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総務コンサルティング・アウトソーシングによる総務変革を通じて企業の「働く」を元気にする株式会社ゼロイン（本社：東京都千代田区内幸町、代表取締役：大條 充能）は、2025年11月12日（水）に総務プロフェッショナル向けセミナー『AI時代に総務の存在意義を問う〜“会社らしさ”を設計するカルチャーデザイナーへの進化〜』を、株式会社月刊総務、株式会社Hite&Co.との共催で実施いたしました。

本セミナーには104名の総務プロフェッショナルが参加し、事後アンケートでは97.0％が「満足」「やや満足」と回答し、高い評価を得ました。セミナー後の懇親会には44名が参加し、活発な交流が行われました。
■開催背景
本セミナーは、AI時代における総務の存在意義を再定義し、新たな可能性を探ることを目的に企画されました。

総務はルーティン業務を担う「何でも屋」や「雑用係」と見られがちですが、実際には日常業務から戦略領域まで、専門部門に属さない横断的な役割を幅広く担い、企業運営の中枢機能を支える基盤となっています。

近年では、働き方改革、情報セキュリティ、BCP・危機管理、サステナビリティ対応など、企業に求められる要件が急速に増加・高度化しています。これらは単一部門では完結しにくく、全社的な制度・環境・ルールを統合する総務の役割は一層重要になっています。

「AIに仕事を奪われる」という見方もありますが、総務がより創造的かつ戦略的な役割へ進化するには、AIの積極的な活用が不可欠です。定型業務の自動化やデータ分析はAIに委ねる一方で、経営の意図と現場の想いをつなぐ社内変革、前例のない取り組みに多様な人材を巻き込むプロジェクト推進など、人にしか担えない領域はむしろ広がっています。

こうした背景を踏まえ、総務の新たな役割を示す概念として、当社は「カルチャーデザイナー」という名称を提示しました。

当社の大條（株式会社ゼロイン代表取締役）は、リクルート総務部で感じた総務の可能性を起点に株式会社ゼロインを創業し、「すべての“働く”を元気にする」という企業理念を掲げています。大條が見出した総務の可能性は、今回提示する「カルチャーデザイナー」という概念にも通じる思想です。

株式会社ゼロインでは今回のセミナーを皮切りに、総務のみなさまと交流や議論を重ね、新たな可能性の探求と役割のアップデートを継続して進めます。
■総務には現場視点と戦略思考・経営視点が求められる一方、成果が見えにくく評価されにくい（セミナー事前アンケートより）
本セミナーでは、参加予定者を対象に事前アンケートを実施し、56名から回答を得ました。
Q1. 理想の総務になるために、身につけたいスキルは何ですか？（複数選択可）
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【セミナー事前アンケート】Q1. 理想の総務になるために、身につけたいスキルは何ですか？（複数選択可）

「戦略思考・経営的視点」が67.9%と際立って高く、次いで「企画力・プロジェクト推進力」と「ITリテラシー・デジタル活用力」がいずれも42.9%となりました。一方で、専門知識（総務・法務・労務など）は5位にとどまり、特定領域に依存しない、より総合的なスキルが求められている傾向がうかがえます。

Q2. 理想の総務像に近づく上で、最大の障壁は何ですか？
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【セミナー事前アンケート】Q2. 理想の総務像に近づく上で、最大の障壁は何ですか？

「総務の成果が見えにくく、評価されにくい」が42.9%で最も多く、次いで「予算や人的リソースが限られている」が39.3%、「経営陣や他部署の総務に対する理解が低い」が37.5%という結果でした。総務は成果・価値の見えづらさから、理解・評価の欠如とリソース制約が連鎖的に発生していると考えられます。

Q3. あなたにとって「総務の存在意義」とはどんなイメージですか？（自由記述）
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【セミナー事前アンケート】Q3. あなたにとって「総務の存在意義」とはどんなイメージですか？（自由記述）

この図は、自由記述の回答内容をAIで分析し、「現場業務・環境整備」「組織基盤・インフラ」「戦略・経営機能」の3つのカテゴリーに分類したものです。総務は「現場業務・環境整備」から「組織基盤・インフラ」、さらに「戦略・経営機能」まで、多層的な役割として認識されていることが分かります。

