高齢化が進むアジアの労働力に「職場の自動化」がもたらす影響
[18/07/26]
提供元:PRTIMES
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(マーシュ&マクレナン社 グローバル・リスクセンターのレポート)
マーシュ&マクレナン社(NYSE:MMC)のグローバル・リスクセンターがリリースした最新レポート『The Twin Threats of Aging and Automation(高齢化と自動化:2つの脅威)』によると、中国やアジア各国の高齢労働者は、職場における様々な業務プロセスが自動化されることによって、その仕事を奪われてしまう可能性が諸外国に比べて高い。高齢化と職場の自動化の双方が経済や社会に重大な影響を与えることは言うまでもないが、とりわけ50〜64歳の低熟練労働者が全労働人口に占める割合が比較的高いアジアの主要国において、その傾向が顕著である(下記、『同レポートについて』を参照)。
マーシュ&マクレナン社のグローバル・リスクセンターは、高齢化と職場の自動化が抱えるリスクの度合を測定するため、同グループのリーディング・プロフェッショナル・ファームであるマーサーとオリバー・ワイマンの2社から専門家を招き入れ、アジアや欧米の15の国々について市場データを収集・分析した(図1)。この結果、高リスクと評価された上位6カ国のうち実に5カ国はアジア太平洋地域に位置する国々(中国、ベトナム、タイ、韓国、日本)であることが明らかになった。
「今日のビジネス世界においては、インテリジェント・テクノロジーの導入競争が繰り広げられている。しかしながら、こうしたシフトチェンジは、ともすれば失業者を増加させるだけでなく、労働者の不平等感を増幅させ、セーフティーネットへの負荷を拡大し、ひいては高齢労働者にネガティブな影響をもたらす可能性がある。」と、オリバー・ワイマン社のパートナーで同レポートの共同執筆者であるアクセル・ミラーは述べている。「高齢化が進みつつある国々においては、高齢労働者は、特定の仕事に従事する意向と能力だけがあったのでは足りない。『過去の』職場や業務の事情に精通しているのみでは、『将来の』経済社会から追い出されてしまうリスクがあるのだ。」とも同氏は述べる。
レポート要旨:
中国の高齢労働者は、最も自動化によってその職務を代替されるリスクが高い(高齢労働者の76%が自動化可能な業務に従事)。
カナダ(47%)とオーストラリア(42%)は、調査対象となった15の国々の中では高齢化率、代替リスクともに最低であった。両国の高齢労働者は、自動化の影響を比較的受けにくい。
シンガポール、日本、韓国、ドイツ、イタリアなど、仕事の自動化が一般的に難しいとされる高度技能を有する労働者が集中している国々でさえ、高齢労働者は職場の自動化の影響を受け、労働力の代替が職務や世代を超えて生じる。
米国では、平均して52%の高齢労働者自動化可能な仕事に就いている。
マーサーのプリンシパルで同レポートの共同執筆者であるパティ・ソンは以下のように述べている。「職場の自動化により、かつてないレベルでの生産性向上が実現されることで、企業は利益の源泉となる新規事業や若年労働者に、より集中的な投資ができるようになるだろう。しかしながら若年層の人口は世界的に縮小しており、そういった投資機会は縮小していくことも同時に想定される。このような状況であるからこそ、政府や企業は高齢労働者を蔑ろにすべきではないし、また、蔑ろにはできないはずである。デジタル戦略の拡大だけでなく、こうした高齢労働者の問題に対応していくためのプランも今後は不可欠となる。」
報告書(英文)のダウンロードはこちらから。
https://info.mercer.com/jp-2018-workforce-of-the-future-report.html
図1:高齢労働者(50〜64歳)の「職場の自動化」による代替リスク
[画像: https://prtimes.jp/i/35512/11/resize/d35512-11-793462-0.jpg ]
同レポートについて:
国連保有データを用いて、9つに分類された雇用カテゴリーのそれぞれに該当する高齢労働者数を算出。高齢労働者は「50歳から64歳の現在雇用されている労働者」とした(カナダ(45〜64歳)と米国(55〜64歳)は除く)。オックスフォード大学の研究員であるマーティン・フレリィとカール・オズボーン監修の下、9つの雇用カテゴリー毎に「自動化リスク」値をマッピングし、各国の高齢労働者が被る自動化リスクの加重平均スコアを算出。
