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日本野鳥の会 オリジナル小冊子『おかえりオオジシギ』を北海道内の小学校に無料配布

 公益財団法人日本野鳥の会は、主に北海道で繁殖をする渡り鳥である準絶滅危惧種オオジシギについて子供たちに知ってもらうため、また、オオジシギを通じて、郷土の自然に目を向け、そこに住む生き物たちの素晴らしさを伝えるために、小冊子『おかえりオオジシギ』を道内の小学校に無料で配布します。この取り組みは今年で3年目となり、2019年度は道内の54市町村・約630校の児童約3万7千人に配布しました。大変好評だったことから、今年度も配布を実施します。




■冊子の概要
【内容】対象:小学校4年生以上
オオジシギとはどんな鳥なのか、日本とオーストラリアを渡る一年の暮らしやオオジシギの探し方などを富士鷹なすび氏のイラストを使って楽しく親しみやすく解説。
18cm×10.5cm中綴じ製本/オールカラー/全20ページ
[画像1: https://prtimes.jp/i/39807/24/resize/d39807-24-631836-0.jpg ]

[画像2: https://prtimes.jp/i/39807/24/resize/d39807-24-182811-1.jpg ]


【構成】
オオジシギとは/オオジシギの一年/北海道での暮らし/渡り・数の調査/オオジシギを探してみよう/みんなにできること

【協賛】
生活協同組合コープさっぽろ/株式会社三星/日本製紙株式会社/北海道テレビ放送株式会社


■主な配布先 (2019年度実績)
札幌市・石狩市・北広島市・江別市・恵庭市・千歳市・函館市・小樽市・苫小牧市・厚真町・安平町・岩見沢市・滝川市・砂川市・芦別市・赤平市・歌志内市・新十津川町・浦臼町・秩父別町・雨竜町・上砂川町・旭川市・羽幌町・利尻町・利尻富士町・帯広市・池田町・豊頃町・幕別町・浦幌町・大樹町・音更町・釧路市・弟子屈町・釧路町・標茶町・白糠町・厚岸町・浜中町・鶴居村・根室市・別海町・標津町・中標津町・羅臼町・北見市・斜里町・小清水町・遠軽町(他⇒室蘭市・滝上町・恵庭市・むかわ町)

※上記以外の市町村でも、ご希望の小学校(北海道内のみ)には配布いたします。教育委員会もしくは小学校経由で下記にお問合せください。
※小冊子の発送は、お申込み受付後、順次行っていく予定ですが、新型コロナウイルス感染症にかかる状況によっては遅れることがございます。あらかじめご了承ください。


■「日本野鳥の会」について
「野鳥も人も地球のなかま」を合言葉に、野鳥や自然の素晴らしさを伝えながら、自然と人間とが共存する豊かな社会の実現をめざして活動を続けている自然保護団体です。
 独自の野鳥保護区を設置し、シマフクロウやタンチョウなどの絶滅危惧種の保護活動を行なうほか、野鳥や自然の楽しみ方や知識を普及するため、イベントの企画や出版物の発行などを行なっています。会員・サポーター数は約5万人。野鳥や自然を大切に思う方ならどなたでも会員になれます。

<組織概要>
 組織名 :公益財団法人 日本野鳥の会
 代表者 :理事長 遠藤孝一
 所在地 :〒141-0031 東京都品川区西五反田3-9-23 丸和ビル
 創立  : 1934(昭和9)年3月11日 *創立86年の日本最古にして最大の自然保護団体
 URL   : https://www.wbsj.org/


……………………
<資料>
■道民には身近? オオジシギとはどんな鳥


[画像3: https://prtimes.jp/i/39807/24/resize/d39807-24-162477-2.jpg ]


 オオジシギは、北海道を主な繁殖地とし、本州や九州、ロシア極東の一部でも繁殖するシギの仲間です。夏の終わりころ南半球のオーストラリアまで移動して越冬し、春になるとまた北海道へ戻ってきます。体長は約30cmとハトより一回り小さい程度の大きさで、体重は170gほどです。
 道内では、畑や牧草地、草原など身近な環境に生息しています。5月頃、求愛のために草原や湿原の上空で「ザザザザザーッ」と大きな音を鳴らしながら急降下を繰り返すディスプレイ飛行が特徴的で、別名「カミナリシギ」とも呼ばれています。オオジシギという名前を知らなくても、そのディスプレイを見たことのある人は多いかもしれません。アイヌ語では「チピヤクカムイ」と呼ばれ、古くから親しまれてきました。しかし、身近な鳥であった彼らも、いつの間にか数が減っています。
 環境省版レッドリストでは、本州中部で生息地が減少しているという理由から準絶滅危惧種(NT)となっています。当会の2017年の調査では、苫小牧市の勇払原野で17年前と比較して個体数が3割減少したことがわかりました。オーストラリアでも越冬数が減少しているとされていますが、近年は調査が行なわれていないためよくわかっていません。また、渡りの主要な中継地も把握されていないなか、渡りの際に利用すると考えられる内陸の湿地の減少も懸念されています。


■日本野鳥の会のオオジシギ保護調査プロジェクト
 日本野鳥の会は、事業のひとつとして、野鳥とその生息地の保護を通じた生物多様性の保全を進めています。そのなかで「ウトナイ湖と北海道の自然保護に役立ててほしい」という意志のご遺贈があったことをきっかけに、オオジシギを保護するプロジェクトを2016年度より開始しました。
 オオジシギを対象とした理由は、1.世界的に見ても繁殖期の分布域がほぼ北海道のみと非常に狭い2.近年個体数の減少が著しいと言われており、絶滅危惧種となる可能性が高い3.草原・原野環境に生息する他の鳥類の保護につながる指標種にもなりうる4.生息地が開発行為等によって失われやすい5.ウトナイ湖周辺が非常に重要な生息地である、ためです。
 このプロジェクトでは、明らかになっていないことの多いオオジシギの生態について調査を行ない、その結果をもちいて普及活動や生息地の保全を進めています。


■ トピック ■
2020年1月、苫小牧の子どもたちが、
オオジシギの越冬地であるオーストラリアの湿地を訪問

[画像4: https://prtimes.jp/i/39807/24/resize/d39807-24-857893-3.jpg ]

[画像5: https://prtimes.jp/i/39807/24/resize/d39807-24-332259-4.jpg ]


 上記プロジェクト活動の一環として、2020年1月、当会ウトナイ湖サンクチュアリのレンジャー2名が同行し、苫小牧市の小学生5名とその家族計10名がキャンベラにあるオオジシギの越冬地、ジェラボンベラ湿地を訪れました。訪問した子どもたちは皆、2018年から2年連続で勇払原野での個体数調査に参加した「オオジシギ調べ隊」のメンバーです。
 現地では、越冬地でのオオジシギの生態や生息環境の観察、オオジシギ研究者や保護活動を行なっているジュニアレンジャーとの交流を図りました。
 訪問を終えた子どもたちは、「オオジシギのことを(学校の)クラスのみんなに伝えたい」「無事に(繁殖地の苫小牧まで)戻ってきてほしい」「越冬地でオオジシギがどのようにくらしているのか、わかった」などと感想を語り、オオジシギの繁殖地および渡りの中継地である勇払原野の重要性を実感しました。日本野鳥の会は、今後も子どもたちをはじめ多くの方々に、オオジシギとその生息環境のある北海道の自然の重要性を伝える活動を続けていきます。
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