【WINE TRADE MONITOR 2018】世界のワイン市場トレンド分析と展望を発表
[18/10/09]
提供元:PRTIMES
提供元:PRTIMES
主要6市場(米国、日本、中国、香港、ベルギー、カナダ)をターゲットとしたSopexa独自のワイントレード全体の見通し
Sopexaは、世界のワイン市場 において重要となるさまざまな動向調査を中心とした「ワイントレードモニター」と呼ばれるグローバルリサーチを行っており、この度 2018年の調査結果を発表しました。本年の調査では、スティルワインだけでなく、初の試みとしてスパークリングワインにも焦点を当てた調査結果の公表も行いました。
[画像1: https://prtimes.jp/i/24312/14/resize/d24312-14-788473-0.png ]
主要6市場(ベルギー、カナダ、米国、日本、中国、香港)のインポーター、卸売業者、小売業者を含む781の専門家を調査対象とし、今後2年間の市場展開およびトレンド予測の主要ポイントを以下に示します。
1.人気ワインと生産国
回答から明らかとなったのは、調査を行ったいずれの国も平均して8生産国のワインを販売しているという結果であり、ワインというカテゴリーには依然として大きな成長余地があることが分かります。この平均値は、世界規模で見ると、多くの場合、生産地によって数字にそれほど大きな差は見られないことを示しているとも言えます。
Key finding 1:根強い人気のフランスワイン!
ワインカテゴリーでは、今回の調査でも、回答者の92%が最も人気のあるワイン生産国としてフランスを挙げています。フランスに続き、76%がイタリア、さらに71%がスペインと回答しています。
こうした生産国に挑み続けるチリ、オーストラリア、米国といったニューワールド代表格の「チャレンジャー」国は、近年ますますその存在感を増しており、現在45〜56%の業者がこれらの国々のワインの人気を挙げています。
Key finding 2:中国および香港の動向をクローズアップ
中国では、ワインの取扱商品が大幅に減少している傾向にありますが(平均4.8生産国のワインを販売)、取扱量はフランスワインが第1位、続いてオーストラリアワインが第2位と良好な売り上げを確保しており、さらにイタリアが第3位、チリが第4位と続きます。
これに対し、香港のワイン市場は、本年の調査によって、平均7.4生産国のワインの取り扱いがあり、中国に比べ、よりオープンな競争環境となっていることが分かりました。この結果はいわゆる 「チャレンジャー」国の著しい成長を反映しています。
[画像2: https://prtimes.jp/i/24312/14/resize/d24312-14-402267-1.jpg ]
2.今後の売上推移
Key finding 1:高まるイタリアワイン人気
調査対象者の41%が、今後2年間でイタリアワインの売上が伸び、世界トップレベルの売上高を誇る国々と肩を並べる人気ワインになるとの見解を示しました。
イタリアワインの人気が最も高いのはカナダで、専門家の約67%が、2017年、同国の売上高ランキングでイタリアワインがトップ3入りしたと回答しました。また、今後2年の動向予測では、56%の専門家が、イタリアワインの売り上げは大幅に伸び、他国のワインと比較してもトップクラスの伸び率になると見込んでいます。
本調査によると、イタリアワインは中国においてますますその知名度が増しており、調査対象者の43%が、2017年、同国の売上高ランキングでイタリアワインがトップ3にランクインしたと回答しました。このことから、中国では近年イタリアワインの人気に拍車がかかってきたと考えられます。その理由として、回答者の42%が今後2年間にわたり売上増加が見込まれる上位3生産国にイタリアが名を連ねる と指摘していることが挙げられます。
[画像3: https://prtimes.jp/i/24312/14/resize/d24312-14-659942-2.jpg ]
Barolo(バローロ)、Barbaresco(バルバレスコ)、Alba Langhe(アルバ周辺ランゲ)等の産地、Dogliani Consortium(ドリアーニ・コンソーシアム)で生産されるワインのディレクター、Andrea Ferrero(アンドレア・フェレロ)氏は以下のように述べています。
