紛争地における教育:未来への平和の種をまくためには何よりも教育が必要との訴え
[14/06/03]
提供元:PRTIMES
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コンゴ民主共和国とエチオピアで紛争地における教育の調査結果
武力紛争の影響を受けた地域のコミュニティリーダーや親たちは、紛争が解決して平和な状態になった後は、教育が最優先されるべきであると考えていることが、セーブ・ザ・チルドレンとノルウェー難民評議会による共同調査で明らかになりました。(調査報告書「HEAR IT FROM THE CHILDREN: why education in emergency is critical」)
世界では、武力紛争の影響によって何百万人もの子どもたちが学校へ通う機会を奪われています。武力紛争下では、子どもたちは他に選択肢がないために自ら武装グループに入ったり、児童婚などの性的搾取や性的暴行を含むあらゆる形態の暴力被害に繰り返しさらされたり、非人道的な環境の中で生き延びるために大人の役割を担わされることにより子ども時代を奪われるなど、深刻な権利侵害を経験します。
今回の調査では、激しい紛争に見舞われたコンゴ民主共和国東部のマシシとエチオピアのドロアド難民キャンプで、子ども、親、教師、コミュニティリーダー250人を対象に聞き取りを実施。その結果、教育が最優先事項であるとの明確なメッセージが伝わってきました。調査参加者の30%が、健康、食糧、水、シェルターなどの基本的な支援よりも教育が最も重要であると答えただけでなく、紛争で教育が途絶える傾向にあるコンゴ民主共和国の親のほぼ全員(98%)が、教育を最優先事項にあげました。
調査の参加者は、教育がどのように子どもたちを守り、子どもたちの未来を育むかについて語ってくれました。例えば、エチオピアの子どもは「教育はコミュニティを強くしてくれます」と言い、コンゴ民主共和国の教師は「教育がなければ平和もありません」と、教育の重要性を強調しました。
しかしこのような調査結果とは裏腹に、2013年に人道支援に拠出された予算の中から教育支援に割り当てられたのはわずか1.9%であり、需要に対して大きな予算不足が生じています。
「国際社会は、紛争やその他の緊急事態の影響を受けた子どもたちに対し、教育の機会を確保することを約束してきました。それにも関わらず、人道支援の中で教育は最も予算の少ない分野であり続けています。国際社会が約束を守っていることを、子どもたちに示す時が来ているのではないでしょうか。」ノルウェー難民評議会 事務局長 ジャン・エグランド
調査結果で明らかになった事柄:
教育の介入に早すぎることは決してないが、手遅れになることはある。調査の参加者は一様に、教育がいかに直接的に命の危険から身を守る術を提供してくれるかについて語った。
教育は、コミュニティを団結させ、暴力を伴わない問題の解決方法を子どもたちに提示するなど、子ども、家族、コミュニティの日常生活に大きな貢献をもたらす。
教育は、子どもたちを守るだけでなくコミュニティ全体の強靭性を向上させ、子どもたちが武力紛争下で受けたダメージから回復するのを助け、地域の安定と経済成長を促す。
教育による知識・技能の獲得を通し、子どもたちはより明るく、豊かな未来への希望を持つことが可能になる。
セーブ・ザ・チルドレンおよびノルウェー難民評議会は、支援者、政策策定者、そして世界のリーダーに次の事柄を求めます:
紛争の影響を受けた地域の人びとの声を聞き、緊急時の支援に必ず教育を含めること。
紛争下で難民となっている子どもたちに対して無料で質の高い教育を保障するために、今すぐ必要な措置を講じること。
教育が攻撃から守られるための法令を採択すること。
需要とのギャップを埋めるために教育への予算を増やし、世界が人道支援に拠出する予算の教育への割り当てを最低でも4%にまで増やしていくこと。
調査報告書「HEAR IT FROM THE CHILDREN: why education in emergency is critical」(英語)はこちら
http://www.savechildren.or.jp/scjcms/dat/img/blog/1534/1401776560337.pdf
*本報告書は、欧州委員会の助成により発行されました。
■ セーブ・ザ・チルドレンについて
