サンゴ礁の再生プロジェクト「InCORE(TM)」をフィリピンで始動
[23/05/31]
提供元:PRTIMES
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アジア開発銀行の国際公募サンゴ再生事業に採択
鹿島(社長:天野 裕正)は、東京工業大学(以下、東工大)、フィリピン大学ビサヤ校と共同で、気候変動と人間活動の影響により衰退危機にあるサンゴ礁の保全と再生を目的としたプロジェクト「InCORE」(インコア)※を始動しました。
本プロジェクトでは、東工大の数値シミュレーション技術を用いたサンゴ礁の環境評価と当社のサンゴ再生技術「コーラルネット(R)」に、現地の生態系に詳しいフィリピン大学ビサヤ校の知見を融合します。これにより、各地域に適したサンゴ礁の環境評価からサンゴ再生、モニタリングによる効果検証までを含む統合的な取組手法を提案・実施し、サンゴ礁の保全・再生を目指します。
このたび本プロジェクトが、アジア開発銀行(以下、ADB)によるサンゴ保全・再生に関する国際公募事業「Technology Innovation Challenge for Healthy Oceans -Restore and Protect Coral Reefs-」に採択されました。
※Integrated Approach for Coral Reef Conservation and Rehabilitation
[画像1: https://prtimes.jp/i/116603/15/resize/d116603-15-d990b819bec2da665726-7.png ]
[画像2: https://prtimes.jp/i/116603/15/resize/d116603-15-b698831105a08bff81c8-7.png ]
サンゴ保全・再生事業の背景
[画像3: https://prtimes.jp/i/116603/15/resize/d116603-15-e470f66843941d288cfe-7.jpg ]
フィリピンやインドネシア、マレーシア、パプアニューギニア等を囲む三角形状の地域は「コーラルトライアングル」と呼ばれ、世界のサンゴ種の4分の3が生息するなど、海洋生物の多様性に富んだエリアです。しかし、近年、気候変動による地球温暖化や沿岸開発、乱獲などの影響により、この地域のサンゴ礁が衰退の危機に瀕しており、漁業資源の減少や観光資源への影響も深刻化しています。これまでサンゴ再生に関する数多くの取組みが各国で行われてきましたが、事前の環境調査やサンゴの定着率の向上、継続的なモニタリングの実施、海域の環境改善が課題となっていました。
そこでADBが、アジア・太平洋地域における気候変動対策と持続可能な取組みの一環として、サンゴ礁の保全・再生技術を公募したところ、世界中の34もの研究機関・団体から応募があり、その中から唯一、当社らの提案が採択されました。
三者の役割
プロジェクトの実施にあたり、フィリピン大学ビサヤ校は、これまでの研究実績に基づいて、当該海域のサンゴ礁の生態調査を行うほか、自治体や政府機関、研究機関、漁業者など地元関係者との調整窓口となります。
東工大は、最新の数値シミュレーション技術を用いてサンゴ礁の複合環境影響評価を行い、短期間の現地調査だけでは把握し切れない広域かつ時系列変化を含む定量的な解析を担います。
鹿島は、現地の環境特性に適したコーラルネットの適用法を検討するとともに、プロジェクト全体の計画立案、とりまとめを行います。
三者は、調査・解析結果を分析し、サンゴ礁衰退の原因究明を行うとともに、サンゴ再生適地の選定、再生技術導入後のモニタリング調査と効果の検証を共同で行います。
プロジェクトの概要
本プロジェクトの実施場所は、フィリピン・パナイ島アクラン州タンガラン沿岸域を選定しました。当沿岸域は、自治体が中心となってサンゴ再生活動を進めており、プロジェクト実施にあたり、地元関係者との密接な連携が期待できます。
[画像4: https://prtimes.jp/i/116603/15/resize/d116603-15-b10095e1ca51329ed3d1-7.png ]
[画像5: https://prtimes.jp/i/116603/15/resize/d116603-15-b10f4fc6f9bdf8a124fb-7.jpg ]
