アルカンターラとベニス国際大学、自動車産業のサステナビリティをテーマとした国際シンポジウムを開催
[14/10/23]
提供元:PRTIMES
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SUSTAINABILITY AND THE NEW AUTOMOTIVE VALUE CHAIN
【10月17日イタリア・ベニス発】 アルカンターラはイタリア企業として初めてカーボンニュートラル認証を取得し、サステナビリティの分野におけるベストプラクティスを確立してきました。この度、ベニス国際大学と共同で、自動車産業におけるサステナビリティをテーマとして, 「SUSTAINABILITY AND THE NEW AUTOMOTIVE VALUE CHAIN」(サステナビリティと新しい自動車バリューチェーン)と題した国際シンポジウムを、科学アドバイザーとしてカフォスカリ大学のCAMI(自動車とモバイル・イノヴェーション・センター)の後援のもと開催しました。10月16-17日の2日間、ベニス国際大学のキャンパスには、世界をリードする学者、自動車産業関係者、NGO団体など、国際的に著名な講演者が集まり、サステナビリティは現在、そして未来へ向けて、グローバルな自動車産業のビジネスモデルやそこにつながるバリューチェーンにおいて、どのように関わるべきかという、テーマを基に構成されました。顧客の志向、ビジネスモデル、測定指標、そして自動車産業のポリシーについて、サステナビリティに新たな視野を広げるべく討論が行われました。
シンポジウムはサステナビリティの中でも自動車産業をテーマの中心とし、世界各国から集まった学術界の専門家による基調講演に続き、ラウンドテーブル・ディスカッションが行われるという、インタラクティブな形式で行われました。ラウンドテーブルに参加したのは、自動車メーカー(アウディ、PSA、ゼネラルモーターズ)、ポリシーメーカー、サプライヤー(レカロ、BASF)、さらにNGOや業界団体(国際自動車連盟、Active Citizenship Network)、世界銀行「Connect4Climate」活動など、サステナビリティを専門とする担当者でした。開会と閉会のあいさつはベニス国際大学学長、ウンベルト・ヴァッターニ(Umberto Vattani)とアルカンターラ会長兼CEO、アンドレア・ボラーニョ(Andrea Boragno)が行いました。
■SUSTAINABILITY AND THE NEW AUTOMOTIVE VALUE CHAIN
(サステナビリティと新しい自動車バリューチェーン)
サステナビリティに関する国際シンポジウム
2014年10月16、17日 ベニス国際大学 ベニス、サン・セルヴォロ島
●基調講演:
フランク・フィッゲ(Frank Figge)教授:
ケッジビジネススクール教授(サステナブルな開発およびCSR)
クリストフ・ミドラー(Christophe Midler):
パリ・エコールポリテクニーク、経営研究センター(CRG)ディレクター
グイド・パラッツオ(Guido Palazzo):
ローザンヌ大学経営大学院、戦略・グローバリゼーション・社会学部ディレクター
ジョン・トーゲルセン(John Thogersen):
オルフス大学経営学部、マーケティングおよびサステナビリティ研究グループ・コーディネーター
●ラウンドテーブルとオープン・ディスカッション参加者:
ピーター・トロップシュ(Peter F. Tropschuh):
アウディAG、科学プロジェクト部門責任者 (スカイプより参加)
パトリスアンリ・デュシェーヌ(Patrice-Henry Duchene):
PSAプジョー・シトロエン、CSRポリシー部門責任者(スカイプより参加)
デビッド・トゥロースカス(David Tulauskas):
ゼネラルモーターズ、サステナビリティ担当ディレクター(スカイプより参加)
ミヒャエル・ハイムリヒ(Michael Heimrich):
レカロ・ホールディング、イノベーション管理部門責任者
