AR技術を応用した外装タイルおよびコンクリートの簡易打音検査アプリを公開
[18/03/28]
提供元:PRTIMES
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三重大学とジョーカーピース株式会社で共同研究開発を実施
三重大学大学院工学研究科(准教授:三島直生)とジョーカーピース株式会社(本社:大阪府大阪市、代表取締役:住田賢司)は、2017年度にAR技術を応用した外装タイルおよびコンクリートの内部欠陥の簡易打音検査システムの開発に関する共同研究を実施しました。その成果の一部として開発されたiPhone用アプリを新たに公開いたしましたのでご報告いたします。
高度経済成長期以降に建設された建築・土木構造物の経年劣化の進行と、将来的な人口減少および経済的な低成長予測などを背景とする既存構造物の使用期間の延長により、既存構造物の維持管理の重要性が益々増大しています。構造物の維持管理において最も重要なことの 1 つは、劣化や欠陥を早期に、かつ見落とすこと無く発見することです。これは、劣化が進行する前に対処することで補修・改修コストを圧縮できるだけでなく、劣化により発生する事故等を未然に防ぐという重要な役割もあります。
このような視点で劣化診断や健全度の評価をとらえると、検査の質のさらなる向上も重要ですが、検査の頻度を上げることが、特に劣化の早期発見においては成果に直結すると考えられます。
これまでにも、鉄筋コンクリート構造物の劣化および欠陥の診断技術に関する研究は数多く行われてきていますが、想定される劣化現象に対しては、適切な診断方法の選択により劣化の検出は可能となっています。
しかし一方で、劣化診断や健全度の評価は構造物全体が対象となり、この場合の調査費用は一般に高額となります。また、その予算が確保できなければ検査の頻度は下がることになり、劣化や欠陥が放置される期間が長くなることが予測されます。
既存構造物の中でも劣化の進行が問題となる、年代の比較的古いものでは、建設時に充分な維持管理コストまでを見込んだ収支計画が立てられているものは多くは無く、今後はこの維持管理コストの中でも、特に診断コストの圧縮が、経済的にも住環境の安全確保の面でも重要な研究テーマとなってきます。
[画像: https://prtimes.jp/i/16268/14/resize/d16268-14-630344-0.jpg ]
外装タイルおよびコンクリートの打音検査の効率化等に関しては、過去に多くの研究事例が報告されており、三重大学大学院工学研究科(三島研究室)においても、2017年度までに、打音結果を時間周波数分析(TFFT)により画像化することで、欠陥の検出および検査時間の短縮に効果があるとの研究結果を得ていました1)。
しかし、TFFT 画像によって検出された欠陥位置が、実構造物のどの位置に当たるかといった、詳細な位置関係を特定する方法に関しては知見が無く、実用化に向けて解決すべき問題の 1 つとして残されていました。
この問題に対して、当社の持つスマートフォン用アプリの開発技術を適用し、また新たに AR(Augmented Reality・拡張現実)技術を導入することで、時間周波数分析画像を効率的に実構造物と関連付けて表示させるシステム(アプリ)を実現しました2)。現状のアプリは未だ機能的な制約が多くあるものの、打音検査および診断に対して新たな方向性を示すとともに、作業効率を飛躍的に改善するものです。また、対象は外装タイルおよびコンクリートとしていますが、金属材料やその他の環境測定にも応用は可能と考えられます。
今後も継続して研究開発を進めることで、より高性能・高機能なアプリへとバージョンアップしていく予定ですので、ご期待ください。
【参考文献】
1) 三島直生,畑中重光,寺島貴根,中島圭二:擦過音および表面温度計測による外装タイルの簡易な剥離検知手法に関する基礎的研究,コンクリート工学年次論文集,Vol.38,No.1,pp.2091-2096,2016.7
2) 三島直生,住田賢司,藤原聖史,中山研人:AR技術を応用した外装タイルおよびコンクリートの内部欠陥の打音検査システムの開発研究,コンクリート工学年次論文集,Vol.40,2018.7(投稿中)
■使用方法の動画
https://youtu.be/SAqtrOmZENI
■アプリ概要
◇アプリ名称: AR打音検査アプリ
◇提供開始日: 2018年3月28日
◇アプリ費用: 480円
◇アプリURL: iOS版 https://apple.co/2GrUbq8
【会社概要】
◇会社名: ジョーカーピース株式会社
◇代表取締役: 住田 賢司
◇本社: 大阪府大阪市中央区城見2-1-61 ツイン21MIDタワー37F
◇設立: 2003年7月
◇資本金: 3,000万
◇事業内容: ・ソフトウェア開発事業
iOS/Androidアプリ開発、Webシステム、各種業務システムの設計・開発
・インターネット関連事業
