世界の感染症をテーマに「グローバルヘルス・アカデミー」第2回を開催 有志一同より、富士フイルム、シスメックス、エーザイ、ゲイツ財団が登壇
[23/03/31]
提供元:PRTIMES
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尾身茂氏とともにグローバルヘルス領域の官民学連携の重要性を発信「日本の強みはグローバルヘルス。世界と競争できる領域。」
[画像1: https://prtimes.jp/i/76537/15/resize/d76537-15-8ef0f4231140cb46a563-0.jpg ]
アーカイブ動画 : https://youtu.be/SX7umjPhgb4
グローバルヘルスを応援するビジネスリーダー有志一同(以下、有志一同)は、グローバルヘルスに寄与するサービスや企業活動への理解促進・関心向上を目的としたプログラム「グローバルヘルス・アカデミー」 (以下、アカデミー)」を開催しています。
アカデミー第2回では、有志一同から富士フイルム株式会社、シスメックス株式会社、エーザイ株式会社とビル&メリンダ・ゲイツ財団が登壇し「世界の感染症に対する日本企業の最新アプローチ」をテーマに開催しました。各社から感染症へのアプローチを通じたグローバルヘルスに寄与する取組みを発表したほか、ゲストとして尾身茂氏をお招きし、グローバルヘルス領域での官民学連携などについてトークセッションも実施しました。
グローバルヘルスとは、地球上の連鎖的な健康リスクの低減に向け、国境を越え、あらゆる場所の保健医療水準を高めることです。昨今、新型コロナウイルス感染症やサル痘の感染拡大を筆頭に、グローバルヘルスに関する国際的な枠組みへの関心が高まっています。各国で政府のみならず、国際機関や官民パートナーシップなど様々な団体によって、課題解決に向けたアプローチがなされています。
今年5月に広島で開催されるG7を前に、グローバルヘルスの重要性を伝えるべく、有志一同は尾身茂氏とともに「日本の強みはグローバルヘルス。今までの実績があり、世界と競争(コンペティション)できる領域である。官民学、オールジャパンでの連携が重要」と発信しました。
「感染症・グローバルヘルスにおける日本のリーダーシップ」(4つのキーワード)
結核予防会理事長、新型コロナウイルス感染症対策分科会会長
尾身 茂 氏
[画像2: https://prtimes.jp/i/76537/15/resize/d76537-15-135d3747dbbfa57b05ac-1.jpg ]
1. 感染症対策は政府だけでは成立しない。官民学の連携が必要。
日本がグローバルヘルスに貢献するためには、政府だけでなく、官民学の協働が必要であり、それぞれの組織あるいは人々のグループが交わることが今後極めて重要です。感染症対策には大きく分けて、3つの構成要素があります。<政策を実行する政府や自治体と一般市民の協力><現在の感染状況等を分析し、リスクを評価して、それを基に政策を提案するグループ>そして<感染症対策に必要なワクチンや診断薬、治療薬を開発する民間企業あるいは研究機関>、これらが一体になりダイナミックに繋がっていくべきです。
2. 平時から準備する重要性。
平時に準備していないことを、緊急危機が始まってから実行するのは困難です。過去の反省を踏まえて新しい取り組み、例えば司令塔の創設は賛成ですが、行政機関や組織を立ち上げたとしても中身がないと機能しません。企業や専門家、政府がそれぞれできることを決めておき、平時の時から「いざとなったらどういう役割、どうインタラクションするか」を準備しておくということは極めて重要です。
3. 開発途上国のためのアプローチが日本への還元に。
国際社会において、残念ながら日本の全体の存在感は低下傾向にあると感じており、主な要因として、社会全体で危機感の共有が十分でないことと、外部(海外)への関心が低いことがあげられます。日本の強みは、グローバルヘルスです。医療分野では、日本には今までの実績があり、世界に競争(コンピティション)できる領域です。官民学、オールジャパンで民間の努力を国も支え、民間も国の政策にアイデアを出すという、双方向の対話が必要だと思います。
4. 科学技術でのグローバルヘルスへの貢献。
「日本がさらにグローバルヘルスに貢献できるための条件」として最も重要だと考える条件は「人材」です。これから日本がさらに輝くためには、海外に今何が足りないのかを現地をみて知り、優れた研究内容が市場にでていくまでの期間に、人材育成も同時に後押ししていく必要があります。海外に出て、いろんな国や企業と交渉できる人材を育てていくことが、1番のカギになると考えています。
「結核対策への取り組みと持続可能なUHC(ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ)の達成」
富士フイルム株式会社 代表取締役社長・CEO
後藤 禎一 氏
[画像3: https://prtimes.jp/i/76537/15/resize/d76537-15-03f3473d9b7a006d52bb-2.jpg ]
