Interbrand “Japan’s Best Global Brands 2011” 「日本のグローバル・ブランドTOP30」及び「日本の国内ブランドTOP30」を発表
[11/02/01]
提供元:PRTIMES
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TOYOTAはブランド価値第1位の座を維持するも、前年比16%減
Nomura、Unicharm、Ajinomotoが初のランクイン
日本の国内ブランドでは、NTT docomoが第1位も、China Mobileの1/3
世界的なブランドコンサルティング会社であるインターブランドは、日本発のブランドを
対象に、“世界基準”によるブランド価値評価ランキング“Japan’s Best Global
Brands 2011”を発表します。本ランキングはグローバルな事業展開を行う日本発のグロ
ーバル・ブランドを対象に、そのブランドが持つ価値を金額に換算してランク付けするも
ので、本年で3回目となります。また、この評価結果は1999年より毎年公表しております
グローバルのトップ100のブランドランキング“Best Global Brands”と比較可能なも
のとなります。
<“Japan’s Best Global Brands 2011”ハイライト>
Toyota(-16% 1位)は2010年初めのリコール問題が世界中の紙面を賑わせ、消費者の
Toyotaブランドへの信頼が揺らいだ結果、Lexus(-19% 8位)とともにブランド価値
は大きく減少しました。この減少額は非常に大きく、今回のランキングでは、昨年に比べ
トップ30全体のブランド価値の合計額は、3%減少しました。しかし、この2ブランドを
除く合計額は2%増加しており、為替市場が非常に厳しい一年であったにもかかわらず、
多くの日本のブランドへの評価は高まっています。
また、中国市場で躍進を続けるShiseido(+3% 10位)が自動車・電機関連ブランド以
外で初めてのトップ10入りしました。前年比で最もブランド価値を高めたブランドは、
好調のランニングシューズに加え、ブランドの考え方をうまく表現し欧州のアパレル商品
のプロモーションを強化したAsics(+12% 22位)となっています。
今回初めてランキング入りしたブランドは、旧リーマン・ブラザーズのアジア・パシフィ
ック及び欧州・中東部門の人員等を継承して一気にグローバル化を進めたNomura(16
位)、東アジア・東南アジアを中心にP&Gなどのグローバル・ブランドに対して奮闘を続
けるUnicharm(28位)、世界100カ国以上で販売され、2万人近い海外従業員にチャンス
と教育の機会の平等を掲げ、世界共通人材基準の公開を始めたAjinomoto(29位)で
す。それぞれ業界は異なるものの、グローバル・ブランドがひしめく業界において、アジ
アを中心に攻勢をかけています。
自動車・電機ブランドは、評価が割れる結果となりました。強みである一眼レフデジタル
カメラ市場が成長しているNikon(+11% 13位)、グローバル統一の新たなブランドコ
ミュニケーション活動を始めたFujitsu(+10% 24位)、社会イノベーション事業の強
化をすすめるHitachi(+10% 25位)が前年比10%以上ブランド価値を増加させる中、
前述のToyota、Lexusに加え、Yamaha(-11% 21位)が10%以上ブランド価値を減少
させています。これらのブランドはすでにグローバルでの認知は非常に高い水準にあり、
今後は、グローバル・リーディングブランドに対し、差別性あるポジショニングで顧客の
ロイヤリティを高めていくことが求められています。
特別企画1. <日本の国内ブランド(海外売上高比率30%未満)TOP30>
“Japan’s Best Global Brands”の評価では、前述のとおり「海外売上高比率が30%
(2009年度実績)以上」あることを1つの要件としています。この基準に満たない国内売
上を中心としたブランドが、近年アジアを中心に海外へ進出する方針を打ち出していま
す。
そこで、本年は「海外売上高比率」の枠を外し、海外売上高比率が30%(2009年度実
績)に満たない国内ブランドのTOP30のブランド価値を算定し、自動車・電機に続く次の
グローバル・ブランドとなりえる業界、ブランドの検証を試みました。
その結果、1位となったのが、NTT Docomoです。さらにSoftbank(3位)、au(5位)と3つ
の携帯キャリアブランドが、トップ10にランクインしました。そして、MUFG(2位)、
SMFG(4位)、Mizuho(6位)と「メガバンク」グループの3ブランドがトップ10に名を
連ねました。その他にトップ10には、Uniqlo(7位)、Kirin(8位)、Kao(9位)、
Rakuten(楽天 10位)がランクインしています。
業種別では、金融サービスブランドが最も多く、トップ10入りした3ブランドに加え、
Tokio Marine(東京海上 11位)、Dai-ichi Life(第一生命 21位)、Orix(29
位)がランクインしました。MUFGが2010年末、香港で初の個人向け事業を開始し、
Tokio Marineも近年海外でのM&Aを数多く手がけアジア中心に積極展開を狙うなど、グ
ローバル・ブランドへ向けて各ブランドは着実に歩みを進めています。金融サービスブラ
ンドは、“Best Global Brands”のTOP100でも最も多くランクインしている業種であ
り、昨年では、米国以外にBarclays(英国)、Credit Swiss(スイス)、Santander
