東京コスモス電機(証券コード:6772)によるGlobal ESG Strategyの株主提案に関する開示についての注意喚起のお知らせ
[24/06/21]
提供元:PRTIMES
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Press Release
Global ESG Strategy
2024年6月17日
[画像1: https://prtimes.jp/i/135781/28/resize/d135781-28-a88fb981f8324d9c084c-0.png ]
Swiss-Asia Financial Services Pte Ltd(以下「SAFS」)の運営ファンドであるGlobal ESG Strategy(以下「GES」)は、
2023年より、東証スタンダード上場の東京コスモス電機株式会社(以下「TOCOS」)(証券コード:6772)に対する投資を開始し、同社へのエンゲージメントを継続してまいりました。2024年6月25日に開催される予定である同社の第67回定時株主総会に株主提案(以下「本株主提案」)を行っています。
TOCOSは自社ホームページにて、「『株主提案に対する当社取締役会の意見』と『議決権行使のお願い』について」(2024年6月5日付)と題された動画を掲載していますが、同社によるGESの株主提案の内容の説明において、事実と異なる内容を公表し、株主の皆様に誤解を与え、その議決権行使に重大な影響を与えかねない説明がされていることを確認しましたのでお知らせします。
GES株主提案は成長投資の実行を損ねません
TOCOSは本株主提案のうち、第7号議案に基づく配当を行うと、同社の第2次中期経営計画(以下「新中計」)の中で予定している成長投資20億円のうち8億円しか実行できなくなり、中長期的な企業価値向上が達成されないと説明しています。しかしながら、GESは、新中計で予定されている20億円の成長投資を全て行った上で、本株主提案の配当を実施しても十分に財務健全性は維持されると考えており、その旨公表資料にて説明しています。また、毎年のキャッシュフローの範囲で賄えない分については、わずかな借入れ等の負債調達を行うことで十分に賄えることを説明しています。
本株主提案の配当を行うと新中計の成長投資が全額は実行できなくなるとのTOCOSの主張は、TOCOS経営陣が、毎年生み出されるキャッシュフローの範囲でのみ事業運営を行うことを前提としており、借入れによる資金調達を行うことも含めた事業展開を検討することすらしていないことの証左であると判断されます。
[画像2: https://prtimes.jp/i/135781/28/resize/d135781-28-1ff5ac0343796de03538-1.jpg ]
出典:TOCOS「『株主提案に対する当社取締役会の意見』と『議決権行使のお願い』について」(2024年6月5日付)
本株主提案に関する補足資料(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000004.000135781.html)においてお知らせしているとおり、GESは、本株主提案(配当方針)による財務インパクトを検証しておりますが、2026年度末でネットD/Eレシオ0.3倍、ネットデット/EBITDA 1.0倍、純資産比率47%となりました。本株主提案を採用しても、財務健全性を損なわず、引き続き十分な財務余力を有することは明らかです。
ネットD/Eレシオ0.3倍、およびネットデット/EBITDA 1.0倍ということは、有利子負債の方が現預金よりもわずかに多い状態ということですが、返済しようと思えば2年未満で返済できてしまう水準でしかありません。
上記の通り、本株主提案に基づく配当を実施すると成長投資が実行できなくなるとのTOCOSの説明は間違っており、株主の皆様をミスリードし、来る株主総会における株主の皆様の議決権行使行動に重大な影響を与えかねないことを危惧しています。
TOCOS経営陣は「無借金経営」を志向し、「資本コストや資本収益性を意識した経営」とは真逆の方針を堅持
また、TOCOSは同じ動画の中で、株主提案である第6号議案との関係で、「当社は自動車製造業をはじめとする社会インフラとして重大な責務を負う各種産業の一端を担っております。高品質な製品を安定的に供給するべく国内外に複数の製造・販売拠点を有しております。これらの拠点において自然災害等による操業停止等不測の事態が発生した場合には復旧作業又は代替となる拠点の確保・供給方法の手配等のため当社にて莫大な資金を機動的に確保・運用する必要が生じます。また、機動的かつ十分な資金確保の観点からこれを金融機関からの融資に依存する体制にはリスクがあります。」と主張しています。
つまり、TOCOSの経営陣は、無借金経営を維持する必要があると主張していることが理解できます。