結核は世界三大感染症の1つで、毎年1000万人の方が発病しています。そのうち400万人の方は、診断と治療の機会すら得られていません。その課題の1つとして、医療設備が不足としている地方部にまだ結核対策が行き届いてないことが挙げられます。このような課題に対して、富士フイルムは携帯型X線撮影ソリューションに取り組んでいます。
当社はこのソリューションを、世界の結核対策の総本山であるStop TB Partnershipに紹介し、パキスタンやベトナムなどで実証プロジェクトを実施しました。 その有効性が認められ、2021年にはWHOが結核検診のガイドラインを改訂し、従来の痰検査に加えて、新たに胸部のX線撮影と、AIサポートによるスクリーニング検査が推奨されることになりました。 さらにUNOPS(国連プロジェクト・サービス機関)と携帯型X線撮影装置の長期供給契約の締結に至り、これまでに約60カ国に向けて供給しています。
インドでは、結核撲滅に向けたインド政府、国際機関の共同プログラムに参加しており、専用の車を仕立ててインド各地でX線による結核検診を推進しています。結核などの肺疾患そのものを発見することはもちろん、検診に対する意識を高めるためにも、2021年からこのような活動を行っています。本年中に累計で600万人に検診の機会を提供し、3万人以上に対するX線診断の提供を実現します。
[画像4: https://prtimes.jp/i/76537/15/resize/d76537-15-df511cf9fab96b366123-3.jpg ]
富士フイルムは携帯型X線撮影ソリューションによる結核対策を世界各国で継続し、各地への機材配備を加速していきます。さらに、各地にあるシステムをクラウドネットワークによって連携し、検診・治療データを一元管理するソフトウェアを開発中です。これにより、どのエリアで、何人に診断が実施され、その後の治療状況はどうなっているのか、といった情報がリアルタイムで更新され、各国はこのデータを基に必要なリソースを配分して、結核対策を推進することが可能となります。
X線画像診断は肺だけでなく、腹部領域、心臓、そして全身の骨など一次診療に必要な広範囲な部位を撮影することができます。こうした機材が世界中に点在するプライマリーヘルスケアセンターに配備されれば、その場で簡易診療や経過観察などができるようになります。こうして、一次医療拠点の機能を強化することで、本当に必要な患者だけが上位病院にアクセスし、治療を集中できるようになります。新興国が抱える大きな課題の解決につながる施策と位置づけ、取り組みを進めていきます。
一番医療を届けたい方々は最もアクセスしづらい地方エリアにこそ、より多くいます。富士フイルムは彼らを決して後回しにしません。最もアクセスしづらい人たちに、医療サービスを届けにいきます。
「グローバルヘルスの医療インフラとしての検体検査 -マラリア検査のイノベーション-」
シスメックス株式会社 代表取締役会長兼社長CEO
家次 恒 氏
[画像5: https://prtimes.jp/i/76537/15/resize/d76537-15-90a72a7c86a3d689f205-4.jpg ]
シスメックスは、体内から取り出した血液などの検体を調べる検体検査の領域でグローバルに事業展開しています。売上高の海外比率は85%で、190以上の国や地域へ製品・サービスをお届けしています。
検体検査は、病気の予防や診断、治療後のモニタリングや評価など様々な場面で行われており、医療の入口であり、出口でもあります。現代の医療は検査データがないと成り立たない状況であり、医療に不可欠なものとなっています。
グローバルヘルスにおいては、「現地の医療課題にどう向き合うか」が重要です。例えば、マラリアは、アフリカや東南アジアを中心に年間約2.5億人が感染し、死者62万人のうち約50万人は5歳以下の乳幼児という状況です。マラリア蔓延地域には貧血患者も多く、マラリアの診断と合わせて、ヘモグロビンの量を測定し貧血状態の把握をすることも必要です。シスメックスは、グローバルNo.1のシェアをもつ血球計数検査で培った技術を活用し、多くの人たちの検査を迅速にできるマラリア検査機器を開発しました。日本の健康診断のような仕組みが普及していない開発途上国において、病気の早期発見・早期治療の仕組みを作ることにチャレンジしています。
[画像6: https://prtimes.jp/i/76537/15/resize/d76537-15-329951bd13675769f254-5.jpg ]
アフリカにおいては、5つの現地法人を中心に、54ヵ国中約50ヵ国へ代理店を通じた販売・サービスネットワークを構築しており、検査機器の導入後も、試薬供給とサービス・メンテナンスを継続的に提供できる仕組みを整備しています。
現地の保健システムを強化するためには、医療人材の育成も重要です。シスメックスは、現地法人にあるトレーニングセンターやオンラインの教育コンテンツを充実させ、検査機器の扱い方に加えて、学術サポートなどナレッジの向上も支援しています。現地の医療人材が自立できることを目指しており、日本が貢献できることと考えます。
