バイエルと京都大学が肺疾患の新薬開発のために研究提携を締結
[19/01/31]
提供元:PRTIMES
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本資料は1月31日にドイツ・バイエル社が発表したプレスリリースを日本語に翻訳したもので、報道関係者各位へ参考資料として提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容およびその解釈については英語を優先します。原文はwww.press.bayer.comをご参照ください。
治療薬のない特発性肺線維症の創薬標的を特定する為に共同研究を開始
2014年に提携契約した共同研究候補主題を探索する包括提携契約の成果
ベルリン、2019年1月31日 ― ドイツ・バイエル社(以下、バイエル)と国立大学法人京都大学(以下、京都大学)は呼吸器疾患の特発性肺線維症(Idiopathic Pulmonary Fibrosis: 以下IPF)の新しい創薬標的を特定するための戦略的研究提携に合意しました。
IPFは生命を脅かす慢性疾患で、時間の経過とともに肺の組織が厚く硬くなり、しだいに肺機能が低下する進行性の病気です。肺の線維化につながる要因はこれまでにも示されていますが、IPFの直接的な病因は不明です。今回の研究提携の目的は、疾患につながるメカニズムを解明し、創薬標的を特定し、新しい治療法の開発につなげ、肺機能の低下を防ぐことです。
「外部のイノベーションアプローチを通じて自社研究を補完するという戦略に則り、私達は肺疾患に苦しむ患者さんのために呼吸器領域において京都大学と共同し、新しい治療オプションを研究していきます」とバイエル社医療用医薬品部門の経営委員会メンバーのヨルグ・メラー博士は述べています。「IPFはアンメットメディカルニーズの高い疾患のひとつです。京都大学との提携によって新しい創薬標的を特定することができれば、患者さんにとって大きな希望を生みだすことができるでしょう」
今回の提携は京都大学大学院医学研究科呼吸器内科学の佐藤篤靖助教が発見し得た専門知識、特にIPFの病因における上皮細胞の役割をベースとし、バイエルの創薬および開発の専門知識を組み合わせて共同開発していきます。京都大学とバイエルは新しい治療オプションを特定する仮説を共同で設定し、その仮説を検証するために人材、インフラ、独自のテクノロジーを双方に提供します。
バイエルと京都大学は新しい創薬標的の特定のための共同研究活動を提携合意のもとで行います。バイエルは提携の成果の独占的使用の選択権を所有します。契約の金銭的条件については非開示です。
「呼吸器科と胸部外科で確立された革新的なアプローチを通じて肺疾患の新しい治療法の発見に注力していきます」と京都大学大学院医学研究科呼吸器内科学の平井豊博教授は述べています。「バイエルと緊密に連携し、複数の共同プロジェクトを実行できることをとても喜ばしく思っています。バイエルと京都大学の専門知識を組み合わせることでIPFを含む難治性肺疾患の理解を深め、新しい治療法を探索していきます」
京都大学大学院医学研究科「医学領域」産学連携推進機構(KUMBL)のサポートにより提携成立に至った今回の呼吸器領域における領域提携は、2014年に締結した京都大学産官学連携本部(KU-SACI)と学部・研究科横断的に共同研究候補主題を探索する為の包括提携契約の成果です。
特発性肺線維症(Idiopathic Pulmonary Fibrosis)について
特発性肺線維症は全世界で約500万人が患っている慢性肺疾患です。肺組織の瘢痕化が進行することで、肺機能が低下して行きます。その瘢痕組織の形成を線維化と呼びます。肺の組織が厚くなるにつれて、肺から血流へのガス交換の効率が低下して行きます。その結果、脳やその他の臓器への酸素の供給が不足します。肺の線維化につながる要因はこれまでにも示されていますが、直接的な病因は不明です。そのため特発性肺線維症と呼ばれています。特発性肺線維症の急性増悪とは数日あるいは数週間で症状が急激に悪化することです。急性増悪のリスクを減らすことが特発性肺線維症のすべての患者さんに対する重要な治療目標です。
