スペクトラム社の超高速デジタイザカードが、LIDARシステムによる実世界データを使用した革新的な3D乱流シミュレーションに採用
[23/08/23]
提供元:PRTIMES
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スペクトラム社の主力デジタイザカードで超高層ビルのデザインを最適化
デジタイザなどの計測機器メーカであるスペクトラム・インスツルメンテーション社(本社ドイツ・グロースハンスドルフ/以下、スペクトラム社)が提供する超高速デジタイザカードM5i.3321がこの度、革新的な3D乱流モデルに採用されました。
高層建築物を設計する際、一般的な手法として縮尺模型を用いた風洞実験が行われます。この実験は50年以上にわたり公認とされていますが、ピーク荷重を過小評価する問題が指摘されており、安全マージンを確保するためには補正係数を適用する必要があります。もう1つの欠点は、現実には突風や大きな風の渦が一度に様々な方向から吹くことがあるのに対し、風洞実験の風は一方向からしか吹かないという点です。デンマークのVind-Vind社はこれに対処すべく、自然条件下での建物への風の影響を反映させた乱流モデルを新たに開発しています。このモデル生成には、精度を高めるため、10nsパルスレーザーを用いるLIDARシステムで収集した実世界データが使用されています。空気中の粒子がレーザーを反射する際、ドップラー効果で生じる戻り光の変化は、スペクトラム社の最新主力製品である超高速デジタイザカードM5i.3321を介して解析されます。
風況シミュレーションの動画をご覧いただけます。(11秒、132 MB):
https://spectrum-instrumentation.com/videos/3D.mov
[画像1: https://prtimes.jp/i/95734/14/resize/d95734-14-36ab284fabbb82add890-0.jpg ]
図1:建物廻りの風の流れは非常に複雑です。この動画のスクリーンショットは、革新的なLIDARシステムで捉えた上空33mの風速を示しています。
Vind-Vind社のCEOであるPer Jorgensen氏は、次のように説明しています。
「これまで、風の動きを測定するには、数キロメートル先まで測れるが解像度は低い長距離測定か、解像度は高いが数百メートルしか測れない短距離測定かのどちらかしか方法がありませんでした。そこで当社はこの度、高解像度の長距離測定を可能にするLIDARベースの新しい装置を開発しました。その鍵となるのが、12ビットの分解能を有し3.2 GSamples/sの非常に高いサンプリングレートでデータ収集が可能なスペクトラム社製デジタイザカードです。実際には、必要以上に高性能ですが、ノイズの多い状況や微弱な信号にも対応できるだけのマージンを得たことにもなります。また、帯域幅が増えたことで高周波ノイズを即座に識別・除去することができ、のちにデータを処理する際には低周波ノイズを取り除くだけでよくなります」
風に乗って移動する大量の塵粒子を追跡すると、膨大な量のデータが生成されることは容易に想像ができます。Vind-Vind社は当初、FPGAのプラットフォームを使用する予定でしたが、プログラムが複雑すぎることと、毎秒毎に生成される膨大なデータに対する処理能力が十分でないことから、このアプローチを却下しています。データ処理の問題は、スペクトラム社のSCAPP(Spectrum's CUDA access for parallel processing)ドライバを採用することで解決しました。このドライバでは、16レーンのPCIeインターフェースを備えたM5iデジタイザが、12.8 GByte/sの収集データを、PCのCPUではなくCUDAベースのグラフィックカードに直接送信します。グラフィックカード(この場合、6,144個のコア搭載のGPUを内包するNvidia Quadro A4000)は、コア数が6〜8個しかないPCのCPUに比べはるかに高速にデータを処理できます。
[画像2: https://prtimes.jp/i/95734/14/resize/d95734-14-f5c86a1bc31031c170de-1.png ]
図2:M5i.3321-x16デジタイザカードは、2つあるチャネルそれぞれに3.2GS/sのサンプリングレート、12ビットの分解能、1GHzの帯域幅を提供。M5i.33xxシリーズには、最高速度10GS/秒、最大帯域幅3GHzを超える5種類のモデルがある。
