カンボジア国立銀行がソラミツと共同開発の中央銀行デジタル通貨を正式運用開始
[20/10/29]
提供元:PRTIMES
提供元:PRTIMES
2019年7月からカンボジア全土でパイロット運用が開始され、中央銀行賞を受賞したブロックチェーンベースの中央銀行デジタル通貨「バコン」システムが、カンボジアのリテール決済および銀行間決済の基幹システムとして2020年10月28日より正式運用を開始しました。
2019年7月からカンボジア全土でパイロット運用が開始され、中央銀行賞を受賞したブロックチェーンベースの中央銀行デジタル通貨「バコン」システムが、カンボジアのリテール決済および銀行間決済の基幹システムとして2020年10月28日より正式運用を開始しました。
バコンは、デジタル化されたカンボジアリエル(KHR)または米ドル(USD)を使用し、即時および最終的な取引を可能にする中央銀行デジタル通貨システムです。カンボジア国立銀行とソラミツ株式会社(代表取締役社長:宮沢和正、本社:東京都渋谷区、以下ソラミツ)が共同開発したこのシステムは、多くの金融機関と1,700万人の国民のニーズに対応するために構築されました。
バコンは、従来の決済システムと連携してシームレスかつ安全に機能し、2020年第3四半期の時点で、カンボジア全土の18の金融機関がすでに採用しています。シンプルでエレガントなバコンのスマートフォンアプリを使用すると、カンボジア国内の電話番号を持っている人なら誰でも、デジタルリエルまたは米ドルのウォレットを保有し、電話番号を指定またはEMVCo互換のQRコードをスキャンして個人間や法人間での送金を行い、店頭などでの支払いを行うことができます。
カンボジア国民にとってバコンとは、送金手数料が不要で、より速く、より安全に支払うことができるデジタル通貨を意味します。カンボジア政府にとってバコンは、完全にデジタル化された経済という新世界への果敢なる挑戦であり、自信に満ちた第一歩です。カンボジア国立銀行は、世界中の中央銀行が集まるイベントである2020年のFinTech&RegTechグローバルアワードにおいて、最初のCBDCパートナー賞を受賞し発表されました。
なぜカンボジアはCBDCを開始したのか
中央銀行デジタル通貨は、金融システムの効率、強靭性、金融包摂を改善する可能性が高い手段として広く認識されています。2020年第1四半期の国際決済銀行(BIS)による66の中央銀行に対する調査では、世界の中央銀行の80%が何らかの形でCBDCの調査または実験に関与していることがわかりました。
カンボジア国立銀行(NBC)は、シヴァ神に捧げられた古代クメール帝国の州立寺院であるバコン寺院にちなんで名付けられたプロジェクトバコンを2016年に発足し、CBDCの検討を開始しました。プロジェクトの目的は、デジタル決済システムが金融機関の効率を改善し、負担を軽減し、自国通貨であるリエルの使用を促進し、そして最も重要なこととして、金融サービスが行き届いていないカンボジア人の金融包摂を強化する可能性を探ることでした。
NBCは、これらの目的を達成するには、リテールCBDCが必要であると結論付けました。つまり、日常の市民の利用と大規模なトランザクションである銀行間(ホールセール)決済のために設計された法定通貨で裏打ちされたデジタル通貨です。ブロックチェーン(DLT)は、このようなシステムを実装するための最も有望な方法と見なされていました。 2017年、NBCはソラミツが開発に貢献しているThe Linux Foundation Hyperledger Projectの「ハイパーレジャーいろは」を、リテールCBDCの開発に最も適しているブロックチェーンとして選択しました。 NBCチームとソラミツチームが連携した効率的な共同開発により、この野心的なプロジェクトが成功しました。
システム概要
バコンシステムは、NBCによって運営されるバコン・コア、NBCによって金融機関に割り当てられた決済ゲートウェイ、および金融機関によって個人や企業などに割り当てられたウォレットで構成されています。金融機関はデスクトップアプリを経由してバコン・コアにアクセスし、個人や企業などはiOS / Androidアプリを介してウォレットにアクセスします。個人、企業、金融機関などの利用者ごとに権限をきめ細かく設定できるため、NBCは効果的にCBDC全体の様々な規制やセキュリティ管理を遂行することができます。
