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鎌倉:回復する社債市場

鎌倉・企業倒産予測インデックスは、50パーセンタイルに上昇

2019年3月13日(ニューヨーク):2月末の鎌倉企業倒産予測インデックス(R) (http://www.kamakuraco.com/Solutions/KamakuraRiskInformationSvcs/TroubledCompanyIndex.aspx)は11.24%と1月末比0.63%下落しました。今年に入り、インデックスは、これまで3.19%の改善を示しています。このインデックスは、上場企業39,000社中で1%超のデフォルト確率を有する企業の割合を示したものです。インデックスの上昇は信用度の低下、インデックスの下落は信用度の改善を意味します。




2月末時点で、デフォルト確率1%〜5%の企業の割合は8.99%と、前月比0.52%低下しています。デフォルト確率5%〜10%の企業の割合は1.49%と、同0.08%低下。デフォルト確率10%〜20%の企業の割合は0.01%低下して0.58%となっています。また、デフォルト確率20%超の企業の割合は前月比0.02%低下して0.18%となっています。

ボラティリティをインデックスの変動幅でみると、2月22日の最低値11.15%と2月11日の最高値12.49%の範囲内で推移し、安定化しています。
[画像1: https://prtimes.jp/i/37838/14/resize/d37838-14-363401-0.png ]


2月の企業倒産予測インデックス11.24%は、1990年以来計測されてきた過去の信用度において50番目のパーセンタイルに属します。2月時点で最もリスクの高い企業リストに含まれる10社のうち、6社が米国企業、残りが各々オーストラリア、英国、香港、スペイン企業でした。1カ月以内の鎌倉デフォルト確率 (KDP) が41.15%、1年以内のKDPが53.43%のデベナムズ社[Debenhams PLC (DEB: LN)]が、2月も鎌倉コーポレーションの調査対象企業の中で最もリスクの高い企業として留まっています。一年以内のKDPが、若干の改善を見せたものの、1ヵ月以内のKDPが前月比悪化しました。弊社の調査対象企業の中で2月に8社が債務不履行に陥っていますが、そのうち6社が米国企業、残りが香港企業とアイルランド企業でした。


[画像2: https://prtimes.jp/i/37838/14/resize/d37838-14-370605-1.png ]


KDPの期間構造は、デフォルト確率の絶対水準を表示するだけではなく、直近時期のPIT評価、更には景気サイクル全般を通じたTTC評価を提示し、定量的リスク評価が可能になります。

世界企業のうちで、最もリスクの高い10社の期間構造が、以下に示されています。
[画像3: https://prtimes.jp/i/37838/14/resize/d37838-14-737771-2.png ]


世界中で格付けされている全ての企業に対する鎌倉累積期待デフォルト曲線は、1年以内の期待デフォルト確率が0.02%改善して1.14%に下落、一方10年以内の期待デフォルト確率も0.166%下落して13.42%に改善し、短期、長期の両方のレンジで下落を示しています。


[画像4: https://prtimes.jp/i/37838/14/resize/d37838-14-364707-3.png ]



解 説
解説者:鎌倉コーポレーション 社長 兼 最高執行責任者 マーチン・ゾーン(Martin Zorn)

企業倒産予測インデックス(R)から社債市場の回復が、定量的に証明されています。米国の社債市場、ハイイールド債市場は、共に年初来、好調な動きを示しています。昨年、企業の債務水準は、前回の金融危機時の過去最高水準を更新しましたが、それ以来、ピークから下落傾向を示しています。企業債務の持続的な縮小傾向や収益の伸びは、基本的にローンや社債市場にとって好ましい状況です。観測筋の衆目の一致するところですが、今の段階は、景気循環の後期にあたり、従って企業部門に於いて、景気減速の結果としてではなく、むしろ景気減速を予測した債務の縮小が見られることは、好ましいことです。
1カ月以内および1年以内の鎌倉デフォルト確率の改善要因を分析すると、鎌倉の調査対象企業全体に於いて、過去数カ月の改善の大半を誘因している変数を幾つか特定する事が出来ます:つまり、市場ベースの総資産利益率、市場ベースの負債総額、企業のボラティリティ低下等が挙げられます。2月は、決算発表が目白押しの月でしたが、鎌倉のリスク測定に於いて、財務状況が強化されているのが確実に見て取ることが出来ました。
この状況と米連邦準備制度理事会(FRB)による金利やVIX指数(恐怖指数)測定の穏やかなボラティリティ水準に関するハト派的発言を併せて読み取ると、第四四半期の状況に比べ、信用リスクが抑制された水準にあることを市場要因と財務指標が明示しているのは明らかです。このことは、短期及び長期レンジの鎌倉累積デフォルト曲線が改善していることからも見て取れます。
現在のより穏やかな環境下で、各国の中央銀行は、経済全体に対する大きなリスクを伴わない形で、異常なバランスシートを是正することが出来る絶好な機会となります。中央銀行も、民間企業に倣いバランスシートの債務縮小に動くことを推奨します。ポートフォリオ・マネージャーは、最もリスクの高い企業リストが示しているように、調査対象企業のなかには、非常に数多くのリスクの高い企業が存在しますので、個別企業が直面している固有のリスク(イディオシンクラティック・リスク)に対するフォーカスを継続すべきです。