「中国やカナダで、イタリアワインが他国のワインを押さえ、人気を博している要因としては主に以下の3点が挙げられると考えています。まず一つ目は、イタリアは地域による多様性に優れていることから、「生物多様性」とも言えるほど極めて多種多様なブドウ品種を有するという点です。古くから栽培され、受け継がれてきた土着品種のバリエーションは実に豊富で、こうした特徴によりヨーロッパ以外の国々でイタリアワインへの関心がますます高まっていることは明らかです。2点目は、その優れたコスト・パフォーマンスです。個人的には、厳密に管理が行われ高品質を誇るイタリアのさまざまな原産地呼称ワインが、他国のワインに比べ、購入し易い価格で販売されているのが強みで、好調に売り上げを伸ばしている主な理由の一つであると思います。さらに3点目として、イタリアワインの生産者たちが世界各国に足を運び、ワインの輸出拡大に奔走してイタリアワインの知名度を高めるべくひときわ尽力した成果が表れ、またその取り組みの中で生産者たちの専門的な知識や技術が広く受け入れられたことも強みとなっていると思います。」
Key finding 2:スペインワインの売り上げは堅調な伸び
回答者の39% が、売上高トップクラスのワインの一つとしてスペインワインを挙げています。
スペインワインは日本での売上を著しく伸ばしています。専門家の48%が示した見解によると、2017年、日本ではチリワインの販売量が落ち込み、売上高ランキング第4位に転落したことも大きな要因となり、スペインワインがトップランクの売上高を記録した商品の一つとなりました。スペインワインについては今後の見通しも明るく、専門家の30%が、この先2年にわたり、スペインワインが売上高トップ3に入ると予測しています。
カナダおよび米国でも同様に、専門家の48%が今後2年間にわたるスペインワインの販売は好調との展望を示しています。
Key finding 3:常にワイン生産国として首位を堅持し続けるフランスだが、市場によってはその勢いに陰りの兆しも
2017年の全世界のワイン売上を見ると、ワイントレードの82%においてフランスはトップに立ち、他ワイン生産国を大きくリードしています。 また業者2社のうち1社の割合で、2018〜2019年の売上予測に関して同様の見解を示しています。こうした状況は、米国、香港、ベルギーにおいて特に顕著に見られます。しかしながら、中国およびカナダにおいて、フランスワインは特にイタリアワインとの競争がますます激化すると各業者が予測しています。
3.生産国別イメージ
Key finding 1:高品質なイメージと定評を誇り、ワイン生産国のトップの座を維持し続けるフランス
総合的なイメージとしては、フランスワインは他の生産国の追随を許さない常にトップの座をキープし続けています。本調査に参加した専門家の実に64%が、フランスこそがワイン生産国として最も成功を収めているイメージを象徴していると考えています。他国と比較すると、フランスワインに次いで良いイメージを獲得しているのはイタリアワインで、その支持率の差はわずか13%となっています。
フランスワインは、品質等の面で他の生産国のワインを抑え、また「ブランディング・キャンペーン」や「ノーブランド商品キャンペーン」の展開、そして「持続可能な開発へのアプローチ」、「消費者の期待に応えられる商品」といった条件を満たしており、依然として「特別な日に飲むワイン」として特に高い評価を受けています。しかし、中国およびカナダにおいては、フランスワインのイメージは若干損なわれていると見られており、その売上見通しについても同様の動向が見られます。
Key finding 2 :他国ワインの人気の高まり
「魅力的な価格設定」および「普段の食事に最適な日常ワイン」といったカテゴリーではスペインワインおよびチリワインが首位を占め、革新的なこれまでになかったワインという意味では、イタリアに次ぎスペイン、チリが最もその特性を生かし、その他の国に差をつけています。
[画像4: https://prtimes.jp/i/24312/14/resize/d24312-14-654307-3.jpg ]
4.パッケージのトレンド展望
Key finding 1:アジア市場は特にボトルワインが好まれる傾向が続く
アジアでは、調査対象業者の約67%が、ハーフボトルやその他小型容器入りワインの売上の伸びについて回答しています。
Key finding 2:北米ではボトル以外のパッケージ入りワインの需要が増大
専門家の40%以上が、北米ではボックス入りや缶入りタイプのワインが選ばれていると述べています。
Key finding 3 :デジタル技術を導入したパッケージング積極的導入を図るアジア、一方で普及が遅れている北米
今回の調査により、アジアの専門家は、デジタル技術を導入したパッケージングやデジタルラベリングの導入が、ネット依存に象徴される接続過剰社会の消費者へのアピールの一つの方法として有効であるとの見方を示しています。デジタル技術を利用することでワインの原産地、品質の信頼性、トレーサビリティーといった情報を入手できるため、消費者の安心につながるのです。