また、開発途上国の社会課題の解決には、一社ではできないことも、パートナーシップを組んで新たな価値を創造できると思います。例えばガーナでは、味の素ファンデーション・NEC(日本電気株式会社)と共に、母子の保健と栄養の改善を目指して活動しています。日本の技術や製品・サービスを、開発途上国へ提供する仕組みを作るためには、アカデミアや政府との連携も非常に重要です。日本はそれらのパートナーシップにより世界の社会課題解決に貢献できる大きなポテンシャルを持っていると考えています。
「パートナーシップによる顧みられない熱帯病制圧と社会善の実現」
エーザイ株式会社 代表執行役CEO
内藤 晴夫 氏
[画像7: https://prtimes.jp/i/76537/15/resize/d76537-15-944d4dd524fb55c3900e-6.jpg ]
現代の企業は、社会的課題の解決に取り組まなければいけないと思っています。岸田政権の「新しい資本主義」でも、企業評価に従来のリスク・リターンに加えてインパクト、いわゆる社会的課題への取り組みがもう一つの評価尺度として取り上げられるようになっています。
これまでパブリック・プライベート・パートナシップ(以下、PPP)というモデルで多くの問題解決をしてきましたが、PPPが抱える問題点も明らかになってきており、PPPを超える効率的なビジネスモデルをグローバルヘルス分野でも考えていく必要があります。
当社では顧みられない熱帯病、特にリンパ系フィラリア症(LF)の制圧に取り組んでまいりました。2010年に世界保健機関(WHO)から相談を受けて、当時新設工場だったインド工場でLF治療薬として欠かせないジエチルカルマバジン(DEC)錠の製造を開始しました。当社はこのDEC錠を無償で供給しています。現在まで21.3億錠を世界のLF蔓延国に供給しており、 当社のDEC錠の貢献も含め17か国でLFの制圧達成という成果につながりました。
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2012年には、ロンドン宣言という当時最大のPPPが組まれ、10の顧みられない熱帯病制圧を目指し大きな成果を上げました。しかし、完全な目標達成には至らず、2022年にキガリ宣言で蔓延国のオーナーシップを高めていく新しいPPPがスタートしています。
当社は、直近のアルツハイマー病治療薬の米国での発売に際して、薬剤がもたらす社会的価値を算出し、その価値のパブリックとプライベートに対する配分として、6割をパブリックに還元し、4割をプライベートとしての株主や従業員に配分するという考え方に基づいて価格設定を行いました。一方、LF治療薬DEC錠は無償提供ビジネスですので、100%をパブリックに還元していることになります。「インパクト加重会計」を用いて、DEC錠がもたらすインパクト・価値(感染予防などによる生涯の労働日数の回復や医療費削減)を計算したところ、年間約1,600億円の社会的価値を創造していることが分かりました。
PPPを越えるビジネスモデルとして提案する「Public Benefit Corporation」とは、利益ではなく、インパクトを目的とした企業の取り組みに対して出資する仕組みです。この仕組みは日本では法制化されていませんが、米国では既に37州で法制化されています。グローバルヘルスに関係するステークホルダーが、「Public Benefit Corporation」に出資し、人材や技術が結集することで、責任の所在やプロジェクトマネジメントなどの課題を克服できるのではないかと考えています。新たな技術によるグローバルヘルス課題へのソリューションが創出され、それらを必要とする人々に届けていくためにも、「新しい資本主義」の中でこの仕組みの法制化が進むことを願っています。
トークセッション
「民間企業が取組むグローバルヘルスの社会的価値と理想とする官民学連携」をテーマに各社からコメントし、さらに尾身氏からの質問が投げかけられるなど、官民学連携について議論しました。
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後藤氏
「結核のみならず、がんまたは生活習慣病など、様々な病気を早期発見することによって社会的価値に対して貢献しています。また、検診自体が根付いていない、そのような文化がない途上国などに、適切な価格とイノベーションをもって進出していくことは社会的価値だと考えています。官民学連携については、やはり一企業だけでは資金的にも限度があり、相手国政府を動かすのもなかなか難しい状況です。ポイントの1つは、政府同士が取り組みの趣旨を明らかにすることで、企業はイノベーションある製品を開発し、各市場にあったシステムを考えることです。もう1つは、アカデミアに企業が供給している製品・サービスを客観的な立場から評価・分析してもらうことです。」
尾身氏から「現場での人材育成と、現地の方と日本の専門家の連携」について問われると、「活動を継続していくことで、JICAはもちろん、厚労省や経産省なども支援してくれるようになってきました。どこか特定の国ではなく、国際的な大きなうねりにつながれば、日本のプレゼンスも高まるのではないでしょうか。」とコメントしました。
家次氏
