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<イベントレポート>GCA、インドセミナー『インド企業経営の成功の鍵』開催、約300名参加

〜マルチ・スズキ・インディア会長 Bhargava氏、インド経済研究所理事長 榊原英資氏をお招きして〜

GCA株式会社(本社:千代田区 代表取締役:渡辺章博)は、2017年7月19日(水)に、インドにおける業務提携先であるICICI証券とインドセミナーを開催しました。




[画像1: https://prtimes.jp/i/18431/16/resize/d18431-16-101335-5.jpg ]


多くの日本企業がグローバル事業展開の戦略的要所と位置づけているインドでは7月1日より全国統一の物品サービス税(GST)が導入され、経済活動の円滑化が期待されています。しかし一方では、多様性に富むインド市場の難しさを理由に投資を躊躇するケースや、進出後の企業経営において困難に直面するケースが多々見られます。

本セミナーでは、インドに根ざし成長を続けてきたマルチ・スズキ・インディアで、その黎明期から経営のトップとして会社を率いてきた会長のR. C. Bhargava氏をお招きし、インドにおける企業経営の要諦をご講演いただきました。

また、インド経済研究所理事長の榊原英資氏をモデレーターに招請し、Bhargava氏のほか、日印両国で企業経営に携わったGCA特別顧問の采孟氏、ICICI証券マネージングディレクター&CEOのShilpa Kumar氏、GCA代表の渡辺章博をパネリストとして、両国の企業運営における共通点や特殊性について議論するパネルディスカッションを開催。本稿は当日の講演レポートの抜粋です。

<レポート全文は下記ページでご紹介しています>
https://prtimes.jp/a/?f=d18431-20170828-6846.pdf

■ 基調講演|インド企業経営の要諦 マルチ・スズキ・インディア 会長 R.C. Bhargava氏


[画像2: https://prtimes.jp/i/18431/16/resize/d18431-16-834703-1.jpg ]

マルチ・スズキ・インディアの発展の歴史

マルチ・スズキが創業した当時のインドは、社会主義計画経済の真っ只中、高級品と見なされた自動車には重税が課せれ、自動車市場規模は3万5000〜4万台程度でした。先行き不透明な時代における鈴木修社長(当時)の英断は世間を驚かせましたが、鈴木社長の胸中には、インド側経営陣に対する信頼とインド市場のポテンシャルに対する確信がありました。その結果、この投資は世界で最も成功した日本企業による投資のひとつとして、歴史に刻まれることになったのです。

創立当初のマルチ・スズキは、年間生産台数10万台が目標でした。この目標は5年間で達成し、1991年には年間12万台を生産するまでに成長、同時に欧州各国への輸出もスタートしました。その後、工場拡張などを経て生産台数は2016年に157万台を記録。現在は、年間300万台に拡大したインドの乗用車市場において、市場占有率47%、時価総額230億ドル誇っています。

従業員のマインドを変え、信頼関係を築き上げる

経済の自由化が始まる1991年以前、インドの製造業は計画経済政策下で高度に規制され、管理されていました。
そのような時代でありながら、マルチ・スズキが成功した大きな要因のひとつは、スズキと鈴木社長がインド側のオペレーションに完全にコミットしたことです。社長自ら何度もインドへ足を運び、多くのインド人スタッフの話に耳を傾けました。それがスタッフの大きなモチベーションとなり、また同時に、迅速かつ正確な決定にもつながりました。プロジェクトはインドの状況に合わせて常に修正が加えられ、インドのお客様に価値ある製品を提供することで、事業が安定軌道に乗ったのです。

インドでは、職務環境や労働意識が日本と全く異なります。インド人労働者の意識改革のためには、日本人の仕事の仕方を見て、話し合って、体験してもらうことが最も効果的です。マルチ・スズキは、あらゆるレベルの従業員を日本で研修させることで彼らのマインドチェンジと信頼感の醸成を促し、結果、日本式システムのスムーズな導入を成功させました。

