Coral Capital、より分かりやすい投資契約書の標準ひな形を「J-KISS 2.0」として公開
[22/04/13]
提供元:PRTIMES
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スムーズで透明性の高い投資エコシステムの醸成に寄与
ベンチャーキャピタルのCoral Capital(東京都千代田区、創業パートナー兼CEO:James Riney、以下「当社」)はこの度、2016年4月のバージョン1の初公開から6年ぶりとなるスタートアップ向けの投資契約書のひな形「J-KISS」をメジャーアップデートし、「J-KISS 2.0」として公開したことをお知らせします。日本におけるシードスタートアップ投資の標準形をひな形として提供することで、よりスムーズで透明性の高い投資エコシステムの醸成に寄与します。
[画像: https://prtimes.jp/i/42337/18/resize/d42337-18-64cfdab7d41fe91e5ac2-0.png ]
ベンチャーキャピタルのCoral Capital(東京都千代田区、創業パートナー兼CEO:James Riney、以下「当社」)はこの度、2016年4月のバージョン1の初公開から6年ぶりとなるスタートアップ向けの投資契約書のひな形「J-KISS」をメジャーアップデートし、「J-KISS 2.0」として公開したことをお知らせします。
従来のバージョン1.x系との変更点は、
バリュエーションキャップをプレマネーからポストマネーに変更し、資金調達ラウンドごとの希薄化率が分かりやすくなったこと
ひな形として公開されている契約書の条項について、その内容に変更が加えられていないことがひと目で分かるよう表明する文を加えたこと
の2つです。
J-KISS公開の背景と概要
J-KISSは日本版KISS(Keep It Simple Security)として、Coral Capitalの前身である500 Startups Japanが2016年4月に無償で公開した、どなたでもお使いいただける投資契約書のひな形です。名称に「simple」が含まれている通り、特にシード期というスタートアップ立ち上げの初期の段階での資金調達時の条件交渉をシンプルにし、投資をスムーズに行うための契約書です。J-KISSでは、最低限の条件だけを決めて投資を実行し、詳細な条件や契約はより事業が進捗した後に行われる大きな資金調達ラウンドで定める契約に、後から加わるという仕組みになっています。これによりシード期においては複雑な条件交渉を繰り延べる形で、素早く資金調達を進めることができます。その使い勝手の良さから、J-KISSは公開から6年で多くの起業家、ベンチャーキャピタルやエンジェル投資家の皆さまに広くご利用いただくようになりました。
スタートアップ先進国の米国では、KISSやSAFE(※)と呼ばれる同様の投資契約の標準化が進んでおり、エコシステムの発展に寄与しています。Coral Capitalは日本のスタートアップエコシステムの健全な発展に寄与すべく、こうした米国の最新のプラクティスに追随する形で、今回J-KISSをアップデートすることを決めました。
(※)KISSとSAFEは、それぞれ米500 Startups、Y Combinatorが公開しているコンバーティブル投資手段のひな形の名称です。SAFEは2021年3月にバリュエーションの扱いをポストマネーに変更しています。
変更のポイント1:希薄化が分かりやすく
投資条件で最も重要な交渉事項の1つは、その企業の評価額であるバリュエーションです。J-KISSではバリュエーションそのものは決める必要はなく、その上限であるバリュエーションキャップを決めます。このとき金額の扱いには2通りのやり方があります。(1)投資時点での評価額である「プレマネー」と、(2)投資額を加算した投資直後の評価額である「ポストマネー」の2つです。J-KISS 1.x系ではプレマネーだったところ、J-KISS 2.0ではポストマネーに変更となっています。このことにより、J-KISS 2.0を使ってシード、プレシリーズAなど複数回の資金調達を重ねた場合でも、投資家の株式の持ち分比率の計算がシンプルになります(詳しくは、図と数字を用いた、以下の解説ブログをご覧ください)
J-KISS 2.0(Post Cap J-KISS)を公開しました
https://coralcap.co/2022/04/j-kiss-2/