トルステン・ピンケパンク(Thorsten Pinkepank):
BASFグループ、企業サステナビリティ・リレーションズ部門ディレクター
エウジェニオ・ロッリ(Eugenio Lolli):
アルカンターラS.p.A.事業開発部
エリック・バルバロ(Eric Barbaroux):
フォーミュレック、共同創設者 兼 フォーミュラ E・CEO(スカイプより参加)
ワリッド・ロバート・ノリス(Walid Robert Norris):
世界銀行、Connect4Climate(C4C)、プライベートセクター部門
マリアーノ・ヴォッタ(Mariano Votta):
Active Citizenship Network (ACN)理事
●モデレーター:
フランチェスコ・ジルポリ(Francesco Zirpoli )准教授:
ヴェネツィア・フォスカリ大学大学院・経営学、准教授 兼 リサーチ学部学部長
アンドレア・ストッチェチィ(Andrea Stocchetti )准教授:
ヴェネツィア・フォスカリ大学・経営学 准教授
■アルカンターラ社のサステナビィリティついて
アルカンターラの最大の特長は、ハイテク技術と職人気質の完璧なコンビネーションです。自動車(アルカンターラ社の売上の約60%を占める最重要用途)、コンシューマ・エレクトロニクス、ファッションおよびアクセサリ、インテリアデザイン、高級船舶・航空機などの各種産業において、アルカンターラの多様性により、この素材を選ぶ世界各国の顧客、パートナーと数多くのコラボレーションを行い、その製品に付加価値を与えてきました。アルカンターラは、ドイツとフランスを中心とするヨーロッパ市場に留まらず、ここ数年、グローバルに存在感を高めています。特に日本、中国、米国において評価されています。
サステナビリティはすでにこのブランドの重要な価値のひとつであるとともに、市場ポジショニングにおいても際立った特質となっています。アルカンターラがこの方面での取り組みにあたって持ち続けている誠実さは、大きなプラスとなって関係各方面にますます高く評価されています。
サステナビリティはアルカンターラの強い信念であり、そのことをすでに5年間、具体的な行動で示してきました。アルカンターラは2009年以来、国際的認証機関TUV SUDの監修のもと毎年『サステナビリティ・レポート』を作成しています。
このレポートは専用のサイト http://sustainabilityreport.alcantara.com/ でインタラクティブな形で見ることができます。その年に行った環境と人間を守るサステナビリティ活動・行動のすべてを説明して、最大の透明性を確保しています。アルカンターラでは、企業活動から発生するCO2排出量を減らし、その残量を相殺するために、文書化された対策を常に実施しています。当社は100%カーボンニュートラルな製品を保証するために真摯に取り組んでいます。同時に、アルカンターラは従業員のための健康、安全、社会責任にも常に配慮した労働規則を採用しています。義務づけられた規則を尊重するのはもちろんのこと、多くのケースでそれ以上の規則も遵守しています。サステナビリティについてのアルカンターラの取り組みはあらゆる面に及んでいます。すなわち、経済、社会、環境のすべてです。特に注目すべき実例のひとつは、責任ある調達活動です。アルカンターラは2007年以降毎年、『サプライチェーンに対する体系的な監査』を行い、人権保護、労働基準、環境、汚職防止、そしてSA8000基準の定めるすべての要件など、普遍的な原則を尊重するようサプライヤーやパートナー各社に求めています。
中でも環境は、アルカンターラが2009年に『カーボンニュートラル』の高い目標を早くから実現したヨーロッパ企業のひとつとなったことで、特に大きな意義を持っています。この時点では、レポートの範囲は「揺りかごからゲートまで」という基準にそって、製造工程全体を対象としていました。つまりカーボンニュートラル認証は、原料から顧客への製品の受渡しまで、アルカンターラの製造過程全体のネットCO2排出量をゼロとしていました。
