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愛知文教大学 2010年度公開講座のご案内 『大論争』を共通テーマに公開講座を実施

〜就職活動・Google・邪馬台国など メディアも注目する話題をわかりやすく解明〜
愛知文教大学(所在地:愛知県小牧市、学長:増田孝)は、大学での教育および研究の成果を広く社会に開放し、地域の教養・文化の向上に資することを目的に、定期的に公開講座を開催しております。  2010年度は『大論争』を共通テーマとして掲げ、様々な分野で取り沙汰されている世の中の論争を取り上げ、その実態に迫ります。企業戦略から古代史、子供の学力など多岐に亘る分野を取り上げ、対立する意見の正誤、論争の現状・背景、そこに隠された巧妙なウソなど、論争の真相に迫る講座を毎月開催します※。今年度の『大論争』講座は、計10名の教員によって行なわれ、それぞれの論争についてわかりやすく解き明かします。
※8月と3月を除く、毎月の開催(計10回)
各講座のテーマは、いずれも今日関心をもたれている問題を取り上げ、年齢・性別にとらわれることなく参加していただけるよう設定しています。皆様のご参加を心よりお待ちしています。

【2010年度 公開講座予定】
■2010年
4月16日(木):芭蕉自筆本「奥の細道」の真贋論争
5月20日(木):鉄道の停車駅論争 〜優等列車の停車駅はどう決まるべきか〜
6月17日(木):帝王と歌聖 〜後鳥羽院と定家の対立〜
7月15日(木):若者の就業意欲は本当に低下したのか
9月 9日 (木):邪馬台国論争
10月21日(木):ネット検索 GoogleとYahoo!の争い
11月18日(木):義経の逆落とし論争 〜平家物語と歴史資料〜
12月 9日(木):「第九は本当に傑作か」論争
■2011年
1月13日(木):学力低下論争 〜学力は低下したか。ゆとり教育が原因か〜
2月17日(木):「家庭の幸福は諸悪の根源」論争 〜太宰治と志賀直哉をめぐって〜

【公開講座 開催概要】
■時間:15:00〜16:20
■会場:愛知文教大学 国際交流会館
■参加費:無料(事前申込不要)
■定員:180名(当日先着)
■お問合せ先:愛知文教大学事務局(TEL:0120-78-2280)

【愛知文教大学データ】
■学部:人文学部人文学科(外国語専攻/日本文化専攻)
■大学院:国際文化研究科(博士前期・後期課程)
■学長:増田 孝
■設立:1998年
■所在地:愛知県小牧市大草年上坂5969-3
■学生数:約360名(外国人留学生の数:150)

【公開講座 講座概要】
4月15日(木) 増田 孝  芭蕉自筆本「奥の細道」の真贋論争
元禄2年(1689)、芭蕉は弟子の曾良を伴って東北・北陸をめぐる旅に出た。およそ半年をかけたこの旅の紀行文が、「月日は百代の過客にして…」とはじまる「奥の細道」である。これはおそらく、芭蕉の作品の中で最も有名なものであろう。
1996年、この「奥の細道」の芭蕉自筆本が「新発見」された。これが本当なら国宝級の文化財である。しかしその自筆という根拠は疑わしい。しかもこの本は、「新発見」される前から存在が知られていたのである。

5月20日(木) 小林正樹  鉄道の停車駅論争 -優等列車の停車駅はどう決まるべきか?-
鉄道に乗ると、普通列車だけでなく途中の駅に止まらない列車がある。我々はこれを当たり前のように感じているが、乗降客数が少ないのに停車する場合や逆に利用者が多いのに普通しか止まらない駅もある。こういった駅の選定はどのようになっているのだろうか。政治面の理由も大きいが今回は別として、その停車駅の決定方法を理論的に考えてみたい。さらに進んで日本独特の多様な列車種別についても触れてみる。

6月17日(木) 黒田彰子  帝王と歌聖 -後鳥羽院と定家の対立-
王朝文化の最後の輝きといってよい新古今和歌集。その輝きは殆ど異様とも言える程の言葉の錬磨に支えられている。言語の機能を最大限まで引き出し、それを表現化する技法は、「心と言葉」を表現の両翼としてきた和歌をどのように変質させたのか。定家と後鳥羽院の対立は、ここに根本的な原因がある。承久の乱に破れ、すべてを失った後鳥羽院が隠岐で綴った『後鳥羽院口伝』には、政治的対立などを相対化する、二人の文学的な対立が鮮やかに書き留められている。帝王と歌聖、ついに現世で和解することのなかった二人の足跡をたどりたい。