一方、調査を受けた専門家の半数が、北米、またベルギーといった国や地域では、デジタル技術の導入による実質的な付加価値は全く得られていないとしています。さらに米国では、ワイン販売にこうしたデジタル技術を活用するという考え方がいまだに浸透していないと専門家の18%が回答しています。
[画像5: https://prtimes.jp/i/24312/14/resize/d24312-14-998912-4.jpg ]
Sopexa Chinaマネージングディレクター、Augustin Missoffe(オーガスティン・ミソフ)はこう語ります。「中国のように急速な変化を遂げている国では、日常生活が完全にデジタル化され、消費者たちは毎日インターネット漬けの生活を送っています。今や、消費者との関係を維持していくためには、さまざまなデジタルチャネルの活用が欠かせません。O2O(オートゥーオー)またはonline-to-offline(オンライントゥーオフライン)と呼ばれる、ネット上の情報や活動が実店舗での購買行動に影響を与えるという考え方が最新の話題となっている一方、O+O(オー&オー)またはonline and offline(オンライン&オフライン)、すなわちオンラインマーケティングとオフラインマーケティングの融合という発想も登場し、注目を集めています。例えば、コネクテッド・パッケージング技術の導入により、消費者はネットを通じ、パッケージにインプットされているワインの生産地、仕入れ業者などの情報、さらには相性の良いレシピや美味しく飲むためのヒントなどを得ることができるようになっています。またレストランでの食事の際、気に入ったワインがあれば、その場でスマートフォンを使ってオーダーし、ご自宅へ直接配送するといった手続きも全て手軽に行うことが可能です。物流面では、生産者から実際にワインを楽しむ最終消費者に至る全過程でトレーサビリティーが確保されています。中国でいち早くこのコネクテッド・パッケージング技術を採用し、いわゆるスマート・ラベルの導入を開始した企業の一つが、ワインメーカー Pernod Ricard(ペルノ・リカール)です。消費者はスマートフォンや携帯電話をワインのエチケット(ラベル)にかざして購入すると、そのワインに関するさまざまな情報にアクセスすることができます。今や、スマートフォンや携帯電話が手元にあれば、どんな情報やサービスの入手も簡単に行えるということなのです!」
さらに、上海の企業間取引(B2BまたはB to B)顧客関係管理ソリューション企業MadeForGoods社CEO、Thomas Morisset(トーマス・モリセット)氏は次のように説明を加えます。「中国ではワインカンパニー最大手10社のうち9社が既に、自社で扱っているワイン数種にそれぞれ固有のQRコードを表示し、情報・サービスの提供を行っています。こうしたスマート・ラベリング技術の導入範囲はメーカーによって異なりますが、企業間取引(B2B)または企業対消費者取引(B2C)を問わず効果が確認されています。中でも、Wechat(微信)というアプリでQRコードをスキャンすることで、そのワインが本物であるかどうかの確認ができるといった活用法が最も一般的です。中国では特にPenfolds(ペンフォールズ)、Maison Castel(メゾン・カステル)といったメーカーのワイン、Jacob’s Creek Moscato(ジェイコブス・クリーク マスカット スパークリング)などのワインにこのサービスを導入し、効果が得られています。
中には、B2Bアプリ(取引先等企業向けアプリ)を開発し、卸売業者や小売業者、ひいてはバー、レストランといった顧客からのロイヤルティの向上を図っているブランドもあります。また、中国に伝わる「紅包(Hongbao、ホン・バオ)」と呼ばれるお年玉を渡す習わしをヒントに、Wechatアプリで抽選等による顧客向けプロモーションを手掛け、今後ネットでの製品購入時に割引サービスが受けられるクーポンを発行したり、ロイヤリティープログラムの一環としてボーナスポイントをプレゼントするといった企画を実施しているブランドもあります」。
5.活気づくワインカテゴリー
Key finding 1 : オーガニックワインが初のトップ3入り
中国と香港を除く国々の調査対象者の35%以上が、オーガニックワインやビオディナミワインといったカテゴリーのワインが、ヴァラエタルワイン(単一品種ワイン)をおさえ、今後2年間で大幅に売り上げが増加する見込みが最も高いとの見解を示しています。こうした動向が非常に顕著に見られるのはベルギー、そして日本です。日本では自然派ワインに大きな関心が寄せられている背景もこうした動向の一因となっています。