2011年、アルカンターラはさらに「揺りかごから墓場まで」の基準に従って、レポート範囲を製品ライフサイクル全体に拡張し、環境への取り組みをさらに強化しました。従い2011年以降、アルカンターラのカーボンニュートラルは、製造工程だけでなく製品の使用から廃棄まで、つまり当社の企業活動に関連するすべての排出量を含んだ完全に包括的なものとなっています。
カーボンニュートラルという目標が達成できたのは、全社をあげた重要な取組みとして、多数の活動に数値目標を置き協調して実践してきたからです。すなわち全体のCO2排出量の正確な測定、CO2排出量の大幅な削減(機械の近代化、各種プロセスの簡素化、技術チームの向上、エネルギー調達、廃水処理などによって排出量を49%削減)、国連が主導する国際的な環境プログラムへの支援により残留排出量をオフセットさせています。
最近採用した主な対策活動は次のとおりです。
● 2013年
→ 1月1日、製造工場に設置された『高効率のコジェネレーション・ステーション』が運用を開始。Cofely社の設計したこの先進システムは、電気の副産物として同時に熱エネルギーも得ることができ、廃棄物とCO2排出量も減らせる。
→ 今後4年間でエネルギー消費をさらに25%減らす革新的な製造工程のための重要な投資を決定。
● 2012年
→ 生産工場の排水処理に高度な『植物処理システム』を設置、工場から搬出された汚泥埋立地を活用。
● 2011年
→ アルカンターラ素材のバリエーションとして、『最大25%のリサイクル原料を使った製品』を開発。
→ 『生産サイトに、より近いサプライヤー』を選ぶ体系的なプログラムを開始。
→ 生産サイトに近い『水力発電所』からの電力調達。
● 2008年
→ エネルギー調達を、『再生可能資源だけを使ったエネルギー』供給企業に切り替え。
*サステナビィリティレポートは専用のサイト でご覧いただけます。(英文)
http://sustainabilityreport.alcantara.com/
■ベニス国際大学(Venice International University)について
1995年、ベニス国際大学(VIU)の設立当初からの使命は、人権、民主主義、環境、教育を受ける権利、研究の自由などについて、世界のどこでも実施できる『普遍的な原理』に基づき、世界各地の大学を結ぶ新しい協力の形を作ることでした。
VIUではこの使命に基づいて、次のような問題から生じている『社会全体の課題』に、大学レベルで対処することが急務だと考えました。
● サステナブルな開発。環境の悪化を遅らせ、資源の破壊を防ぎ、再生可能な資源を利用する。
● 気候の変動。重大な経済の混乱を引き起こす極端な災害を防ぐ。
● 人口の高齢化。その社会・経済・医療に対する影響。
● 都市圏の拡大。2050年には世界人口の75%が都市に住むことになる。
● 地球倫理。地球上の人口移動を踏まえて文化的寛容の増大が必要。
● 文化遺産の保存。永久的な損傷や破壊のおそれがある。
こういった課題には、斬新で、前例にとらわれないようなアプローチが必要です。それは『多方面からの学術的なアプローチ』であり、従来の大学のカリキュラムには通常含まれていません。こういった課題に正しく対処するには、国や文化の垣根を越えて、さまざまな国・大陸の大学間の建設的な協力態勢をもってあたるしかないのです。そのためVIUでは、『共同』の深い議論と、『対等な責任分担』による意志決定とを基礎とした『新たな方式』を確立しました。これは上のような世界的な課題に対処する具体的な講義・研究プログラムに結実しています。
VIUを設立した当初の大学グループは『強力なネットワーク』となり、数も着実に増えて、今では先進国だけでなく急激に発展中の国も含めて3大陸、10か国に及んでいます。VIUは国を問わず加盟大学の間に信頼感を築いており、責任ある行動、サステナブルな開発、長期的な成長はすべて相互に補強しあう、という根本的な前提にすべての大学が同意しています。
