日本初のデジタル地域通貨を正式運用開始
[20/06/04]
提供元:PRTIMES
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現金を代替し、新型コロナ等の感染症対策にも有効/カンボジア中銀デジタル通貨で実績のあるブロックチェーン・デジタル地域通貨「Byacco/白虎」の正式運用を開始
ソラミツ株式会社(代表取締役社長:宮沢和正、本社:東京都渋谷区、以下ソラミツ)、有限会社スチューデントライフサポート(代表取締役:照島敏明、本社:福島県会津若松市、以下SLS)、株式会社AiYUMU(代表取締役:八ッ橋善朗、本社:福島県会津若松市、以下AiYUMU)は、ブロックチェーン「ハイパーレジャーいろは」を活用し、通常のキャッシュレス決済手段では実現できていない「転々流通」を実現し、複数のデジタル地域通貨をつなぐ「相互運用」可能な決済・送金を目指すトークン型のデジタル地域通貨「Byacco/白虎」を開発し、2020年7月1日から福島県会津若松市の会津大学内で正式運用を開始します。
「Byacco/白虎」は、ソラミツとカンボジア国立銀行が共同開発した世界初の中銀デジタル通貨「バコン」の技術を活用し、日本向けに最適化したもので、ブロックチェーンを活用したデジタル通貨の正式運用は、日本初となります。
■ デジタル地域通貨「Byacco/白虎」の本番正式運用開始
デジタル地域通貨「Byacco/白虎」は、AiYUMUが運営し会津若松市が官民連携で整備を進めてきたICTオフィス「スマートシティAiCT(アイクト)」にてソラミツにより開発が進められてきました。2020年7月1日より、SLSが運営する会津大学内の売店やカフェテリア等にて本番正式運用(注)を開始します。
2017年3月には、「Byacco/白虎」の実証実験を会津大学内で実施しましたが、その際の経験・実績を生かし今回の本番正式運用を実現しました。
「ハイパーレジャーいろは」は、2016年よりソラミツが会津若松市・会津大学と連携して開発を進めてきたブロックチェーンであり、カンボジアやロシアなど海外にて実用化・本番正式運用されたのちに、今回日本に凱旋帰国した日本発の技術です。
[画像1: https://prtimes.jp/i/19078/18/resize/d19078-18-356164-0.png ]
■ デジタル地域通貨「Byacco/白虎」の特徴
1、ブロックチェーンを活用し、データ自体が現金と同等の価値を持ちファイナリティがあり、日本円と連動するデジタル通貨(XST-JPY)の店舗などでの本番正式運用としては日本初
2、カンボジア国立銀行と共同開発し、既に本番正式運用されている中銀デジタル通貨「バコン」デジタル通貨(XST-USD, XST-KHR)の技術・実績を活用
3、圧倒的な低コストと強固なセキュリティ、高い処理能力、高い安定性を両立させたデジタル地域通貨を様々な地域にスピーディに提供・カスタマイズが可能
4、通常のキャッシュレス決済が実現していない「転々流通」を実現し、個人間・企業間の決済・送金や企業内の経費清算などをスピーディに実施し、業務効率の向上、少子化対策、資金繰りを改善
5、二重支払いや偽造を防止し、2秒以内の支払いや毎秒数千件の取引を実現するブロックチェーン「ハイパーレジャーいろは」を活用
6、現金を徐々に代替して行き、紙媒体を使用せず非接触で決済が行われるため、新型コロナ等の感染症対策に有効であり、個人や企業への現金支給や支援なども安全かつ確実・スピーディに実施が可能
■ デジタル地域通貨の今後の展開・将来構想
1、圧倒的な低コストかつスピーディな開発・カスタマイズにより、他様々な地域やスマートシティなどでのデジタル地域通貨を順次展開予定
2、ブロックチェーン同士がつながるため、他様々な地域やスマートシティなどのデジタル地域通貨同士をつなげていき「相互運用」を実現
3、カンボジアの「バコン」(XST-USD, XST-KHR)など、海外のデジタル通貨と接続することによりクロスボーダーの送金や決済を実現
4、スマートコントラクトを活用した、税金や利用料の自動支払いやデジタル資産・暗号資産などの所有権移転と決済の同時処理などが可能に
5、将来の日本や海外の中銀デジタル通貨との連携
■ デジタル通貨(ステーブルコイン)と暗号資産(仮想通貨)の相違点