Key finding 2:銘柄ワインの売れ行きも好調
本調査対象カテゴリーの中でも[1]、ボルドーやキャンティといった「銘柄ワイン」の売り上げは、これまでで最大の増加が見込まれています。このカテゴリーは、中国および香港で圧倒的な成長の可能性が期待されています。実際に調査対象となった全市場で売り上げ増を記録しており、今後さらに2年にわたって最も重要なカテゴリー として認識されています。
Key finding 3:ロゼワインは引き続き北米で安定した人気を獲得
北米では、調査の対象者の4人に1人、さらにカナダでは2人に1人の専門家がそれぞれ、ロゼワインの売上は今後ますます増加すると予測しており、両市場で数年来にわたり達成されてきた売り上げ増加率は着実に上昇し続けるものと見込まれます。
[画像6: https://prtimes.jp/i/24312/14/resize/d24312-14-834497-5.jpg ]
6.これから注目すべき生産地の特色
Key finding 1:赤ワイン販売量で他をリードするフランスの生産地
赤ワインの売り上げ増加が最大と見込まれる生産地は4カ所、その全てがフランスという結果が出ています。特にアジア諸国ではボルドーワインの人気が最も高く、一方ベルギーではラングドック地方のワインに人気が集まり、赤ワイン、白ワイン、ロゼワイン等広く受け入れられています。次いで売れ行きが良いのはブルゴーニュワイン、さらにコート・デュ・ローヌ産ワインです。
Key finding 2:白ワインはニュージーランド産が人気。さらに、北米でロワール地方ワインの売上高がアメリカワインを上回る
ベルギーを除く国々で、ニュージーランドのマールボロ地方の白ワインが、白ワイン全種の中で売り上げ上位2位内にランクインするとの予想が立てられています。マールボロの白ワインは中国、カナダ、香港、日本では一番人気のワインとなっています。
北米では、ロワールワインの売り上げがトップとなり、調査対象となった専門家の3人に1人がロワール産白ワインの売上高増について大変前向きな展望を示しています。
Key finding 3:プロヴァンス産およびコルシカ島産ロゼワインは売上好調で明るい見通し
63%に及ぶ業者が、ロゼワインについてはプロヴァンス産、コルシカ島産が売り上げトップ3に入るものと予測しており、わずかの差でこれらに続くのがラングドック産となっています。中国、日本、カナダでは、ロゼワインの売上成長予測を行った業者の約半数が、イタリアのロゼワインが「チャレンジャー」国ワインとして売り上げトップ3に入るほど勢いを増していると位置付けています。
Key finding 4:全市場におけるスパークリングワイン - プロセッコおよびカヴァ の売上
プロセッコは、全市場で売り上げの伸びが見られますが、特に北米では最も良く売れています。一方カヴァは、日本およびベルギーで最大の売上成長率が見込まれています。
[画像7: https://prtimes.jp/i/24312/14/resize/d24312-14-685964-6.jpg ]
7. ブドウ品種のトレンド
Key finding 1: 不動の人気を誇る品種
世界的に見ても、代表的な 4 品種(カベルネ・ソーヴィニヨン、シャルドネ、ピノ・ノワール、メルロ)の需要は、今後2年を見据えた上でも変わらず非常に高くなるものと思われます。
ここで注目すべき点は、 中国および香港ではシラーズ種のワインの売り上げが伸びており、またベルギーではグルナッシュの人気が高いという専門家の回答があったことです。
さらに、北米ではシャルドネの人気に比較的陰りが見えており、米国ではシュナン・ブラン、カナダではソーヴィニオン・ブランがそれぞれシャルドネに代わって売れ行きを伸ばしていると見られています。
Key finding 2: 米国で好調のシュナン・ブラン、新トレンドの牽引となり得るか
今回の調査によると、米国では白ワイン用ブドウ品種の中でシュナン・ブランの人気が高く、順調な売り上げ増加が予想されています。米国はヴァラエタルワインの主要市場として定評があることからも、こうした動向はワイン市場全体の新しいトレンドとなり得るものと見られています。
*調査方法についてはプレスリリース全文(PDF)をご参照下さい。
Sopexa(ソペクサ)について: The International Communication Agency 100% Dedicated to Food&Drink