現在『VIUを形成する大学』には、アジア(中国の同済大学と清華大学、日本の早稲田大学)、北米(米国のボストン大学とデューク大学、カナダのケベック州にある国立科学研究所INRS)、さらには地中海およびヨーロッパ(イスラエルのテルアビブ大学、ロシアのヨーロッパ大学サンクト・ペテルブルク校、ドイツのルートウィヒ・マクシミリアン大学ミュンヘン、スイスのローザンヌ大学、イタリアの学術研究会議CNR、パドヴァ大学、カフォスカリ大学ベネチア、ベネチア建築大学)の各校があります。
VIUは常に、行政組織・国際組織との協力、共同投資を大きな重点として、各種の『パートナーシップ』を求めてきました。その相手はイタリア環境省、ユネスコ、欧州委員会と欧州連合、その他の権威あるネットワーク(国連グローバル・コンパクト、コインブラ・グループ大学連盟など)です。またVIUはベニスやその周辺の自治体(ベニス市、ベニス県、ベネト州)ともさまざまな形の強力な関係を作り上げています。
これほど多様な大学、多彩な組織によるパートナーシップは前例がありません。たいへん大きな意義のあることであり、すでに具体的な活動に転換してすばらしい成果を生んでいます。『VIUの学生』は、ベニスのサン・セルヴォロ島にあるキャンパスや、イタリア内外のインターンシップで時間を過ごし、グローバル化した世界についての新たな視野と、グローバル化に伴う課題への新たなアプローチを身につけて自国の大学に戻っていきます。VIUは、公正・潤沢・永続的な開発を確保する方策を見つけることが根本的な目的だという意識を持った責任ある市民、未来のリーダーを多種多様な文化圏に育てているのです。
地球全体の課題に対処するために、これまで考えられなかった方式で集まった諸大学の協力関係には前例がなく、きわめて有望なものです。しかしシステム的な変革を起こす現実的な可能性が出てくるのは、世界の他の地域から『さらに多くの大学』が『共通の場に加わり』、気候、水、男女の平等、子供の権利、民主主義など今日の喫緊の課題に対処するために共通のスタンスを取って主導していく場合だけでしょう。確かな取り組みは実行につながり、世界的に影響を強めていくはずです。私たち人間に必要なのは、相互依存とサステナビリティこそが総合的なベスト・プラクティスだというグローバルな認識です。
【10月17日イタリア・ベニス発】 アルカンターラはイタリア企業として初めてカーボンニュートラル認証を取得し、サステナビリティの分野におけるベストプラクティスを確立してきました。この度、ベニス国際大学と共同で、自動車産業におけるサステナビリティをテーマとして, 「SUSTAINABILITY AND THE NEW AUTOMOTIVE VALUE CHAIN」(サステナビリティと新しい自動車バリューチェーン)と題した国際シンポジウムを、科学アドバイザーとしてカフォスカリ大学のCAMI(自動車とモバイル・イノヴェーション・センター)の後援のもと開催しました。10月16-17日の2日間、ベニス国際大学のキャンパスには、世界をリードする学者、自動車産業関係者、NGO団体など、国際的に著名な講演者が集まり、サステナビリティは現在、そして未来へ向けて、グローバルな自動車産業のビジネスモデルやそこにつながるバリューチェーンにおいて、どのように関わるべきかという、テーマを基に構成されました。顧客の志向、ビジネスモデル、測定指標、そして自動車産業のポリシーについて、サステナビリティに新たな視野を広げるべく討論が行われました。
シンポジウムはサステナビリティの中でも自動車産業をテーマの中心とし、世界各国から集まった学術界の専門家による基調講演に続き、ラウンドテーブル・ディスカッションが行われるという、インタラクティブな形式で行われました。ラウンドテーブルに参加したのは、自動車メーカー(アウディ、PSA、ゼネラルモーターズ)、ポリシーメーカー、サプライヤー(レカロ、BASF)、さらにNGOや業界団体(国際自動車連盟、Active Citizenship Network)、世界銀行「Connect4Climate」活動など、サステナビリティを専門とする担当者でした。開会と閉会のあいさつはベニス国際大学学長、ウンベルト・ヴァッターニ(Umberto Vattani)とアルカンターラ会長兼CEO、アンドレア・ボラーニョ(Andrea Boragno)が行いました。