このコンピュータモデルに対するVind-Vind社の第一の目標は、都市部上空で測定された乱流との違いを分析・評価することにあります。そののち、乱流モデルは様々な方向からの突風を伴う大気の高層部の影響を反映するように改良される予定です。実際に収集された正確なデータは、3Dシミュレーションが出す予測の検証や妥当性の確認に使用することができます。
Jorgensen氏は次のように述べています。「精度の高さが証明された今、当社の3D乱流モデルは、風洞実験での制約に縛られることなく現実の複雑な性質を予測することができ、より高いレベルの安全性と風況の快適性を探る目的で使用することが可能になります。そしていずれは、風洞実験モデルの不正確さにより建築家が過剰な仕様を加えるようなことは減るでしょう。つまりそれは、不必要な資材を減らすことを意味し、ひいては持続可能性の向上と建築コストの削減につながるのです」
同社は、一般的な風洞実験では都市環境や風力発電用タービン群、橋、空港などとの相互作用により生まれる複雑な風況の有益情報を得られない状況下で、同社の3Dモデルが非常に有用であることを証明できると考えています。
Vind-Vind社は、革新的なLIDARシステムの製造と販売を手がけるPJ Schience ApS、および建設業界向け風況解析を行うコンサルティング会社Vind-Vind ApSの、姉妹会社2社で構成されています。
詳細は同社ホームページをご覧ください。
http://www.vindvind.com/
スペクトラム・インスツルメンテーション社(Spectrum Instrumentation)について
1989年に創業したスペクトラム社(CEO 兼 創業者Gisela Hassler)は、モジュラー設計を利用することでデジタイザ製品および波形発生器製品をPCカード(PCIeおよびPXIe)やスタンドアローンのEthernetユニット(LXI)として幅広く生み出しています。スペクトラム社は30年間に、トップブランドの業界リーダーやほとんどすべての一流大学を含む、世界中のお客様に製品をご利用いただいています。当社はドイツのハンブルク近郊に本社を構えており、5年保証と設計エンジニアやローカルパートナーによる優れたサポートを提供しております。スペクトラム社の詳細については、https://www.spectrum-instrumentation.com/ をご確認ください。
デジタイザなどの計測機器メーカであるスペクトラム・インスツルメンテーション社(本社ドイツ・グロースハンスドルフ/以下、スペクトラム社)が提供する超高速デジタイザカードM5i.3321がこの度、革新的な3D乱流モデルに採用されました。
高層建築物を設計する際、一般的な手法として縮尺模型を用いた風洞実験が行われます。この実験は50年以上にわたり公認とされていますが、ピーク荷重を過小評価する問題が指摘されており、安全マージンを確保するためには補正係数を適用する必要があります。もう1つの欠点は、現実には突風や大きな風の渦が一度に様々な方向から吹くことがあるのに対し、風洞実験の風は一方向からしか吹かないという点です。デンマークのVind-Vind社はこれに対処すべく、自然条件下での建物への風の影響を反映させた乱流モデルを新たに開発しています。このモデル生成には、精度を高めるため、10nsパルスレーザーを用いるLIDARシステムで収集した実世界データが使用されています。空気中の粒子がレーザーを反射する際、ドップラー効果で生じる戻り光の変化は、スペクトラム社の最新主力製品である超高速デジタイザカードM5i.3321を介して解析されます。
風況シミュレーションの動画をご覧いただけます。(11秒、132 MB):
https://spectrum-instrumentation.com/videos/3D.mov
[画像1: https://prtimes.jp/i/95734/14/resize/d95734-14-36ab284fabbb82add890-0.jpg ]
図1:建物廻りの風の流れは非常に複雑です。この動画のスクリーンショットは、革新的なLIDARシステムで捉えた上空33mの風速を示しています。
Vind-Vind社のCEOであるPer Jorgensen氏は、次のように説明しています。