100%フード、ドリンク、ライフスタイルに特化したコミュニケーション&マーケティングのインターナショナルエージェンシー。企業、ブランド、団体、機関のコミュケーション開発戦略とその波及効果を考えます。多様な文化の市場に精通する250人のエキスパートが、各国の最新情報や傾向を注視し、コンサルティング、健康栄養戦略、トレード&ショッパー・マーケティング、PR&ブランドコンテンツ制作、イベント、クリエイティブコンセプトの企画・立案・実施を行います。
詳細はこちら:http://www.sopexa.com または Twitter @ Sopexa_Agency
Sopexaは、世界のワイン市場 において重要となるさまざまな動向調査を中心とした「ワイントレードモニター」と呼ばれるグローバルリサーチを行っており、この度 2018年の調査結果を発表しました。本年の調査では、スティルワインだけでなく、初の試みとしてスパークリングワインにも焦点を当てた調査結果の公表も行いました。
[画像1: https://prtimes.jp/i/24312/14/resize/d24312-14-788473-0.png ]
主要6市場(ベルギー、カナダ、米国、日本、中国、香港)のインポーター、卸売業者、小売業者を含む781の専門家を調査対象とし、今後2年間の市場展開およびトレンド予測の主要ポイントを以下に示します。
1.人気ワインと生産国
回答から明らかとなったのは、調査を行ったいずれの国も平均して8生産国のワインを販売しているという結果であり、ワインというカテゴリーには依然として大きな成長余地があることが分かります。この平均値は、世界規模で見ると、多くの場合、生産地によって数字にそれほど大きな差は見られないことを示しているとも言えます。
Key finding 1:根強い人気のフランスワイン!
ワインカテゴリーでは、今回の調査でも、回答者の92%が最も人気のあるワイン生産国としてフランスを挙げています。フランスに続き、76%がイタリア、さらに71%がスペインと回答しています。
こうした生産国に挑み続けるチリ、オーストラリア、米国といったニューワールド代表格の「チャレンジャー」国は、近年ますますその存在感を増しており、現在45〜56%の業者がこれらの国々のワインの人気を挙げています。
Key finding 2:中国および香港の動向をクローズアップ
中国では、ワインの取扱商品が大幅に減少している傾向にありますが(平均4.8生産国のワインを販売)、取扱量はフランスワインが第1位、続いてオーストラリアワインが第2位と良好な売り上げを確保しており、さらにイタリアが第3位、チリが第4位と続きます。
これに対し、香港のワイン市場は、本年の調査によって、平均7.4生産国のワインの取り扱いがあり、中国に比べ、よりオープンな競争環境となっていることが分かりました。この結果はいわゆる 「チャレンジャー」国の著しい成長を反映しています。
[画像2: https://prtimes.jp/i/24312/14/resize/d24312-14-402267-1.jpg ]
2.今後の売上推移
Key finding 1:高まるイタリアワイン人気
調査対象者の41%が、今後2年間でイタリアワインの売上が伸び、世界トップレベルの売上高を誇る国々と肩を並べる人気ワインになるとの見解を示しました。
イタリアワインの人気が最も高いのはカナダで、専門家の約67%が、2017年、同国の売上高ランキングでイタリアワインがトップ3入りしたと回答しました。また、今後2年の動向予測では、56%の専門家が、イタリアワインの売り上げは大幅に伸び、他国のワインと比較してもトップクラスの伸び率になると見込んでいます。
本調査によると、イタリアワインは中国においてますますその知名度が増しており、調査対象者の43%が、2017年、同国の売上高ランキングでイタリアワインがトップ3にランクインしたと回答しました。このことから、中国では近年イタリアワインの人気に拍車がかかってきたと考えられます。その理由として、回答者の42%が今後2年間にわたり売上増加が見込まれる上位3生産国にイタリアが名を連ねる と指摘していることが挙げられます。
[画像3: https://prtimes.jp/i/24312/14/resize/d24312-14-659942-2.jpg ]
Barolo(バローロ)、Barbaresco(バルバレスコ)、Alba Langhe(アルバ周辺ランゲ)等の産地、Dogliani Consortium(ドリアーニ・コンソーシアム)で生産されるワインのディレクター、Andrea Ferrero(アンドレア・フェレロ)氏は以下のように述べています。
