Arm、「Project Trillium」により業界最高水準の拡張性と汎用性を持つ機械学習演算プラットフォームを提供
[18/02/15]
提供元:PRTIMES
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※本資料は英Armが2018年2月13日に発表したニュースリリースの抄訳です。
英Arm(本社:英国ケンブリッジ、日本法人:神奈川県横浜市、以下Arm)はこのたび、機械学習(Machine Learning、以下ML)およびニューラル・ネットワーク(Neural Network、以下NN)向けの高い拡張性を持つ新プロセッサをはじめとするArm(R) プロセッサIP(半導体設計資産)のスイートである「Project Trillium」を発表しました。第一弾のテクノロジーはモバイル市場に焦点を当てており、最先端の物体検出(Object Detection、以下OD)を含む高度な演算能力を備えた新世代のML搭載デバイスを実現します。
発表の主な内容:
エッジデバイスに機械学習(ML)機能をもたらす、新たなArm IPスイート
高い性能と効率性を実現するアーキテクチャにより、Arm MLプロセッサおよび物体検出(OD)プロセッサが、あらゆる用途において最高水準のユーザー体験を実現
新たなIPにもとづく新製品により、モバイルデバイスにおいて秒単位で数兆回ものML演算が可能に
ArmのIP製品グループ担当プレジデントであるRene Haasは、次のように述べています。「エッジデバイスへの人工知能(AI)導入の加速に伴い、高い電力効率性を維持しながら演算を行うための技術革新へのニーズが高まっています。Armは、この要望に応えるために新たなMLのプラットフォームであるProject Trilliumを発表しました。最新のデバイスには、私たちの新しいプロセッサが提供する高性能かつ高効率なMLおよびAIの機能が必要となります。Armのプラットフォームが提供する高度な柔軟性と拡張性を組み合わせることで、パートナー企業は幅広いデバイスにおいて、可能性の限界を広げることができるようになります」
現在のMLテクノロジーは一般的に、特定のデバイス層や特定業種のニーズに特化する傾向がありますが、ArmのProject Trilliumは最大級の拡張性により汎用的なテクノロジーを提供します。第一弾ではモバイルプロセッサ向けに特化して提供されますが、将来のArm ML製品はモバイルのみならず、センサーやスマートスピーカー、ホームエンターテインメントなどさまざまな用途において、最適な性能を提供します。
性能
Armの新しいMLおよび物体検出プロセッサは、スタンドアローンのCPU、GPU、アクセラレータよりも大幅な効率化を実現するだけでなく、DSPによる従来のプログラマブル・ロジックよりも大幅に高速です。
Arm MLプロセッサ:拡張性に優れたArm MLアーキテクチャをベースとし、機械学習アプリケーションでの最高のパフォーマンスと効率性を達成できるよう、MLに特化して一から設計されたものです。
モバイルコンピューティングにおいて、毎秒4.6兆回以上の演算(4.6TOPs)が可能
インテリジェントなデータマネジメントにより、複雑な環境で実際使用した際にさらに約2〜4倍の性能向上を達成
毎秒1ワットあたり3兆回以上の演算(3TOPs/W)が可能な電力効率性により、熱環境やコスト制約のある環境でかつてないパフォーマンスを発揮。Arm MLプロセッサの技術詳細は、次のリンク(英語)をご参照ください。 https://developer.arm.com/ml-processor
Arm ODプロセッサ:人物やその他の物体を効率的に検知するために特化して設計されており、1フレームあたりほぼ無制限の数を検出できます。
60 fps(フレーム/秒)のフルHD映像に対応したリアルタイム検知
従来型DSPの最大80倍のパフォーマンスを実現し、前世代のArm製品に比べて検知品質が大幅に向上。Arm ODプロセッサの技術詳細は、次のリンク(英語)をご参照ください。 https://developer.arm.com/products/processors/machine-learning/arm-object-detection-processor
両製品の連携により、さらなる性能を実現:Arm MLプロセッサとArm ODプロセッサを組み合わせることで、高性能かつ電力効率の高い人物検出・認識ソリューションが実現します。スマートデバイスのユーザーは、高解像度のリアルタイム顔認識機能を、バッテリー消費を抑えながら利用できるようになります。
Arm NNソフトウェア:Arm Compute LibraryおよびCMSIS-NNとともに使用することで、NNに最適化された機能を提供します。また、TensorFlowやCaffe、Android NNといった既存のNNフレームワークと、Arm Cortex(R) CPU、Arm Mali™ GPU 、MLプロセッサなどフルレンジのArmプロセッサとの橋渡しとして機能します。 開発者は、Armのハードウェア機能とパフォーマンスを最大限に活用することが可能となり、MLアプリケーションにおいて最高のパフォーマンスを実現できます。Arm NNソフトウェアについての詳細は、次のリンク(英語)をご参照ください。 https://developer.arm.com/arm-nn
新しいArm ML IPのスイートは、2018年4月に初期プレビュー版として利用可能となり、一般提供の開始は2018年中頃を予定しています。
参考資料
・ブログ記事:「Arm is changing machine learning experiences: Project Trillium」
https://community.arm.com/processors/b/blog/posts/ai-project-trillium
・Machine Learning Developerポータル
https://developer.arm.com/technologies/machine-learning-on-arm
・Github上のCMSIS-NN関連情報
https://github.com/ARM-software/CMSIS_5/
・Cortex-Mプロセッサ上でのキーワードスポッティングに関する詳細はこちら
https://community.arm.com/processors/b/blog/posts/high-accuracy-keyword-spotting-on-cortex-m-processors
報道関係の方々向けの注記
「Project Trillium」はコードネームであり、Armの機械学習テクノロジーの正式な製品ブランド名ではありません。今後コードネームは正式な製品ブランド名に置き換えられますが、第三者がこのコードネームを利用した場合、Armは一切の責任を負いません。
Armについて
Armテクノロジーは、コンピューティングとコネクティビティの革命の中心として、人々の暮らしや企業経営のあり方に変革を及ぼしています。そのエネルギー効率に優れた高度なプロセッサ設計は、1,000億個ものシリコンチップでインテリジェンスを実現しており、各種センサーからスマートフォン、スーパーコンピュータまで、さまざまな製品をセキュアにサポートしています。世界最大のビジネスブランドや消費者ブランドをはじめ、1,000社以上のテクノロジー パートナーと協力することで、Armは現在、チップ、ネットワーク、クラウドの内部で行われる演算のあらゆる分野でArmイノベーションを牽引しています。
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