「これまで、風の動きを測定するには、数キロメートル先まで測れるが解像度は低い長距離測定か、解像度は高いが数百メートルしか測れない短距離測定かのどちらかしか方法がありませんでした。そこで当社はこの度、高解像度の長距離測定を可能にするLIDARベースの新しい装置を開発しました。その鍵となるのが、12ビットの分解能を有し3.2 GSamples/sの非常に高いサンプリングレートでデータ収集が可能なスペクトラム社製デジタイザカードです。実際には、必要以上に高性能ですが、ノイズの多い状況や微弱な信号にも対応できるだけのマージンを得たことにもなります。また、帯域幅が増えたことで高周波ノイズを即座に識別・除去することができ、のちにデータを処理する際には低周波ノイズを取り除くだけでよくなります」
風に乗って移動する大量の塵粒子を追跡すると、膨大な量のデータが生成されることは容易に想像ができます。Vind-Vind社は当初、FPGAのプラットフォームを使用する予定でしたが、プログラムが複雑すぎることと、毎秒毎に生成される膨大なデータに対する処理能力が十分でないことから、このアプローチを却下しています。データ処理の問題は、スペクトラム社のSCAPP(Spectrum's CUDA access for parallel processing)ドライバを採用することで解決しました。このドライバでは、16レーンのPCIeインターフェースを備えたM5iデジタイザが、12.8 GByte/sの収集データを、PCのCPUではなくCUDAベースのグラフィックカードに直接送信します。グラフィックカード(この場合、6,144個のコア搭載のGPUを内包するNvidia Quadro A4000)は、コア数が6〜8個しかないPCのCPUに比べはるかに高速にデータを処理できます。
[画像2: https://prtimes.jp/i/95734/14/resize/d95734-14-f5c86a1bc31031c170de-1.png ]
図2:M5i.3321-x16デジタイザカードは、2つあるチャネルそれぞれに3.2GS/sのサンプリングレート、12ビットの分解能、1GHzの帯域幅を提供。M5i.33xxシリーズには、最高速度10GS/秒、最大帯域幅3GHzを超える5種類のモデルがある。
このコンピュータモデルに対するVind-Vind社の第一の目標は、都市部上空で測定された乱流との違いを分析・評価することにあります。そののち、乱流モデルは様々な方向からの突風を伴う大気の高層部の影響を反映するように改良される予定です。実際に収集された正確なデータは、3Dシミュレーションが出す予測の検証や妥当性の確認に使用することができます。
Jorgensen氏は次のように述べています。「精度の高さが証明された今、当社の3D乱流モデルは、風洞実験での制約に縛られることなく現実の複雑な性質を予測することができ、より高いレベルの安全性と風況の快適性を探る目的で使用することが可能になります。そしていずれは、風洞実験モデルの不正確さにより建築家が過剰な仕様を加えるようなことは減るでしょう。つまりそれは、不必要な資材を減らすことを意味し、ひいては持続可能性の向上と建築コストの削減につながるのです」
同社は、一般的な風洞実験では都市環境や風力発電用タービン群、橋、空港などとの相互作用により生まれる複雑な風況の有益情報を得られない状況下で、同社の3Dモデルが非常に有用であることを証明できると考えています。
Vind-Vind社は、革新的なLIDARシステムの製造と販売を手がけるPJ Schience ApS、および建設業界向け風況解析を行うコンサルティング会社Vind-Vind ApSの、姉妹会社2社で構成されています。
詳細は同社ホームページをご覧ください。
http://www.vindvind.com/
スペクトラム・インスツルメンテーション社(Spectrum Instrumentation)について
1989年に創業したスペクトラム社(CEO 兼 創業者Gisela Hassler)は、モジュラー設計を利用することでデジタイザ製品および波形発生器製品をPCカード(PCIeおよびPXIe)やスタンドアローンのEthernetユニット(LXI)として幅広く生み出しています。スペクトラム社は30年間に、トップブランドの業界リーダーやほとんどすべての一流大学を含む、世界中のお客様に製品をご利用いただいています。当社はドイツのハンブルク近郊に本社を構えており、5年保証と設計エンジニアやローカルパートナーによる優れたサポートを提供しております。スペクトラム社の詳細については、https://www.spectrum-instrumentation.com/ をご確認ください。