材能力増加のために科学技術の基礎を提供することができます。

 確かに、ロシアは技術支援だけでなく、科学的支援、革新的な技術、知識と経験を日本に共有する準備を進めており、日本が長年培ってきた経験や実績、技術を活かして、学術的な協力からスタートする必要があります。
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