リビア:米国領事館の襲撃に、弁解の余地はない
[12/09/14]
提供元:PRTIMES
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ベンガジの米国領事館構内の襲撃で、駐リビア米国大使、J.クリストファー・スティーブンスを含む4名が殺害され、さらに数名が負傷した。この襲撃は、弁解の余地のない違法行為であり、実行犯は法の裁きを受けなければならない。
国際人権団体アムネスティ・インターナショナルが収集した情報によると、リビア東部ベンガジで武装した男たちが9月11日の夜、米国領事館を2時間あまりにわたって襲撃した。
犯行グループは ロケット弾と対空兵器を使用したとみられ、居住区域のある構内へ逃れようとした領事館職員を攻撃し続けた。
襲撃の結果、当時ベンガジを訪れていた大使を含む少なくとも4名が死亡した。警察と警備員は、あまりの出来事に現場から逃げたと伝えられている。
アムネスティは、領事館から避難しようとした民間人をこのように計画的に襲撃したことを強く非難する。このような襲撃はまったく正当化できず、実行犯は法の裁きを受けなければならない。
リビア内務省は、この襲撃は米国の反イスラム主義者が作成した映像の一部がアラビア語に翻訳され、インターネットに載せたことで発生した抗議に関連していると公式に述べた。
この映像は、イスラム教徒が崇拝する預言者マホメットなどを屈辱的に描いており、多くのイスラム教徒を強く侮辱するものだった。
ただ、映像がどのように侮辱的なものであったにせよ、襲撃と殺害には弁解の余地が全くない。宗教と文化が多くの人たちの生活の基盤になっているとしても、人権侵害を正当化することにはならない。
このような襲撃を未然に防ぐには、リビア政府は法を無視して行動する武装集団と民兵を抑え込む必要がある。
最近発表された声明で、一般国民会議(GNC)は、不法な殺害、拷問および一般的な無法行為を有罪として罰することを公約した。
しかしながら、トリポリが革命軍の手に落ちてから一年後、武装集団は今もなお、不法な殺人、恣意的逮捕および拘束、強制立ち退き等の人権侵害を犯している。このような行為の実行犯たちは依然として罪を逃れている。
リビア政府は、独立した機関による公正で徹底的な調査を行い、この殺害の首謀を公平で死刑の可能性のない裁判にかけなければならない。
国家は、管轄する地域にいるすべての人の生命と安全を保護しなければならない。そのためには、平和的な集会の自由を尊重し、また公共の秩序を維持するために適切な法執行措置を実施するなど、国際人権法と国際基準を厳格に守らなければならない。
今回のように武装集団による襲撃があり、依然として人権を侵害され、国は民間人を保護できず、国内・国際法を守っていない。これらはリビアの未来に大きな影を落としている。
「2月17日革命」のきっかけとなった深刻な虐待が、いままた繰り返され、蔓延するという危機が現実に迫っている。
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