本プロジェクトの実施期間は1年半で、以下の3段階に分けて、技術と地域連携による統合的なサンゴ礁の再生・保全体系に基づくパイロット事業を実施し、その有効性を検証します。
1.現地調査と数値シミュレーション技術による環境評価
地元の自治体や研究機関などと連携して、現地の生態環境調査を行います。東工大が保有する沿岸環境数値シミュレーション技術を活用することで、海水の流れや温度、塩分濃度、水質などの空間分布や時間的な変化を定量的に解析・予測することができます。その結果を基に、対象海域の環境条件に適したサンゴの再生手法と実施場所を選定します。
[画像6: https://prtimes.jp/i/116603/15/resize/d116603-15-c95e5a10716088bdb716-6.png ]
2.コーラルネットによるサンゴ再生技術の実装
サンゴ再生技術の中心となる鹿島の「コーラルネット」は、20年間にわたる沖縄海域での実証試験の実績とノウハウを有しており、従来の技術と比べ、より安定した再生を可能とする技術です。このコーラルネットを、環境評価を基に選定された場所に地元関係者とともに設置します。
[画像7: https://prtimes.jp/i/116603/15/resize/d116603-15-331b3f08cc19ac10f42e-6.jpg ]
3.モニタリングと効果検証
コーラルネット設置後、地元関係者と継続的なモニタリングを行います。併せて、東工大の数値シミュレーション技術を用いて、隣接する陸域からの微細土砂粒子等の流入といったサンゴ再生に対する環境負荷の発生源との関連を定量的に明らかにし、水質等の環境改善の方策をその効果とともに検討します。これらの結果を踏まえ、本プロジェクトの有効性を検証します。
今後の展開
鹿島、東工大、フィリピン大学ビサヤ校は、今回のプロジェクトで得られた成果を足掛かりに、さまざまな国の沿岸域で各地域と連携しながら「InCORE」を発展的に適用・展開し、サンゴ礁の保全・再生活動を行っていくビジョンを描いています。
鹿島は、これらの取組みを通じて、地球規模での環境保全、脱炭素社会への移行に貢献していきます。
(参考)
地球にやさしく!サンゴ礁を蘇らせる「コーラルネット」
https://www.kajima.co.jp/tech/c_eco/ecosystem/index.html#!body_07
鹿島(社長:天野 裕正)は、東京工業大学(以下、東工大)、フィリピン大学ビサヤ校と共同で、気候変動と人間活動の影響により衰退危機にあるサンゴ礁の保全と再生を目的としたプロジェクト「InCORE」(インコア)※を始動しました。
本プロジェクトでは、東工大の数値シミュレーション技術を用いたサンゴ礁の環境評価と当社のサンゴ再生技術「コーラルネット(R)」に、現地の生態系に詳しいフィリピン大学ビサヤ校の知見を融合します。これにより、各地域に適したサンゴ礁の環境評価からサンゴ再生、モニタリングによる効果検証までを含む統合的な取組手法を提案・実施し、サンゴ礁の保全・再生を目指します。
このたび本プロジェクトが、アジア開発銀行(以下、ADB)によるサンゴ保全・再生に関する国際公募事業「Technology Innovation Challenge for Healthy Oceans -Restore and Protect Coral Reefs-」に採択されました。
※Integrated Approach for Coral Reef Conservation and Rehabilitation
[画像1: https://prtimes.jp/i/116603/15/resize/d116603-15-d990b819bec2da665726-7.png ]
[画像2: https://prtimes.jp/i/116603/15/resize/d116603-15-b698831105a08bff81c8-7.png ]
サンゴ保全・再生事業の背景
[画像3: https://prtimes.jp/i/116603/15/resize/d116603-15-e470f66843941d288cfe-7.jpg ]