7月15日(木) 福井庸子  若者の就業意欲は本当に低下したのか -経済界と教育界のキャリア教育論争-
ニート・フリーターの増加、新卒者の3年就業継続率の低下など、近年、若者の就労観
が話題となることが少なくない。果たして、こうした現象の要因は若者の就業意欲、忍耐力の低下にあるのだろうか。この講義では約1500名の学生調査の結果から学生が直面している不安や課題を明らかにする。若者に必要な支援は何か、経済界・教育界が求める人材像を整理しながら、改めて考えみたい。

9月 9日(木) 榎 英一  邪馬台国論争
邪馬台国はどこにあるのか。その所在地の比定地は百ケ所を越えているらしい。九州か近畿かどころではない。沖縄、四国から韓国、ジャワ、スマトラ、フイリピンからエジプト説まであるという。いっぽう、「邪馬台国」は無かった。あったのは「邪馬壱国」だ、という説もある。そもそもなぜ邪馬台国が問題になるのか。なぜ「大論争」になったのかを遡って考えよう。実はもっと遡る必要がある。なぜ「魏志倭人伝」に邪馬台国が書かれているのか。おおもとに戻って明らかにしたい。

10月21日(木) 早川 渡  ネット検索 -GoogleとYahoo!の争い-
ネット検索、つまりインターネットのホームページを検索するサービスは、いろいろな国、地域、言語などに対応したものがたくさん存在する。また、コンピュータや情報機器などによる違いでも、たくさん存在する。しかしそれらの中で、必ず名前が出てくるのが、GoogleとYahoo!である。現在、この二つの企業は、いろいろな形で、競争を行っている。その競争の内容について、比較していくこととする。

11月18日(木) 岡田美穂  義経の逆落とし論争 -平家物語と歴史資料-
1183年、一の谷、生田の森に構えられた平家の陣は、前面を海、背後を険しい山々に囲まれて、難攻不落に思われた。平家物語によれば、この背後の谷を鹿が下るのを見た源義経は自らの部隊を突撃させ、見事に背後からの奇襲作戦で勝利をおさめたとされる。俗に「鵯越の逆落とし」といわれるこの逸話は、進軍ルートや突撃場所をめぐって長く論争が繰り広げられた。なぜ論争が起きたのか、原因を探り、経過をたどるとともに、物語と歴史の運命的な関係についてふれたい。

12月 9日(木) 江口直光  「第九は本当に傑作か」論争
年末になると、日本全国でベートーヴェンの《第九交響曲》が鳴り響く。しかし初演当時は、理解不能な作品というのがこの作品の一般的な評価だった。確かに、第4楽章に至って唐突に声楽が導入されるこの作品を異形の交響曲とする見方も、あながち誤りとは言えないだろう。《第九》は本当に傑作なのか、傑作であるとすれば、どのような点からそう言えるのか、探ってみたい。

1月13日(木) 古市将樹  学力低下論争 -学力は低下したか。ゆとり教育が原因か-
「学力低下」がマスコミで報道されるようになってから久しい。特に、いわゆる「ゆとり教育」の実施と相まって、学力低下はゆとり教育に原因があるという意見がある。それに対して、両者の因果関係は定かではない、あるいは、なにをもって学力低下といえるのか、という意見がある。本講座では、様々な要素や背景(時には思惑も)が錯綜しながらここまできている学力低下論争を振り返り、整理して、これがどのような論争で、どのような意味や問題があるのかを考察する。

2月17日(木) 青木京子  「家庭の幸福は諸悪の根源」論争 -太宰治と志賀直哉をめぐって-
太宰治と志賀直哉はどのような関係だったのか。太宰治「家庭の幸福」には、ラジオの街頭録音で、「ヘラヘラ笑い」する官僚や、〈幸福〉そうな役人の〈家庭〉に何度も激怒する主人公像が見られる。主人公の名前は「かりに」との曰く付きで「津島修治」が用いられ、「家庭の幸福は諸悪の本」という不思議な言葉で締め括られる。なぜ、〈家庭〉が〈幸福〉だったらいけないのか。これらの謎を、エッセイ「如是我聞」と比較することにより、解き明かしていきたい。

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