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Yuimediが愛媛大学と共同でHL7 FHIRからOMOP CDMへの 変換ツールを開発いたしました




Yuimediは愛媛大学と医療データの国際的な共同利用に向けたデータ標準化の試みとして共同研究を行いました。本共同研究の一部の成果は、2023年11月に行われた医療情報学会において口頭発表を行いました。その結果を踏まえ、さらなる取組も行いました。

共同研究の背景・目的
医療データ利活用の具体例として医療AIや新薬の開発等が挙げられます。これには医療データを標準規格に準拠させ、解析できるようなビッグデータとして構成する工程が必要です。しかし、現状は電子カルテのベンダーごとにデータベース構造が異なっている等の理由から、医療データは標準化されていません。この課題に対して、厚生労働省主導でFHIR(R)(Fast Healthcare Interoperability Resources)という、相互運用性を担保した標準医療情報交換規約を採用して、電子カルテから抽出する医療データの標準化が進められています。
他方、医療データを用いた観察研究に適したデータベース構造の標準化モデルとしてOMOP(The Observational Medical Outcomes Partnership)が米国で提唱され、欧米を中心に盛り上がりをみせています。2020年以降、OMOPを用いた観察研究は約3000件報告されています※1。
本研究では、FHIR(R)で標準化された電子カルテ由来の医療データをOMOP形式に変換することで、リアルワールドデータ(RWD)を用いた国際的な観察研究の利活用に資するデータベースの構築を目指しました。


本研究の結果
まず、フィールドマッピングの対応率と標準準拠率は表1の通りとなりました。FHIR(R)からOMOPの80%以上のカラムがマッピングでき、その全てが標準規格に沿う結果を出すことができました。
[画像1: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/81576/14/81576-14-1fa1b7868d0ecf160477cf7a22cbeed6-1670x940.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]

また、コンセプト変換の達成率としては表2の通りとなりました。本研究で利用したコードの変換表、および標準コードが付与されているデータの割合等も踏まえ以下の結果となっています。
[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/81576/14/81576-14-9739658e517cafc087294faee2df5436-3900x2194.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]

PERSON, OBSERVATION_PERIODはコードマッピングが必要なコンセプトがないため計測対象外としております。
上記結果から薬剤名や検査項目などのコードの標準化に関する課題が明らかになりました。そこで、追加の共同研究として、日本標準の薬剤コードと国際標準の薬剤コードRxNormを対応づけたコードマッピング表を愛媛大学と作成しました。


本研究の成果に対する愛媛大学 研究代表者からのコメント
愛媛大学大学院 医学系研究科 医療情報学講座 教授 木村映善先生
これまで観察研究に関するデータベースは標準化されたものはなく、研究者独自に取り組むことが多いものでした。国際的な観察研究にも利用されているOMOPに我が国の医療情報を統合することで、国際的な観察研究にかかる共同研究等を通して、RWDを用いた観察研究の推進に寄与することが期待されます。


展望
共同作成したコードマッピング表については、商用利用を見据えた公開ができるよう、知財権の問題をクリアしたマッピング手法の開発等、引き続き医療データのOMOP変換についての取組みを進めてまいります。
また本研究での取組みを踏まえ、Yuimediは開発・提供している医療データ特化型クレンジングソフトウェアのYuicleanerにOMOP変換機能を追加いたしました。本プロダクトは医療機関での使用を想定し、オフラインのソフトウェアで動作するプロダクトになっています。
Yuicleanerについて
OMOP CDM変換サービスについて


愛媛大学について
7学部、6研究科、2学環からなり、学生数約1万人を擁する2024年に開学75周年を迎える四国最大の総合大学です。
「学生中心の大学」「地域とともに輝く大学」「世界とつながる大学」を創造する、を基本理念とし、地域を牽引し、グローバルな視野で社会に貢献する教育・研究・社会活動を展開することをビジョンに掲げています。


医療情報学会について
日本医療情報学会は、年に2回の大きな学術集会「日本医療情報学会秋季大会(医療情報学連合大会)」、「日本医療情報学会春季大会(日本医療情報学会シンポジウム)」を開催する他、複数の研究会を傘下に持ち、活発な学術活動を行っています。会員は、医師のみならず、看護師、薬剤師、臨床検査技師、診療放射線技師、事務担当者、病歴担当者、コンピュータ技術者等の多様な職種からなっており、非常に学際的な学会となっています。設立以来、国際医療情報学連盟(IMIA)に加盟する日本の唯一の学会として国際的にも主導的役割を果たしています。
詳しくはこちら
第43回医療情報学会の学術プログラム(一般口演)はこちら

FHIR(R)について
FHIR(R)(Fast Healthcare Interoperability Resources)とは、HL7(Health Level Seven)が公開している、医療情報の相互運用性の確保を念頭に置いたフレームワークです。特徴の一つとして、リソースの仕様には存在しない項目を独自に追加できる拡張性や、プロファイルによる機械解釈可能なリソース記述に関する規則の記述が挙げられます。これによって各国の医療制度に合わせた運用が可能になっています。 一方、この拡張性によって各国のプロファイルや用語が異なるため、FHIR(R)に準拠していても国際的な観察研究を行うためには、用語や単位などの変換を伴ったデータの変換・突合作業が必要となります。


OMOPについて
OMOP(Observational Medical Outcomes Partnership)はOHDSI(Observational Health Data Sciences and Informatics)が公開するCommon Data Modelの一つです。特徴の一つとして、全世界共通の仕様及び統制用語集を採用することで、各国のデータをOMOPへ変換した際に共通のデータ表現になります。また、表形式データとしてデータベースに格納しやすい構造に正規化されている点も観察研究に適した特徴の一つです。


会社概要
会社名:株式会社Yuimedi
事業内容:医療データ特化型クレンジングソフトウエアの開発・提供、医療データ利活用プラットフォームの開発・提供
代表取締役:グライムス英美里
創業:2020年11月
会社HP:https://yuimedi.com/
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