卓上型対話支援システム「comuoon(R)」の薬局窓口における有用性を発表
[17/09/20]
提供元:PRTIMES
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第8回国際応用人間工学会議「8th International Conference on Applied Human Factors and Ergonomics (AHFE 2017)」にて発表
ユニバーサル・サウンドデザイン株式会社(本社:東京都港区 代表取締役:中石 真一路 、以下『ユニバーサル・サウンドデザイン』)の代表取締役・中石真一路は、このたび米国で開催された第8回国際応用人間工学会議「8th International Conference on Applied Human Factors and Ergonomics」において、当社が開発・販売している卓上型対話支援システム「comuoon(R)(コミューン)」の薬局窓口における音声コミュニケーションの有用性について、鹿児島厚生連病院 前之原茂穂院長と共同で発表いたしました。
近年、加齢に伴う難聴者の人口は年々増加しており、日本の難聴者率は人口の10.9%に上ります(※1)。また、「インフォームドコンセント」という考え方が浸透し、病院や薬局窓口での高齢患者との音声コミュニケーション課題が問題視されるようになってきています。薬局における患者へのプライバシーの保護の観点などの背景もあり、話者側から音声コミュニケーションを支援する世界初(※2)の卓上型対話支援システム「comuoon(R)」は対話支援の世界における新しいトレンドとして注目を集め、現在学校や病院、福祉施設、一般企業、行政機関など、全国各地約3,500ヶ所以上の施設に導入されています。(※3)
鹿児島厚生連病院と共同で実施した研究は、高齢難聴者の薬局窓口での音声コミュニケーションにcomuoon(R)および吸音パネルを使用し、聴き取りにどの程度改善が得られるのかを調査したものです。
検証の結果、comuoon(R)の使用時と未使用時に薬局窓口での音圧の上昇はあるものの、待機場所における音圧の増加は見られなかったことを確認しました。本研究により薬局窓口の高齢難聴者との音声コミュニケーションに有用であることを確認しています。
本研究成果については、国際的な学術誌である「Springer」に2017年7月に掲載されました。今後もユニバーサル・サウンドデザインは、聴こえのバリアフリー社会の実現に向けて、あらゆるシーンでコミュニケーションを支援してまいります。
(※1)一般社団法人 日本補聴器工業会 「Japan Trak 2015 調査報告」より
(※2)自社調べ(2017年9月時点)
(※3)2017年9月時点
◆論文情報
論文タイトル: Initiative for improving medical instruction communication with elderly hearing impaired patients at an outpatient pharmacy counter
著者: Izumi Fukuzaki, Noriko Ishigami, Terumasa Sata, Shinichiro Nakaishi
掲載雑誌: Advances in Design for Inclusion : 139-147, July 2017
DOI 番号: 10.1007/978-3-319-60597-5
U R L : http://www.springer.com/jp/book/9783319605968
◆学会発表概要<1>
学会名: 第8回国際応用人間工学会議 AHFE2017
会期: 2017 年7 月18 日(火)〜2017 年7 月 21 日(金)
会場: Westin Bonaventure hotels Los Angeles(アメリカ合衆国)
◆研究発表概要
演題名: Initiative for improving consideration of elderly patients with hearing impairment during medical instruction at an outpatient pharmacy counter
発表者: ・福崎伊豆美 (鹿児島厚生連病院 看護科)
・石神誠子 (鹿児島厚生連病院 薬剤科)
・佐多照正 (鹿児島厚生連病院 薬剤科)
・中石真一路 (ユニバーサル・サウンドデザイン株式会社)
◆発表サマリー
【調査方法】
2015年4月から7月の間で院内薬局窓口にcomuoon(R)を設置し以下のように調査を行った。
1.
外来受診者86 名にcomuoon(R)の電源OFF 時 ON 時の聴こえ方の変化(聴こえが改善したか、悪化したか、変わらなかったか)を主観的に聴き取った。また、comuoon(R)設置後の職員の評価も聴き取りを行った。後方で待機している患者から、 で説明をしている薬剤師 その患者 の会話の声漏れがなかったかを主観的に聴き取りを行った。
2.
薬局窓口環境のソフト面、ハード面の改善を検討した。また、音の反射をなくし、comuoon(R)から聴こえる言語の明瞭度をあげるために、薬局窓口空間の音量を測定し仕切り版の検討を行った。
【調査対象】
外来受診者の男性53名(SD 65.7±13.1 歳)、女性33名(SD 64.8±16.2 歳)の計86 名
【結果】
1.
