乳幼児による水で膨らむボール状の樹脂製玩具の 誤飲防止のため、注意喚起を実施
[22/04/01]
提供元:PRTIMES
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子どもが遊ぶ時は保護者が見守り、保管場所にも気を付けましょう
独立行政法人国民生活センターは、水で膨らむボール状の樹脂(高吸水性樹脂)製玩具による乳幼児の誤飲事故を防ぐため、2021年12月に続き、改めて消費者への注意喚起を行いました。
報道関係各位
令和4年3月24日独立行政法人国民生活センター
国民生活センターの「医師からの事故情報提供窓口」(愛称「ドクターメール箱」)に、乳幼児が水で膨らむボール状の樹脂(高吸水性樹脂)製玩具を誤飲して腸閉塞を起こし、手術をしたという同種の事故が2021年6月から12月の約6カ月間に3件寄せられたため、同年12月23日に注意喚起を行いました。
<参考> https://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20211223_2.pdf
また、公表後、医療機関ネットワーク(注1)にも同様の事故情報が1件寄せられました(事故は12月の公表前に発生)。いずれの事故も、膨らんだ高吸水性樹脂製品が小腸において腸閉塞を起こしたという点で共通しており、海外においても同種の事故が発生しており、死亡に至った事例も報告されています。
現在でも、同様の商品は雑貨店やインターネット通信販売等で販売されており、事故の再発を防止するため、国民生活センターでは、市販されている水で膨らむボール状の樹脂製品についてテスト等を行い、改めて消費者に注意喚起を行うこととしました。
(注1)消費者庁と国民生活センターとの共同事業で、消費生活において生命または身体に被害が生じた事故に遭い、参画医療機関を受診した事故情報を収集するもので、2010年12月から運用を開始しています。
<事故の原因となった商品について>
2021年12月の報道発表資料にある3事例と、医療機関ネットワークに寄せられた1事例は、情報提供者によると、いずれも同じ銘柄(以下、「当該品」)でした。当該品は玩具として販売され、高吸水性ポリマー(ポリアクリル酸ナトリウム)を主材とする吸水して膨らむボール状のものでした。(写真1、表1 参照)
[画像1: https://prtimes.jp/i/73835/16/resize/d73835-16-b19970a00b187d1e58ce-0.png ]
写真1.左から 当該品パッケージ(表面)、内容物
[画像2: https://prtimes.jp/i/73835/16/resize/d73835-16-73810dfef8cba7b23e62-3.png ]
※表示に合わせてルビを振っています。
※法人番号は当センターで記入。
表1.当該品の概要
※当センターでは、当該品の輸入・販売元の事業者に事故の発生を知らせたところ、当該品の出荷を一時停止し、注意表示が記載されたシールをパッケージ表面に貼るといった対応を取るとの情報提供を受けました。2022年2月に、パッケージ表面にシールが貼付され、販売が再開されていることを確認しました。その後、3月19日より当該品の販売を中止し、店舗において自主回収の告知を行うとの連絡を受けました。
現在、当該品の自主回収が行われています。詳しくは、以下をご覧ください。
◎輸入・販売元 自主回収情報:http://kunoboeki.co.jp
●事故情報 ( )内は事故発生年月、相談者の属性。
【事例】医療機関ネットワークに寄せられた事故情報
浴室に保管していた水で膨らむボール状の樹脂製玩具を、患児がいつの間にか持ち出して遊んでおり、誤飲した可能性があった。その2日後に嘔吐の症状が現れ、その後も嘔吐と腹痛が持続したため、医療機関を受診。腸閉塞と診断されたが、原因は不明で、開腹手術の結果、回腸(注2)に異物と疑われる塊が触知され、腸の外からの圧迫により結腸(注3)まで誘導することができ、術後3日目に排出された。(2021年12月、4歳・男児)
(注2)小腸の一部で、回盲部を経て大腸(盲腸)につながる部分。
(注3)大腸の一部で、盲腸から続き、直腸、肛門へと続く。
●国民生活センターによるテストおよび結果
当該品に、複数の雑貨店・玩具店等で販売されていた商品や、インターネット通信販売の大手ショッピングモールのウェブサイトにて「吸水ボール」、「水で膨らむボール」等で検索した際に上位に表示された商品を加えた計7銘柄をテスト対象としました。
・体内での膨らみ具合の推定
腸液を想定した模擬液に浸漬したところ、胃液を想定した模擬液に浸漬したときよりも大きく膨らみ、最も大きくなったものでは直径15mm程度のものが40mm近くになりました。
[画像3: https://prtimes.jp/i/73835/16/resize/d73835-16-3abdac803bf9c45f2328-1.png ]
写真2.