1919年設立。子ども支援の世界的リーダーとして、世界30カ国の独立したセーブ・ザ・チルドレンがパートナーシップを結ぶ国際組織。「子どもの権利」が実現されている世界を目指し、現在約120の国と地域で活動しています。( http://www.savechildren.or.jp/ )
武力紛争の影響を受けた地域のコミュニティリーダーや親たちは、紛争が解決して平和な状態になった後は、教育が最優先されるべきであると考えていることが、セーブ・ザ・チルドレンとノルウェー難民評議会による共同調査で明らかになりました。(調査報告書「HEAR IT FROM THE CHILDREN: why education in emergency is critical」)
世界では、武力紛争の影響によって何百万人もの子どもたちが学校へ通う機会を奪われています。武力紛争下では、子どもたちは他に選択肢がないために自ら武装グループに入ったり、児童婚などの性的搾取や性的暴行を含むあらゆる形態の暴力被害に繰り返しさらされたり、非人道的な環境の中で生き延びるために大人の役割を担わされることにより子ども時代を奪われるなど、深刻な権利侵害を経験します。
今回の調査では、激しい紛争に見舞われたコンゴ民主共和国東部のマシシとエチオピアのドロアド難民キャンプで、子ども、親、教師、コミュニティリーダー250人を対象に聞き取りを実施。その結果、教育が最優先事項であるとの明確なメッセージが伝わってきました。調査参加者の30%が、健康、食糧、水、シェルターなどの基本的な支援よりも教育が最も重要であると答えただけでなく、紛争で教育が途絶える傾向にあるコンゴ民主共和国の親のほぼ全員(98%)が、教育を最優先事項にあげました。
調査の参加者は、教育がどのように子どもたちを守り、子どもたちの未来を育むかについて語ってくれました。例えば、エチオピアの子どもは「教育はコミュニティを強くしてくれます」と言い、コンゴ民主共和国の教師は「教育がなければ平和もありません」と、教育の重要性を強調しました。
しかしこのような調査結果とは裏腹に、2013年に人道支援に拠出された予算の中から教育支援に割り当てられたのはわずか1.9%であり、需要に対して大きな予算不足が生じています。
「国際社会は、紛争やその他の緊急事態の影響を受けた子どもたちに対し、教育の機会を確保することを約束してきました。それにも関わらず、人道支援の中で教育は最も予算の少ない分野であり続けています。国際社会が約束を守っていることを、子どもたちに示す時が来ているのではないでしょうか。」ノルウェー難民評議会 事務局長 ジャン・エグランド
調査結果で明らかになった事柄:
教育の介入に早すぎることは決してないが、手遅れになることはある。調査の参加者は一様に、教育がいかに直接的に命の危険から身を守る術を提供してくれるかについて語った。
教育は、コミュニティを団結させ、暴力を伴わない問題の解決方法を子どもたちに提示するなど、子ども、家族、コミュニティの日常生活に大きな貢献をもたらす。
教育は、子どもたちを守るだけでなくコミュニティ全体の強靭性を向上させ、子どもたちが武力紛争下で受けたダメージから回復するのを助け、地域の安定と経済成長を促す。
教育による知識・技能の獲得を通し、子どもたちはより明るく、豊かな未来への希望を持つことが可能になる。
セーブ・ザ・チルドレンおよびノルウェー難民評議会は、支援者、政策策定者、そして世界のリーダーに次の事柄を求めます:
紛争の影響を受けた地域の人びとの声を聞き、緊急時の支援に必ず教育を含めること。
紛争下で難民となっている子どもたちに対して無料で質の高い教育を保障するために、今すぐ必要な措置を講じること。
教育が攻撃から守られるための法令を採択すること。
需要とのギャップを埋めるために教育への予算を増やし、世界が人道支援に拠出する予算の教育への割り当てを最低でも4%にまで増やしていくこと。
調査報告書「HEAR IT FROM THE CHILDREN: why education in emergency is critical」(英語)はこちら
http://www.savechildren.or.jp/scjcms/dat/img/blog/1534/1401776560337.pdf
*本報告書は、欧州委員会の助成により発行されました。
■ セーブ・ザ・チルドレンについて
1919年設立。子ども支援の世界的リーダーとして、世界30カ国の独立したセーブ・ザ・チルドレンがパートナーシップを結ぶ国際組織。「子どもの権利」が実現されている世界を目指し、現在約120の国と地域で活動しています。( http://www.savechildren.or.jp/ )