バコン・コアは、許可型のコンソーシアム・ブロックチェーンであるハイパーレジャーいろはを利用しており、複数のノードに格納されている時系列チェーンにすべてのトランザクションを改ざん不可能な情報として記録します。バコン・コアはNBCによって運営されている物理的なサーバ上の分散台帳に記録されますが、同一の分散台帳が特定の金融機関と共有されます。これにより、冗長性と強靭性が保証されます。独自のコンセンサスアルゴリズムであるYACを使用して、分散台帳全体のトランザクションを検証し、不正のリスク、二重支払いの問題、およびカウンターパーティのリスクを排除します。
[画像1: https://prtimes.jp/i/19078/20/resize/d19078-20-398394-0.png ]
機能と利点
バコンは、2010年代にNBCが実施した様々な金融インフラ投資を活用し、さらにこの機能を改善するように設計されました。従来のリレーショナルデータベースを、ハードウェア障害、改ざん、サイバー攻撃に対して強靭性のあるブロックチェーン分散台帳に置き換えることで、従来の銀行間決済システム(FAST)をアップグレードしました。また、従来のPOSシステム(CSS)や民間企業による決済サービスを強化し、決済手数料が無料ではるかに高速で便利な決済を可能にしました。
マクロ経済の観点から、現在のところバコンは中立です。デジタルリエルは現金に取って代わるものではなく、利子もありません。すべてのデジタルリエル・ウォレットは従来の銀行口座に裏打ちされているため、取り付け騒ぎと流動性リスクは最小限に抑えられます。
すべての金融システムと同様に、金融機関はデューデリジェンスを実施し、本人確認(KYC)規制を遵守することにより、金融犯罪の防止に役割を果たすことが期待されています。 バコンは多要素認証の本人確認システムをサポートしています。エンドユーザーはSMS検証を使用して少額決済が可能なバコン口座を開くことができますが、高額決済が可能なバコン口座の開設には、アプリを使用または銀行の支店で政府IDを登録し厳格な本人確認を行う必要があります。
[画像2: https://prtimes.jp/i/19078/20/resize/d19078-20-279361-1.png ]
次のステップ
【NBCとカンボジアの金融機関の次のステップ】
「私たちは、金融包摂、効率性、安全性を向上させるとともに、現地通貨の使用を促進することを目指しています。バコンは、カンボジアの決済を利用するすべてのプレーヤーを同じプラットフォームの下に置くことで中心的な役割を果たし、利用者が銀行間の垣根を超えてお互いの支払いを容易にします。」
カンボジア国立銀行局長、マダム・チア・セレイ
「バコンは最終的に、業界のすべての利害関係者が恩恵を受けることができる、経済的に包括的なエコシステムを作成します。」
プノンペン商業銀行総裁、シン・チャン・ムン
【ソラミツの次のステップ】
「私たちはカンボジア国立銀行と3年以上にわたって熱心にソリューションを構築してきており、現在、他の国や新しい市場に展開するための技術を準備しています。中央銀行から私たちの技術が認められ、中央銀行のデジタル通貨の実用化への貢献に対する賞を受賞したことは非常に光栄です。」
ソラミツホールディングスAG CEO、武宮誠
ソラミツについて
ソラミツは、ブロックチェーンベースのインフラストラクチャ、決済システム、IDソリューションの作成に精通した日本のフィンテック企業です。
ソラミツは、カンボジア国立銀行と共同で、中央銀行が立ち上げた世界初のブロックチェーンベースのCBDCおよびリテール決済システムであるバコンを開発しました。
ソラミツは、企業や金融機関がデジタル資産やIDの管理を支援することを目的とした、オープンソースの許可型ブロックチェーンプラットフォームであるハイパーレジャーいろはの最初の開発者であり主な開発貢献者です。 ハイパーレジャーいろはは、The Linux FoundationのHyperledger Projectの一部です。
ソラミツは、PolkadotホストのC ++実装であるKAGOMEと、分散型トークン交換プラットフォームであるPolkaswapを開発するためのWeb3Foundation助成金を受け取りました。Kusama treasuryは、ソラミツにフィアレスウォレットを作成するための助成金を授与しました。
ソラミツは、商品やサービスの効果的な市場導入手段の提供を目的とした革新的な分散型経済システムであるSORAを開発しました。詳細については、www.sora.orgを参照し、GooglePlayストアまたはiOSのAppStoreからアプリをダウンロードしてください。