デジタル通貨(ステーブルコイン)は、ビットコインやイーサリアムなどの暗号資産(仮想通貨)と異なり、法定通貨に連動するためして価値が安定しておりいており決済スピードや処理能力が高くファイナリティ(期待どおりの金額が確実に手に入る事)があります。そのため、利便性の高いデジタル決済手段としての普及が見込まれており実体経済への影響が大きくなることが予想されています。現在、中国のデジタル人民元(DCEP)、Facebookのリブラなどの開発が進められています。
ビットコインなどの暗号資産は、パブリック型ブロックチェーンという誰でもマイニングに参加可能で、PoW(プルーフオブワーク)などの複雑な計算処理を必要とするアルゴリズムを採用しているため、処理スピードが遅く、処理能力が低いなどスケーラビリティに課題がありました。また、価値が大きく変動するため決済には使いづらいなどの課題があり実体経済への影響は限定的ではないかと言われています。
最新技術の「ハイパーレジャーいろは」は、コンソーシアム型ブロックチェーンと呼ばれ、許可された組織のみがシステム運営に参加可能で、多数決方式のBFT合意形成アルゴリズムを採用しているため、処理スピードが早く処理能力も高く、ファイナリティがあるなど金融取引に最適なブロックチェーンです。これらの技術革新により、法定通貨と連動し価値が安定したデジタル通貨の提供が可能になりました。
[画像2: https://prtimes.jp/i/19078/18/resize/d19078-18-440254-1.png ]
カンボジア国立銀行のデジタル通貨「バコン」は2019年7月18日に正式導入に向けたパイロット運用を開始し、すでにカンボジア国内最大の商業銀行アクレダを含む1014の銀行や決済事業者と接続して、1万人以上のアクティブユーザーが実際のお金を使って毎日送金や店舗での支払いを行っています。カンボジア国立銀行は新型コロナが収束次第、正式運用を開始する予定との事です。ブロックチェーンを活用した中央銀行デジタル通貨の実用化としてはカンボジアが世界初であると言えます。
デジタル地域通貨「Byacco/白虎」は、ソラミツとカンボジア国立銀行が共同開発した中銀デジタル通貨「バコン」の技術を活用し、日本向けのデジタル地域通貨に最適化したものです。既に本番テスト運用がスタートしている「バコン」をベースとしているために「Byacco/白虎」としての最適化は3ヶ月程度で完了し、迅速な運用開始と開発コストの低減に成功しました。
今後、様々な地域やスマートシティ等でのデジタル地域通貨の導入を非常に容易・スピーディ・低コストで実施することが可能で、それらのデジタル地域通貨同士を容易に接続する「相互運用」が可能です。これにより様々な自治体や金融機関が発行するデジタル通貨の相互運用を可能とする自治体共通プラットフォームの実現を目指します。
「バコン」については、タイやマレーシアとのクロスボーダー送金システムの開発が進められていますが、「Byacco/白虎」についても同様に将来的には他国のデジタル通貨などと連携することによりクロスボーダー取引への発展可能性があります。
■ 日本のキャッシュレス決済とデジタル地域通貨「Byacco/白虎」の相違点
◯◯ペイなどのQRコード決済や、Suicaなどの交通系ICカードに代表される「キャッシュレス決済」とデジタル地域通貨「Byacco/白虎」との相違点を説明します。
最も重要な相違点は、デジタル通貨は「転々流通」が可能なトークン型のデジタル決済であり、データ自体が現金と同等の価値を持ちファイナリティー(finality)がある点です。そのため、加盟店での支払いや企業間の送金においても、現金決済と同様に支払いのたびごとに即座にデジタル通貨を受け取ることができ、月末締め翌月払いのような後日の資金清算や振込指示・着金確認の必要がなく企業の業務が大幅に削減されます。
またデジタル通貨は「転々流通」(不特定の者への譲渡が繰り返される性質のこと)可能であるため、個人間間や企業間での直接送金・決済や企業内での経費清算などに活用することができます。加盟店はデジタル通貨を受け取ると即座に仕入れなどの次の支払いが可能で、経済活動全体の資金の流動性が高まります。