「アカデミアの方々と我々企業が、協力しながら臨床検査の正確性を高めていくことも非常に重要です。日本でも昔からJICAなどを通じて開発途上国を支援しており、企業も機材や試薬の供給を通じてサポートしてきました。当社でも1990年代よりこれまで1,000人以上のJICA研修員へ技術研修を提供してきました。特にアフリカではマラリアなど感染症が非常に大きな課題です。最新のICT技術などもうまく取り入れながら、持続的かつ継続的に医療人材が育つための仕組みづくりを官民学で連携して考え、その取り組みを世界に発信すべきと思います。」
尾身氏から「民間企業同士での連携における今後の展開」について問われると、「味の素ファンデーション・NECとの協働のように、それぞれの得意な領域を組み合わせることにより、現地の社会課題を解決する新しいソリューションを生み出すことができます。さらにより多くの企業に参加していただけると、日本として成果が出るのではないでしょうか。民間から生まれたパートナーシップに、政府やアカデミアも加わるような仕組みができると、さらに活発になると考えており、今後も続けていきたいと思います。」とコメントしました。
内藤氏
「インパクトは、見える化がされていないと、 株主をはじめとするステークホルダーからの理解が得づらいものです。そのため、できれば金額で表記することが重要だと考えています。インパクト加重会計については、製品だけでなく、例えば人件費でもインパクトへの貢献も数値化できるよう整備されてきています。いわゆる会計原則に基づくP/LとB/Sの表示に加えて、インパクトの規模を金額表示して併記することで、企業価値を判断していただくことは、これからの企業にとって大切になるのではないでしょうか。」
尾身氏から「経営者たちにとってのインパクト加重会計の重要性」について問われると、「ESG投資には、多数の大きなファンドが動きました。E(Environment)では、気候変動やエネルギーといった観点で、若干の懐疑的なものが残ってはいるものの、一定の企業評価の方向性が示されています。今後はS(Social)に対する関心が集まっており、ヘルスケア領域がその1丁目1番地です。売上や利益に加えて、インパクトが可視化され、示されるということは、投資家にとっても投資すべき企業の評価指標となり、企業経営の1つの王道になっていくのではないでしょうか。」とコメントしました。
「データでみる世界の感染症の実情と日本の現在地」
ビル&メリンダ・ゲイツ財団 日本常駐代表
柏倉 美保子 氏
SDGsにおける感染症の位置付け
SDGsでは、2030年までにエイズ、結核、マラリア、そして顧みられない熱帯病の根絶が明記され、大きな目標として掲げられております。また、この2030年というタイミングは、次回日本がG7を開催する非常に重要なタイミングであり、7年後を見据えて今からできることを皆さんと一緒に考えていきたいと思います。
各感染症の患者数(リスクに晒されている人)
三大感染症の推定患者数については、マラリアは2.4億人、 結核は17億人、HIVは3,800万人と推定されています。また、WHOが指定する20の顧みられない熱帯病は、リスクに晒されている人口が16.5億人といわれており、世界では三大感染症やNTDsなどのリスクに非常に多くの人々が晒されている実情があります。
[画像10: https://prtimes.jp/i/76537/15/resize/d76537-15-0fa9ef8e269e7d4c8b2b-9.jpg ]
感染者数の推移(マラリアの場合)
ビル&メリンダ・ゲイツ財団もCOVID-19が流行した当初、警鐘を鳴らしていましたが、世界の注目がCOVID-19に一極集中してしまうことによって、他の感染症の対策が遅れてしまいました。マラリアの場合は、10年前の水準にまで後退してしまっています。これは、マラリアだけではなく、他の感染症も同様のことが起きていると考えられ、今年5月に広島で開催されるG7においても、既存の感染症を含めて、COVID-19を踏まえた世界の教訓、そしてグローバルヘルス分野の重要性について、改めて議論をしていくべきです。
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G7諸国の多国間援助、国際公共調達における日本企業の製品・サービス
世界における感染症の実態を踏まえて、日本としてできることは、資金投資と、製品普及を通じたイノベーションによるグローバルヘルスへの貢献です。多国間援助における資金投資額の状況や、国際公共調達における保健分野の供給額では、まだ伸び代があると考えています。我々は、さらに日本企業の製品が様々な国際機関や国際公共調達を通じて、グローバルヘルスに貢献していくことを願っています。
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グローバルヘルスを応援するビジネスリーダー有志一同について
渋澤 健(シブサワ・アンド・カンパニー株式会社 代表取締役CEO)を代表とする、グローバルヘルス(保健医療分野、特に公衆衛生分野、感染症対策分野での支援及び事業)へ貢献する日本企業等の有志団体です。製薬・医療機器をはじめとした保健医療分野のみならず、金融や商社、デジタル、サプライチェーン等多岐にわたる分野から構成され、大企業のみならず中小企業やスタートアップも含めた多様な企業の経営者が参画しています。
