北海道 上川町で実施中の「大雪いきもの図鑑プロジェクト」にJICA留学生18名が参加。登山者参加型の生物多様性調査を体験。大雪山国立公園における持続可能な地域振興と観光開発を学んだ。
[23/08/31]
提供元:PRTIMES
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2023年8月25日、国際協力機構(JICA) 北海道センター(以下「JICA」)が行う地域特有の開発事例を学ぶ「地域理解プログラム」 の一環として、留学生 18名が上川町を訪れ、大雪山黒岳を登山。北海道 上川町(以下「上川町」)が、実施中の生物多様性調査アプリ「バイオーム」を活用した登山者参加型調査「大雪いきもの図鑑プロジェクト2023」を体験しました。
また、24日には、上川高等学校を訪問し、同校生徒と「自然環境・開発・私たちの暮らしに起きていること」をテーマに相互学習や意見交換を行いました。
「大雪いきもの図鑑プロジェクト」は上川町が北海道大学地球環境科学研究院と連携により2022年からスタートした、主要産業である観光と大雪山の自然環境の共生を目的にリジェネラティブ・ツーリズム(再生型観光)のモデルケースを目指した実証実験プロジェクトです。
上川町は、持続可能な町づくりを目指すとともに、大雪山の環境を活かした環境教育や交流事業などにも積極的に取り組んでおり、今回のJICAとの連携事業についても、継続的な実施を検討していきたいと考えています。
チャビ ニコル (ベナン共和国からの留学生)
「このアプリによって多くの人が登山を楽しんでくれるきっかけになるし、自然に興味をもってくれるて、それがシェアされていくことが素晴らしい。ベナンでは環境意識がまだ強くないと思います。これからは、きちんとルールを作っていくことが重要だと思います。地域を発展させるためには、行政と民間、そして大学など連携が大切だと感じました。」
北海道大学 地球科学研究員 渡邉 悌二 教授
「大雪山は国立公園で国が管理するエリアです。しかし、地域の環境を守っていくためには、国だけではなくこのプロジェクトのように自治体や住民、企業、さらにはそこに訪れる観光客も含めて色んな人たちが関わっていくことが大切です。途上国ではまだ自然環境保護は国や政府が担うものと考えられていることが多いため、彼らにとっては大きな学びになったと思います。」
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■8月24日 上川高等学校との相互学習
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※「大雪いきもの図鑑プロジェクト」は趣旨にご賛同いただいたTSIホールディングスのご協力により実施しています。この度の登山では、同社のファッションブランド「MANASTASH(マナスタッシュ)」よりご提供されたコラボTシャツを着用して登山しました。
「大雪いきもの図鑑プロジェクト」とは?
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「大雪いきもの図鑑プロジェクト」は、上川町が主要産業の観光と大雪山の自然環境の共生を目指し、北海道大学地球環境科学研究院と連携して亜高山・高山域の生物多様性調査を登山者参加型で行っている実証実験プロジェクトです。
いきものコレクションアプリ「Biome(バイオーム)」をスマートフォンにダウンロードしていただき、アプリを立ち上げ、「クエスト」と呼ばれるゲーム機能を通して、楽しみながら大雪山や上川町に生息する生き物をアプリ上で撮影、収集していただきます。皆さんに収集していただいた生き物の生息域や数などのデータから、生き物の最新の生息分布状況を把握、可視化し、北海道大学 地球環境科学研究院における研究活動にも役立てていくことで、大雪山、上川周辺エリアの自然保護、再生に繋げていきます。(なお、絶滅危惧種等の希少種の位置情報についてはアプリ内で公開されることはありません。)
1.背景と目的
〇近年、地球温暖化等の影響により、大雪山に植生する高山植物の生息域が徐々に笹原と化してしまい、高山域に限られてきているなど大雪山の生態系が変わってきてしまっている状況がある。
〇次世代の観光様式として、サステナブル・ツーリズムよりも一歩踏み込んだリジェネラティブ・ツーリズム(再生型観光)の機運が高まってきている。
〇ポストコロナの時代において、今後登山客や観光客が増加していくことは避けられず、登山客や観光客が増えることによって、自然が人間と共再生することを目指すリジェネラティブ・ツーリズム(再生型観光)の仕組みを模索し、実証的に昨年より「大雪いきもの図鑑プロジェクト」をスタート。楽しく学びのある自然体験を提供し、旅の満足度を上げるとともに、環境保全や研究に役に立つデータを集積し、再生型観光のモデルケースとなることを目指す。
2.実施内容
●実施期間:2023年7月1日(土)〜10月15日(土)
※「まちクエスト」は7月15日(土)〜10月15日(土)
●実施場所:上川町市街地エリア及び大雪山黒岳ロープウェイ、黒岳周辺エリア(下記MAP参照)
●主 催:上川町
●協 力:株式会社TSIホールディングス、北海道大学 地球環境科学研究院
●参加費用:無料
●参加方法:
「Biome」アプリをご自身のスマートフォンでダウンロードして、アプリを起動。アプリ内のクエスト「大雪いきもの図鑑プロジェクト」を選択。ルールやガイドを参考に指定エリア内で発見した植物、昆虫、動物をアプリで写真撮影し、投稿することでクエストの達成を目指す。
●クエスト:
1.やまクエスト(層雲峡〜7合目エリア、7合目〜山頂エリア)
2.まちクエスト(上川町中心部及び、大雪 森のガーデンエリア)