一方、「キャッシュレス決済」は口座型の決済手段であり、月末締め翌月払いのように締め日において決済事業者と加盟店との間で資金清算を行い、後日に決済事業者は売上金を加盟店の銀行口座に振込み、加盟店は着金確認を実施する必要があります。また、多くの「キャッシュレス決済」は転々流通できないため加盟店は受け取った電子マネー等を即座に仕入れなどの支払いに使うことができません。加盟店は売上金が振り込まれるまで(売上金が振り込まれるまで、1ヶ月程度かかる場合があります)次の仕入れなどに売上金を使うことができないため、中小店舗の資金繰りが厳しくなります。さらに決済システムが複雑であり、複数の銀行口座間で振込を繰り返すため高コストになりやすいとの課題があります。
トークン型・転々流通型のデジタル通貨は、これまでのデジタル技術で実現することは困難であり、データの改ざんや複製を防止し、数学的に証明可能な所有権をユーザーに付与したり移転したりすることができるブロックチェーン技術が不可欠であると言われています。
[画像3: https://prtimes.jp/i/19078/18/resize/d19078-18-464752-2.png ]
■ デジタル通貨により社会が変わる
ブロックチェーンによるデジタル通貨は、経済活動を大きく変革する可能性を持っています。ブロックチェーンのスマートコントラクトという機能を活用すると、予め締結した契約の実行が自動化され送金や決済が自動化されます。例えば、不動産契約とその後の決済のように、利用者はスマートフォンなどで契約内容を確認して締結すると、指定された期日に賃貸料の自動支払いが可能になります。1回払いでも毎月の指定日の支払いでもスマートコントラクトが確実に契約通りの内容を実行し、送金や決済が行われます。税金や公共料金などの支払いも事業者ごとの銀行との口座振替の申し込みやクレジットカードの登録は不要になります。現在、給与のデジタル通貨などでの受け取りが可能になる法制度の改正が検討されていますが、給与もデジタル通貨で受け取ることにより、デジタル通貨から様々なキャッシュレス手段へのワンタッチでのチャージが可能になり、家計の一元管理が可能になります。
また、ブロックチェーンでの取引は改ざんができないため、債権債務記録の透明性が確保され監査や会計処理の手間が削減されます。将来的に不動産、証券、保険などの資産がデジタル化されトークン化されれば、デジタル資産の所有権の移転と同時にステーブルコインによる決済処理が行われ、全ての取引においてDVP(デリバリー・バーサス・ペイメント:証券の受け渡しと資金の決済とを同時に履行すること。一方が実行されない限り他方も実行されない仕組み)が確保されるようになります。
このように、デジタル通貨により資金の流動性が高まり、契約実行と連動して決済・送金が自動化され、取引におけるDVPが確保され、中間の決済事業者は不要になり、社会コストが削減され、個人間や企業間の価値流通を促進し、監査や会計処理が簡素化されます。経済刺激策としての地域振興券や補助金の支給、外国人労働者への給与や年金の支給などもブロックチェーンで確実に実施し、事務を大幅に効率化することができるようになります。
将来、各国のデジタル通貨と金融システムが連携すれば、国際間の送金や決済が迅速かつ低コストで行えるようになります。銀行間・企業間の国際送金だけでなく、個人間の国際送金が手軽に安価にできるようになりインバウンドや外国人労働者にとっては大きなメリットを提供することが可能になります。
(注)デジタル地域通貨「Byacco/白虎」の発行者はSLS、利用可能な店舗もSLSが運営しているため、資金決済法の自家発行型に準拠して運営します。
■ ソラミツ株式会社について
ソラミツは、ブロックチェーンの技術開発、フィンテックデジタル資産管理、およびアイデンティティ、トレーサビリティに関するソリューションを提供する専門知識を持つ日本のフィンテック・スタートアップ企業です。ブロックチェーン技術を活用し産業にイノベーションを起こし社会課題を解決する事をミッションとしています。
これまでにブロックチェーン技術を活用し、カンボジア国立銀行のデジタル通貨システム、モスクワ証券取引所グループの証券保管振替システム、インドネシアBCA銀行の本人確認システムなどを開発してまいりました。