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2022年8月19日 有志企業がビル・ゲイツ氏と共に「グローバルヘルス・アクション」を発表した際の様子
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アーカイブ動画 : https://youtu.be/SX7umjPhgb4
グローバルヘルスを応援するビジネスリーダー有志一同(以下、有志一同)は、グローバルヘルスに寄与するサービスや企業活動への理解促進・関心向上を目的としたプログラム「グローバルヘルス・アカデミー」 (以下、アカデミー)」を開催しています。
アカデミー第2回では、有志一同から富士フイルム株式会社、シスメックス株式会社、エーザイ株式会社とビル&メリンダ・ゲイツ財団が登壇し「世界の感染症に対する日本企業の最新アプローチ」をテーマに開催しました。各社から感染症へのアプローチを通じたグローバルヘルスに寄与する取組みを発表したほか、ゲストとして尾身茂氏をお招きし、グローバルヘルス領域での官民学連携などについてトークセッションも実施しました。
グローバルヘルスとは、地球上の連鎖的な健康リスクの低減に向け、国境を越え、あらゆる場所の保健医療水準を高めることです。昨今、新型コロナウイルス感染症やサル痘の感染拡大を筆頭に、グローバルヘルスに関する国際的な枠組みへの関心が高まっています。各国で政府のみならず、国際機関や官民パートナーシップなど様々な団体によって、課題解決に向けたアプローチがなされています。
今年5月に広島で開催されるG7を前に、グローバルヘルスの重要性を伝えるべく、有志一同は尾身茂氏とともに「日本の強みはグローバルヘルス。今までの実績があり、世界と競争(コンペティション)できる領域である。官民学、オールジャパンでの連携が重要」と発信しました。
「感染症・グローバルヘルスにおける日本のリーダーシップ」(4つのキーワード)
結核予防会理事長、新型コロナウイルス感染症対策分科会会長
尾身 茂 氏
[画像2: https://prtimes.jp/i/76537/15/resize/d76537-15-135d3747dbbfa57b05ac-1.jpg ]
1. 感染症対策は政府だけでは成立しない。官民学の連携が必要。
日本がグローバルヘルスに貢献するためには、政府だけでなく、官民学の協働が必要であり、それぞれの組織あるいは人々のグループが交わることが今後極めて重要です。感染症対策には大きく分けて、3つの構成要素があります。<政策を実行する政府や自治体と一般市民の協力><現在の感染状況等を分析し、リスクを評価して、それを基に政策を提案するグループ>そして<感染症対策に必要なワクチンや診断薬、治療薬を開発する民間企業あるいは研究機関>、これらが一体になりダイナミックに繋がっていくべきです。
2. 平時から準備する重要性。
平時に準備していないことを、緊急危機が始まってから実行するのは困難です。過去の反省を踏まえて新しい取り組み、例えば司令塔の創設は賛成ですが、行政機関や組織を立ち上げたとしても中身がないと機能しません。企業や専門家、政府がそれぞれできることを決めておき、平時の時から「いざとなったらどういう役割、どうインタラクションするか」を準備しておくということは極めて重要です。
3. 開発途上国のためのアプローチが日本への還元に。
国際社会において、残念ながら日本の全体の存在感は低下傾向にあると感じており、主な要因として、社会全体で危機感の共有が十分でないことと、外部(海外)への関心が低いことがあげられます。日本の強みは、グローバルヘルスです。医療分野では、日本には今までの実績があり、世界に競争(コンピティション)できる領域です。官民学、オールジャパンで民間の努力を国も支え、民間も国の政策にアイデアを出すという、双方向の対話が必要だと思います。
4. 科学技術でのグローバルヘルスへの貢献。
「日本がさらにグローバルヘルスに貢献できるための条件」として最も重要だと考える条件は「人材」です。これから日本がさらに輝くためには、海外に今何が足りないのかを現地をみて知り、優れた研究内容が市場にでていくまでの期間に、人材育成も同時に後押ししていく必要があります。海外に出て、いろんな国や企業と交渉できる人材を育てていくことが、1番のカギになると考えています。
「結核対策への取り組みと持続可能なUHC(ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ)の達成」
富士フイルム株式会社 代表取締役社長・CEO
後藤 禎一 氏
[画像3: https://prtimes.jp/i/76537/15/resize/d76537-15-03f3473d9b7a006d52bb-2.jpg ]
結核は世界三大感染症の1つで、毎年1000万人の方が発病しています。そのうち400万人の方は、診断と治療の機会すら得られていません。その課題の1つとして、医療設備が不足としている地方部にまだ結核対策が行き届いてないことが挙げられます。このような課題に対して、富士フイルムは携帯型X線撮影ソリューションに取り組んでいます。