外来受診者の男性53名(SD 65.7±13.1歳)、女性33名(SD 64.8±16.2歳)の計86名にcomuoon(R)の電源OFF時とON時の聴こえ方の変化(聴こえが改善したか、悪化したか、変わらなかったか)を主観的に聴き取った。その結果、42名(49%)に聴こえが改善し、2名(2%)が悪化、42名(49%)が変化なしと答えた。また、患者の年齢によって改善の割合をみてみると、80歳未満の患者には聴こえの改善が認められる傾向にあったが、80歳以上になると聴こえの改善は認められない割合が高かった。さらに、男性薬剤師からの声は、変化が認められない傾向にあったが、女性薬剤師による説明は、男性薬剤師よりも聴こえの改善が認められる傾向にあった。この86名のうち後方で待機していた患者が35名おり、プライバシーの配慮として声漏れをチェックしたが、33名(94%)が“窓口での会話は聞こえなかった”という結果だった。
2.
次に、薬局窓口環境のソフト面、ハード面の改善を検討した。ソフト面としては、職員同士でcomuoon(R)を通した声を聞き、話す側(薬剤師側)の声のトーンについて検討し、大きな声を出さずにcomuoon(R)から声が伝わるように意識づけた。そして、ハード面の改善のひとつとして、身長の高低に関わらず声を拾えるよう、マイクの位置の見直しを行った。また、薬局窓口の仕切り板はアクリル板であったが、アクリルは音を反射する性質があり、聴き取る側からすると、話し手の直接の声とアクリル板から反射した声とcomuoon(R)からの声との3種が交わり、言葉が明瞭に伝わりにくい環境にあった。このことから、仕切り板による反射を防ぎcomuoon(R)の効果をさらに高めるために仕切り板に吸音板を使用することとし設置による改善効果を薬局窓口の音量測定によって検証した。音量測定時の仕切り板には、3タイプ(1.アクリル板、2.アクリル板に吸音板を直接貼付、3.アクリル板と吸音パネルの間に1cmのすき間を作る)を用意した。薬局窓口の音量は、comuoon(R)電源をONにした際に約5dbほど上昇した。このcomuoon(R)電源のONとOFFの際の音量の差を求め、その差が小さいほど吸音されていることとなり、男性職員と女性職員で音量の差の違いを検証してみた。その結果、女性職員は、吸音板を直接貼った状態で比較的吸音されており、男性職員の声は吸音板を貼付しただけでは吸音されず、吸音板とアクリル板にすき間を設けた方法が音の反射を抑制していることが分かった。この、隙間を開けた吸音板の設置により空間の音量が下がることで、よりcomuoon(R)からのことばが明瞭に伝わる環境を整えることができた。
以上のように、窓口の環境を改善したことによって、患者からは「普段より言葉が聴き取りやすくなった」「はっきり聴こえるようになった」「聴こえずに諦めていたが、これなら聴こえる」との声が聞かれ、スタッフからも「普通の大きさの声で伝わるようになった」「聞き返しが減った」「クレームが減った」等の意見が得られた。
≪「comuoon(R)」について≫
[画像: https://prtimes.jp/i/17762/23/resize/d17762-23-390176-3.jpg ]
「comuoon(R)」は、聴こえが気になる方に対して、話者側から歩み寄るというコミュニケーション支援の新しい形を実現した、卓上型会話支援システムです。補聴器のように従来の”聴き手”側のみの問題に焦点を当てるのではなく、”話し手”の声を聞きやすい音質に変換しコミュニケーションを支援します。
「話者側からのアプローチ」というアイデアと利便性、使い勝手の良さに加えて、特に明日を切り拓く力をもち、未来を示唆するデザインを兼ね備えたものとして、2016年度グッドデザイン賞を受賞。「グッドデザイン・ベスト100」にも選出されました。「comuoon(R)」の活用による「聴こえのユニバーサルデザイン」は、医療機関や療育機関、金融機関を中心に3,500ヶ所以上の施設で導入しています。(2017年9月時点)。
≪会社概要≫
ユニバーサル・サウンドデザイン株式会社
・設立:2012年4月
・資本金:174百万円
・代表者:代表取締役 中石真一路(なかいし しんいちろう)
・所在地:東京都港区海岸1-9-11 マリンクス・タワー2F
・事業内容:・聴こえ支援機器の設計・開発・販売
・各種店舗、建築物および室内空間のサウンドデザイン企画、制作コンサルタント業
・スマートフォンアプリケーションの設計・デザイン・開発
・スピーカーおよびアンプなどの音響機器の設計・製造・販売
・PAおよびSR用音響機器の改修および修理