ソラミツは、企業や金融機関によるデジタル資産管理やアイデンテティ管理に最適なオープンソースのコンソーシアム型ブロックチェーン・プラットフォームである「ハイパーレジャーいろは」の元々の開発者であり主要な開発貢献者です。現在 「ハイパーレジャーいろは」は、The Linux FoundationのHyperledger Projectの一部になっておりいます。
ソラミツは、カンボジア国立銀行のデジタル通貨システム「バコン」システムの共同の知的財産権を保有しています。「バコン」開発の経験に基づいてこれらの最先端の金融技術をグローバルに展開し、世界の銀行口座を保有していない人々がどこにでも簡単・安全に価値を移転できる仕組みを構築し、SDGs(持続可能な開発目標)に貢献することを目指しています。また、ソラミツ・グループのスイス法人であるソラミツ・ヘルベチアAGは、仮想通貨ソラ(XOR, ウェブサイト:https://sora.org/ja)の開発・運用に貢献しています。
■ 有限会社スチューデントライフサポートについて
スチューデント ライフ サポート(SLS)は、会津大学で学ぶ学生の生活支援と、大学と地域が身近な存在になることを目的に会津若松商工会議所の活動の中から生まれた会社です。
現在、会津大学食堂、売店、ブックセンター、カフェ、留学生用寮、同大短期大学部食堂、売店などを運営しております。
住所:〒965-0006 福島県会津若松市一箕町大字鶴賀字上居合90会津大学内
TEL: 0242-33-0771
Eメール:sls@gakushoku.com
WEB: http://www.gakushoku.com/
■ 株式会社AiYUMUについて
(株)AiYUMUは、会津若松市が進めるICT関連整備事業の民間運営会社(会津若
松市本店所在の会社によって構成)です。
ICT専門大学の会津大学を擁したこの地域の強みを活かし、首都圏の躍動感と地域伝承の力、大企業とベンチャーなどの融合の可能性を探り、ICTを社会基盤に据えた市民生活の向上をめざします。さらには会津若松市、会津大学、民間(教育、医療、産業等)の地域内連携強化を図っています。
住所: 〒965-0872 福島県会津若松市東栄町1−77
TEL: 0242-38-2083
Eメール: y.yatsuhashi@aizu-aiyumu.co.jp
WEB: https://aizu-aiyumu.co.jp/
ソラミツ株式会社(代表取締役社長:宮沢和正、本社:東京都渋谷区、以下ソラミツ)、有限会社スチューデントライフサポート(代表取締役:照島敏明、本社:福島県会津若松市、以下SLS)、株式会社AiYUMU(代表取締役:八ッ橋善朗、本社:福島県会津若松市、以下AiYUMU)は、ブロックチェーン「ハイパーレジャーいろは」を活用し、通常のキャッシュレス決済手段では実現できていない「転々流通」を実現し、複数のデジタル地域通貨をつなぐ「相互運用」可能な決済・送金を目指すトークン型のデジタル地域通貨「Byacco/白虎」を開発し、2020年7月1日から福島県会津若松市の会津大学内で正式運用を開始します。
「Byacco/白虎」は、ソラミツとカンボジア国立銀行が共同開発した世界初の中銀デジタル通貨「バコン」の技術を活用し、日本向けに最適化したもので、ブロックチェーンを活用したデジタル通貨の正式運用は、日本初となります。
■ デジタル地域通貨「Byacco/白虎」の本番正式運用開始
デジタル地域通貨「Byacco/白虎」は、AiYUMUが運営し会津若松市が官民連携で整備を進めてきたICTオフィス「スマートシティAiCT(アイクト)」にてソラミツにより開発が進められてきました。2020年7月1日より、SLSが運営する会津大学内の売店やカフェテリア等にて本番正式運用(注)を開始します。
2017年3月には、「Byacco/白虎」の実証実験を会津大学内で実施しましたが、その際の経験・実績を生かし今回の本番正式運用を実現しました。
「ハイパーレジャーいろは」は、2016年よりソラミツが会津若松市・会津大学と連携して開発を進めてきたブロックチェーンであり、カンボジアやロシアなど海外にて実用化・本番正式運用されたのちに、今回日本に凱旋帰国した日本発の技術です。
[画像1: https://prtimes.jp/i/19078/18/resize/d19078-18-356164-0.png ]