「中国やカナダで、イタリアワインが他国のワインを押さえ、人気を博している要因としては主に以下の3点が挙げられると考えています。まず一つ目は、イタリアは地域による多様性に優れていることから、「生物多様性」とも言えるほど極めて多種多様なブドウ品種を有するという点です。古くから栽培され、受け継がれてきた土着品種のバリエーションは実に豊富で、こうした特徴によりヨーロッパ以外の国々でイタリアワインへの関心がますます高まっていることは明らかです。2点目は、その優れたコスト・パフォーマンスです。個人的には、厳密に管理が行われ高品質を誇るイタリアのさまざまな原産地呼称ワインが、他国のワインに比べ、購入し易い価格で販売されているのが強みで、好調に売り上げを伸ばしている主な理由の一つであると思います。さらに3点目として、イタリアワインの生産者たちが世界各国に足を運び、ワインの輸出拡大に奔走してイタリアワインの知名度を高めるべくひときわ尽力した成果が表れ、またその取り組みの中で生産者たちの専門的な知識や技術が広く受け入れられたことも強みとなっていると思います。」
Key finding 2:スペインワインの売り上げは堅調な伸び
回答者の39% が、売上高トップクラスのワインの一つとしてスペインワインを挙げています。
スペインワインは日本での売上を著しく伸ばしています。専門家の48%が示した見解によると、2017年、日本ではチリワインの販売量が落ち込み、売上高ランキング第4位に転落したことも大きな要因となり、スペインワインがトップランクの売上高を記録した商品の一つとなりました。スペインワインについては今後の見通しも明るく、専門家の30%が、この先2年にわたり、スペインワインが売上高トップ3に入ると予測しています。
カナダおよび米国でも同様に、専門家の48%が今後2年間にわたるスペインワインの販売は好調との展望を示しています。
Key finding 3:常にワイン生産国として首位を堅持し続けるフランスだが、市場によってはその勢いに陰りの兆しも
2017年の全世界のワイン売上を見ると、ワイントレードの82%においてフランスはトップに立ち、他ワイン生産国を大きくリードしています。 また業者2社のうち1社の割合で、2018〜2019年の売上予測に関して同様の見解を示しています。こうした状況は、米国、香港、ベルギーにおいて特に顕著に見られます。しかしながら、中国およびカナダにおいて、フランスワインは特にイタリアワインとの競争がますます激化すると各業者が予測しています。
3.生産国別イメージ
Key finding 1:高品質なイメージと定評を誇り、ワイン生産国のトップの座を維持し続けるフランス
総合的なイメージとしては、フランスワインは他の生産国の追随を許さない常にトップの座をキープし続けています。本調査に参加した専門家の実に64%が、フランスこそがワイン生産国として最も成功を収めているイメージを象徴していると考えています。他国と比較すると、フランスワインに次いで良いイメージを獲得しているのはイタリアワインで、その支持率の差はわずか13%となっています。
フランスワインは、品質等の面で他の生産国のワインを抑え、また「ブランディング・キャンペーン」や「ノーブランド商品キャンペーン」の展開、そして「持続可能な開発へのアプローチ」、「消費者の期待に応えられる商品」といった条件を満たしており、依然として「特別な日に飲むワイン」として特に高い評価を受けています。しかし、中国およびカナダにおいては、フランスワインのイメージは若干損なわれていると見られており、その売上見通しについても同様の動向が見られます。
Key finding 2 :他国ワインの人気の高まり
「魅力的な価格設定」および「普段の食事に最適な日常ワイン」といったカテゴリーではスペインワインおよびチリワインが首位を占め、革新的なこれまでになかったワインという意味では、イタリアに次ぎスペイン、チリが最もその特性を生かし、その他の国に差をつけています。
[画像4: https://prtimes.jp/i/24312/14/resize/d24312-14-654307-3.jpg ]
4.パッケージのトレンド展望
Key finding 1:アジア市場は特にボトルワインが好まれる傾向が続く
アジアでは、調査対象業者の約67%が、ハーフボトルやその他小型容器入りワインの売上の伸びについて回答しています。
Key finding 2:北米ではボトル以外のパッケージ入りワインの需要が増大
専門家の40%以上が、北米ではボックス入りや缶入りタイプのワインが選ばれていると述べています。
Key finding 3 :デジタル技術を導入したパッケージング積極的導入を図るアジア、一方で普及が遅れている北米
