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国会の裁量労働関連データ問題など何かと話題の「働き方改革」。マーケティング実務家はどう実感しているのか? 65%が取組み、取組み予定を入れると3/4を超える一方、成果については半数以上が疑問視!!

約8割の実務家が自身の改革を必要と感じ、改革への期待は大きいが単なる残業時間削減やコスト削減では定着しないという指摘に注目!

今国会の争点の一つで、最近さまざまなところで取り上げられている「働き方改革」。企業の中での取り組みはどの程度進んでいるのか? 本当に有効か? 単なるブームでなく、仕組みとして定着するのか? そのために何が必要なのか?働く現場のマーケティング実務家の実感をご紹介します。






 マーケティングの実務家による国際組織=MCEI*(Marketing Communications Executives International)の東京支部(NPO:特定非営利活動法人、東京都千代田区麹町3-10-6 理事長・広浦康勝)は、MCEI東京・大阪支部の会員を対象に、「マーケティング実務家による『働き方改革』実感アンケート」を実施。170名の回答を得て、その集計結果をまとめました。

【要約】 今、マーケティング実務家は「働き方改革」を、どう実感しているのか?

●「働き方改革」に取り組んでいる(65.3%)・取り組む予定(9.7%)の企業は全体の3/4を占めており、重要なテーマとして捉えられている様子が窺える。現状では取組みの目的は「長時間労働の是正」がダントツの1位(MA:78%)。その一方、上手くいくと感じている人は少なく(自社28%、他社26.1%)、どちらとも言えないという回答が過半数(自社51%、他社62.5%)を占めている。

●回答者自身の働き方については、昔に比べると残業時間は減ってきているようであるが、まだまだ改革が必要と感じており(78%)、改革すべき項目としては「会議のやり方」(46%)や「業務改善・効率化」(44%)がトップ2となっている。

●長期的に見れば「働き方改革」が浸透し、市場としても期待できる領域であると考えている人が多く(65%)、「働き方改革」に対する期待は大きそうである。これは、(1)グローバルな競争力の強化の観点から必須であるとともに、(2)少子高齢化による労働力不足や(3)若者の意識の変化から取り組まざるを得ないテーマとなっていることが理由として挙げられている。また、国や政府が積極的に後押ししている点もポイントである。

●多くのコメントが寄せられたフリーアンサーでは、「働き方改革」がブームではなく、本格的に浸透・拡大していくためには、単なる残業時間削減やコスト削減に留まらず、新しい価値を生み出していくことが必要だと提言されている。

MCEI東京としても、活動方針として「価値協創」を掲げており、それらの取り組みの中で、「働き方改革」が本当に有意義なテーマとなるよう継続して注目していきたい。
質問項目別の要約は下記の通り。

◆働き方改革への取り組み状況
[画像1: https://prtimes.jp/i/265/14/resize/d265-14-440822-3.jpg ]

「実施している」が65.3%、「実施予定」も含めると75%で3/4の企業が既に取り組もうとしており、重要テーマとして捉えられていることが分かる。
取り組み内容としては、「長時間労働の是正」が圧倒的に1位となっているが、単に「労働時間を短くしろ」というだけでは本質的な解決にはならない。
ダイバーシティやワークスタイルの多様化とも組み合わせた取り組みが求められる。


・働き方改革が上手くいくと感じているか
[画像2: https://prtimes.jp/i/265/14/resize/d265-14-471082-1.jpg ]

「感じている」と答えた人は約1/4で、「どちらともいえない」が過半数を占めている。各社ともまだ緒に付いたばかりで、手探り状態というところか。


◆自分自身の働き方について
[画像3: https://prtimes.jp/i/265/14/resize/d265-14-516010-0.jpg ]

・月当たりの平均残業時間
意外にも「20時間以下」が39.4%でトップ、続いて「20〜40時間」が37.1%となっている。過去の最高残業時間を尋ねた設問への回答数は少なかったが、100〜180時間も多く見られることからすると、昔に比べると残業時間は短くなりブラック企業は少なくなってきているということか。


・自分の仕事のやり方について働き方改革が必要と感じているか
[画像4: https://prtimes.jp/i/265/14/resize/d265-14-370792-4.jpg ]

「必要だと思う」人が、77%と3/4以上を占めている。特に「会議」や「資料作成」には改善・効率化の余地がありそうという回答となっており、以前ほどは残業しなくなったようだが、改革の必要性は自分事として感じている模様。


◆働き方改革というキーワードを自社ビジネスの商材・広告PRに活用しているか
[画像5: https://prtimes.jp/i/265/14/resize/d265-14-606386-5.jpg ]

79%が「活用していない」と回答。単なる「自社PRネタ」ではなく、まずは自社の中でしっかり取り組んでから、ということか。


◆働き方改革がビジネステーマ・市場として成長していくか
[画像6: https://prtimes.jp/i/265/14/resize/d265-14-142922-2.jpg ]