CGMソリューションの開発、インターネット及びメディアの運営
◇URL: https://www.jokerpiece.co.jp/
三重大学大学院工学研究科(准教授:三島直生)とジョーカーピース株式会社(本社:大阪府大阪市、代表取締役:住田賢司)は、2017年度にAR技術を応用した外装タイルおよびコンクリートの内部欠陥の簡易打音検査システムの開発に関する共同研究を実施しました。その成果の一部として開発されたiPhone用アプリを新たに公開いたしましたのでご報告いたします。
高度経済成長期以降に建設された建築・土木構造物の経年劣化の進行と、将来的な人口減少および経済的な低成長予測などを背景とする既存構造物の使用期間の延長により、既存構造物の維持管理の重要性が益々増大しています。構造物の維持管理において最も重要なことの 1 つは、劣化や欠陥を早期に、かつ見落とすこと無く発見することです。これは、劣化が進行する前に対処することで補修・改修コストを圧縮できるだけでなく、劣化により発生する事故等を未然に防ぐという重要な役割もあります。
このような視点で劣化診断や健全度の評価をとらえると、検査の質のさらなる向上も重要ですが、検査の頻度を上げることが、特に劣化の早期発見においては成果に直結すると考えられます。
これまでにも、鉄筋コンクリート構造物の劣化および欠陥の診断技術に関する研究は数多く行われてきていますが、想定される劣化現象に対しては、適切な診断方法の選択により劣化の検出は可能となっています。
しかし一方で、劣化診断や健全度の評価は構造物全体が対象となり、この場合の調査費用は一般に高額となります。また、その予算が確保できなければ検査の頻度は下がることになり、劣化や欠陥が放置される期間が長くなることが予測されます。
既存構造物の中でも劣化の進行が問題となる、年代の比較的古いものでは、建設時に充分な維持管理コストまでを見込んだ収支計画が立てられているものは多くは無く、今後はこの維持管理コストの中でも、特に診断コストの圧縮が、経済的にも住環境の安全確保の面でも重要な研究テーマとなってきます。
[画像: https://prtimes.jp/i/16268/14/resize/d16268-14-630344-0.jpg ]
外装タイルおよびコンクリートの打音検査の効率化等に関しては、過去に多くの研究事例が報告されており、三重大学大学院工学研究科(三島研究室)においても、2017年度までに、打音結果を時間周波数分析(TFFT)により画像化することで、欠陥の検出および検査時間の短縮に効果があるとの研究結果を得ていました1)。
しかし、TFFT 画像によって検出された欠陥位置が、実構造物のどの位置に当たるかといった、詳細な位置関係を特定する方法に関しては知見が無く、実用化に向けて解決すべき問題の 1 つとして残されていました。
この問題に対して、当社の持つスマートフォン用アプリの開発技術を適用し、また新たに AR(Augmented Reality・拡張現実)技術を導入することで、時間周波数分析画像を効率的に実構造物と関連付けて表示させるシステム(アプリ)を実現しました2)。現状のアプリは未だ機能的な制約が多くあるものの、打音検査および診断に対して新たな方向性を示すとともに、作業効率を飛躍的に改善するものです。また、対象は外装タイルおよびコンクリートとしていますが、金属材料やその他の環境測定にも応用は可能と考えられます。
今後も継続して研究開発を進めることで、より高性能・高機能なアプリへとバージョンアップしていく予定ですので、ご期待ください。
【参考文献】
1) 三島直生,畑中重光,寺島貴根,中島圭二:擦過音および表面温度計測による外装タイルの簡易な剥離検知手法に関する基礎的研究,コンクリート工学年次論文集,Vol.38,No.1,pp.2091-2096,2016.7
2) 三島直生,住田賢司,藤原聖史,中山研人:AR技術を応用した外装タイルおよびコンクリートの内部欠陥の打音検査システムの開発研究,コンクリート工学年次論文集,Vol.40,2018.7(投稿中)
■使用方法の動画
https://youtu.be/SAqtrOmZENI
■アプリ概要
◇アプリ名称: AR打音検査アプリ
◇提供開始日: 2018年3月28日
◇アプリ費用: 480円
◇アプリURL: iOS版 https://apple.co/2GrUbq8
【会社概要】
◇会社名: ジョーカーピース株式会社
◇代表取締役: 住田 賢司
◇本社: 大阪府大阪市中央区城見2-1-61 ツイン21MIDタワー37F
◇設立: 2003年7月
◇資本金: 3,000万
◇事業内容: ・ソフトウェア開発事業
iOS/Androidアプリ開発、Webシステム、各種業務システムの設計・開発
・インターネット関連事業
CGMソリューションの開発、インターネット及びメディアの運営
◇URL: https://www.jokerpiece.co.jp/