以上
マーサーについて
マーサー (英語社名:Mercer、本社: ニューヨーク、社長兼CEO:Julio A. Portalatin) は、組織・人事、福利厚生、年金、資産運用分野におけるサービスを提供するグローバル・コンサルティング・ファームです。
全世界約23,000名のスタッフが44ヵ国、約180都市の拠点をベースに、130ヵ国以上でクライアント企業のパートナーとして多様な課題に取り組み、最適なソリューションを総合的に提供しています。
日本においては、40年の豊富な実績とグローバル・ネットワークを活かし、あらゆる業種の企業・公共団体に対するサービス提供を行っています。組織変革、人事制度構築、福利厚生・退職給付制度構築、M&Aアドバイザリー・サービス、グローバル人材マネジメント基盤構築、給与データサービス、年金数理、資産運用に関するサポートなど、「人・組織」を基盤とした幅広いコンサルティング・サービスを提供しています。
マーサーは、ニューヨーク、シカゴ、ロンドン証券取引所に上場している、マーシュ・アンド・マクレナン・カンパニーズ(証券コード: MMC)グループの一員です。 マーサーについての詳細は、以下をご参照ください:
マーサー ジャパン www.mercer.co.jp
Mercer(Global) www.mercer.com
マーシュ・アンド・マクレナン・カンパニーズについて
マーシュ・アンド・マクレナン・カンパニーズ (ニューヨーク証券取引所コード: MMC)は、グローバルプロフェッショナルサービスを提供する企業グループとして、顧客企業にリスク、戦略、人材分野の助言とソリューションを提供しています。
マーシュ・アンド・マクレナン・カンパニーズはマーシュ (保険仲介とリスクマネジメント)、ガイカーペンター (再保険仲介・コンサルティング)、マーサー (組織・人事マネジメント・コンサルティング)、そしてオリバーワイマン (戦略コンサルティング)から構成されており、年間総収入140億米ドル超、全世界に約65,000名の従業員を擁し、世界各地の顧客に分析、アドバイスを行い、各種取引を支援しています。
当グループは責任ある企業市民として事業展開しているコミュニティに貢献しています。詳しい企業情報については www.mmc.com をご覧ください。
マーシュ&マクレナン社(NYSE:MMC)のグローバル・リスクセンターがリリースした最新レポート『The Twin Threats of Aging and Automation(高齢化と自動化:2つの脅威)』によると、中国やアジア各国の高齢労働者は、職場における様々な業務プロセスが自動化されることによって、その仕事を奪われてしまう可能性が諸外国に比べて高い。高齢化と職場の自動化の双方が経済や社会に重大な影響を与えることは言うまでもないが、とりわけ50〜64歳の低熟練労働者が全労働人口に占める割合が比較的高いアジアの主要国において、その傾向が顕著である(下記、『同レポートについて』を参照)。
マーシュ&マクレナン社のグローバル・リスクセンターは、高齢化と職場の自動化が抱えるリスクの度合を測定するため、同グループのリーディング・プロフェッショナル・ファームであるマーサーとオリバー・ワイマンの2社から専門家を招き入れ、アジアや欧米の15の国々について市場データを収集・分析した(図1)。この結果、高リスクと評価された上位6カ国のうち実に5カ国はアジア太平洋地域に位置する国々(中国、ベトナム、タイ、韓国、日本)であることが明らかになった。
「今日のビジネス世界においては、インテリジェント・テクノロジーの導入競争が繰り広げられている。しかしながら、こうしたシフトチェンジは、ともすれば失業者を増加させるだけでなく、労働者の不平等感を増幅させ、セーフティーネットへの負荷を拡大し、ひいては高齢労働者にネガティブな影響をもたらす可能性がある。」と、オリバー・ワイマン社のパートナーで同レポートの共同執筆者であるアクセル・ミラーは述べている。「高齢化が進みつつある国々においては、高齢労働者は、特定の仕事に従事する意向と能力だけがあったのでは足りない。『過去の』職場や業務の事情に精通しているのみでは、『将来の』経済社会から追い出されてしまうリスクがあるのだ。」とも同氏は述べる。
レポート要旨:
中国の高齢労働者は、最も自動化によってその職務を代替されるリスクが高い(高齢労働者の76%が自動化可能な業務に従事)。