■SUSTAINABILITY AND THE NEW AUTOMOTIVE VALUE CHAIN
(サステナビリティと新しい自動車バリューチェーン)
サステナビリティに関する国際シンポジウム
2014年10月16、17日 ベニス国際大学 ベニス、サン・セルヴォロ島
●基調講演:
フランク・フィッゲ(Frank Figge)教授:
ケッジビジネススクール教授(サステナブルな開発およびCSR)
クリストフ・ミドラー(Christophe Midler):
パリ・エコールポリテクニーク、経営研究センター(CRG)ディレクター
グイド・パラッツオ(Guido Palazzo):
ローザンヌ大学経営大学院、戦略・グローバリゼーション・社会学部ディレクター
ジョン・トーゲルセン(John Thogersen):
オルフス大学経営学部、マーケティングおよびサステナビリティ研究グループ・コーディネーター
●ラウンドテーブルとオープン・ディスカッション参加者:
ピーター・トロップシュ(Peter F. Tropschuh):
アウディAG、科学プロジェクト部門責任者 (スカイプより参加)
パトリスアンリ・デュシェーヌ(Patrice-Henry Duchene):
PSAプジョー・シトロエン、CSRポリシー部門責任者(スカイプより参加)
デビッド・トゥロースカス(David Tulauskas):
ゼネラルモーターズ、サステナビリティ担当ディレクター(スカイプより参加)
ミヒャエル・ハイムリヒ(Michael Heimrich):
レカロ・ホールディング、イノベーション管理部門責任者
トルステン・ピンケパンク(Thorsten Pinkepank):
BASFグループ、企業サステナビリティ・リレーションズ部門ディレクター
エウジェニオ・ロッリ(Eugenio Lolli):
アルカンターラS.p.A.事業開発部
エリック・バルバロ(Eric Barbaroux):
フォーミュレック、共同創設者 兼 フォーミュラ E・CEO(スカイプより参加)
ワリッド・ロバート・ノリス(Walid Robert Norris):
世界銀行、Connect4Climate(C4C)、プライベートセクター部門
マリアーノ・ヴォッタ(Mariano Votta):
Active Citizenship Network (ACN)理事
●モデレーター:
フランチェスコ・ジルポリ(Francesco Zirpoli )准教授:
ヴェネツィア・フォスカリ大学大学院・経営学、准教授 兼 リサーチ学部学部長
アンドレア・ストッチェチィ(Andrea Stocchetti )准教授:
ヴェネツィア・フォスカリ大学・経営学 准教授
■アルカンターラ社のサステナビィリティついて
アルカンターラの最大の特長は、ハイテク技術と職人気質の完璧なコンビネーションです。自動車(アルカンターラ社の売上の約60%を占める最重要用途)、コンシューマ・エレクトロニクス、ファッションおよびアクセサリ、インテリアデザイン、高級船舶・航空機などの各種産業において、アルカンターラの多様性により、この素材を選ぶ世界各国の顧客、パートナーと数多くのコラボレーションを行い、その製品に付加価値を与えてきました。アルカンターラは、ドイツとフランスを中心とするヨーロッパ市場に留まらず、ここ数年、グローバルに存在感を高めています。特に日本、中国、米国において評価されています。
サステナビリティはすでにこのブランドの重要な価値のひとつであるとともに、市場ポジショニングにおいても際立った特質となっています。アルカンターラがこの方面での取り組みにあたって持ち続けている誠実さは、大きなプラスとなって関係各方面にますます高く評価されています。
サステナビリティはアルカンターラの強い信念であり、そのことをすでに5年間、具体的な行動で示してきました。アルカンターラは2009年以来、国際的認証機関TUV SUDの監修のもと毎年『サステナビリティ・レポート』を作成しています。