当社はこのソリューションを、世界の結核対策の総本山であるStop TB Partnershipに紹介し、パキスタンやベトナムなどで実証プロジェクトを実施しました。 その有効性が認められ、2021年にはWHOが結核検診のガイドラインを改訂し、従来の痰検査に加えて、新たに胸部のX線撮影と、AIサポートによるスクリーニング検査が推奨されることになりました。 さらにUNOPS(国連プロジェクト・サービス機関)と携帯型X線撮影装置の長期供給契約の締結に至り、これまでに約60カ国に向けて供給しています。
インドでは、結核撲滅に向けたインド政府、国際機関の共同プログラムに参加しており、専用の車を仕立ててインド各地でX線による結核検診を推進しています。結核などの肺疾患そのものを発見することはもちろん、検診に対する意識を高めるためにも、2021年からこのような活動を行っています。本年中に累計で600万人に検診の機会を提供し、3万人以上に対するX線診断の提供を実現します。
[画像4: https://prtimes.jp/i/76537/15/resize/d76537-15-df511cf9fab96b366123-3.jpg ]
富士フイルムは携帯型X線撮影ソリューションによる結核対策を世界各国で継続し、各地への機材配備を加速していきます。さらに、各地にあるシステムをクラウドネットワークによって連携し、検診・治療データを一元管理するソフトウェアを開発中です。これにより、どのエリアで、何人に診断が実施され、その後の治療状況はどうなっているのか、といった情報がリアルタイムで更新され、各国はこのデータを基に必要なリソースを配分して、結核対策を推進することが可能となります。
X線画像診断は肺だけでなく、腹部領域、心臓、そして全身の骨など一次診療に必要な広範囲な部位を撮影することができます。こうした機材が世界中に点在するプライマリーヘルスケアセンターに配備されれば、その場で簡易診療や経過観察などができるようになります。こうして、一次医療拠点の機能を強化することで、本当に必要な患者だけが上位病院にアクセスし、治療を集中できるようになります。新興国が抱える大きな課題の解決につながる施策と位置づけ、取り組みを進めていきます。
一番医療を届けたい方々は最もアクセスしづらい地方エリアにこそ、より多くいます。富士フイルムは彼らを決して後回しにしません。最もアクセスしづらい人たちに、医療サービスを届けにいきます。
「グローバルヘルスの医療インフラとしての検体検査 -マラリア検査のイノベーション-」
シスメックス株式会社 代表取締役会長兼社長CEO
家次 恒 氏
[画像5: https://prtimes.jp/i/76537/15/resize/d76537-15-90a72a7c86a3d689f205-4.jpg ]
シスメックスは、体内から取り出した血液などの検体を調べる検体検査の領域でグローバルに事業展開しています。売上高の海外比率は85%で、190以上の国や地域へ製品・サービスをお届けしています。
検体検査は、病気の予防や診断、治療後のモニタリングや評価など様々な場面で行われており、医療の入口であり、出口でもあります。現代の医療は検査データがないと成り立たない状況であり、医療に不可欠なものとなっています。
グローバルヘルスにおいては、「現地の医療課題にどう向き合うか」が重要です。例えば、マラリアは、アフリカや東南アジアを中心に年間約2.5億人が感染し、死者62万人のうち約50万人は5歳以下の乳幼児という状況です。マラリア蔓延地域には貧血患者も多く、マラリアの診断と合わせて、ヘモグロビンの量を測定し貧血状態の把握をすることも必要です。シスメックスは、グローバルNo.1のシェアをもつ血球計数検査で培った技術を活用し、多くの人たちの検査を迅速にできるマラリア検査機器を開発しました。日本の健康診断のような仕組みが普及していない開発途上国において、病気の早期発見・早期治療の仕組みを作ることにチャレンジしています。
[画像6: https://prtimes.jp/i/76537/15/resize/d76537-15-329951bd13675769f254-5.jpg ]
アフリカにおいては、5つの現地法人を中心に、54ヵ国中約50ヵ国へ代理店を通じた販売・サービスネットワークを構築しており、検査機器の導入後も、試薬供給とサービス・メンテナンスを継続的に提供できる仕組みを整備しています。
現地の保健システムを強化するためには、医療人材の育成も重要です。シスメックスは、現地法人にあるトレーニングセンターやオンラインの教育コンテンツを充実させ、検査機器の扱い方に加えて、学術サポートなどナレッジの向上も支援しています。現地の医療人材が自立できることを目指しており、日本が貢献できることと考えます。
また、開発途上国の社会課題の解決には、一社ではできないことも、パートナーシップを組んで新たな価値を創造できると思います。例えばガーナでは、味の素ファンデーション・NEC(日本電気株式会社)と共に、母子の保健と栄養の改善を目指して活動しています。日本の技術や製品・サービスを、開発途上国へ提供する仕組みを作るためには、アカデミアや政府との連携も非常に重要です。日本はそれらのパートナーシップにより世界の社会課題解決に貢献できる大きなポテンシャルを持っていると考えています。