腸液を模した試験液への浸漬前後
浸漬前に大きいもの(左)と小さいもの(右)の例
・表示の調査
1.誤飲による腸閉塞のリスクに関する表示
商品を誤飲して腸閉塞を起こした場合、開腹手術等が必要となると具体的に記載されている銘柄はありませんでした。
2.その他、使用上の注意に関する表示
7銘柄中、4銘柄には容器やパッケージに日本語での注意表示がみられませんでした。
●消費者へのアドバイス
1.水で膨らむ樹脂製品を誤飲すると、消化管内で膨らんで腸を閉塞し、開腹手術等が必要になることがあります。対象年齢以上であっても、子どもが使用するときは保護者の監督下で行い、子どもが容易に持ち出せない場所に保管しましょう。
2.水で膨らむ樹脂製品の誤飲に気づいたときや、その疑いがあるときは、直ちに医療機関を受診してください。
3.対象年齢未満の子どもがいるご家庭では、水で膨らむ樹脂製品の購入を控えることも検討してくださ
い。
詳しくは、下記報告書をご参照ください。
[報告書本文] https://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20220324_1.pdf
国民生活センター公式LINEアカウントでも、さまざまな消費者トラブルの情報を発信しています。
[画像4: https://prtimes.jp/i/73835/16/resize/d73835-16-97fdf70048d400372dc3-2.jpg ]
国民生活センター公式LINEアカウント LINE ID:@line_ncac
独立行政法人国民生活センターは、水で膨らむボール状の樹脂(高吸水性樹脂)製玩具による乳幼児の誤飲事故を防ぐため、2021年12月に続き、改めて消費者への注意喚起を行いました。
報道関係各位
令和4年3月24日独立行政法人国民生活センター
国民生活センターの「医師からの事故情報提供窓口」(愛称「ドクターメール箱」)に、乳幼児が水で膨らむボール状の樹脂(高吸水性樹脂)製玩具を誤飲して腸閉塞を起こし、手術をしたという同種の事故が2021年6月から12月の約6カ月間に3件寄せられたため、同年12月23日に注意喚起を行いました。
<参考> https://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20211223_2.pdf
また、公表後、医療機関ネットワーク(注1)にも同様の事故情報が1件寄せられました(事故は12月の公表前に発生)。いずれの事故も、膨らんだ高吸水性樹脂製品が小腸において腸閉塞を起こしたという点で共通しており、海外においても同種の事故が発生しており、死亡に至った事例も報告されています。
現在でも、同様の商品は雑貨店やインターネット通信販売等で販売されており、事故の再発を防止するため、国民生活センターでは、市販されている水で膨らむボール状の樹脂製品についてテスト等を行い、改めて消費者に注意喚起を行うこととしました。
(注1)消費者庁と国民生活センターとの共同事業で、消費生活において生命または身体に被害が生じた事故に遭い、参画医療機関を受診した事故情報を収集するもので、2010年12月から運用を開始しています。
<事故の原因となった商品について>
2021年12月の報道発表資料にある3事例と、医療機関ネットワークに寄せられた1事例は、情報提供者によると、いずれも同じ銘柄(以下、「当該品」)でした。当該品は玩具として販売され、高吸水性ポリマー(ポリアクリル酸ナトリウム)を主材とする吸水して膨らむボール状のものでした。(写真1、表1 参照)
[画像1: https://prtimes.jp/i/73835/16/resize/d73835-16-b19970a00b187d1e58ce-0.png ]
写真1.左から 当該品パッケージ(表面)、内容物