事業の一体感を育む、パートナーシップという概念

我々は、戦後の日本が人的資本を活用することで様々なハンデを克服してきたことに、大いに鼓舞されました。企業において人的資本を最大限活用するためには、経営陣と労働者の良好な関係が必須です。労働者は会社の一員であり、会社の未来は労働者の未来でもあるという共通意識を持つことの大切さも、日本の経営哲学から学びました。マルチ・スズキでは、経営層と労働者が緊密にコミュニケーションを図り、継続的に協議を重ねて良好な労使関係を築いていったのです。

インドの消費水準はまだまだ低レベルですが、製造業のみならず、あらゆる分野が大きな成長ポテンシャルを秘めています。モディ政権発足から3年が経過してインドのビジネス環境は大きく変化しましたが、今後の3年でさらに変わるに違いありません。インドでは今、誰もが実力を発揮できる環境が政府によって形成されつつあるのです。

■ パネルディスカッション|グローバル企業経営と日本・インド企業の特殊性と普遍性

○モデレーター:
インド経済研究所理事長 榊原英資氏
○パネリスト:
マルチ・スズキ・インディア 会長 R.C. Bhargava氏
ICICI証券 マネージングディレクター兼CEO Shilpa Kumar氏
GCA株式会社 代表取締役 渡辺章博
GCA株式会社 特別顧問 采孟
(本文一部敬称略)

[画像3: https://prtimes.jp/i/18431/16/resize/d18431-16-165344-7.jpg ]


榊原 日本とインドは、かつてから良好な外交関係を維持しており、個人レベルでも双方国民が親和的です。しかしビジネスにおいては、文化の違いから必ずしも簡単にはいきません。両国の文化的相違を表現するなら、日本は「同質性」、インドは「多様性」が特徴で、外交的に近い関係でありながら意外と知らないことが多い。ですから、今回のようなセミナーなどをきっかけにインドを知ることは、非常に重要なことだと思います。
それでは、マルチ・スズキが成功を収めていながら、なぜその後進出した日本企業が大きな成果を上げられないのでしょうか?

Bhargava インドではインド式に従わなくてはいけないという固定観念から、人事も含め全てをインドに任せてしまったことが失敗の原因ではないでしょうか。インド流のやり方は、社会主義の時代に育まれたものです。その時代の考え方が根強く残っている会社では、残念ながら正直な仕事をするという意識が薄い。日本企業は日本で成功してきたやり方を踏襲し、サプライチェーンを構築し、労働者との良好な関係を築くべきなのです。

采 全く同感です。多くの会社は一様に、インドはよく解らないからインド人に任せよう、インド流を踏襲しようとおっしゃいます。しかし、自らが直接関与して初めて見える世界があります。それまでインドの経営に携わっていた方を尊重するだけでなく、きちんと執行責任を持ってもらうことが必須です。同時に積極的に経営と執行に関与することが肝心で、そこから見えてくることや解決できることはたくさんあると思います。

榊原 インドをひとつの大国として捉える人が多いですが、インドはアメリカ以上の連邦国家で、州ごとの格差は大きいのではないでしょうか。今回のGSTで税制の全国統一が図られましたが、インド進出を考えるならば、どの州にどのような形で行くのかをきちんと精査すべきでは?

Bhargava 確かに州単位で見ると、産業育成や外資誘致、企業誘致に関する温度差があります。しかしモディ首相の経済施策は、この3年間に大きな変革をもたらし、州同士の競争の推進によって各州の競争力も高まりました。各州がビジネスのやりやすさの向上に取り組み、その結果として既に7、8州のビジネス環境が整備、改善されました。

渡辺 M&Aでは、ターゲットが創業した場所や、その地に有するネットワークなどを知ることが大切です。買収が成功するパートナーは、優れたマネジメントチーム、優秀なプロモーター、良質なネットワークを持っている。それを見極めるためにも、徹底したリサーチが重要になるのです。

榊原 今でもインドでは、多くの企業が同族会社なのでしょうか?