今回の調査により、アジアの専門家は、デジタル技術を導入したパッケージングやデジタルラベリングの導入が、ネット依存に象徴される接続過剰社会の消費者へのアピールの一つの方法として有効であるとの見方を示しています。デジタル技術を利用することでワインの原産地、品質の信頼性、トレーサビリティーといった情報を入手できるため、消費者の安心につながるのです。
一方、調査を受けた専門家の半数が、北米、またベルギーといった国や地域では、デジタル技術の導入による実質的な付加価値は全く得られていないとしています。さらに米国では、ワイン販売にこうしたデジタル技術を活用するという考え方がいまだに浸透していないと専門家の18%が回答しています。
[画像5: https://prtimes.jp/i/24312/14/resize/d24312-14-998912-4.jpg ]
Sopexa Chinaマネージングディレクター、Augustin Missoffe(オーガスティン・ミソフ)はこう語ります。「中国のように急速な変化を遂げている国では、日常生活が完全にデジタル化され、消費者たちは毎日インターネット漬けの生活を送っています。今や、消費者との関係を維持していくためには、さまざまなデジタルチャネルの活用が欠かせません。O2O(オートゥーオー)またはonline-to-offline(オンライントゥーオフライン)と呼ばれる、ネット上の情報や活動が実店舗での購買行動に影響を与えるという考え方が最新の話題となっている一方、O+O(オー&オー)またはonline and offline(オンライン&オフライン)、すなわちオンラインマーケティングとオフラインマーケティングの融合という発想も登場し、注目を集めています。例えば、コネクテッド・パッケージング技術の導入により、消費者はネットを通じ、パッケージにインプットされているワインの生産地、仕入れ業者などの情報、さらには相性の良いレシピや美味しく飲むためのヒントなどを得ることができるようになっています。またレストランでの食事の際、気に入ったワインがあれば、その場でスマートフォンを使ってオーダーし、ご自宅へ直接配送するといった手続きも全て手軽に行うことが可能です。物流面では、生産者から実際にワインを楽しむ最終消費者に至る全過程でトレーサビリティーが確保されています。中国でいち早くこのコネクテッド・パッケージング技術を採用し、いわゆるスマート・ラベルの導入を開始した企業の一つが、ワインメーカー Pernod Ricard(ペルノ・リカール)です。消費者はスマートフォンや携帯電話をワインのエチケット(ラベル)にかざして購入すると、そのワインに関するさまざまな情報にアクセスすることができます。今や、スマートフォンや携帯電話が手元にあれば、どんな情報やサービスの入手も簡単に行えるということなのです!」
さらに、上海の企業間取引(B2BまたはB to B)顧客関係管理ソリューション企業MadeForGoods社CEO、Thomas Morisset(トーマス・モリセット)氏は次のように説明を加えます。「中国ではワインカンパニー最大手10社のうち9社が既に、自社で扱っているワイン数種にそれぞれ固有のQRコードを表示し、情報・サービスの提供を行っています。こうしたスマート・ラベリング技術の導入範囲はメーカーによって異なりますが、企業間取引(B2B)または企業対消費者取引(B2C)を問わず効果が確認されています。中でも、Wechat(微信)というアプリでQRコードをスキャンすることで、そのワインが本物であるかどうかの確認ができるといった活用法が最も一般的です。中国では特にPenfolds(ペンフォールズ)、Maison Castel(メゾン・カステル)といったメーカーのワイン、Jacob’s Creek Moscato(ジェイコブス・クリーク マスカット スパークリング)などのワインにこのサービスを導入し、効果が得られています。
中には、B2Bアプリ(取引先等企業向けアプリ)を開発し、卸売業者や小売業者、ひいてはバー、レストランといった顧客からのロイヤルティの向上を図っているブランドもあります。また、中国に伝わる「紅包(Hongbao、ホン・バオ)」と呼ばれるお年玉を渡す習わしをヒントに、Wechatアプリで抽選等による顧客向けプロモーションを手掛け、今後ネットでの製品購入時に割引サービスが受けられるクーポンを発行したり、ロイヤリティープログラムの一環としてボーナスポイントをプレゼントするといった企画を実施しているブランドもあります」。
5.活気づくワインカテゴリー
Key finding 1 : オーガニックワインが初のトップ3入り