京都大学について
京都大学は1897年に日本で二校目の帝国大学として創立されました。「創立以来築いてきた自由の学風を継承し、発展させつつ、多元的な課題の解決に挑戦し、地球社会の調和ある共存に貢献する」という基本理念を反映した強い目的意識を発展させることに注力してきました。日本の最先端の研究機関の一つである京都大学の研究者の研究成果は世界中で認められています。2012年にiPS細胞研究所の山中伸弥博士が幹細胞研究分野における独自の発見によって、2018年に免疫ゲノム医学部教授の本庶佑博士がPD-L1を標的としたがん免疫療法の発見によってノーベル生理学・医学賞を受賞したことは記憶に新しい功績です。
京都大学ウェブサイト:http://www.kyoto-u.ac.jp/
バイエルについて
バイエルは、ヘルスケアと農業関連のライフサイエンス領域を中核事業とするグローバル企業です。バイエルはその製品とサービスを通じて、人々のクオリティ・オブ・ライフ(QOL)の向上に貢献すると同時に、技術革新、成長、およびより高い収益力を通して企業価値を創造することも目指しています。また、バイエルは、持続可能な発展に対して、そして良き企業市民として社会と倫理の双方で責任を果たすために、これからも努力を続けます。グループ全体の売上高は350億ユーロ、従業員数は99,800名(2017年)。設備投資額は24億ユーロ、研究開発費は45億ユーロです。詳細はhttp://www.bayer.comをご参照ください。
バイエル薬品株式会社
2019年1月31日
将来予想に関する記述 (Forward-Looking Statements)
このニュースリリースには、バイエルの経営陣による現在の試算および予測に基づく将来予想に関する記述 (Forward-Looking Statements) が含まれています。さまざまな既知・未知のリスク、不確実性、その他の要因により、将来の実績、財務状況、企業の動向または業績と、当文書における予測との間に大きな相違が生じることがあります。これらの要因には、当社のWebサイト上(http://www.bayer.com)に公開されている報告書に説明されているものが含まれます。当社は、これらの将来予想に関する記述を更新し、将来の出来事または情勢に適合させる責任を負いません。
治療薬のない特発性肺線維症の創薬標的を特定する為に共同研究を開始
2014年に提携契約した共同研究候補主題を探索する包括提携契約の成果
ベルリン、2019年1月31日 ― ドイツ・バイエル社(以下、バイエル)と国立大学法人京都大学(以下、京都大学)は呼吸器疾患の特発性肺線維症(Idiopathic Pulmonary Fibrosis: 以下IPF)の新しい創薬標的を特定するための戦略的研究提携に合意しました。
IPFは生命を脅かす慢性疾患で、時間の経過とともに肺の組織が厚く硬くなり、しだいに肺機能が低下する進行性の病気です。肺の線維化につながる要因はこれまでにも示されていますが、IPFの直接的な病因は不明です。今回の研究提携の目的は、疾患につながるメカニズムを解明し、創薬標的を特定し、新しい治療法の開発につなげ、肺機能の低下を防ぐことです。
「外部のイノベーションアプローチを通じて自社研究を補完するという戦略に則り、私達は肺疾患に苦しむ患者さんのために呼吸器領域において京都大学と共同し、新しい治療オプションを研究していきます」とバイエル社医療用医薬品部門の経営委員会メンバーのヨルグ・メラー博士は述べています。「IPFはアンメットメディカルニーズの高い疾患のひとつです。京都大学との提携によって新しい創薬標的を特定することができれば、患者さんにとって大きな希望を生みだすことができるでしょう」
今回の提携は京都大学大学院医学研究科呼吸器内科学の佐藤篤靖助教が発見し得た専門知識、特にIPFの病因における上皮細胞の役割をベースとし、バイエルの創薬および開発の専門知識を組み合わせて共同開発していきます。京都大学とバイエルは新しい治療オプションを特定する仮説を共同で設定し、その仮説を検証するために人材、インフラ、独自のテクノロジーを双方に提供します。