「パートナーシップによる顧みられない熱帯病制圧と社会善の実現」
エーザイ株式会社 代表執行役CEO
内藤 晴夫 氏
[画像7: https://prtimes.jp/i/76537/15/resize/d76537-15-944d4dd524fb55c3900e-6.jpg ]
現代の企業は、社会的課題の解決に取り組まなければいけないと思っています。岸田政権の「新しい資本主義」でも、企業評価に従来のリスク・リターンに加えてインパクト、いわゆる社会的課題への取り組みがもう一つの評価尺度として取り上げられるようになっています。
これまでパブリック・プライベート・パートナシップ(以下、PPP)というモデルで多くの問題解決をしてきましたが、PPPが抱える問題点も明らかになってきており、PPPを超える効率的なビジネスモデルをグローバルヘルス分野でも考えていく必要があります。
当社では顧みられない熱帯病、特にリンパ系フィラリア症(LF)の制圧に取り組んでまいりました。2010年に世界保健機関(WHO)から相談を受けて、当時新設工場だったインド工場でLF治療薬として欠かせないジエチルカルマバジン(DEC)錠の製造を開始しました。当社はこのDEC錠を無償で供給しています。現在まで21.3億錠を世界のLF蔓延国に供給しており、 当社のDEC錠の貢献も含め17か国でLFの制圧達成という成果につながりました。
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2012年には、ロンドン宣言という当時最大のPPPが組まれ、10の顧みられない熱帯病制圧を目指し大きな成果を上げました。しかし、完全な目標達成には至らず、2022年にキガリ宣言で蔓延国のオーナーシップを高めていく新しいPPPがスタートしています。
当社は、直近のアルツハイマー病治療薬の米国での発売に際して、薬剤がもたらす社会的価値を算出し、その価値のパブリックとプライベートに対する配分として、6割をパブリックに還元し、4割をプライベートとしての株主や従業員に配分するという考え方に基づいて価格設定を行いました。一方、LF治療薬DEC錠は無償提供ビジネスですので、100%をパブリックに還元していることになります。「インパクト加重会計」を用いて、DEC錠がもたらすインパクト・価値(感染予防などによる生涯の労働日数の回復や医療費削減)を計算したところ、年間約1,600億円の社会的価値を創造していることが分かりました。
PPPを越えるビジネスモデルとして提案する「Public Benefit Corporation」とは、利益ではなく、インパクトを目的とした企業の取り組みに対して出資する仕組みです。この仕組みは日本では法制化されていませんが、米国では既に37州で法制化されています。グローバルヘルスに関係するステークホルダーが、「Public Benefit Corporation」に出資し、人材や技術が結集することで、責任の所在やプロジェクトマネジメントなどの課題を克服できるのではないかと考えています。新たな技術によるグローバルヘルス課題へのソリューションが創出され、それらを必要とする人々に届けていくためにも、「新しい資本主義」の中でこの仕組みの法制化が進むことを願っています。
トークセッション
「民間企業が取組むグローバルヘルスの社会的価値と理想とする官民学連携」をテーマに各社からコメントし、さらに尾身氏からの質問が投げかけられるなど、官民学連携について議論しました。
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後藤氏
「結核のみならず、がんまたは生活習慣病など、様々な病気を早期発見することによって社会的価値に対して貢献しています。また、検診自体が根付いていない、そのような文化がない途上国などに、適切な価格とイノベーションをもって進出していくことは社会的価値だと考えています。官民学連携については、やはり一企業だけでは資金的にも限度があり、相手国政府を動かすのもなかなか難しい状況です。ポイントの1つは、政府同士が取り組みの趣旨を明らかにすることで、企業はイノベーションある製品を開発し、各市場にあったシステムを考えることです。もう1つは、アカデミアに企業が供給している製品・サービスを客観的な立場から評価・分析してもらうことです。」
尾身氏から「現場での人材育成と、現地の方と日本の専門家の連携」について問われると、「活動を継続していくことで、JICAはもちろん、厚労省や経産省なども支援してくれるようになってきました。どこか特定の国ではなく、国際的な大きなうねりにつながれば、日本のプレゼンスも高まるのではないでしょうか。」とコメントしました。
家次氏
「アカデミアの方々と我々企業が、協力しながら臨床検査の正確性を高めていくことも非常に重要です。日本でも昔からJICAなどを通じて開発途上国を支援しており、企業も機材や試薬の供給を通じてサポートしてきました。当社でも1990年代よりこれまで1,000人以上のJICA研修員へ技術研修を提供してきました。特にアフリカではマラリアなど感染症が非常に大きな課題です。最新のICT技術などもうまく取り入れながら、持続的かつ継続的に医療人材が育つための仕組みづくりを官民学で連携して考え、その取り組みを世界に発信すべきと思います。」