ソラミツの技術とビジョンの詳細については、soramitsu.co.jpをご覧ください。
[画像3: https://prtimes.jp/i/19078/20/resize/d19078-20-472247-2.png ]
2019年7月からカンボジア全土でパイロット運用が開始され、中央銀行賞を受賞したブロックチェーンベースの中央銀行デジタル通貨「バコン」システムが、カンボジアのリテール決済および銀行間決済の基幹システムとして2020年10月28日より正式運用を開始しました。
バコンは、デジタル化されたカンボジアリエル(KHR)または米ドル(USD)を使用し、即時および最終的な取引を可能にする中央銀行デジタル通貨システムです。カンボジア国立銀行とソラミツ株式会社(代表取締役社長:宮沢和正、本社:東京都渋谷区、以下ソラミツ)が共同開発したこのシステムは、多くの金融機関と1,700万人の国民のニーズに対応するために構築されました。
バコンは、従来の決済システムと連携してシームレスかつ安全に機能し、2020年第3四半期の時点で、カンボジア全土の18の金融機関がすでに採用しています。シンプルでエレガントなバコンのスマートフォンアプリを使用すると、カンボジア国内の電話番号を持っている人なら誰でも、デジタルリエルまたは米ドルのウォレットを保有し、電話番号を指定またはEMVCo互換のQRコードをスキャンして個人間や法人間での送金を行い、店頭などでの支払いを行うことができます。
カンボジア国民にとってバコンとは、送金手数料が不要で、より速く、より安全に支払うことができるデジタル通貨を意味します。カンボジア政府にとってバコンは、完全にデジタル化された経済という新世界への果敢なる挑戦であり、自信に満ちた第一歩です。カンボジア国立銀行は、世界中の中央銀行が集まるイベントである2020年のFinTech&RegTechグローバルアワードにおいて、最初のCBDCパートナー賞を受賞し発表されました。
なぜカンボジアはCBDCを開始したのか
中央銀行デジタル通貨は、金融システムの効率、強靭性、金融包摂を改善する可能性が高い手段として広く認識されています。2020年第1四半期の国際決済銀行(BIS)による66の中央銀行に対する調査では、世界の中央銀行の80%が何らかの形でCBDCの調査または実験に関与していることがわかりました。
カンボジア国立銀行(NBC)は、シヴァ神に捧げられた古代クメール帝国の州立寺院であるバコン寺院にちなんで名付けられたプロジェクトバコンを2016年に発足し、CBDCの検討を開始しました。プロジェクトの目的は、デジタル決済システムが金融機関の効率を改善し、負担を軽減し、自国通貨であるリエルの使用を促進し、そして最も重要なこととして、金融サービスが行き届いていないカンボジア人の金融包摂を強化する可能性を探ることでした。
NBCは、これらの目的を達成するには、リテールCBDCが必要であると結論付けました。つまり、日常の市民の利用と大規模なトランザクションである銀行間(ホールセール)決済のために設計された法定通貨で裏打ちされたデジタル通貨です。ブロックチェーン(DLT)は、このようなシステムを実装するための最も有望な方法と見なされていました。 2017年、NBCはソラミツが開発に貢献しているThe Linux Foundation Hyperledger Projectの「ハイパーレジャーいろは」を、リテールCBDCの開発に最も適しているブロックチェーンとして選択しました。 NBCチームとソラミツチームが連携した効率的な共同開発により、この野心的なプロジェクトが成功しました。
システム概要
バコンシステムは、NBCによって運営されるバコン・コア、NBCによって金融機関に割り当てられた決済ゲートウェイ、および金融機関によって個人や企業などに割り当てられたウォレットで構成されています。金融機関はデスクトップアプリを経由してバコン・コアにアクセスし、個人や企業などはiOS / Androidアプリを介してウォレットにアクセスします。個人、企業、金融機関などの利用者ごとに権限をきめ細かく設定できるため、NBCは効果的にCBDC全体の様々な規制やセキュリティ管理を遂行することができます。
バコン・コアは、許可型のコンソーシアム・ブロックチェーンであるハイパーレジャーいろはを利用しており、複数のノードに格納されている時系列チェーンにすべてのトランザクションを改ざん不可能な情報として記録します。バコン・コアはNBCによって運営されている物理的なサーバ上の分散台帳に記録されますが、同一の分散台帳が特定の金融機関と共有されます。これにより、冗長性と強靭性が保証されます。独自のコンセンサスアルゴリズムであるYACを使用して、分散台帳全体のトランザクションを検証し、不正のリスク、二重支払いの問題、およびカウンターパーティのリスクを排除します。