変更のポイント2:ひな形からの変更の有無を明示
J-KISSは、オープンソースのソフトウェアのように、契約書のひな形をそれぞれのニーズに合わせて自由に変更して使っていただくことも可能です。一方で、すでに弁護士・税理士といった専門家によりレビュー済みの業界標準的なひな形を用いるからこそ、修正や交渉などを省略することが可能です。このため、契約条項の改変は自由であるものの、特にシード期においては改変を推奨はしていません。
J-KISS 2.0では、この点について一歩踏み込み、ひな形から改変がないことを明示する文を冒頭に付け加えています。このことにより、J-KISS 2.0を使う投資家・起業家の双方とも、改変がないことをひと目で判断することができ、J-KISS利用の最大のメリットである、速さ、安さを享受することができます。逆に言えば、もし何か契約内容が修正されている場合には、起業家と投資家の双方から見て、ひと目で分かります。
ただし、J-KISSはオープンソースであり、必要に応じて修正を加えて用いることを否定はしていません。特にブリッジラウンドでJ-KISSを用いる場合などは、専門家に相談のうえ個別の状況に合わせて修正を加えるべきです。
J-KISS 1.x系について
公開済みのJ-KISS 1.x系のひな形は、引き続き公開しており、継続してお使いいただけます。J-KISSの転換時の計算や取り扱いが複雑になるため、J-KISS 1.x系とJ-KISS 2.0を混ぜて使うことは推奨していません。すでにJ-KISS 1.x系で調達済みであれば、転換までは同じJ-KISS 1.x系を用いてください。逆に新規の資金調達であれば、J-KISS 2.0の利用を推奨いたします。
【J-KISS公開ページ】
J-KISS: 誰もが自由に使える、シード資金調達のための投資契約書
https://coralcap.co/j-kiss/
【Coral Capitalについて】
Coral Capitalは約300億円を運用するベンチャーキャピタルです。シリーズA以前であれば、設立前後からプレシリーズAラウンドまで初回3000万円〜5億円、追加では最大15億円までを投資します。投資先に対しては採用・資金調達・広報・コミュニティーを中心に、ハンズイフで支援しています。2016年2月より投資を開始し、これまでに合計90社以上に投資を行ってきました。
ベンチャーキャピタルのCoral Capital(東京都千代田区、創業パートナー兼CEO:James Riney、以下「当社」)はこの度、2016年4月のバージョン1の初公開から6年ぶりとなるスタートアップ向けの投資契約書のひな形「J-KISS」をメジャーアップデートし、「J-KISS 2.0」として公開したことをお知らせします。日本におけるシードスタートアップ投資の標準形をひな形として提供することで、よりスムーズで透明性の高い投資エコシステムの醸成に寄与します。
[画像: https://prtimes.jp/i/42337/18/resize/d42337-18-64cfdab7d41fe91e5ac2-0.png ]
ベンチャーキャピタルのCoral Capital(東京都千代田区、創業パートナー兼CEO:James Riney、以下「当社」)はこの度、2016年4月のバージョン1の初公開から6年ぶりとなるスタートアップ向けの投資契約書のひな形「J-KISS」をメジャーアップデートし、「J-KISS 2.0」として公開したことをお知らせします。
従来のバージョン1.x系との変更点は、
バリュエーションキャップをプレマネーからポストマネーに変更し、資金調達ラウンドごとの希薄化率が分かりやすくなったこと
ひな形として公開されている契約書の条項について、その内容に変更が加えられていないことがひと目で分かるよう表明する文を加えたこと
の2つです。
J-KISS公開の背景と概要
J-KISSは日本版KISS(Keep It Simple Security)として、Coral Capitalの前身である500 Startups Japanが2016年4月に無償で公開した、どなたでもお使いいただける投資契約書のひな形です。名称に「simple」が含まれている通り、特にシード期というスタートアップ立ち上げの初期の段階での資金調達時の条件交渉をシンプルにし、投資をスムーズに行うための契約書です。J-KISSでは、最低限の条件だけを決めて投資を実行し、詳細な条件や契約はより事業が進捗した後に行われる大きな資金調達ラウンドで定める契約に、後から加わるという仕組みになっています。これによりシード期においては複雑な条件交渉を繰り延べる形で、素早く資金調達を進めることができます。その使い勝手の良さから、J-KISSは公開から6年で多くの起業家、ベンチャーキャピタルやエンジェル投資家の皆さまに広くご利用いただくようになりました。