このレポートは専用のサイト http://sustainabilityreport.alcantara.com/ でインタラクティブな形で見ることができます。その年に行った環境と人間を守るサステナビリティ活動・行動のすべてを説明して、最大の透明性を確保しています。アルカンターラでは、企業活動から発生するCO2排出量を減らし、その残量を相殺するために、文書化された対策を常に実施しています。当社は100%カーボンニュートラルな製品を保証するために真摯に取り組んでいます。同時に、アルカンターラは従業員のための健康、安全、社会責任にも常に配慮した労働規則を採用しています。義務づけられた規則を尊重するのはもちろんのこと、多くのケースでそれ以上の規則も遵守しています。サステナビリティについてのアルカンターラの取り組みはあらゆる面に及んでいます。すなわち、経済、社会、環境のすべてです。特に注目すべき実例のひとつは、責任ある調達活動です。アルカンターラは2007年以降毎年、『サプライチェーンに対する体系的な監査』を行い、人権保護、労働基準、環境、汚職防止、そしてSA8000基準の定めるすべての要件など、普遍的な原則を尊重するようサプライヤーやパートナー各社に求めています。
中でも環境は、アルカンターラが2009年に『カーボンニュートラル』の高い目標を早くから実現したヨーロッパ企業のひとつとなったことで、特に大きな意義を持っています。この時点では、レポートの範囲は「揺りかごからゲートまで」という基準にそって、製造工程全体を対象としていました。つまりカーボンニュートラル認証は、原料から顧客への製品の受渡しまで、アルカンターラの製造過程全体のネットCO2排出量をゼロとしていました。
2011年、アルカンターラはさらに「揺りかごから墓場まで」の基準に従って、レポート範囲を製品ライフサイクル全体に拡張し、環境への取り組みをさらに強化しました。従い2011年以降、アルカンターラのカーボンニュートラルは、製造工程だけでなく製品の使用から廃棄まで、つまり当社の企業活動に関連するすべての排出量を含んだ完全に包括的なものとなっています。
カーボンニュートラルという目標が達成できたのは、全社をあげた重要な取組みとして、多数の活動に数値目標を置き協調して実践してきたからです。すなわち全体のCO2排出量の正確な測定、CO2排出量の大幅な削減(機械の近代化、各種プロセスの簡素化、技術チームの向上、エネルギー調達、廃水処理などによって排出量を49%削減)、国連が主導する国際的な環境プログラムへの支援により残留排出量をオフセットさせています。
最近採用した主な対策活動は次のとおりです。
● 2013年
→ 1月1日、製造工場に設置された『高効率のコジェネレーション・ステーション』が運用を開始。Cofely社の設計したこの先進システムは、電気の副産物として同時に熱エネルギーも得ることができ、廃棄物とCO2排出量も減らせる。
→ 今後4年間でエネルギー消費をさらに25%減らす革新的な製造工程のための重要な投資を決定。
● 2012年
→ 生産工場の排水処理に高度な『植物処理システム』を設置、工場から搬出された汚泥埋立地を活用。
● 2011年
→ アルカンターラ素材のバリエーションとして、『最大25%のリサイクル原料を使った製品』を開発。
→ 『生産サイトに、より近いサプライヤー』を選ぶ体系的なプログラムを開始。
→ 生産サイトに近い『水力発電所』からの電力調達。
● 2008年
→ エネルギー調達を、『再生可能資源だけを使ったエネルギー』供給企業に切り替え。
*サステナビィリティレポートは専用のサイト でご覧いただけます。(英文)
http://sustainabilityreport.alcantara.com/
■ベニス国際大学(Venice International University)について