フィリピンやインドネシア、マレーシア、パプアニューギニア等を囲む三角形状の地域は「コーラルトライアングル」と呼ばれ、世界のサンゴ種の4分の3が生息するなど、海洋生物の多様性に富んだエリアです。しかし、近年、気候変動による地球温暖化や沿岸開発、乱獲などの影響により、この地域のサンゴ礁が衰退の危機に瀕しており、漁業資源の減少や観光資源への影響も深刻化しています。これまでサンゴ再生に関する数多くの取組みが各国で行われてきましたが、事前の環境調査やサンゴの定着率の向上、継続的なモニタリングの実施、海域の環境改善が課題となっていました。
そこでADBが、アジア・太平洋地域における気候変動対策と持続可能な取組みの一環として、サンゴ礁の保全・再生技術を公募したところ、世界中の34もの研究機関・団体から応募があり、その中から唯一、当社らの提案が採択されました。
三者の役割
プロジェクトの実施にあたり、フィリピン大学ビサヤ校は、これまでの研究実績に基づいて、当該海域のサンゴ礁の生態調査を行うほか、自治体や政府機関、研究機関、漁業者など地元関係者との調整窓口となります。
東工大は、最新の数値シミュレーション技術を用いてサンゴ礁の複合環境影響評価を行い、短期間の現地調査だけでは把握し切れない広域かつ時系列変化を含む定量的な解析を担います。
鹿島は、現地の環境特性に適したコーラルネットの適用法を検討するとともに、プロジェクト全体の計画立案、とりまとめを行います。
三者は、調査・解析結果を分析し、サンゴ礁衰退の原因究明を行うとともに、サンゴ再生適地の選定、再生技術導入後のモニタリング調査と効果の検証を共同で行います。
プロジェクトの概要
本プロジェクトの実施場所は、フィリピン・パナイ島アクラン州タンガラン沿岸域を選定しました。当沿岸域は、自治体が中心となってサンゴ再生活動を進めており、プロジェクト実施にあたり、地元関係者との密接な連携が期待できます。
[画像4: https://prtimes.jp/i/116603/15/resize/d116603-15-b10095e1ca51329ed3d1-7.png ]
[画像5: https://prtimes.jp/i/116603/15/resize/d116603-15-b10f4fc6f9bdf8a124fb-7.jpg ]
本プロジェクトの実施期間は1年半で、以下の3段階に分けて、技術と地域連携による統合的なサンゴ礁の再生・保全体系に基づくパイロット事業を実施し、その有効性を検証します。
1.現地調査と数値シミュレーション技術による環境評価
地元の自治体や研究機関などと連携して、現地の生態環境調査を行います。東工大が保有する沿岸環境数値シミュレーション技術を活用することで、海水の流れや温度、塩分濃度、水質などの空間分布や時間的な変化を定量的に解析・予測することができます。その結果を基に、対象海域の環境条件に適したサンゴの再生手法と実施場所を選定します。
[画像6: https://prtimes.jp/i/116603/15/resize/d116603-15-c95e5a10716088bdb716-6.png ]
2.コーラルネットによるサンゴ再生技術の実装
サンゴ再生技術の中心となる鹿島の「コーラルネット」は、20年間にわたる沖縄海域での実証試験の実績とノウハウを有しており、従来の技術と比べ、より安定した再生を可能とする技術です。このコーラルネットを、環境評価を基に選定された場所に地元関係者とともに設置します。
[画像7: https://prtimes.jp/i/116603/15/resize/d116603-15-331b3f08cc19ac10f42e-6.jpg ]
3.モニタリングと効果検証
コーラルネット設置後、地元関係者と継続的なモニタリングを行います。併せて、東工大の数値シミュレーション技術を用いて、隣接する陸域からの微細土砂粒子等の流入といったサンゴ再生に対する環境負荷の発生源との関連を定量的に明らかにし、水質等の環境改善の方策をその効果とともに検討します。これらの結果を踏まえ、本プロジェクトの有効性を検証します。
今後の展開
鹿島、東工大、フィリピン大学ビサヤ校は、今回のプロジェクトで得られた成果を足掛かりに、さまざまな国の沿岸域で各地域と連携しながら「InCORE」を発展的に適用・展開し、サンゴ礁の保全・再生活動を行っていくビジョンを描いています。
鹿島は、これらの取組みを通じて、地球規模での環境保全、脱炭素社会への移行に貢献していきます。
(参考)
地球にやさしく!サンゴ礁を蘇らせる「コーラルネット」
https://www.kajima.co.jp/tech/c_eco/ecosystem/index.html#!body_07