Silpa 第三世代が入ってきた今は、変わりつつあります。それと同時に、ビジネスの資金規模の拡大に伴い、プライベート・エクイティによる投資も増えてきました。プライベート・エクイティは、会社に規律をもたらし、会社を成熟化させる一助になっています。

Bhargava ひとつの提案ですが、M&Aやジョイントベンチャーのパートナーとして、若手の起業家を探すというのはいかがでしょう。若手の方々は、ビジネスを動かす熱意があり、倫理的な事業運営に対する気持ちも強い。中には、とても優れた事業経営能力を持つ人もいます。

渡辺 海外に拠点をお持ちの日本企業の中には、既に優秀なインド人スタッフを海外拠点で雇用しているケースもあると思います。自社のグローバルネットワークに隠れている宝、まずはその発掘から始めてみることをおすすめします。

[画像4: https://prtimes.jp/i/18431/16/resize/d18431-16-787730-0.jpg ]

レポート全文は下記ページでご紹介しています
https://prtimes.jp/a/?f=d18431-20170828-6846.pdf

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【プロフィール】
マルチ・スズキ・インディア 会長 R. C. Bhargava氏
インド政府エネルギー省次官補、内閣官房次官補、バーラット重電公社取締役を経て、1981年にマルチ・スズキの前身であるマルチ・ウドヨグに入社、その後のマルチ・スズキ成功の立役者として知られる。Grasim Industries、UltraTeck Cement Company、Aditya Birla Sun Life Asset Management Companyなどインドのリーディングカンパニーの取締役を歴任、BAE System Ltd、Rio Tinto、Hauwei、日立製作所のインドアドバイザリーボードも務める。

一般社団法人インド経済研究所 理事長 榊原英資氏
東京大学経済学部卒業後、1965年に大蔵省に入省。ミシガン大学にて経済博士号取得。1994年に財政金融研究所所長、1995年に国際金融局長を経て1997年に財務官に就任。1999年の大蔵省退官後は慶応義塾大学、早稲田大学にて教鞭を執り、2010年から青山学院大学特別招聘教授に着任。「経済交渉から読み解く〜日米戦後史の事実」(2016年 思想社)、「日本国債が暴落する日は来るのか?」(2016年 ビジネス社)、「幼児化する日本は内側から壊れる」(2016年 東洋経済社)など著書多数。

ICICI証券 マネージングディレクター兼CEO Shilpa Kumar氏
投資銀行、機関投資家・個人投資家向け仲介、ウェルス・マネジメント、金融商品開発など幅広いサービスを展開するインド最大手金融機関、ICICI証券のマネージングディレクター兼CEO。親会社であるICICI銀行にてグローバルマケット・自己勘定投資部門を率いるなど27年以上のキャリアを積み、ストラテジー・コーポレートファイナンス、プロジェクト・ファイナンス部門を率いた経験も有する。

GCA株式会社 特別顧問 采孟
1970年に第一製薬に入社、1995年に米国第一製薬社長に就任した後、1999年より同社取締役、常務取締役、代表取締役専務を歴任。第一製薬と三共の経営統合後には同社取締役・専務執行役員としてインドの大手製薬会社ランバクシー・ラボラトリーズの買収に奔走し、買収後は同社の取締役会議長を兼務。2013年 第一三共取締役、2015年 ランバクシー・ラボラトリーズ取締役会議長を退任、同年 GCA顧問に就任。

GCA株式会社 代表取締役 渡辺章博
1982年よりKPMGニューヨーク事務所にて日本企業の米国進出のためのM&A業務に従事、1994年に帰国しKPMGコーポレートファイナンスの共同代表に就任。2004年にGCA株式会社を設立、これまでに日本たばこ産業飲料事業のサントリーへの売却、第一三共によるインドの上場製薬会社 ランバクシー売却、日立と三菱重工の火力発電事業の統合など、数多くの海外・国内案件のアドバイザリーを務める。

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■ 会社概要
社 名: GCA株式会社
所在地: 東京都千代田区丸の内1-11-1 パシフィックセンチュリープレイス丸の内
代表者: 代表取締役 渡辺章博
創 業: 2004年4月
経営理念: For Client's Best Interest
拠 点: 東京・大阪・サンフランシスコ・ニューヨーク・ロンドン・マンチェスター・フランクフルト・ミュンヘン・チューリッヒ・ミラノ・テルアビブ・ムンバイ・デリー・上海・シンガポール
URL: www.gcaglobal.co.jp
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