1995年、ベニス国際大学(VIU)の設立当初からの使命は、人権、民主主義、環境、教育を受ける権利、研究の自由などについて、世界のどこでも実施できる『普遍的な原理』に基づき、世界各地の大学を結ぶ新しい協力の形を作ることでした。
VIUではこの使命に基づいて、次のような問題から生じている『社会全体の課題』に、大学レベルで対処することが急務だと考えました。
● サステナブルな開発。環境の悪化を遅らせ、資源の破壊を防ぎ、再生可能な資源を利用する。
● 気候の変動。重大な経済の混乱を引き起こす極端な災害を防ぐ。
● 人口の高齢化。その社会・経済・医療に対する影響。
● 都市圏の拡大。2050年には世界人口の75%が都市に住むことになる。
● 地球倫理。地球上の人口移動を踏まえて文化的寛容の増大が必要。
● 文化遺産の保存。永久的な損傷や破壊のおそれがある。
こういった課題には、斬新で、前例にとらわれないようなアプローチが必要です。それは『多方面からの学術的なアプローチ』であり、従来の大学のカリキュラムには通常含まれていません。こういった課題に正しく対処するには、国や文化の垣根を越えて、さまざまな国・大陸の大学間の建設的な協力態勢をもってあたるしかないのです。そのためVIUでは、『共同』の深い議論と、『対等な責任分担』による意志決定とを基礎とした『新たな方式』を確立しました。これは上のような世界的な課題に対処する具体的な講義・研究プログラムに結実しています。
VIUを設立した当初の大学グループは『強力なネットワーク』となり、数も着実に増えて、今では先進国だけでなく急激に発展中の国も含めて3大陸、10か国に及んでいます。VIUは国を問わず加盟大学の間に信頼感を築いており、責任ある行動、サステナブルな開発、長期的な成長はすべて相互に補強しあう、という根本的な前提にすべての大学が同意しています。
現在『VIUを形成する大学』には、アジア(中国の同済大学と清華大学、日本の早稲田大学)、北米(米国のボストン大学とデューク大学、カナダのケベック州にある国立科学研究所INRS)、さらには地中海およびヨーロッパ(イスラエルのテルアビブ大学、ロシアのヨーロッパ大学サンクト・ペテルブルク校、ドイツのルートウィヒ・マクシミリアン大学ミュンヘン、スイスのローザンヌ大学、イタリアの学術研究会議CNR、パドヴァ大学、カフォスカリ大学ベネチア、ベネチア建築大学)の各校があります。
VIUは常に、行政組織・国際組織との協力、共同投資を大きな重点として、各種の『パートナーシップ』を求めてきました。その相手はイタリア環境省、ユネスコ、欧州委員会と欧州連合、その他の権威あるネットワーク(国連グローバル・コンパクト、コインブラ・グループ大学連盟など)です。またVIUはベニスやその周辺の自治体(ベニス市、ベニス県、ベネト州)ともさまざまな形の強力な関係を作り上げています。
これほど多様な大学、多彩な組織によるパートナーシップは前例がありません。たいへん大きな意義のあることであり、すでに具体的な活動に転換してすばらしい成果を生んでいます。『VIUの学生』は、ベニスのサン・セルヴォロ島にあるキャンパスや、イタリア内外のインターンシップで時間を過ごし、グローバル化した世界についての新たな視野と、グローバル化に伴う課題への新たなアプローチを身につけて自国の大学に戻っていきます。VIUは、公正・潤沢・永続的な開発を確保する方策を見つけることが根本的な目的だという意識を持った責任ある市民、未来のリーダーを多種多様な文化圏に育てているのです。
地球全体の課題に対処するために、これまで考えられなかった方式で集まった諸大学の協力関係には前例がなく、きわめて有望なものです。しかしシステム的な変革を起こす現実的な可能性が出てくるのは、世界の他の地域から『さらに多くの大学』が『共通の場に加わり』、気候、水、男女の平等、子供の権利、民主主義など今日の喫緊の課題に対処するために共通のスタンスを取って主導していく場合だけでしょう。確かな取り組みは実行につながり、世界的に影響を強めていくはずです。私たち人間に必要なのは、相互依存とサステナビリティこそが総合的なベスト・プラクティスだというグローバルな認識です。