中国と香港を除く国々の調査対象者の35%以上が、オーガニックワインやビオディナミワインといったカテゴリーのワインが、ヴァラエタルワイン(単一品種ワイン)をおさえ、今後2年間で大幅に売り上げが増加する見込みが最も高いとの見解を示しています。こうした動向が非常に顕著に見られるのはベルギー、そして日本です。日本では自然派ワインに大きな関心が寄せられている背景もこうした動向の一因となっています。
Key finding 2:銘柄ワインの売れ行きも好調
本調査対象カテゴリーの中でも[1]、ボルドーやキャンティといった「銘柄ワイン」の売り上げは、これまでで最大の増加が見込まれています。このカテゴリーは、中国および香港で圧倒的な成長の可能性が期待されています。実際に調査対象となった全市場で売り上げ増を記録しており、今後さらに2年にわたって最も重要なカテゴリー として認識されています。
Key finding 3:ロゼワインは引き続き北米で安定した人気を獲得
北米では、調査の対象者の4人に1人、さらにカナダでは2人に1人の専門家がそれぞれ、ロゼワインの売上は今後ますます増加すると予測しており、両市場で数年来にわたり達成されてきた売り上げ増加率は着実に上昇し続けるものと見込まれます。
[画像6: https://prtimes.jp/i/24312/14/resize/d24312-14-834497-5.jpg ]
6.これから注目すべき生産地の特色
Key finding 1:赤ワイン販売量で他をリードするフランスの生産地
赤ワインの売り上げ増加が最大と見込まれる生産地は4カ所、その全てがフランスという結果が出ています。特にアジア諸国ではボルドーワインの人気が最も高く、一方ベルギーではラングドック地方のワインに人気が集まり、赤ワイン、白ワイン、ロゼワイン等広く受け入れられています。次いで売れ行きが良いのはブルゴーニュワイン、さらにコート・デュ・ローヌ産ワインです。
Key finding 2:白ワインはニュージーランド産が人気。さらに、北米でロワール地方ワインの売上高がアメリカワインを上回る
ベルギーを除く国々で、ニュージーランドのマールボロ地方の白ワインが、白ワイン全種の中で売り上げ上位2位内にランクインするとの予想が立てられています。マールボロの白ワインは中国、カナダ、香港、日本では一番人気のワインとなっています。
北米では、ロワールワインの売り上げがトップとなり、調査対象となった専門家の3人に1人がロワール産白ワインの売上高増について大変前向きな展望を示しています。
Key finding 3:プロヴァンス産およびコルシカ島産ロゼワインは売上好調で明るい見通し
63%に及ぶ業者が、ロゼワインについてはプロヴァンス産、コルシカ島産が売り上げトップ3に入るものと予測しており、わずかの差でこれらに続くのがラングドック産となっています。中国、日本、カナダでは、ロゼワインの売上成長予測を行った業者の約半数が、イタリアのロゼワインが「チャレンジャー」国ワインとして売り上げトップ3に入るほど勢いを増していると位置付けています。
Key finding 4:全市場におけるスパークリングワイン - プロセッコおよびカヴァ の売上
プロセッコは、全市場で売り上げの伸びが見られますが、特に北米では最も良く売れています。一方カヴァは、日本およびベルギーで最大の売上成長率が見込まれています。
[画像7: https://prtimes.jp/i/24312/14/resize/d24312-14-685964-6.jpg ]
7. ブドウ品種のトレンド
Key finding 1: 不動の人気を誇る品種
世界的に見ても、代表的な 4 品種(カベルネ・ソーヴィニヨン、シャルドネ、ピノ・ノワール、メルロ)の需要は、今後2年を見据えた上でも変わらず非常に高くなるものと思われます。
ここで注目すべき点は、 中国および香港ではシラーズ種のワインの売り上げが伸びており、またベルギーではグルナッシュの人気が高いという専門家の回答があったことです。
さらに、北米ではシャルドネの人気に比較的陰りが見えており、米国ではシュナン・ブラン、カナダではソーヴィニオン・ブランがそれぞれシャルドネに代わって売れ行きを伸ばしていると見られています。
Key finding 2: 米国で好調のシュナン・ブラン、新トレンドの牽引となり得るか
今回の調査によると、米国では白ワイン用ブドウ品種の中でシュナン・ブランの人気が高く、順調な売り上げ増加が予想されています。米国はヴァラエタルワインの主要市場として定評があることからも、こうした動向はワイン市場全体の新しいトレンドとなり得るものと見られています。
*調査方法についてはプレスリリース全文(PDF)をご参照下さい。
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