尾身氏から「民間企業同士での連携における今後の展開」について問われると、「味の素ファンデーション・NECとの協働のように、それぞれの得意な領域を組み合わせることにより、現地の社会課題を解決する新しいソリューションを生み出すことができます。さらにより多くの企業に参加していただけると、日本として成果が出るのではないでしょうか。民間から生まれたパートナーシップに、政府やアカデミアも加わるような仕組みができると、さらに活発になると考えており、今後も続けていきたいと思います。」とコメントしました。
内藤氏
「インパクトは、見える化がされていないと、 株主をはじめとするステークホルダーからの理解が得づらいものです。そのため、できれば金額で表記することが重要だと考えています。インパクト加重会計については、製品だけでなく、例えば人件費でもインパクトへの貢献も数値化できるよう整備されてきています。いわゆる会計原則に基づくP/LとB/Sの表示に加えて、インパクトの規模を金額表示して併記することで、企業価値を判断していただくことは、これからの企業にとって大切になるのではないでしょうか。」
尾身氏から「経営者たちにとってのインパクト加重会計の重要性」について問われると、「ESG投資には、多数の大きなファンドが動きました。E(Environment)では、気候変動やエネルギーといった観点で、若干の懐疑的なものが残ってはいるものの、一定の企業評価の方向性が示されています。今後はS(Social)に対する関心が集まっており、ヘルスケア領域がその1丁目1番地です。売上や利益に加えて、インパクトが可視化され、示されるということは、投資家にとっても投資すべき企業の評価指標となり、企業経営の1つの王道になっていくのではないでしょうか。」とコメントしました。
「データでみる世界の感染症の実情と日本の現在地」
ビル&メリンダ・ゲイツ財団 日本常駐代表
柏倉 美保子 氏
SDGsにおける感染症の位置付け
SDGsでは、2030年までにエイズ、結核、マラリア、そして顧みられない熱帯病の根絶が明記され、大きな目標として掲げられております。また、この2030年というタイミングは、次回日本がG7を開催する非常に重要なタイミングであり、7年後を見据えて今からできることを皆さんと一緒に考えていきたいと思います。
各感染症の患者数(リスクに晒されている人)
三大感染症の推定患者数については、マラリアは2.4億人、 結核は17億人、HIVは3,800万人と推定されています。また、WHOが指定する20の顧みられない熱帯病は、リスクに晒されている人口が16.5億人といわれており、世界では三大感染症やNTDsなどのリスクに非常に多くの人々が晒されている実情があります。
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感染者数の推移(マラリアの場合)
ビル&メリンダ・ゲイツ財団もCOVID-19が流行した当初、警鐘を鳴らしていましたが、世界の注目がCOVID-19に一極集中してしまうことによって、他の感染症の対策が遅れてしまいました。マラリアの場合は、10年前の水準にまで後退してしまっています。これは、マラリアだけではなく、他の感染症も同様のことが起きていると考えられ、今年5月に広島で開催されるG7においても、既存の感染症を含めて、COVID-19を踏まえた世界の教訓、そしてグローバルヘルス分野の重要性について、改めて議論をしていくべきです。
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G7諸国の多国間援助、国際公共調達における日本企業の製品・サービス
世界における感染症の実態を踏まえて、日本としてできることは、資金投資と、製品普及を通じたイノベーションによるグローバルヘルスへの貢献です。多国間援助における資金投資額の状況や、国際公共調達における保健分野の供給額では、まだ伸び代があると考えています。我々は、さらに日本企業の製品が様々な国際機関や国際公共調達を通じて、グローバルヘルスに貢献していくことを願っています。
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グローバルヘルスを応援するビジネスリーダー有志一同について
渋澤 健(シブサワ・アンド・カンパニー株式会社 代表取締役CEO)を代表とする、グローバルヘルス(保健医療分野、特に公衆衛生分野、感染症対策分野での支援及び事業)へ貢献する日本企業等の有志団体です。製薬・医療機器をはじめとした保健医療分野のみならず、金融や商社、デジタル、サプライチェーン等多岐にわたる分野から構成され、大企業のみならず中小企業やスタートアップも含めた多様な企業の経営者が参画しています。
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2022年8月19日 有志企業がビル・ゲイツ氏と共に「グローバルヘルス・アクション」を発表した際の様子