メルクとゲーテ・インスティトゥート東京、2022年 かけはし文学賞 受賞者を発表
[22/06/23]
提供元:PRTIMES
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・メルクが世界各国で行う社会貢献活動の一つとして、日本にて「かけはし文学賞」を実施
・2022年の受賞者としてアルトゥール・ベッカー (Artur Becker) 氏の『Drang nach Osten(東方への衝動)』と翻訳者の阿部津々子氏を選出
・21世紀の越境者の経験と戦後ポーランドの国境近くの住民の経験が交差する、激動のヨーロッパ史をみつめる作品
2022年6月23日、東京(日本) - サイエンスとテクノロジーの分野における世界有数の企業であるMerck(以下メルク)とゲーテ・インスティトゥート東京は、2022年度のメルクかけはし文学賞の受賞作品を決定したことをお知らせいたします。本年は、ポーランドからドイツへ移り住んだ作家アルトゥール・ベッカー氏の長編小説『Drang nach Osten(東方への衝動)』とその翻訳を手掛ける阿部津々子氏が選出されました。受賞者にはそれぞれ賞金7,500ユーロ、および日本での出版助成として5,000ユーロが贈呈されます。
2022年受賞作について
ポーランドからドイツへ移り住んだ作家アルトゥール・ベッカーは、本作『Drang nach Osten(東方への衝動)』で、東プロイセンのマズーレン地域に生きた彼の祖父母の足跡を辿ります。読む者を惹きつけてやまぬ精妙な語りによって、21世紀の越境者の経験と戦後ポーランドの国境近くの住民の経験が交差し、結びつけられており、複雑に層をなす歴史を丹念に言葉にしていくことこそが、批判精神に満ちた開かれたヨーロッパのアイデンティティを立ち上げる契機となることを読者に教えてくれる作品といえます。
翻訳を手掛ける阿部津々子氏は、ドイツおよびポーランドの大学で学び、両国の言語・文化に精通した翻訳者として、このヨーロッパ文学のまさに理想的な仲介者といえます。本作品の翻訳は、日本の読者にとってこれまで疎遠であったものの今日新たにアクチュアリティを獲得しつつある東欧‐ドイツ関係というテーマに、新たな視点をもたらすことが期待されます。
審査委員会は全会一致で、様々な位相において時代間、文化間を架橋するこの翻訳プロジェクトが2022年のかけはし文学賞にふさわしいとの結論に至り、本作を選出しました。
メルクバイオファーマ株式会社代表取締役社長のアレクサンダー・デ・モラルトは次のように述べています。「激動する現代社会において、ヨーロッパの複雑な歴史のなかで織りなされた個人のアイデンティティを紡ぐ作品に触れることは非常に大きな意味があると考えます。ドイツに本拠を置き、日本にて50年以上にわたりビジネスを展開するグローバル企業として、このような意欲的な作品を日本の皆様にご紹介できることを嬉しく思います」
受賞者について アルトゥール・ベッカー氏は、1968年、ポーランド系ドイツ人の両親のもとバルトシツェ郡(マズールィ)に生まれる。1985年よりドイツ在住。小説、物語、詩および論文の執筆をはじめ、翻訳家としても活動している。ドイツ・ペンクラブ、海外在住のドイツ語執筆者のためのペンクラブExil-P.E.N.、および統一サービス産業労働組合(Ver.di)ドイツ作家組合会員。受賞歴に、シャミッソー賞(2009年)、ドイツ・ポーランド連邦協会のDIALOG賞(2012年)やニーダーザクセン州文化省の文学奨学金(2017年)、ドレスデン・シャミッソーー・ポエティークドツェントゥア(2020年)ほか多数。小説『Drang nach Osten(東方への衝動)』は、2019年にweissbooks社(フランクフルト・アム・マイン )より刊行された。
阿部津々子氏は、1992年〜1993年にロータリー奨学生としてフライブルクのアルベルト・ルードヴィヒ大学、1995年〜1997年にポーランド政府奨学生としてワルシャワ大学、1997年〜2001年にDAAD奨学生としてフランクフルト・オーダーのヴィアドリナ欧州大学に留学。帰国後は法務文書の日独翻訳者として従事しながら、京都の同志社大学に非常勤講師として勤務。2010年にゲーテ・インスティトゥート東京主催の文学作品翻訳コンテストにて、アリッサ・ヴァルザー著の「Am Anfang war die Nacht Musik」を翻訳し2位を受賞。2019年に論文『侵食される「モデルリージョン」-右傾化するポーランドとドイツ人少数民族』にて博士号を取得。
かけはし文学賞