ユニバーサル・サウンドデザイン株式会社(本社:東京都港区 代表取締役:中石 真一路 、以下『ユニバーサル・サウンドデザイン』)の代表取締役・中石真一路は、このたび米国で開催された第8回国際応用人間工学会議「8th International Conference on Applied Human Factors and Ergonomics」において、当社が開発・販売している卓上型対話支援システム「comuoon(R)(コミューン)」の薬局窓口における音声コミュニケーションの有用性について、鹿児島厚生連病院 前之原茂穂院長と共同で発表いたしました。
近年、加齢に伴う難聴者の人口は年々増加しており、日本の難聴者率は人口の10.9%に上ります(※1)。また、「インフォームドコンセント」という考え方が浸透し、病院や薬局窓口での高齢患者との音声コミュニケーション課題が問題視されるようになってきています。薬局における患者へのプライバシーの保護の観点などの背景もあり、話者側から音声コミュニケーションを支援する世界初(※2)の卓上型対話支援システム「comuoon(R)」は対話支援の世界における新しいトレンドとして注目を集め、現在学校や病院、福祉施設、一般企業、行政機関など、全国各地約3,500ヶ所以上の施設に導入されています。(※3)
鹿児島厚生連病院と共同で実施した研究は、高齢難聴者の薬局窓口での音声コミュニケーションにcomuoon(R)および吸音パネルを使用し、聴き取りにどの程度改善が得られるのかを調査したものです。
検証の結果、comuoon(R)の使用時と未使用時に薬局窓口での音圧の上昇はあるものの、待機場所における音圧の増加は見られなかったことを確認しました。本研究により薬局窓口の高齢難聴者との音声コミュニケーションに有用であることを確認しています。
本研究成果については、国際的な学術誌である「Springer」に2017年7月に掲載されました。今後もユニバーサル・サウンドデザインは、聴こえのバリアフリー社会の実現に向けて、あらゆるシーンでコミュニケーションを支援してまいります。
(※1)一般社団法人 日本補聴器工業会 「Japan Trak 2015 調査報告」より
(※2)自社調べ(2017年9月時点)
(※3)2017年9月時点
◆論文情報
論文タイトル: Initiative for improving medical instruction communication with elderly hearing impaired patients at an outpatient pharmacy counter
著者: Izumi Fukuzaki, Noriko Ishigami, Terumasa Sata, Shinichiro Nakaishi
掲載雑誌: Advances in Design for Inclusion : 139-147, July 2017
DOI 番号: 10.1007/978-3-319-60597-5
U R L : http://www.springer.com/jp/book/9783319605968
◆学会発表概要<1>
学会名: 第8回国際応用人間工学会議 AHFE2017
会期: 2017 年7 月18 日(火)〜2017 年7 月 21 日(金)
会場: Westin Bonaventure hotels Los Angeles(アメリカ合衆国)
◆研究発表概要
演題名: Initiative for improving consideration of elderly patients with hearing impairment during medical instruction at an outpatient pharmacy counter
発表者: ・福崎伊豆美 (鹿児島厚生連病院 看護科)
・石神誠子 (鹿児島厚生連病院 薬剤科)
・佐多照正 (鹿児島厚生連病院 薬剤科)
・中石真一路 (ユニバーサル・サウンドデザイン株式会社)
◆発表サマリー
【調査方法】
2015年4月から7月の間で院内薬局窓口にcomuoon(R)を設置し以下のように調査を行った。
1.
外来受診者86 名にcomuoon(R)の電源OFF 時 ON 時の聴こえ方の変化(聴こえが改善したか、悪化したか、変わらなかったか)を主観的に聴き取った。また、comuoon(R)設置後の職員の評価も聴き取りを行った。後方で待機している患者から、 で説明をしている薬剤師 その患者 の会話の声漏れがなかったかを主観的に聴き取りを行った。
2.
薬局窓口環境のソフト面、ハード面の改善を検討した。また、音の反射をなくし、comuoon(R)から聴こえる言語の明瞭度をあげるために、薬局窓口空間の音量を測定し仕切り版の検討を行った。
【調査対象】
外来受診者の男性53名(SD 65.7±13.1 歳)、女性33名(SD 64.8±16.2 歳)の計86 名
【結果】
1.