(スペイン)がランクインするなど、金融危機後の不安定な市場において、新興ブランド
が勢力をつけています。
次に多くランクインしたのが、飲料・食品ブランドです。Kirin(8位)、Asahi(アサヒビ
ール12位)、Nissin(日清食品13位)、Yakult(22位)、Meiji(24位)の5ブランド
がランクインしました。飲料・食品ブランドは、金融サービスブランド同様に“Best
Global Brands”のTOP100で多くランクインしており、グローバル・ブランド化する可
能性の大きい業種と言えます。現に各ブランドは成長著しいアジアを中心とした新興国を
中心に海外展開を進めており、Yakultの世界での1日平均販売が昨年6月に3000万本を
突破するなど、その成果が現れつつあります。当該市場は、欧米のリーディング・ブラン
ドも力を入れており、ここで勝ち残ることが、グローバル・ブランドとして成功するため
の最大のポイントとなっています。
“Best Global Brands”では、L’OREALやNIVEAなどのパーソナル・ケアブランドも数
多くランクインしています。今回の国内ブランドTOP30では、Kao(9位)がランクイン
しました。“Japan’s Best Global Brands”でランクインしているShiseidoや
Unicharmを含め、欧米リーディング・ブランドより現地アジア人をより理解している日
本のブランドは、アジア市場での評価を上げることがグローバル化の重要なステップとな
っています。
一方、グローバル・ランキングの傾向と比べ、今回の日本の国内ランキングにおいて特徴
的なのが、“コンビニ” ブランド、建設・不動産ブランド、インターネット・サービス
ブランドです。
米国で生まれ、日本で大きく成長したコンビニエンスストアのビジネスモデルは、アジア
を中心に大きな広がりを見せています。本ランキングでは、Lawson(15位)、
FamilyMart(20位) がランクインしました。FamilyMartの海外店舗数が9,000店を越
える(2010年末現在)など、既にアジア中心に深く浸透しており、今後各国の成長とと
もに規模の拡大をすることで、グローバル・リテールブランドとして、世界に認知されて
いくと考えられます。(※Seven Elevenは米国生まれのため、本ランキングでは評価対
象外となっています。)
建設・不動産ブランドは、Mitsubishi Estate(三菱地所17位)、Mitsui Fudosan
(三井不動産18位)、Sekisui House(25位)、Daiwa House(27位)の4つがランク
インしました。街づくりの発想で住宅、ホテル、ショッピング施設を複合した施設をつく
り、経験価値を提供していくブランディング手法は、欧米型の大規模ショッピングモール
との差別性をもち、グローバルで十分通用するポテンシャルがあり、次世代の街づくりの
担い手として世界に羽ばたく可能性を秘めています。
インターネット・サービスでは、Rakuten(楽天 10位)、Mobage(モバゲー 28
位)、Gree(30位)がランクインしました。MobageとGreeの海外本格展開はこれから
となりますが、ユニークなビジネスモデルが海外で受け入れられることで、市場の飛躍的
な広がりにより、ブランド価値の大幅な増加が見込まれます。現在“Best Global
Brands 2010”で4位のGoogleは、未だ創業13年です。インターネット・サービスブラン
ドは、他業界と比較してもその成長率は非常に高く、グローバル・スタンダードの地位を
獲得することで大きな飛躍が期待されます。
特別企画2. <日本と中国のトップブランドの価値比較>
インターブランドでは、ブランド価値の高いグローバル・ブランドのTOP100ランキング
を“Best Global Brands”として毎年発表しています。また、2010年7月には“Best
Chinese Brands”と題し、グローバル基準にとらわれない中国発のブランドのTOP50を
発表しました。今回発表した日本のグローバル・ブランドTOP30と 日本の国内ブランド
TOP30のブランドを、成長著しい中国のブランドと比較してその傾向を把握するととも
に、グローバル・ブランドと比較して、世界との距離を測りました。
中国は、2010年のGDPが日本を抜き世界第2位の経済大国となることが確実視されていま
す。経済規模としては、肩を並べる日本と中国ですが、グローバル・ブランドという点で
は、“Best Global Brands 2010”に日本ブランドが6ブランド(Toyota、Honda、
Canon、Sony、Nintendo、Panasonic)がランクインしているのに対し、中国ブランド
のランクインはありません。
しかし、“Best Chinese Brands 2010”で第1位のChina Mobileのブランド価値
は、“Best Global Brands 2010”と同じテーブルに並べると8位に位置します。これ
は日本のトップブランドであるToyotaを上回る水準にあり、中国ブランドのブランド価
値は、大規模かつ潜在成長率の高い中国国内市場を背景として非常に高い水準となってい
ます。そこで、ブランド価値の観点から日本と中国のブランドについて業種別にグローバ
ル・ブランドとの比較を含めた検証を行いました。
Automotive
Toyota は2010年にリコール問題に揺れたものの、現在世界で最もブランド価値が高い
自動車ブランドとなっています。HondaもMercedes-Benz、BMWに続き4番目に位置して