バイエルと京都大学は新しい創薬標的の特定のための共同研究活動を提携合意のもとで行います。バイエルは提携の成果の独占的使用の選択権を所有します。契約の金銭的条件については非開示です。
「呼吸器科と胸部外科で確立された革新的なアプローチを通じて肺疾患の新しい治療法の発見に注力していきます」と京都大学大学院医学研究科呼吸器内科学の平井豊博教授は述べています。「バイエルと緊密に連携し、複数の共同プロジェクトを実行できることをとても喜ばしく思っています。バイエルと京都大学の専門知識を組み合わせることでIPFを含む難治性肺疾患の理解を深め、新しい治療法を探索していきます」
京都大学大学院医学研究科「医学領域」産学連携推進機構(KUMBL)のサポートにより提携成立に至った今回の呼吸器領域における領域提携は、2014年に締結した京都大学産官学連携本部(KU-SACI)と学部・研究科横断的に共同研究候補主題を探索する為の包括提携契約の成果です。
特発性肺線維症(Idiopathic Pulmonary Fibrosis)について
特発性肺線維症は全世界で約500万人が患っている慢性肺疾患です。肺組織の瘢痕化が進行することで、肺機能が低下して行きます。その瘢痕組織の形成を線維化と呼びます。肺の組織が厚くなるにつれて、肺から血流へのガス交換の効率が低下して行きます。その結果、脳やその他の臓器への酸素の供給が不足します。肺の線維化につながる要因はこれまでにも示されていますが、直接的な病因は不明です。そのため特発性肺線維症と呼ばれています。特発性肺線維症の急性増悪とは数日あるいは数週間で症状が急激に悪化することです。急性増悪のリスクを減らすことが特発性肺線維症のすべての患者さんに対する重要な治療目標です。
京都大学について
京都大学は1897年に日本で二校目の帝国大学として創立されました。「創立以来築いてきた自由の学風を継承し、発展させつつ、多元的な課題の解決に挑戦し、地球社会の調和ある共存に貢献する」という基本理念を反映した強い目的意識を発展させることに注力してきました。日本の最先端の研究機関の一つである京都大学の研究者の研究成果は世界中で認められています。2012年にiPS細胞研究所の山中伸弥博士が幹細胞研究分野における独自の発見によって、2018年に免疫ゲノム医学部教授の本庶佑博士がPD-L1を標的としたがん免疫療法の発見によってノーベル生理学・医学賞を受賞したことは記憶に新しい功績です。
京都大学ウェブサイト:http://www.kyoto-u.ac.jp/
バイエルについて
バイエルは、ヘルスケアと農業関連のライフサイエンス領域を中核事業とするグローバル企業です。バイエルはその製品とサービスを通じて、人々のクオリティ・オブ・ライフ(QOL)の向上に貢献すると同時に、技術革新、成長、およびより高い収益力を通して企業価値を創造することも目指しています。また、バイエルは、持続可能な発展に対して、そして良き企業市民として社会と倫理の双方で責任を果たすために、これからも努力を続けます。グループ全体の売上高は350億ユーロ、従業員数は99,800名(2017年)。設備投資額は24億ユーロ、研究開発費は45億ユーロです。詳細はhttp://www.bayer.comをご参照ください。
バイエル薬品株式会社
2019年1月31日
将来予想に関する記述 (Forward-Looking Statements)
このニュースリリースには、バイエルの経営陣による現在の試算および予測に基づく将来予想に関する記述 (Forward-Looking Statements) が含まれています。さまざまな既知・未知のリスク、不確実性、その他の要因により、将来の実績、財務状況、企業の動向または業績と、当文書における予測との間に大きな相違が生じることがあります。これらの要因には、当社のWebサイト上(http://www.bayer.com)に公開されている報告書に説明されているものが含まれます。当社は、これらの将来予想に関する記述を更新し、将来の出来事または情勢に適合させる責任を負いません。