[画像1: https://prtimes.jp/i/19078/20/resize/d19078-20-398394-0.png ]
機能と利点
バコンは、2010年代にNBCが実施した様々な金融インフラ投資を活用し、さらにこの機能を改善するように設計されました。従来のリレーショナルデータベースを、ハードウェア障害、改ざん、サイバー攻撃に対して強靭性のあるブロックチェーン分散台帳に置き換えることで、従来の銀行間決済システム(FAST)をアップグレードしました。また、従来のPOSシステム(CSS)や民間企業による決済サービスを強化し、決済手数料が無料ではるかに高速で便利な決済を可能にしました。
マクロ経済の観点から、現在のところバコンは中立です。デジタルリエルは現金に取って代わるものではなく、利子もありません。すべてのデジタルリエル・ウォレットは従来の銀行口座に裏打ちされているため、取り付け騒ぎと流動性リスクは最小限に抑えられます。
すべての金融システムと同様に、金融機関はデューデリジェンスを実施し、本人確認(KYC)規制を遵守することにより、金融犯罪の防止に役割を果たすことが期待されています。 バコンは多要素認証の本人確認システムをサポートしています。エンドユーザーはSMS検証を使用して少額決済が可能なバコン口座を開くことができますが、高額決済が可能なバコン口座の開設には、アプリを使用または銀行の支店で政府IDを登録し厳格な本人確認を行う必要があります。
[画像2: https://prtimes.jp/i/19078/20/resize/d19078-20-279361-1.png ]
次のステップ
【NBCとカンボジアの金融機関の次のステップ】
「私たちは、金融包摂、効率性、安全性を向上させるとともに、現地通貨の使用を促進することを目指しています。バコンは、カンボジアの決済を利用するすべてのプレーヤーを同じプラットフォームの下に置くことで中心的な役割を果たし、利用者が銀行間の垣根を超えてお互いの支払いを容易にします。」
カンボジア国立銀行局長、マダム・チア・セレイ
「バコンは最終的に、業界のすべての利害関係者が恩恵を受けることができる、経済的に包括的なエコシステムを作成します。」
プノンペン商業銀行総裁、シン・チャン・ムン
【ソラミツの次のステップ】
「私たちはカンボジア国立銀行と3年以上にわたって熱心にソリューションを構築してきており、現在、他の国や新しい市場に展開するための技術を準備しています。中央銀行から私たちの技術が認められ、中央銀行のデジタル通貨の実用化への貢献に対する賞を受賞したことは非常に光栄です。」
ソラミツホールディングスAG CEO、武宮誠
ソラミツについて
ソラミツは、ブロックチェーンベースのインフラストラクチャ、決済システム、IDソリューションの作成に精通した日本のフィンテック企業です。
ソラミツは、カンボジア国立銀行と共同で、中央銀行が立ち上げた世界初のブロックチェーンベースのCBDCおよびリテール決済システムであるバコンを開発しました。
ソラミツは、企業や金融機関がデジタル資産やIDの管理を支援することを目的とした、オープンソースの許可型ブロックチェーンプラットフォームであるハイパーレジャーいろはの最初の開発者であり主な開発貢献者です。 ハイパーレジャーいろはは、The Linux FoundationのHyperledger Projectの一部です。
ソラミツは、PolkadotホストのC ++実装であるKAGOMEと、分散型トークン交換プラットフォームであるPolkaswapを開発するためのWeb3Foundation助成金を受け取りました。Kusama treasuryは、ソラミツにフィアレスウォレットを作成するための助成金を授与しました。
ソラミツは、商品やサービスの効果的な市場導入手段の提供を目的とした革新的な分散型経済システムであるSORAを開発しました。詳細については、www.sora.orgを参照し、GooglePlayストアまたはiOSのAppStoreからアプリをダウンロードしてください。
ソラミツの技術とビジョンの詳細については、soramitsu.co.jpをご覧ください。
[画像3: https://prtimes.jp/i/19078/20/resize/d19078-20-472247-2.png ]