メルクは、社会貢献活動の一環として世界で5つの文学支援活動を行っています。かけはし文学賞は、その一つとして2013年に日本にて創設されました。日独の架け橋となることが期待される現代のドイツ語圏文学の作品とその翻訳者を表彰し、文学を通じてドイツと日本、ビジネスと文化領域の間で国境を越えた対話を促進することを目的に、メルクとゲーテ・インスティトゥート東京が共同で開催しています。これまでに4作品が日本に紹介され、翻訳出版されました。
■2022年 かけはし文学賞審査委員
新本 史斉 (明治大学 文学部教授、審査委員長)
野口薫 (中央大学文学部名誉教授)
カティア・カッシング(出版者、翻訳者、Cass Verlag)
金 志成 (東京都立大学 人文社会学部准教授)
アンドレアス=クリスチャン・ラウ(メルクバイオファーマ株式会社マーケティング部長)
ペーター・アンダース(ゲーテ・インスティトゥート東京 所長)
■歴代受賞者
2014年 アルノ・シュミット / 和田洵 『ポカホンタスのいる湖景 / 移住者』
2016年 イルマ・ラクーザ / 新本史斉 『もっと、海を ─想起のパサージュ』
2018年 クレメンス・J・ゼッツ / 犬飼彩乃 『インディゴ』
2020年 ルッツ・ザイラー / 金志成 『Kruso(クルーゾー)』
メルクについて
Merck(メルク)はヘルスケア、ライフサイエンス、パフォーマンスマテリアルズの分野における世界有数のサイエンスとテクノロジーの企業です。がんや多発性硬化症のためのバイオ医薬品を用いた治療法から、科学研究と生産に関する最先端システム、スマートフォンや液晶テレビ向けの液晶材料にいたるまで、約60,000人の従業員が人々の暮らしをより良くする技術の一層の進歩を目指しています。2021年は66カ国で197億ユーロの売上高を計上しました。
メルクは1668年に創業された世界で最も歴史の長い医薬・化学品会社で、創業家が今でも、上場企業が率いるグループの株式の過半数を所有しています。メルクの名称およびブランドのグローバルな権利は、メルクが保有しています。唯一の例外は米国とカナダで、両国ではEMDセローノ、ミリポアシグマ、EMDパフォーマンスマテリアルズとして事業を行っています。
メルクグループジャパンについて
日本における法人各社は次の通りです。
メルク株式会社、シグマアルドリッチジャパン合同会社、バイオリライアンス株式会社、メルクエレクトロニクス株式会社、メルクパフォーマンスマテリアルズ合同会社、ヴェルサムマテリアルズ・ジャパン株式会社、メルクバイオファーマ株式会社、メルクホールディングス合同会社。日本におけるメルクの活動はこちら https://www.merckgroup.com/jp-ja をご覧ください。
・2022年の受賞者としてアルトゥール・ベッカー (Artur Becker) 氏の『Drang nach Osten(東方への衝動)』と翻訳者の阿部津々子氏を選出
・21世紀の越境者の経験と戦後ポーランドの国境近くの住民の経験が交差する、激動のヨーロッパ史をみつめる作品
2022年6月23日、東京(日本) - サイエンスとテクノロジーの分野における世界有数の企業であるMerck(以下メルク)とゲーテ・インスティトゥート東京は、2022年度のメルクかけはし文学賞の受賞作品を決定したことをお知らせいたします。本年は、ポーランドからドイツへ移り住んだ作家アルトゥール・ベッカー氏の長編小説『Drang nach Osten(東方への衝動)』とその翻訳を手掛ける阿部津々子氏が選出されました。受賞者にはそれぞれ賞金7,500ユーロ、および日本での出版助成として5,000ユーロが贈呈されます。
2022年受賞作について
ポーランドからドイツへ移り住んだ作家アルトゥール・ベッカーは、本作『Drang nach Osten(東方への衝動)』で、東プロイセンのマズーレン地域に生きた彼の祖父母の足跡を辿ります。読む者を惹きつけてやまぬ精妙な語りによって、21世紀の越境者の経験と戦後ポーランドの国境近くの住民の経験が交差し、結びつけられており、複雑に層をなす歴史を丹念に言葉にしていくことこそが、批判精神に満ちた開かれたヨーロッパのアイデンティティを立ち上げる契機となることを読者に教えてくれる作品といえます。
翻訳を手掛ける阿部津々子氏は、ドイツおよびポーランドの大学で学び、両国の言語・文化に精通した翻訳者として、このヨーロッパ文学のまさに理想的な仲介者といえます。本作品の翻訳は、日本の読者にとってこれまで疎遠であったものの今日新たにアクチュアリティを獲得しつつある東欧‐ドイツ関係というテーマに、新たな視点をもたらすことが期待されます。
審査委員会は全会一致で、様々な位相において時代間、文化間を架橋するこの翻訳プロジェクトが2022年のかけはし文学賞にふさわしいとの結論に至り、本作を選出しました。