います。また、“Japan’s Best Global Brands 2011”にはNissan、Lexus、
Suzuki、Mazda、Mitsubishi Motorsなどもランクインしており、日本には、グローバ
ルレベルのブランドが多く存在します。一方、中国ブランドはDongfeng Motor(??汽
?)、BYD(比?迪)、Geely(吉利汽?)が“Best Chinese Brands 2010” にラン
クインしているものの、そのブランド価値は未だ低いレベルに留まっています。現在中国
の自動車メーカーは、海外ブランドの買収により短期間にグローバルで通用するブランド
を手に入れる方法もとっていますが、中国発のブランドをグローバル化するには、非常に
大きな努力が必要となると思われます。
Electronics
電機業界もまた、日本ブランドが非常に大きなブランド価値を保持している業界で
す。“Best Global Brands 2010”ではグローバルで躍進しているAppleやSamsungと
はやや差がついているもののCanon、Sony、Nintendo、Panasonicがランクインしてい
ます。また、“Japan’s Best Global 2011”では、Toshiba、Sharpといった多くの
グローバル基準を満たしたブランドがランクインしています。一方、中国ブランド
は、“Best Chinese Brands 2010” にLenovo(?想)、Gree(格力)、Midea(美
的)、Haier(海?)等がランクインするものの、その価値は自動車ブランド同様に未だ
低いレベルに留まっています。IBMから買収したLenovoや世界中で白物家電の販売を拡
大しているHaierはグローバルで認知度が上がってきているものの、その規模は非常に小
さい状況です。中国の白物家電は低価格を提供価値としているものが多く、ブランド価値
として蓄積がされない状況にあります。中国ブランドが低価格路線から、ブランドを軸に
した高付加価値路線へとシフトし攻勢をかけてくる前に日本のブランドはさらにグローバ
ル市場でブランドイメージを明確化し、ロイヤリティ顧客を囲い込む必要があると思われ
ます。
Personal Care
パーソナル・ケアブランドは、“Best Global Brands 2010”には数多く含まれている
ものの、日本のブランドのランクインはありません。しかし、“Japan’s Best
Global 2011”では、ShiseidoやUnicharmがランクインし、「日本の国内ブランド
TOP30」でもKaoがランクインしています。一方、中国のパーソナル・ケアブランド
は“Best Chinese Brands 2010”でも1つもランクインしていない状況にあります。現
在中国市場では国内有力ブランド不在の中、日本と欧米のブランドの厳しい競争が繰り広
げられています。Shiseidoと“Best Global Brands”にランクインするLancômeの価
値の差は1.5倍であり、中国を始めアジア市場でリーディング・ブランドとしての地位を
獲得することで、その差は一気に縮まると思われます。
Financial Services
金融危機後、“Best Global Brands”における金融サービスブランドの顔ぶれは大きく
変化しました。CitiやGoldman Sachsなど米国ブランド中心であったプレイヤーに加え
て、Barclays(英国)、Credit Suisse(スイス)、Santander(スペイン)の欧州勢
が新たにランクインしています。
今回の日本の国内ブランドTOP30では、MUFGが最も上位にあるものの、そのブランド価
値は“Best Global Brands”でブランド価値の高いJ.P.Morganと比較すると、2.1倍
の差があります。一方、“Best Chinese Brands 2010” では、金融サービスブランド
がTOP10中、7つのブランドがランクインしており、銀行でトップのChina
Construction Bank(中国建??行)のブランド価値は、MUFGの2.5倍に達していま
す。巨大な市場を背景にした中国ブランドは、かつて日本のブランドがそうであったよう
にその規模を頼みに世界中へ投資を進めていくことが予想されます。しかし、「信用」が
求められる現在の金融市場において、中国ブランドは、それをグローバルレベルで獲得す
るには至っていません。日本のブランドは、金融危機の影響も比較的小さく、世界で信用
されうる歴史とサービス品質を備えています。先手を打ってグローバル化することでその
期を逸しないことが重要といえます。
※本ランキング詳細はこちらをご覧下さい。
https://prtimes.jp/data/corp/92/21a30d52f5e00a17e3d5bcbb149fd1fb.pdf
※各ランキングの詳細は、以下のサイトにて閲覧可能です。
“Best Global Brands 2010” (2010年9月発表)
http://www.interbrand.com/ja/best-global-brands/Best-Global-Brands-2010.aspx
“Best Chinese Brands 2010” (2010年7月発表)
http://www.interbrand.com/zh-CHT/Default.aspx
USD 1 = 中国元 0.1465 にて換算 (2010年5月22日現在のレート)
*インターブンランドの「ブランド価値評価」は、国際標準化機構(ISO)からブランドの
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