企業倒産予測インデックスについて
鎌倉コーポレーションの企業倒産予測インデックス(Reg.US. Pat. 米国特許商標庁登録済)は、76カ国の39,000社の上場企業のうち、1ヵ月以内のデフォルト・リスクが年率1%超の企業の割合を計測します。1990年1月以来計測してきたインデックスの平均値は14.38%です。鎌倉インデックスは、2015年11月以来、1ヵ月以内のデフォルト確率(年率)を使用しています。このデフォルト確率は、財務指標、過去の株価、マクロ経済要因等の高度な組み合わせに基づいてデフォルト予測を行うJarrow-Chava誘導型デフォルト確率モデル(http://www.kamakuraco.com/LinkClick.aspx?fileticket=Ae-YpOQ9SXQ%3d&tabid=71)KRIS(鎌倉リスク情報サービス)バージョン6.0によって作成されるものです。
KRISバージョン6.0モデルは、220万件超の観測結果、2,600社超の倒産件数のデータベースを使用して開発されました。定期契約者には、フルモデルのテスト結果やパラメータが含まれるテクニカル・ガイド一式が提供されます。KRISサービスには、鎌倉の先端的な企業リスク管理ソフトウェア・エンジンである「鎌倉リスクマネージャ」にシームレスに搭載可能な他の多くの多彩なデフォルト確率モデルも含まれています。利用可能なモデルには、非上場企業デフォルト・モデル、商業用不動産モデル、米国銀行モデル、ソブリン・モデル等が含まれています。関連データとしては、クレジット・デフォルト・スワップの参照銘柄ごとの取引高、マーケット・インプライド・クレジット・スプレッド、米国市場で取引される全銘柄の社債の価額、等が含まれます。マクロ・ファクター・パラメータの利用契約には、米国国債、ドイツ国債、英国国債、カナダ国債、スペイン国債、スウェーデン国債、オーストラリア国債、日本国債、タイ国債、シンガポール国債を対象にしたHeath、Jarrow、Mortonの期間構造モデルが含まれています。全てのパラメータは、Heath、Jarrow、Morton著の、更にはAmin、Jarrow著の独創性に富んだ論文に従って、無裁定価格方式により算出されています。KRISマクロファクター・シナリオ・サービスの利用契約には、金利やマクロファクターに対するリスク中立シナリオ及び「リアルワールド」実証シナリオが含まれています。バージョン6.0モデルでは1990年から2014年5月までの区間推定が行われ、近年の信用危機の全体像に関する洞察が含まれています。

鎌倉コーポレーションについて
1990年に設立され、ホノルルに本社を構える鎌倉コーポレーションは、リスク・マネージメントに関する情報提供サービス、計算サービス、ソフトウェア開発のリーディングカンパニーです。Technology Solutions for Credit Risk 2.0 2018 (信用リスクに対するテクノロジー・ソリューション2018年2.0版) (http://www.kamakuraco.com/KamakuraCorporationRecognizedAsCategoryLeader.aspx) によってChartis Reportのカテゴリー・リーダーに認定されたほか、World Finance誌の編集者や読者の皆様により、2012, 2016, 2017年度のワールドファイナンス100社に選出されています。2010年には、Credit Magazine誌の二分野のイノベーション・アワードを受賞した唯一のベンダーとなりました。鎌倉リスクマネージャ(Kamakura Risk Manager( http://www.kamakuraco.com/KamakuraRiskManagerVersion10.aspx ))は、1993年に市販を開始し、現在はバージョン10.0.3まで改良されています。ユーザーが一つのソフトウェア・ソリューション上で、信用リスク、ALM(資産負債管理)、市場リスク、ストレステスト、流動性リスク、カウンターパーティ信用リスク、資本の配分等にフォーカスできる、初の企業リスク・マネージメント・システムです。2002年、KRIS上場企業デフォルト確率サービス(KRIS public firm default service http://www.kamakuraco.com/Solutions/KamakuraRiskInformationSvcs.aspx))の提供を開始。2008年、世界で初めて、国家のデフォルト確率サービスであるKRISソブリン・デフォルト確率サービス(KRIS sovereign default service (http://www.kamakuraco.com/Solutions/KamakuraRiskInformationSvcs.aspx))を発表。2011年初頭に、KRIS非上場企業デフォルト確率サービス(KRIS non-public firm default service (http://www.kamakuraco.com/Solutions/KamakuraRiskInformationSvcs.aspx))の提供を開始し、2014年には、米国銀行デフォルト確率サービス(U.S. Bank default probability service (http://www.kamakuraco.com/LinkClick.aspx?fileticket=jFKWm1hKSO0%253d&tabid=104))をそのラインアップに追加しています。
鎌倉コーポレーションは、15億〜3兆ドルの資産規模を持つ330社超のお客様に、そのサービスを提供してまいりました。現在、弊社のリスク・マネージメント製品は、世界47カ国でご利用いただいております。
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