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NHK総合 毎週土曜9時から放送 土曜ドラマ『ロング・グッドバイ』【連続5回】 ドラマはいよいよ佳境へ! 女性たちを魅了する“カッコ良さ”とは?

 今、ハードボイルドが熱い!?この4月期の連続ドラマを見渡しても探偵ものやハードボイルドといったジャンルのドラマが目立っている。中でも、NHK土曜ドラマ『ロング・グッドバイ』はレイモンド・チャンドラーが書いた同名の小説をドラマ化するという「王道」の作品。男くさくハードなドラマの世界に惹きつけられているのは、意外にも女性たちのようだ。





■視聴者からのコメント※番組公式ホームページ「ご感想掲示板」より一部抜粋
「この重厚感、映像美、音楽、衣裳、そして上手く言葉に言えない不気味さと…(50代女性)」
「増沢磐二様のような人に本当にいて欲しい。あなたのような人間になりたかった!(50代女性)」
「こんなに素敵な大人の男性がいらっしゃるのなら、思わず、こちらもそれなりにちゃんと振る舞う…というか、存在しなければ、と、しゃん、と背筋がのびるような思いです。(40代女性)」

 ハードボイルド作品と言えば男性向けのイメージがあるが、浅野忠信扮する主人公・増沢磐二のハードボイルドなカッコよさに魅かれたという女性からの感想が多く寄せられている。これは制作者にとっても意外だった。担当プロデューサーは次のように分析する。
「元々は“最近、カッコイイ男がいないよね”というところからこの企画は始まりました。自分の決めたルールを守る、という以前に、他人が決めたルールを守るだけで精一杯。男が男として活躍しにくい時代ですよね。でも、大人の男のカッコ良さは消えてなくなったわけではなく、時代とともに眠らされているだけなのではないか。このドラマを通して、大人の男のカッコ良さとはどういうことか思い出してほしい、との想いがあります。そして、そんな男たちを女性も見たいと思っているのではないでしょうか」
 また、チャンドラーファンはもちろん、原作を知らずに観た視聴者からも、ドラマの世界観に釘づけになったという感想が続々と届いているという。

■視聴者からのコメント※番組公式ホームページ「ご感想掲示板」より一部抜粋
「チャンドラーのドラマ化、何て無謀な!フィリップ・マーロウを安っぽく脚色したら承知しないから!ぐらいのつもりで見始めましたが、いやいやいや、素晴らしい!の一言です。俳優さんも、舞台も時代も街並みも、一つ一つの台詞や間、探偵事務所の小道具の一つ一つ、グラスの氷から、たなびく紫煙の一筋までフィリップ・マーロウの世界観そのままでした(40代女性)」
「製作陣が『外事警察』のスタッフと聞き、間違いなく面白いに違いない!全体的に陰影の濃い映像、そして音楽、効果音いずれも手抜きなしの作品。50’sをタップリ感じさせてくれました(60代男性)」
「原作のテイストをトレースしながらも、俳優の持ち味や時代背景など上手く組み合わせ、原作とは別の作品に仕上がっています。原作のもつジンの様な癖のある爽快感を、監督のライムの様なまわりに媚びない解釈で作り込まれた作品に感じました(30代男性)」

 いよいよ中盤を迎え、謎多き登場人物たちが織りなす人間関係が複雑に絡み合う中、ドラマはクライマックスへ向け、大きく動き出す。第3回放送は5月3日(土)よる9時から。主人公・磐二が事件解決に向けて挑むストーリー展開に一瞬たりとも目が離せない。

■各回のあらすじ
【第1回】「色男死す」
 私立探偵・増沢磐二(浅野忠信)は、キャバレーの駐車場で一人の男(綾野剛)と出くわす。男は妻で女優の原田志津香(太田莉菜)の車から、雨の中に放り出された。それを見ていた磐二は、男を自分の事務所に連れ帰り、暖かいコーヒーを淹れてやる。「何の得も無くても、クズを拾ってきてコーヒーを飲ませたいと思う人間だっているんだよ」という磐二の言葉に目を潤ませた男の名は保といった。以来、二人はたびたびバーに一緒に飲みに行くようになる。
 数か月後の深夜、血まみれの保が磐二の事務所に現れる。「これから台湾に逃亡するから横浜港まで連れて行ってくれ」という保を磐二は黙って車に乗せる。別れ際に保は言う。「あなたのように、何の見返りも求めず、ただ自分が正しいと思う方を選ぶことのできる人間になりたかった」と。そして、もし台湾なんかに逃げずに警察に行くべきなら僕を呼び止めてくれ、と言い残し、船に向かって歩き出した。磐二は激しく迷うが、何も言わずに港をあとにする。
 翌朝、志津香が死体で見つかった。そして磐二は妻を殺した保の逃亡を幇助したという容疑で逮捕された。磐二は手荒い取り調べを受けるが口を割らない。ところが数日後、磐二は突然釈放される。保が台湾で自殺を図ったとの知らせが入ったのだ。磐二は釈放されたが、世間は意外なほど静かだった。金、セックス、血の匂い。ゴシップ欄一面を何週間も飾れるはずのネタだというのに…。
 警察署の表に出ると、新聞記者の森田(滝藤賢一)が一人待ち構えていた。「おかしいと思いませんか?この事件にはピタリと蓋がされたんです」殺された志津香の父・原田平蔵は次の衆院選に出馬する。しかしこの騒ぎが長引くほど選挙に不利。保を殺した方が話は早い…。
「あなたこそ原田保の無念を晴らしてやるべきじゃないでしょうか」と、森田は挑発的に磐二を見上げるのだった。