外来受診者の男性53名(SD 65.7±13.1歳)、女性33名(SD 64.8±16.2歳)の計86名にcomuoon(R)の電源OFF時とON時の聴こえ方の変化(聴こえが改善したか、悪化したか、変わらなかったか)を主観的に聴き取った。その結果、42名(49%)に聴こえが改善し、2名(2%)が悪化、42名(49%)が変化なしと答えた。また、患者の年齢によって改善の割合をみてみると、80歳未満の患者には聴こえの改善が認められる傾向にあったが、80歳以上になると聴こえの改善は認められない割合が高かった。さらに、男性薬剤師からの声は、変化が認められない傾向にあったが、女性薬剤師による説明は、男性薬剤師よりも聴こえの改善が認められる傾向にあった。この86名のうち後方で待機していた患者が35名おり、プライバシーの配慮として声漏れをチェックしたが、33名(94%)が“窓口での会話は聞こえなかった”という結果だった。
2.
次に、薬局窓口環境のソフト面、ハード面の改善を検討した。ソフト面としては、職員同士でcomuoon(R)を通した声を聞き、話す側(薬剤師側)の声のトーンについて検討し、大きな声を出さずにcomuoon(R)から声が伝わるように意識づけた。そして、ハード面の改善のひとつとして、身長の高低に関わらず声を拾えるよう、マイクの位置の見直しを行った。また、薬局窓口の仕切り板はアクリル板であったが、アクリルは音を反射する性質があり、聴き取る側からすると、話し手の直接の声とアクリル板から反射した声とcomuoon(R)からの声との3種が交わり、言葉が明瞭に伝わりにくい環境にあった。このことから、仕切り板による反射を防ぎcomuoon(R)の効果をさらに高めるために仕切り板に吸音板を使用することとし設置による改善効果を薬局窓口の音量測定によって検証した。音量測定時の仕切り板には、3タイプ(1.アクリル板、2.アクリル板に吸音板を直接貼付、3.アクリル板と吸音パネルの間に1cmのすき間を作る)を用意した。薬局窓口の音量は、comuoon(R)電源をONにした際に約5dbほど上昇した。このcomuoon(R)電源のONとOFFの際の音量の差を求め、その差が小さいほど吸音されていることとなり、男性職員と女性職員で音量の差の違いを検証してみた。その結果、女性職員は、吸音板を直接貼った状態で比較的吸音されており、男性職員の声は吸音板を貼付しただけでは吸音されず、吸音板とアクリル板にすき間を設けた方法が音の反射を抑制していることが分かった。この、隙間を開けた吸音板の設置により空間の音量が下がることで、よりcomuoon(R)からのことばが明瞭に伝わる環境を整えることができた。
以上のように、窓口の環境を改善したことによって、患者からは「普段より言葉が聴き取りやすくなった」「はっきり聴こえるようになった」「聴こえずに諦めていたが、これなら聴こえる」との声が聞かれ、スタッフからも「普通の大きさの声で伝わるようになった」「聞き返しが減った」「クレームが減った」等の意見が得られた。
≪「comuoon(R)」について≫
[画像: https://prtimes.jp/i/17762/23/resize/d17762-23-390176-3.jpg ]
「comuoon(R)」は、聴こえが気になる方に対して、話者側から歩み寄るというコミュニケーション支援の新しい形を実現した、卓上型会話支援システムです。補聴器のように従来の”聴き手”側のみの問題に焦点を当てるのではなく、”話し手”の声を聞きやすい音質に変換しコミュニケーションを支援します。
「話者側からのアプローチ」というアイデアと利便性、使い勝手の良さに加えて、特に明日を切り拓く力をもち、未来を示唆するデザインを兼ね備えたものとして、2016年度グッドデザイン賞を受賞。「グッドデザイン・ベスト100」にも選出されました。「comuoon(R)」の活用による「聴こえのユニバーサルデザイン」は、医療機関や療育機関、金融機関を中心に3,500ヶ所以上の施設で導入しています。(2017年9月時点)。
≪会社概要≫
ユニバーサル・サウンドデザイン株式会社
・設立:2012年4月
・資本金:174百万円
・代表者:代表取締役 中石真一路(なかいし しんいちろう)
・所在地:東京都港区海岸1-9-11 マリンクス・タワー2F
・事業内容:・聴こえ支援機器の設計・開発・販売
・各種店舗、建築物および室内空間のサウンドデザイン企画、制作コンサルタント業
・スマートフォンアプリケーションの設計・デザイン・開発
・スピーカーおよびアンプなどの音響機器の設計・製造・販売
・PAおよびSR用音響機器の改修および修理