スタートアップ先進国の米国では、KISSやSAFE(※)と呼ばれる同様の投資契約の標準化が進んでおり、エコシステムの発展に寄与しています。Coral Capitalは日本のスタートアップエコシステムの健全な発展に寄与すべく、こうした米国の最新のプラクティスに追随する形で、今回J-KISSをアップデートすることを決めました。
(※)KISSとSAFEは、それぞれ米500 Startups、Y Combinatorが公開しているコンバーティブル投資手段のひな形の名称です。SAFEは2021年3月にバリュエーションの扱いをポストマネーに変更しています。
変更のポイント1:希薄化が分かりやすく
投資条件で最も重要な交渉事項の1つは、その企業の評価額であるバリュエーションです。J-KISSではバリュエーションそのものは決める必要はなく、その上限であるバリュエーションキャップを決めます。このとき金額の扱いには2通りのやり方があります。(1)投資時点での評価額である「プレマネー」と、(2)投資額を加算した投資直後の評価額である「ポストマネー」の2つです。J-KISS 1.x系ではプレマネーだったところ、J-KISS 2.0ではポストマネーに変更となっています。このことにより、J-KISS 2.0を使ってシード、プレシリーズAなど複数回の資金調達を重ねた場合でも、投資家の株式の持ち分比率の計算がシンプルになります(詳しくは、図と数字を用いた、以下の解説ブログをご覧ください)
J-KISS 2.0(Post Cap J-KISS)を公開しました
https://coralcap.co/2022/04/j-kiss-2/
変更のポイント2:ひな形からの変更の有無を明示
J-KISSは、オープンソースのソフトウェアのように、契約書のひな形をそれぞれのニーズに合わせて自由に変更して使っていただくことも可能です。一方で、すでに弁護士・税理士といった専門家によりレビュー済みの業界標準的なひな形を用いるからこそ、修正や交渉などを省略することが可能です。このため、契約条項の改変は自由であるものの、特にシード期においては改変を推奨はしていません。
J-KISS 2.0では、この点について一歩踏み込み、ひな形から改変がないことを明示する文を冒頭に付け加えています。このことにより、J-KISS 2.0を使う投資家・起業家の双方とも、改変がないことをひと目で判断することができ、J-KISS利用の最大のメリットである、速さ、安さを享受することができます。逆に言えば、もし何か契約内容が修正されている場合には、起業家と投資家の双方から見て、ひと目で分かります。
ただし、J-KISSはオープンソースであり、必要に応じて修正を加えて用いることを否定はしていません。特にブリッジラウンドでJ-KISSを用いる場合などは、専門家に相談のうえ個別の状況に合わせて修正を加えるべきです。
J-KISS 1.x系について
公開済みのJ-KISS 1.x系のひな形は、引き続き公開しており、継続してお使いいただけます。J-KISSの転換時の計算や取り扱いが複雑になるため、J-KISS 1.x系とJ-KISS 2.0を混ぜて使うことは推奨していません。すでにJ-KISS 1.x系で調達済みであれば、転換までは同じJ-KISS 1.x系を用いてください。逆に新規の資金調達であれば、J-KISS 2.0の利用を推奨いたします。
【J-KISS公開ページ】
J-KISS: 誰もが自由に使える、シード資金調達のための投資契約書
https://coralcap.co/j-kiss/
【Coral Capitalについて】
Coral Capitalは約300億円を運用するベンチャーキャピタルです。シリーズA以前であれば、設立前後からプレシリーズAラウンドまで初回3000万円〜5億円、追加では最大15億円までを投資します。投資先に対しては採用・資金調達・広報・コミュニティーを中心に、ハンズイフで支援しています。2016年2月より投資を開始し、これまでに合計90社以上に投資を行ってきました。