■ デジタル地域通貨「Byacco/白虎」の特徴
1、ブロックチェーンを活用し、データ自体が現金と同等の価値を持ちファイナリティがあり、日本円と連動するデジタル通貨(XST-JPY)の店舗などでの本番正式運用としては日本初
2、カンボジア国立銀行と共同開発し、既に本番正式運用されている中銀デジタル通貨「バコン」デジタル通貨(XST-USD, XST-KHR)の技術・実績を活用
3、圧倒的な低コストと強固なセキュリティ、高い処理能力、高い安定性を両立させたデジタル地域通貨を様々な地域にスピーディに提供・カスタマイズが可能
4、通常のキャッシュレス決済が実現していない「転々流通」を実現し、個人間・企業間の決済・送金や企業内の経費清算などをスピーディに実施し、業務効率の向上、少子化対策、資金繰りを改善
5、二重支払いや偽造を防止し、2秒以内の支払いや毎秒数千件の取引を実現するブロックチェーン「ハイパーレジャーいろは」を活用
6、現金を徐々に代替して行き、紙媒体を使用せず非接触で決済が行われるため、新型コロナ等の感染症対策に有効であり、個人や企業への現金支給や支援なども安全かつ確実・スピーディに実施が可能
■ デジタル地域通貨の今後の展開・将来構想
1、圧倒的な低コストかつスピーディな開発・カスタマイズにより、他様々な地域やスマートシティなどでのデジタル地域通貨を順次展開予定
2、ブロックチェーン同士がつながるため、他様々な地域やスマートシティなどのデジタル地域通貨同士をつなげていき「相互運用」を実現
3、カンボジアの「バコン」(XST-USD, XST-KHR)など、海外のデジタル通貨と接続することによりクロスボーダーの送金や決済を実現
4、スマートコントラクトを活用した、税金や利用料の自動支払いやデジタル資産・暗号資産などの所有権移転と決済の同時処理などが可能に
5、将来の日本や海外の中銀デジタル通貨との連携
■ デジタル通貨(ステーブルコイン)と暗号資産(仮想通貨)の相違点
デジタル通貨(ステーブルコイン)は、ビットコインやイーサリアムなどの暗号資産(仮想通貨)と異なり、法定通貨に連動するためして価値が安定しておりいており決済スピードや処理能力が高くファイナリティ(期待どおりの金額が確実に手に入る事)があります。そのため、利便性の高いデジタル決済手段としての普及が見込まれており実体経済への影響が大きくなることが予想されています。現在、中国のデジタル人民元(DCEP)、Facebookのリブラなどの開発が進められています。
ビットコインなどの暗号資産は、パブリック型ブロックチェーンという誰でもマイニングに参加可能で、PoW(プルーフオブワーク)などの複雑な計算処理を必要とするアルゴリズムを採用しているため、処理スピードが遅く、処理能力が低いなどスケーラビリティに課題がありました。また、価値が大きく変動するため決済には使いづらいなどの課題があり実体経済への影響は限定的ではないかと言われています。
最新技術の「ハイパーレジャーいろは」は、コンソーシアム型ブロックチェーンと呼ばれ、許可された組織のみがシステム運営に参加可能で、多数決方式のBFT合意形成アルゴリズムを採用しているため、処理スピードが早く処理能力も高く、ファイナリティがあるなど金融取引に最適なブロックチェーンです。これらの技術革新により、法定通貨と連動し価値が安定したデジタル通貨の提供が可能になりました。
[画像2: https://prtimes.jp/i/19078/18/resize/d19078-18-440254-1.png ]
カンボジア国立銀行のデジタル通貨「バコン」は2019年7月18日に正式導入に向けたパイロット運用を開始し、すでにカンボジア国内最大の商業銀行アクレダを含む1014の銀行や決済事業者と接続して、1万人以上のアクティブユーザーが実際のお金を使って毎日送金や店舗での支払いを行っています。カンボジア国立銀行は新型コロナが収束次第、正式運用を開始する予定との事です。ブロックチェーンを活用した中央銀行デジタル通貨の実用化としてはカンボジアが世界初であると言えます。
デジタル地域通貨「Byacco/白虎」は、ソラミツとカンボジア国立銀行が共同開発した中銀デジタル通貨「バコン」の技術を活用し、日本向けのデジタル地域通貨に最適化したものです。既に本番テスト運用がスタートしている「バコン」をベースとしているために「Byacco/白虎」としての最適化は3ヶ月程度で完了し、迅速な運用開始と開発コストの低減に成功しました。