メルクバイオファーマ株式会社代表取締役社長のアレクサンダー・デ・モラルトは次のように述べています。「激動する現代社会において、ヨーロッパの複雑な歴史のなかで織りなされた個人のアイデンティティを紡ぐ作品に触れることは非常に大きな意味があると考えます。ドイツに本拠を置き、日本にて50年以上にわたりビジネスを展開するグローバル企業として、このような意欲的な作品を日本の皆様にご紹介できることを嬉しく思います」
受賞者について アルトゥール・ベッカー氏は、1968年、ポーランド系ドイツ人の両親のもとバルトシツェ郡(マズールィ)に生まれる。1985年よりドイツ在住。小説、物語、詩および論文の執筆をはじめ、翻訳家としても活動している。ドイツ・ペンクラブ、海外在住のドイツ語執筆者のためのペンクラブExil-P.E.N.、および統一サービス産業労働組合(Ver.di)ドイツ作家組合会員。受賞歴に、シャミッソー賞(2009年)、ドイツ・ポーランド連邦協会のDIALOG賞(2012年)やニーダーザクセン州文化省の文学奨学金(2017年)、ドレスデン・シャミッソーー・ポエティークドツェントゥア(2020年)ほか多数。小説『Drang nach Osten(東方への衝動)』は、2019年にweissbooks社(フランクフルト・アム・マイン )より刊行された。
阿部津々子氏は、1992年〜1993年にロータリー奨学生としてフライブルクのアルベルト・ルードヴィヒ大学、1995年〜1997年にポーランド政府奨学生としてワルシャワ大学、1997年〜2001年にDAAD奨学生としてフランクフルト・オーダーのヴィアドリナ欧州大学に留学。帰国後は法務文書の日独翻訳者として従事しながら、京都の同志社大学に非常勤講師として勤務。2010年にゲーテ・インスティトゥート東京主催の文学作品翻訳コンテストにて、アリッサ・ヴァルザー著の「Am Anfang war die Nacht Musik」を翻訳し2位を受賞。2019年に論文『侵食される「モデルリージョン」-右傾化するポーランドとドイツ人少数民族』にて博士号を取得。
かけはし文学賞
メルクは、社会貢献活動の一環として世界で5つの文学支援活動を行っています。かけはし文学賞は、その一つとして2013年に日本にて創設されました。日独の架け橋となることが期待される現代のドイツ語圏文学の作品とその翻訳者を表彰し、文学を通じてドイツと日本、ビジネスと文化領域の間で国境を越えた対話を促進することを目的に、メルクとゲーテ・インスティトゥート東京が共同で開催しています。これまでに4作品が日本に紹介され、翻訳出版されました。
■2022年 かけはし文学賞審査委員
新本 史斉 (明治大学 文学部教授、審査委員長)
野口薫 (中央大学文学部名誉教授)
カティア・カッシング(出版者、翻訳者、Cass Verlag)
金 志成 (東京都立大学 人文社会学部准教授)
アンドレアス=クリスチャン・ラウ(メルクバイオファーマ株式会社マーケティング部長)
ペーター・アンダース(ゲーテ・インスティトゥート東京 所長)
■歴代受賞者
2014年 アルノ・シュミット / 和田洵 『ポカホンタスのいる湖景 / 移住者』
2016年 イルマ・ラクーザ / 新本史斉 『もっと、海を ─想起のパサージュ』
2018年 クレメンス・J・ゼッツ / 犬飼彩乃 『インディゴ』
2020年 ルッツ・ザイラー / 金志成 『Kruso(クルーゾー)』
メルクについて
Merck(メルク)はヘルスケア、ライフサイエンス、パフォーマンスマテリアルズの分野における世界有数のサイエンスとテクノロジーの企業です。がんや多発性硬化症のためのバイオ医薬品を用いた治療法から、科学研究と生産に関する最先端システム、スマートフォンや液晶テレビ向けの液晶材料にいたるまで、約60,000人の従業員が人々の暮らしをより良くする技術の一層の進歩を目指しています。2021年は66カ国で197億ユーロの売上高を計上しました。
メルクは1668年に創業された世界で最も歴史の長い医薬・化学品会社で、創業家が今でも、上場企業が率いるグループの株式の過半数を所有しています。メルクの名称およびブランドのグローバルな権利は、メルクが保有しています。唯一の例外は米国とカナダで、両国ではEMDセローノ、ミリポアシグマ、EMDパフォーマンスマテリアルズとして事業を行っています。
メルクグループジャパンについて
日本における法人各社は次の通りです。
メルク株式会社、シグマアルドリッチジャパン合同会社、バイオリライアンス株式会社、メルクエレクトロニクス株式会社、メルクパフォーマンスマテリアルズ合同会社、ヴェルサムマテリアルズ・ジャパン株式会社、メルクバイオファーマ株式会社、メルクホールディングス合同会社。日本におけるメルクの活動はこちら https://www.merckgroup.com/jp-ja をご覧ください。