【第2回】「女が階段を上る時」
 増沢磐二(浅野忠信)が釈放されてすぐ、事務所に不快な電話と不可解な客があった。不快な電話は一度警察署の接見室で会った遠藤弁護士(吉田鋼太郎)。一方不可解な客というのは正岡虎一、通称正虎(やべきょうすけ)。正虎は戦後の闇市を牛耳り、今は賭場とキャバレーを仕切る男だ。戦時中、保に命を救われたことがある。以来正虎は何があっても保の面倒は自分が見ると心に決めていた。しかし、よりによって一番肝心な時に保は磐二を頼った。それが許せないと言うのだ。奇妙なことに、弁護士と正虎は同じことを要求していた。つまり「この事件から手を引け」と。話を聞いた記者の森田は「その二人は事件に裏があることをご丁寧に教えてくれたようなもんじゃないか」と目を輝かす。
 その後、増沢磐二事務所に出版社の社長・羽丘(田口トモロヲ)から仕事の依頼が入る。磐二への依頼は、上井戸譲治(古田新太)というベストセラー作家が酒浸りで執筆が滞っているので立ち直らせて欲しいということだった。磐二はそれは医者の仕事だと断る。しかし翌日、事務所を訪ねてきた譲治の妻・亜以子(小雪)から、行方不明になった夫を探し出すだけでもお願いできないかと懇願され、渋々引き受ける。亜以子から、どこかの病院に匿われているのではないか、ということを聞き、磐二は闇医者から情報を集め、上井戸譲治が入院している病院を特定、譲治を上井戸家に連れ戻すことに成功する。帰り際、「怖いからもう少し家にいてください」という亜以子に磐二は強引にキスをした。「私をあまり買いかぶらないでください」と。
 数日後、台湾に渡った保から手紙が来る。「僕の事で多大な迷惑をかけました。ヴィクターズでギムレットを一杯注文して、僕の事は忘れてください」と書いてある通り、磐二はバーで一人ギムレットを注文する。そこに一人の女(冨永愛)が近寄ってきて隣に座る。
「私の名は高村世志乃、旧姓原田世志乃。女優をやっていた妹がこのまえ死んだわ」
女は原田志津香の姉だったのだ。女は磐二をテーブルに誘う。磐二は黙ってその後に続くのだった。

【次回予告】第3回「妹の愛人」
 磐二は死んだ志津香の姉、世志乃(冨永愛)とバーで出会う。世志乃は友をかばって口を割らなかった磐二の誠実さに一目置いていた。二人は小説家・上井戸譲治の文学賞受賞パーティで再会。殺された志津香の男性関係を知った磐二は事件の糸口をつかむ。ある日、震えた声の譲治から電話が入り、磐二が駆けつけてみると…。

公式サイト
http://www.nhk.or.jp/dodra/goodbye/index.html


■番組概要
【放送予定】 NHK総合・毎週土曜日 午後9時〜9時58分(連続5回)
第3回 2014年5月3日(土・祝)「妹の愛人」
第4回 2014年5月10日(土)
第5回 2014年5月17日(土)

【再放送予定】NHK総合・毎週日曜日 午前0時50分〜1時48分(日曜深夜)
第3回「妹の愛人」 2014年5月5日(月・祝)午前0時50分〜1時48分(日曜深夜)

【原作】 レイモンド・チャンドラー『ロング・グッドバイ』
【脚本】 渡辺あや
【音楽】 大友良英
【スタイリスト】 北村 道子
【出演】
浅野忠信 綾野剛 小雪 古田新太 冨永愛 太田莉菜 滝藤賢一
田口トモロヲ 福島リラ 岩松 了 高橋 努 でんでん 泉澤祐希 やべきょうすけ
堀部圭亮 渡辺大知 石田えり 遠藤憲一 吉田鋼太郎 柄本明 ほか

【演出】 堀切園健太郎(NHKエンタープライズ)
【制作統括】 城谷厚司(NHKエンタープライズ)、谷口卓敬(NHK)
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