今後、様々な地域やスマートシティ等でのデジタル地域通貨の導入を非常に容易・スピーディ・低コストで実施することが可能で、それらのデジタル地域通貨同士を容易に接続する「相互運用」が可能です。これにより様々な自治体や金融機関が発行するデジタル通貨の相互運用を可能とする自治体共通プラットフォームの実現を目指します。
「バコン」については、タイやマレーシアとのクロスボーダー送金システムの開発が進められていますが、「Byacco/白虎」についても同様に将来的には他国のデジタル通貨などと連携することによりクロスボーダー取引への発展可能性があります。
■ 日本のキャッシュレス決済とデジタル地域通貨「Byacco/白虎」の相違点
◯◯ペイなどのQRコード決済や、Suicaなどの交通系ICカードに代表される「キャッシュレス決済」とデジタル地域通貨「Byacco/白虎」との相違点を説明します。
最も重要な相違点は、デジタル通貨は「転々流通」が可能なトークン型のデジタル決済であり、データ自体が現金と同等の価値を持ちファイナリティー(finality)がある点です。そのため、加盟店での支払いや企業間の送金においても、現金決済と同様に支払いのたびごとに即座にデジタル通貨を受け取ることができ、月末締め翌月払いのような後日の資金清算や振込指示・着金確認の必要がなく企業の業務が大幅に削減されます。
またデジタル通貨は「転々流通」(不特定の者への譲渡が繰り返される性質のこと)可能であるため、個人間間や企業間での直接送金・決済や企業内での経費清算などに活用することができます。加盟店はデジタル通貨を受け取ると即座に仕入れなどの次の支払いが可能で、経済活動全体の資金の流動性が高まります。
一方、「キャッシュレス決済」は口座型の決済手段であり、月末締め翌月払いのように締め日において決済事業者と加盟店との間で資金清算を行い、後日に決済事業者は売上金を加盟店の銀行口座に振込み、加盟店は着金確認を実施する必要があります。また、多くの「キャッシュレス決済」は転々流通できないため加盟店は受け取った電子マネー等を即座に仕入れなどの支払いに使うことができません。加盟店は売上金が振り込まれるまで(売上金が振り込まれるまで、1ヶ月程度かかる場合があります)次の仕入れなどに売上金を使うことができないため、中小店舗の資金繰りが厳しくなります。さらに決済システムが複雑であり、複数の銀行口座間で振込を繰り返すため高コストになりやすいとの課題があります。
トークン型・転々流通型のデジタル通貨は、これまでのデジタル技術で実現することは困難であり、データの改ざんや複製を防止し、数学的に証明可能な所有権をユーザーに付与したり移転したりすることができるブロックチェーン技術が不可欠であると言われています。
[画像3: https://prtimes.jp/i/19078/18/resize/d19078-18-464752-2.png ]
■ デジタル通貨により社会が変わる
ブロックチェーンによるデジタル通貨は、経済活動を大きく変革する可能性を持っています。ブロックチェーンのスマートコントラクトという機能を活用すると、予め締結した契約の実行が自動化され送金や決済が自動化されます。例えば、不動産契約とその後の決済のように、利用者はスマートフォンなどで契約内容を確認して締結すると、指定された期日に賃貸料の自動支払いが可能になります。1回払いでも毎月の指定日の支払いでもスマートコントラクトが確実に契約通りの内容を実行し、送金や決済が行われます。税金や公共料金などの支払いも事業者ごとの銀行との口座振替の申し込みやクレジットカードの登録は不要になります。現在、給与のデジタル通貨などでの受け取りが可能になる法制度の改正が検討されていますが、給与もデジタル通貨で受け取ることにより、デジタル通貨から様々なキャッシュレス手段へのワンタッチでのチャージが可能になり、家計の一元管理が可能になります。