TOCOSのネットキャッシュは急速に積み上がっており、2024年3月末で約11億円のネットキャッシュを有していますが、これは現在の時価総額(自己株控除後)に対して約20%にも上る水準です。TOCOSは同業他社に比べて利益率は高いものの、株価評価は業界最低水準にあります。株価評価が低い主因は、資本効率を無視した大幅なネットキャッシュ状態にあることが挙げられますが、TOCOSはこれを解消するための基本的な財務方針を持たないどころか、無借金経営を維持することが望ましいと考えていることが分かりました。
キャッシュを溜め込む企業体質は、東証の要請する「バランスシートをベースとする資本コストや資本収益性を意識した経営」 にも明らかに反します。TOCOS経営陣は、内部留保を積み上げることが企業価値及び株主共同の利益を毀損することになることを理解していないと考えざるを得ません。GESは、TOCOSが社会インフラとして重大な責務を負う各種産業の一旦を担う企業として、不測の事態に備える必要性があることを否定するものではありません。しかし、不測の事態に備えることと、無借金経営を維持し莫大な内部留保をため込むことは同義ではありません。不足の事態に備えた財務的な対応を行いつつ、資本コストや資本収益性を向上させた経営を行うことは可能です。TOCOS経営陣においては、上場会社の経営に必要な最低限のコーポレポートファイナンスのリテタラシーが欠けているのではないかと重大な懸念を感じずにいられません。
株主の皆様におかれましては、TOCOSの開示した本株主提案に関する事実を誤認した説明に惑わされずに、GESの本株主提案に関する補足資料(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000004.000135781.html)及びGESによる議決権行使方針に関する事前開示(https://prtimes.jp/a/?f=d135781-21-e40474a877aab2fbbc1a58838f555c67.pdf
)をご一読の上、本株主提案の全てに「賛成」の議決権行使をお願い申し上げます。
TOCOS経営陣においては、東証の要請する「バランスシートをベースとする資本コストや資本収益性を意識した経営」に適切に対応する経営方針を速やかに策定・公表することを要請していきたいと思います。
以上
本件に関するお問い合わせ先: globalesg@swissasia-group.com
Global ESG Strategyについて
GESは、ESG(Environment(環境)、Social(社会)及びGovernance(ガバナンス))の視点から中長期的な投資を行う投資ファンドであり、投資先との建設的な対話等を通じ、投資先の企業価値・株主価値の向上を実現することを後押ししていくことを方針としています。
Swiss-Asia Financial Services Pte Ltdについて
SAFSは、2004年設立、シンガポールを拠点とし、シンガポール証券先物法に基づく資本市場サービスライセンス(Capital Markets Services License)を保有する投資運用会社です。
免責事項
本資料は、SAFSの運営ファンドであるGESによるTOCOSに対する株主提案に係る情報提供を目的としており、それ以外の用途に用いられてはなりません。
本資料に記載された情報は、SAFS による独自の調査及び分析並びに一般に入手可能な公開情報に基づいています。SAFS、GES又はSAFSのその他の関係者 (以下「SAFSら」といいます。)は、その正確性、完全性、適切性、網羅性等について何ら保証するものではありません。
本資料は、SAFSらの独自の見解、予想、意見を示すものであり、これらは今後変わることがあり得ます。いかなる目的においても本資料に依拠してはならず、また、本資料を投資、金融、法律、税務その他の助言であると理解してはなりません。
本資料に含まれる情報又は意見には将来に関する記述が含まれています。これらの将来に関する記述や予測、予想は、説明のみのために記載されているものであり、もとより不確実、かつ、重大な不測の事態により実際の結果がこれら将来に関する記述と大きく異なることがあります。SAFSらは、かかる将来に関する記述や予測、意見、本資料に含まれる記載に関連して発生する直接的又は間接的なものを含む何らの損害について、一切の責任を負いません。
本資料に含まれるいかなる情報ないし内容も、いかなる意味においても、募集、推奨、サービスや商品の販促、広告、勧誘若しくは表明と解釈してはならず、また、いかなる投資商品の売買若しくは証券へのいかなる投資に関する助言若しくは推奨であるとも解釈してはなりません。
本資料は、株主総会における議案に関し、SAFSらが、TOCOSの株主を代理して議決権を行使する権限をSAFSら又はその他の第三者に対して付与することを要請するものではなく、そのように解釈されてはなりません。また、TOCOSの株主に対して、SAFSら又はその他の第三者を自らの代理人と定め自らに代わってその議決権を行使する権利を付与することを提案し、奨励し、勧誘し又はこれを目指すものではなく、そのように理解されてはなりません。