これは、総務が単なるオペレーション担当にとどまらず、日々の業務運営を支える基盤づくりから、組織の生産性向上やガバナンス強化、さらには経営方針の具現化まで、企業運営のあらゆる層に関与するポジションであることを示しています。

また、現場視点と経営視点が混在している点は、総務が組織内部で「最後の砦」として多様な期待を背負っている一方、役割範囲が曖昧化しやすい構造的な問題も孕んでおり、役割の再定義と価値の可視化が重要だと考えられます。
■各講演の要約と、講師が考える「カルチャーデザイナー」
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石塚（株式会社ゼロイン取締役）による講演の様子

講演１.「これまでの総務・これからの総務」
講師：豊田 健一氏（株式会社月刊総務 代表取締役社長）
【豊田氏の考えるカルチャーデザイナー】
- 経営戦略は、差別化戦略
- 差別化は、企業らしさを研ぎ澄ますこと
- らしさの浸透加速装置が「舞台」（働く場、オフィス）
- その舞台を整えることがカルチャーデザイン

【講演要約】
AI活用による業務効率化にくわえて、日々の業務を通して集めたデータをどのように分析・活用するかがDXの本質です。人手不足の中、今後は少ない人材で縦割りではなく、横に広げながら採用・定着・活躍の場を整えることが求められます。採用した社員が能力を最大限に発揮できる舞台（働く「場」）の整備は総務の役割です。次の取り組みを行うことで、自社らしい働き方の実現や社員の生産性向上へとつなげられます。
- 経営者が求める働き方を明確に社員へ共有する
- 総務が舞台を整えるために、カルチャーデザイナーとして他部署と連携する
- 働き方について、より多くの選択肢を提供する


講演２.「総務アウトソーシングサービス進化論」
講師：金 英範氏（株式会社Hite&Co. 代表取締役社長）
【金氏の考えるカルチャーデザイナー】
「カルチャーデザイナー」は次の2つの役割を持つ
- 会社のカルチャーを表現する役割：カルチャーエクスプレッサー
- 会社のカルチャーを浸透させる役割：カルチャーインフルエンサー

【講演要約】
総務は時代の変化に伴って生まれる新たな概念に対応するため、現在の業務を遂行しながら新しい領域にも取り組む必要があります。そうした変化に適応する手段の一つがBPO（ビジネス・プロセス・アウトソーシング）です。
BPOは、業務設計や計画などのコンサルティング要素を含んだマネジメント業務全体を委託できるため、自社がどこまでを担い、どこからを外部委託するか、見極めることが重要です。
BPO活用では、上から「戦略」「管理」「日常オペレーション」で構成されるピラミッドの「管理」部分において、マネジメントの一部も含めて外部委託した事例があります。企業によって外部委託の取り入れ方は異なるため、カルチャーチェックシートを用いた、自社に適した外部委託活用を探る手法があります。

講演３.「社内外をつなぐ総務の進化論〜AI時代のカルチャーデザイナーとしてのヒント〜」
講師：石塚 裕（株式会社ゼロイン 取締役COO）
【石塚の考えるカルチャーデザイナー】
総務だからこその強み
- つながりのハブ（部門間／社内外）：総務は「声のかけやすい」フラットな存在
- つながりのシカケ（オフィス、イベント、メディアの活用）：総務は「働く場」をつくる存在

これらを生かして、部門間・社内外の交流を促し、イノベーションの土壌をつくる

【講演要約】
現在の業務でどのようにAIを活用し、それらの業務をどのようにマネジメントしていくかが重要です。総務の事務業務はAIによる自動化を進め、社員はオフィスで対応が必要な物理的タスクや組織文化の醸成に取り組みながら、総務を進化させていくことが求められます。
ゼロインでは、組織を混ぜることでイノベーション創出やエンゲージメント向上を促進した事例があります。総務がカルチャーデザイナー（変革の推進役）として部署・社員同士の交流の場を創出することで、企業文化の醸成や社員エンゲージメント向上に寄与できます。