また、ブロックチェーンでの取引は改ざんができないため、債権債務記録の透明性が確保され監査や会計処理の手間が削減されます。将来的に不動産、証券、保険などの資産がデジタル化されトークン化されれば、デジタル資産の所有権の移転と同時にステーブルコインによる決済処理が行われ、全ての取引においてDVP(デリバリー・バーサス・ペイメント:証券の受け渡しと資金の決済とを同時に履行すること。一方が実行されない限り他方も実行されない仕組み)が確保されるようになります。
このように、デジタル通貨により資金の流動性が高まり、契約実行と連動して決済・送金が自動化され、取引におけるDVPが確保され、中間の決済事業者は不要になり、社会コストが削減され、個人間や企業間の価値流通を促進し、監査や会計処理が簡素化されます。経済刺激策としての地域振興券や補助金の支給、外国人労働者への給与や年金の支給などもブロックチェーンで確実に実施し、事務を大幅に効率化することができるようになります。
将来、各国のデジタル通貨と金融システムが連携すれば、国際間の送金や決済が迅速かつ低コストで行えるようになります。銀行間・企業間の国際送金だけでなく、個人間の国際送金が手軽に安価にできるようになりインバウンドや外国人労働者にとっては大きなメリットを提供することが可能になります。
(注)デジタル地域通貨「Byacco/白虎」の発行者はSLS、利用可能な店舗もSLSが運営しているため、資金決済法の自家発行型に準拠して運営します。
■ ソラミツ株式会社について
ソラミツは、ブロックチェーンの技術開発、フィンテックデジタル資産管理、およびアイデンティティ、トレーサビリティに関するソリューションを提供する専門知識を持つ日本のフィンテック・スタートアップ企業です。ブロックチェーン技術を活用し産業にイノベーションを起こし社会課題を解決する事をミッションとしています。
これまでにブロックチェーン技術を活用し、カンボジア国立銀行のデジタル通貨システム、モスクワ証券取引所グループの証券保管振替システム、インドネシアBCA銀行の本人確認システムなどを開発してまいりました。
ソラミツは、企業や金融機関によるデジタル資産管理やアイデンテティ管理に最適なオープンソースのコンソーシアム型ブロックチェーン・プラットフォームである「ハイパーレジャーいろは」の元々の開発者であり主要な開発貢献者です。現在 「ハイパーレジャーいろは」は、The Linux FoundationのHyperledger Projectの一部になっておりいます。
ソラミツは、カンボジア国立銀行のデジタル通貨システム「バコン」システムの共同の知的財産権を保有しています。「バコン」開発の経験に基づいてこれらの最先端の金融技術をグローバルに展開し、世界の銀行口座を保有していない人々がどこにでも簡単・安全に価値を移転できる仕組みを構築し、SDGs(持続可能な開発目標)に貢献することを目指しています。また、ソラミツ・グループのスイス法人であるソラミツ・ヘルベチアAGは、仮想通貨ソラ(XOR, ウェブサイト:https://sora.org/ja)の開発・運用に貢献しています。
■ 有限会社スチューデントライフサポートについて
スチューデント ライフ サポート(SLS)は、会津大学で学ぶ学生の生活支援と、大学と地域が身近な存在になることを目的に会津若松商工会議所の活動の中から生まれた会社です。
現在、会津大学食堂、売店、ブックセンター、カフェ、留学生用寮、同大短期大学部食堂、売店などを運営しております。
住所:〒965-0006 福島県会津若松市一箕町大字鶴賀字上居合90会津大学内
TEL: 0242-33-0771
Eメール:sls@gakushoku.com
WEB: http://www.gakushoku.com/
■ 株式会社AiYUMUについて
(株)AiYUMUは、会津若松市が進めるICT関連整備事業の民間運営会社(会津若
松市本店所在の会社によって構成)です。
ICT専門大学の会津大学を擁したこの地域の強みを活かし、首都圏の躍動感と地域伝承の力、大企業とベンチャーなどの融合の可能性を探り、ICTを社会基盤に据えた市民生活の向上をめざします。さらには会津若松市、会津大学、民間(教育、医療、産業等)の地域内連携強化を図っています。
住所: 〒965-0872 福島県会津若松市東栄町1−77
TEL: 0242-38-2083
Eメール: y.yatsuhashi@aizu-aiyumu.co.jp
WEB: https://aizu-aiyumu.co.jp/