「長期的に浸透・市場化していく」が最も多く65.7%もあり、働き方改革への期待は大きそう。
その理由としては、
・改革しないと日本の経済が成り立たない
・ほとんどの会社が課題に感じており、非効率な働き方を続けていても世界で戦えない
・労働力が減少するなかで避けられないテーマ/人材不足が深刻になるため
・高齢化、人口減少など不可避の社会状況になると考えられるから
・昔のモーレツな働き方から、ワークライフバランスを重視する働き方へ、若者中心にシフトしていると感じているから
・生活の質を高める意識の高まりとIT化の進行によって変化の空気が定着しつつある
・今の10〜20代層が就職する頃に今の働き方はまったく支持されないと思うので
・国が本気なので。税負担とGDPの問題からまったなし
・政府の働きかけがあり、社員や社会の意識も変わりつつあるため

など、グローバルな競争力の強化の観点から必須であるとともに、少子高齢化による労働力不足や若者の意識の変化から取り組まざるを得ないテーマとなっていることが伺える。また、国や政府が積極的に後押ししていることも大きなポイントと指摘されている。

◆「働き方改革」やそのムーブメントについて感じること(自由回答)
・社外への価値提供につなげる成長戦略にできるかどうか
・AI、シェアリング、法改正などが複合的に絡み合って生き方、働き方の拡大が可能になる
・ビジネスチャンスは多々あるが、1社のソリューションでは成就できない
・単なるコスト削減ではなく、価値創造とリンクする活動にすべき

など、「働き方改革」がブームではなく、本格的に浸透・拡大していくためには、単なる残業時間削減やコスト削減ではなく、新しい価値を生み出していくことが必要との提言が多い。そのためには、複合的・多面的な取り組みや複数の企業・業種が連携して新たなソリューションを創っていくことがポイントになるという意見が出されている。MCEI東京としても、活動方針として「価値協創」を掲げており、それらの取り組みの中で、「働き方改革」が本当に有意義なテーマとなるよう継続して注目していきたい。

◆専門家からのコメント
コクヨ株式会社 ファニチャー事業本部 スペースソリューション事業部 働き方改革コンサルタント 
坂本崇博氏

 従来よりも多くの企業・組織が、「働き方改革」というキーワードに敏感になり、何らかの必要性を感じているようです。1つの要因は、政府・社会からの要請(長時間労働の抑制を中心に)があります。しかしより大きな要因としては、企業を取り巻く環境変化(少子高齢化・グローバル競争激化・技術の飛躍的進化)に適応して持続的に成長するためには、経営者・労働者の時間の使わせ方(シクミ)や時間の使い方(シカタ)の変革が不可欠になってきたからだと考えます。経営層がここに気づき、一過性かつ残業時間だけ着目した表層的な取り組みで終わらせることなく、本質的な改革が進められるかが、企業成長もしくは日本成長の鍵となると言っても過言ではないでしょう。
 とくにアンケートでは、働き方改革の取組みとして、会議・資料のやり方の見直しを求める声が多数を占めています。私自身、多くの企業における会議・資料を観て・診てきましたが、日本企業の会議は、多い・長い・決めない・資料と報告ばかりなど、問題山積みであると感じています。
 ただし、だからと言って会議・資料を減らしましょうという掛け声だけでは、本質的な課題解決とは言えません。それでは、とりあえず働き方改革PJや働き方改革推進室を作って、「残業を減らしましょう」と社内にポスターを貼ったり、掲示板に載せたり、残業パトロールをやっているような表層的な働き方改革活動と変わりありません。
 会議や資料の本質的な課題は、「権限委譲のなさ(上も委譲し切れず、下も自律的に動こうとしない、両面の課題)」と「なんでも会議で進めようとする和的な考え方・習慣」や、「細かな表現・文字1つ1つまでこだわり過ぎて、“すべて資料(文書)で伝えようとする文化”」ではないかと思います。
 「とにかく減らせ・帰れ」ではなく、こうした課題を直視して、「いかにして、会議・資料づくりをしなくてもすばやく意思決定ができて、着実に組織が運営できるか」を経営と現場が一丸となって考え、試行錯誤することが不可欠です。まさに、生産時間短縮ではなく、生産性改革です。
 アンケートでも、働き方改革推進には、根性論だけでなくツールの抜本的見直しや制度改革が不可欠であるという意見が挙げられている通り、こうした仕組み(型)やインフラ・ツール(場)の見直しを進めていくべきだと思います。また、並行して、1人1人の意識や行動スタイル(技)の改革も重要で、時間を生み出しても「やることがなくて時間を潰す」という状況にならないよう、長期的なキャリア意識や、多様な視点・個性を養い、仕事も私事も進化させようという行動変容が求められます。つまり、今、企業も個々人も働き方改革を進める上で、型・場・技の面でなんらかの不足があるわけです。ここに、ビジネスチャンスがあると考えます。単に仕事のスピードを高めるシステムやツールだけでなく、意思決定プロセスの見直しや、染みついた文化・習慣を変えるための仕掛け、1人1人の意識行動変容につながる後押し、生み出した時間の使い方の提案など、企業のあり方、個人の生き方をイノベーションするためのソリューションが、今後の日本社会で、1つの市場になっていくのではないかと思っています。

本プレスリリースに関する資料はこちらからダウンロードできます。
【リリース本文】https://prtimes.jp/a/?f=d265-20180219-3181.pdf
【全データ結果】https://prtimes.jp/a/?f=d265-14-pdf-1.pdf
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