[画像2: https://prtimes.jp/i/73835/16/resize/d73835-16-73810dfef8cba7b23e62-3.png ]
※表示に合わせてルビを振っています。
※法人番号は当センターで記入。
表1.当該品の概要
※当センターでは、当該品の輸入・販売元の事業者に事故の発生を知らせたところ、当該品の出荷を一時停止し、注意表示が記載されたシールをパッケージ表面に貼るといった対応を取るとの情報提供を受けました。2022年2月に、パッケージ表面にシールが貼付され、販売が再開されていることを確認しました。その後、3月19日より当該品の販売を中止し、店舗において自主回収の告知を行うとの連絡を受けました。
現在、当該品の自主回収が行われています。詳しくは、以下をご覧ください。
◎輸入・販売元 自主回収情報:http://kunoboeki.co.jp
●事故情報 ( )内は事故発生年月、相談者の属性。
【事例】医療機関ネットワークに寄せられた事故情報
浴室に保管していた水で膨らむボール状の樹脂製玩具を、患児がいつの間にか持ち出して遊んでおり、誤飲した可能性があった。その2日後に嘔吐の症状が現れ、その後も嘔吐と腹痛が持続したため、医療機関を受診。腸閉塞と診断されたが、原因は不明で、開腹手術の結果、回腸(注2)に異物と疑われる塊が触知され、腸の外からの圧迫により結腸(注3)まで誘導することができ、術後3日目に排出された。(2021年12月、4歳・男児)
(注2)小腸の一部で、回盲部を経て大腸(盲腸)につながる部分。
(注3)大腸の一部で、盲腸から続き、直腸、肛門へと続く。
●国民生活センターによるテストおよび結果
当該品に、複数の雑貨店・玩具店等で販売されていた商品や、インターネット通信販売の大手ショッピングモールのウェブサイトにて「吸水ボール」、「水で膨らむボール」等で検索した際に上位に表示された商品を加えた計7銘柄をテスト対象としました。
・体内での膨らみ具合の推定
腸液を想定した模擬液に浸漬したところ、胃液を想定した模擬液に浸漬したときよりも大きく膨らみ、最も大きくなったものでは直径15mm程度のものが40mm近くになりました。
[画像3: https://prtimes.jp/i/73835/16/resize/d73835-16-3abdac803bf9c45f2328-1.png ]
写真2.
腸液を模した試験液への浸漬前後
浸漬前に大きいもの(左)と小さいもの(右)の例
・表示の調査
1.誤飲による腸閉塞のリスクに関する表示
商品を誤飲して腸閉塞を起こした場合、開腹手術等が必要となると具体的に記載されている銘柄はありませんでした。
2.その他、使用上の注意に関する表示
7銘柄中、4銘柄には容器やパッケージに日本語での注意表示がみられませんでした。
●消費者へのアドバイス
1.水で膨らむ樹脂製品を誤飲すると、消化管内で膨らんで腸を閉塞し、開腹手術等が必要になることがあります。対象年齢以上であっても、子どもが使用するときは保護者の監督下で行い、子どもが容易に持ち出せない場所に保管しましょう。
2.水で膨らむ樹脂製品の誤飲に気づいたときや、その疑いがあるときは、直ちに医療機関を受診してください。
3.対象年齢未満の子どもがいるご家庭では、水で膨らむ樹脂製品の購入を控えることも検討してくださ
い。
詳しくは、下記報告書をご参照ください。
[報告書本文] https://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20220324_1.pdf
国民生活センター公式LINEアカウントでも、さまざまな消費者トラブルの情報を発信しています。
[画像4: https://prtimes.jp/i/73835/16/resize/d73835-16-97fdf70048d400372dc3-2.jpg ]
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