講演４.「シスコが取り組むオフィスDX」
講師：清水 正樹氏（シスコシステムズ合同会社）
【清水氏の考えるカルチャーデザイナー】
カルチャーデザインは2つの要素に整理
- 空間デザイン（レイアウト・環境）
- コミュニケーションデザイン（空間設計・テクノロジー）

【講演要約】
シスコシステムズ合同会社は、Great Place to Work(R) Institute Japanの「働きがいのある会社」で、毎年上位に選出されている会社です。シスコシステムズ合同会社における総務の仕事は「働きやすさのサポート」と「経営への貢献」であり、自社オフィスの変革を推進しています。
シスコシステムズ合同会社では、IFM（Integrated Facility Management Model）を導入しており、少数の社員で建物・設備管理を全面的にアウトソーシング（外部委託）する運用を行っています。「働きやすさ」は、コミュニケーションのしやすさ、テレワークのしやすさ、オフィス環境によって決まります。その「働きやすさ」を実現する方策として、「学習するオフィス（会議室や利用端末の利用状況のデータ化）」に取り組んでいます。そして、今後の総務ができることは、総務業務のAI化や、そこから算出されるデータを経営に活用していくことです。

パネルディスカッション：カルチャーデザイナーとして総務に求められることとは
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パネルディスカッションの様子

ファシリテーター：大條 充能（株式会社ゼロイン 代表取締役社長 兼 CEO）
カルチャーデザイナーとして総務に求められることについて、次のような意見が挙がりました。
- 組織の軸や財務情報をもとに、総務の戦略を立てていくべき
- AIにオフィス内のデータを収集させ、総務が分析する
- 戦略立案の時間確保のため、外部視点で業務の必要性や改善を行う手法がある
- アウトソーシングの活用には、手段を提示するのではなく課題（困りごと）を提示すべき

また、事前アンケートをもとに、事例を交えて議論しました。

Q1. アンケート結果についてのコメント「理想の総務になるために、身につけたいスキルは何ですか？」
- 自分が経営者の場合、または自分が従業員の場合に何を望むかという仮説を立てる
- スキルよりもフレームワークを重視し、自分たちがよりパフォーマンスできる仕組みを設定する


Q2. アンケート結果についてのコメント「理想の総務像に近づく上で、最大の障壁は何ですか？」
- ゼロベースで「組織がどうあるべきか」を経営陣の求める方向に沿って考えることが重要
- 経営陣の求める方向に合わせてアピールすることで総務が評価されやすくなる

■懇親会での交流
セミナー後の懇親会では、参加者のみなさまによる活発な交流が行われました。会場には、参加者のみなさまに記入いただいた「あなたが考えるカルチャーデザイナーの定義」カードを掲示し、多くの方が興味深そうに見入っていました。
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■セミナー満足度調査結果
セミナー後の満足度アンケートでは、回答者の97.0％が「満足」「やや満足」と回答し、非常に高い評価を得ました。
今回のテーマである「カルチャーデザイン」についても、97.0%が「重要」「やや重要」と回答しました。多くの総務プロフェッショナルが、今後の総務領域におけるカルチャーデザインの重要性を実感した結果となりました。
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■参加者の声
- 総務部門のあるべき姿や考え方がわかりやすかった。他では聞けない話や外資系企業の考え方、各社の取り組み事例は参考になった。
- 総務が主導してカルチャーデザインに取り組む重要性について、多くのヒントをいただきました。具体例を交えたパネルディスカッションも、非常に勉強になりました。
- 日常的な総務業務をこなすだけでなく、業務をどのように定義し、どのような戦略で具体化するかを考える大きなきっかけになりました。
- 構成・内容ともに大変満足できるセミナーでした。聴講しながら、自社の取り組みを思い浮かべたり、新たな取り組みを考えたりと、有意義な時間となりました。各講演者の視点も興味深く、総務は奥深く、魅力的な仕事だとあらためて感じました。明日からの業務に生かしたいと思いました。

■会社概要
社名：株式会社ゼロイン
設立：1998年2月2日
代表：代表取締役社長 兼 CEO　大條 充能
本社：〒100-0011　東京都千代田区内幸町1-5-2 内幸町平和ビル20F
資本金：3,690万円
従業員数：197名（2025年4月時点）