カナダ(47%)とオーストラリア(42%)は、調査対象となった15の国々の中では高齢化率、代替リスクともに最低であった。両国の高齢労働者は、自動化の影響を比較的受けにくい。
シンガポール、日本、韓国、ドイツ、イタリアなど、仕事の自動化が一般的に難しいとされる高度技能を有する労働者が集中している国々でさえ、高齢労働者は職場の自動化の影響を受け、労働力の代替が職務や世代を超えて生じる。
米国では、平均して52%の高齢労働者自動化可能な仕事に就いている。
マーサーのプリンシパルで同レポートの共同執筆者であるパティ・ソンは以下のように述べている。「職場の自動化により、かつてないレベルでの生産性向上が実現されることで、企業は利益の源泉となる新規事業や若年労働者に、より集中的な投資ができるようになるだろう。しかしながら若年層の人口は世界的に縮小しており、そういった投資機会は縮小していくことも同時に想定される。このような状況であるからこそ、政府や企業は高齢労働者を蔑ろにすべきではないし、また、蔑ろにはできないはずである。デジタル戦略の拡大だけでなく、こうした高齢労働者の問題に対応していくためのプランも今後は不可欠となる。」
報告書(英文)のダウンロードはこちらから。
https://info.mercer.com/jp-2018-workforce-of-the-future-report.html
図1:高齢労働者(50〜64歳)の「職場の自動化」による代替リスク
[画像: https://prtimes.jp/i/35512/11/resize/d35512-11-793462-0.jpg ]
同レポートについて:
国連保有データを用いて、9つに分類された雇用カテゴリーのそれぞれに該当する高齢労働者数を算出。高齢労働者は「50歳から64歳の現在雇用されている労働者」とした(カナダ(45〜64歳)と米国(55〜64歳)は除く)。オックスフォード大学の研究員であるマーティン・フレリィとカール・オズボーン監修の下、9つの雇用カテゴリー毎に「自動化リスク」値をマッピングし、各国の高齢労働者が被る自動化リスクの加重平均スコアを算出。
以上
マーサーについて
マーサー (英語社名:Mercer、本社: ニューヨーク、社長兼CEO:Julio A. Portalatin) は、組織・人事、福利厚生、年金、資産運用分野におけるサービスを提供するグローバル・コンサルティング・ファームです。
全世界約23,000名のスタッフが44ヵ国、約180都市の拠点をベースに、130ヵ国以上でクライアント企業のパートナーとして多様な課題に取り組み、最適なソリューションを総合的に提供しています。
日本においては、40年の豊富な実績とグローバル・ネットワークを活かし、あらゆる業種の企業・公共団体に対するサービス提供を行っています。組織変革、人事制度構築、福利厚生・退職給付制度構築、M&Aアドバイザリー・サービス、グローバル人材マネジメント基盤構築、給与データサービス、年金数理、資産運用に関するサポートなど、「人・組織」を基盤とした幅広いコンサルティング・サービスを提供しています。
マーサーは、ニューヨーク、シカゴ、ロンドン証券取引所に上場している、マーシュ・アンド・マクレナン・カンパニーズ(証券コード: MMC)グループの一員です。 マーサーについての詳細は、以下をご参照ください:
マーサー ジャパン www.mercer.co.jp
Mercer(Global) www.mercer.com
マーシュ・アンド・マクレナン・カンパニーズについて
マーシュ・アンド・マクレナン・カンパニーズ (ニューヨーク証券取引所コード: MMC)は、グローバルプロフェッショナルサービスを提供する企業グループとして、顧客企業にリスク、戦略、人材分野の助言とソリューションを提供しています。
マーシュ・アンド・マクレナン・カンパニーズはマーシュ (保険仲介とリスクマネジメント)、ガイカーペンター (再保険仲介・コンサルティング)、マーサー (組織・人事マネジメント・コンサルティング)、そしてオリバーワイマン (戦略コンサルティング)から構成されており、年間総収入140億米ドル超、全世界に約65,000名の従業員を擁し、世界各地の顧客に分析、アドバイスを行い、各種取引を支援しています。
当グループは責任ある企業市民として事業展開しているコミュニティに貢献しています。詳しい企業情報については www.mmc.com をご覧ください。