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研究者とシングルマザー支援NPOが共同研究。シングルマザー心と体の健康調査『ひとり親けんこう白書』が完成。半数以上が通院治療中。経済状態を問わず心身の健康のサポートの必要性を示唆。

シングルマザーの心身の健康やピアサポートの効果に関する量的・質的調査をおこない、その結果をまとめました。ひとり親支援の具体的な方法論を提案・検討する基礎資料となることを目指します。

NPO法人シングルマザーズシスターフッド(東京都国立市、代表理事:吉岡マコ)は、東北大学の佐藤絵理氏を研究代表者として、シングルマザーの心身の健康状態、セルフケアやピアサポートの効果、ニューノーマル時代の支援のあり方の可能性を調査し、その結果を『ひとり親けんこう白書』という冊子にまとめました。




NPO法人シングルマザーズシスターフッドでは「シングルマザーの心身の健康」に着目し、全国のシングルマザーを対象に、シングルマザーのセルフケア講座をはじめとしたさまざまなプログラムをオンラインで実施してきました。

■独自の調査・研究にチャレンジ
2021年10月からトヨタ財団の研究助成を受け、東北大学の佐藤絵理氏、聖カタリナ大学の鬼頭裕美氏を共同研究者として、当団体のプログラムの参加者を対象に「心身の健康についての調査」「ピアサポートの効果についての質的研究」に取り組んできました。

これまでのひとり親についての研究の論文を調べると、・精神的不調・経済的な自立の難しさ・ソーシャルサポートの不足などシングルマザーに特有の課題が指摘されています。しかし具体的な解決策にまで踏み込んだ議論が進んでいるとは言えません。こうした現状を受け、この度、研究者によるチームを組成し、シングルマザーの心身の健康に関する調査と、実施した支援策の評価を試みました。結果には、統計的な有意差が出ました。
[画像1: https://prtimes.jp/i/79266/11/resize/d79266-11-b8aeaf68998df67ee0ff-0.png ]

■調査結果を市民に届けたい〜A5版44ページの小冊子を制作〜
本調査の研究結果を「論文発表のみに留めず、広く社会に向けて発信したい!」との思いを持って、この度『ひとり親けんこう白書』という小冊子を制作いたしました。冊子はA5版44ページの読みやすいデザインで、より多くの市民に届くよう、工夫して執筆・編集いたしました。現役のシングルマザーはもちろん、全国の女性センター、都道府県の子育て支援課、シングルマザー支援団体など、支援に携わる皆さまのお手元に届くよう願っています。

[画像2: https://prtimes.jp/i/79266/11/resize/d79266-11-bb1e1cd4946e2d1c7e8a-1.png ]

『ひとり親けんこう白書』もくじ
紹介サイト
https://note.com/singlemoms/m/ma34e528ec94d

第1章
ひとり親の健康課題〜セルフケア講座参加前アンケートの分析から〜
睡眠時間と睡眠の質/就業状況と収入/利用している制度・支援/心身の不調/セルフケア習慣/社会的孤立

第2章
心身のケアの実践〜シングルマザーのセルフケア講座〜
自宅からオンラインで30分/全国のシングルマザーとセルフケア/セルフケア講座の内容と目的/セルフケア講座がもたらす心身の変化/参加者の声【体と心への気づき 】【体と心への効果】【セルフケアの習慣】/自分自身への思いやり、幸福度の変化/アドバンスプログラムの効果/参加者の声【自分を大切にできる実感】【孤独感の払拭】【幸福感】/心とからだのつながり〜トラウマとセルフケア〜/コラム「セルフケアとわたし」by nozomi

第3章
つながりとピアサポート
回復に至るまでの4つのステップ/ピアサポートとは対等な関係の助け合い/グループリフレクションの効果/グループリフレクション参加者の声【ふりかえる効果】【日常にメリハリがつく】【自己成長の実感】【ビジネススキルの向上】/ピアサポートの本質/グラウンドルールの共有/コラム/「仲間とともに歩んでいく」by かたつむり

第4章
「セルフケア」から「学び」「貢献」のサイクルへ
「今がよくなる」「未来がよくなる」から「社会がよくなる」へ/コミュニティへの貢献/恩返しの気持ちを形にする喜び/安心できるコミュニティで自分のできることをする/支援活動の現場で貢献の機会をつくる/職場と家庭以外の第3の場を持つ効果/コラム「役割という服を脱いで」by 檸檬

『ひとり親けんこう白書』を通して描く未来 
あとがきと謝辞
制作メンバー紹介
奥付

[画像3: https://prtimes.jp/i/79266/11/resize/d79266-11-e7a459109f0424c227b8-2.png ]

■半数以上が通院治療中
本調査で、多くのシングルマザーが心身の不調を抱えていることが分かりました。通院治療中の人は52.2%と半数以上。通院中の診療科は精神科・心療内科が31.9%とダントツに多く、整形外科(13.0%)や内科(同)が続きます。さまざまな心身の不調が、日常生活や子どもとの関係に少なからず影響しているものと推測されます。自由記述では、メンタルヘルスに関する内容が多く見られました。(『ひとり親けんこう白書』p11より)

[画像4: https://prtimes.jp/i/79266/11/resize/d79266-11-5969984292b90ca68d09-5.png ]

■問題を「貧困」のみに集約しないことの重要
調査を担当した聖カタリナ大学の鬼頭裕美氏は「問題を「貧困」のみに集約しないことの重要性」を指摘しています。「行政のひとり親家庭支援は,就労支援が中心で、その他の給付や事業は多くが所得制限つきです。ひとり親の問題を「貧困」に集約してしまうと、その他のひとり親の困難を見過ごす可能性があります。すべてのひとり親が心身共に健やかな状態でいることは、「貧困」を予防します。また,子どもと良い関係を構築するうえでも重要です。」(『ひとり親けんこう白書』p8より)

■心身の健康について予防的なサポートを
これだけ重要なものでありながら、ひとり親の健康については、予防的なサポートはありません。行政のひとり親支援策の4本柱(1.子育て・生活支援 2.就業支援 3.養育費確保支援 4.経済的支援)にも、身体的・精神的なケアは含まれておらず、つまり「自己責任」とされており、心身の状態が悪化した場合のケアは、医療に委ねられています。そうなる前に、心身の健康をよくするための予防的なケアを支援する取り組みがもっと評価され、もっと増えても良いのではないか?と私たちは考えています

■ひとり親支援の更なる充実のための基礎資料に
シングルマザーの心身の健康の課題と、その解決策の実践の事例を示したこの『ひとり親けんこう白書』が、ひとり親支援の更なる充実のための基礎資料となることを願っています。中学、高校、大学など教育現場での活用、ひとり親支援団体、保健師や助産師など母子保健に関わる専門家による勉強会などでの活用も歓迎いたします。

■全国の都道府県へ配布します
全都道府県の子育て支援課や女性センター、シングルマザー支援団体への配布を予定しています。ひとり親支援に携わる方やシングルマザーに接する機会がある方、フードパントリーや相談窓口で配布できるなどの機会があれば、必要部数を無料でお送りしますので以下のフォームよりご申請ください。
https://forms.gle/2AgX3Mj9A2ZMWx1L8

■完成記念イベント
『ひとり親けんこう白書』 完成報告ライブ配信をします。
2023年9月27日(水)12:00-13:00
使い慣れたプラットフォームでご視聴ください。
Youtube
https://youtube.com/live/lccvP8vB-V4
facebook Live
https://fb.me/e/wCPWaNlGe
Twitter
https://twitter.com/sisterhood2020/status/1696730901210861723
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