量子・A I融合技術ビジネス開発グローバル研究センター設立について
[23/07/27]
提供元:PRTIMES
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産業界への総合的な支援を担う拠点形成を目指して
・量子・A I融合技術ビジネス開発グローバル研究センターを7月27日に設立
・三つのテーマの研究開発と人材育成に取り組み、新たな融合計算技術の社会実装を推進する
・世界に先駆けたビジネス開発およびグローバルビジネスエコシステムの構築を目指す
[画像1: https://prtimes.jp/i/113674/29/resize/d113674-29-8f5863ede7888c6dcf19-0.png ]
概 要
国立研究開発法人 産業技術総合研究所(以下「産総研」という)は、2023年7月27日に新たに量子・A I融合技術ビジネス開発グローバル研究センター(略称:G-QuAT)を設立しました。
情報技術の進展により、大規模データを高速かつ効率的に解析処理する新たな技術開発の必要性が高まっています。本研究センターでは、そのような情報処理技術に適した量子コンピューティング技術とAI等の古典コンピューティング技術の相互補完的な利用による高度な融合計算技術を確立し、この新たな融合計算技術の社会実装を目指して、量子コンピューターを活用したユースケースを創出します。これにはさまざまな融合方法がありますが、例えば、量子コンピューターが得意とする組合せ最適化計算と、予測を得意とする機械学習を組み合わせることで、交通渋滞予測緩和や電力のデマンドレスポンスなどの予測最適化が可能となります。また、高品質な部素材の安定供給を目指した評価方法の開発や、その標準化をけん引します。量子デバイスの開発については、これまでに産総研が行ってきた量子ビットの大規模集積化に向けた開発を推進します。これらの取り組みにより、本研究センターが新たな融合計算技術の社会実装を推進し、経済社会課題解決・新市場創出、その利益による次の市場開拓というグローバルビジネスエコシステムの構築を目指していきます。
設立の背景
新たな融合計算技術は、多くの社会課題解決に資する代表的な先端技術であり、国際的に開発競争が激化する中、経済安全保障の観点からも、日本が他国に先んじて保有すべき重要技術です。内閣府の統合イノベーション戦略推進会議で公開された「量子未来社会ビジョン(令和4年4月)」に基づき、日本を新たな融合計算技術の産業利用の国際的なハブとするために、グローバル企業やスタートアップの巻き込みも念頭におき、新たな融合計算技術の産業化に関するグローバルな開発を行う拠点の創出が「量子未来産業創出戦略(令和5年4月)」において表明されました。その結果、日本においても新たな融合計算技術の社会実装への取り組みへの機運が高まってきました。これを受け産総研は、次の市場開拓活動につながるグローバルビジネスエコシステムを構築することで日本の量子技術に関する優位性を確保し、新たな融合計算技術の社会実装による新市場創出と社会課題の解決を目的とする研究拠点を作る準備を進めてきました。
量子・A I融合技術ビジネス開発グローバル研究センターの組織概要
本研究センターで取り組む新たな融合計算技術は、世界的に高い注目を集める研究開発分野です。関連する技術分野は多岐にわたり、かつ国際的に開発競争が激化しています。世界に先駆けたビジネス開発に向けた研究開発を実施するためには、既存の研究分野の垣根を越えて、機動的に研究活動を行う必要があります。そのため本研究センターは、産総研で実施する全ての研究分野を統括する研究開発責任者の直下に設置され、六つの「研究チーム」および企画管理を行う「企画室」から構成される組織としました。
[画像2: https://prtimes.jp/i/113674/29/resize/d113674-29-33bb733d51bfb4a98f8f-1.png ]
量子・A I融合技術ビジネス開発グローバル研究センターの研究内容
本研究センターでは、主に以下の三つのテーマを中心に研究開発を行います。一つ目は、新たな融合計算技術のユースケース創出です。量子シミュレーターなどの実行に適したGPUスーパーコンピューター(ABCI-Q)を新たに設置し、量子・古典アニーリングマシンや量子コンピューターシミュレーターを統合したクラウド環境を整備し、ユーザー企業と連携して研究開発に取り組みます。二つ目は、企業による製品化、サプライチェーンの強靱化です。最大1000量子ビット対応の大規模量子ハードウエア(量子アニーリングマシン・量子コンピューター)の低温評価システムを整備し、企業によるインテグレーション、動作評価を行える場を整備するとともに、低温(10 mK)〜室温において、部素材の評価を可能とする設備を整備し、企業が開発した部品・部素材の評価・認証と標準化を行います。三つ目は、量子ビットの大規模集積化です。具体的には、量子デバイス試作のためのプラットフォームを整備するとともに、量子アニーリングマシン用デバイスの開発、3次元パッケージングによる100量子ビット以上の実装技術の開発、シリコン量子ビットを集積化する技術の開発、誤り耐性量子コンピューター用量子ビット回路の研究開発を行います。
今後の予定
本研究センターでは、量子ビットの大規模集積化に向けた研究開発を行うとともに、高品質な部素材を安定供給するための評価方法の開発や、その標準化をけん引することで、新たな融合計算技術の社会実装を推進して、経済社会課題解決・新市場創出、その利益による次の市場開拓というグローバルビジネスエコシステムの構築を目指します。加えて、国際的プレゼンスを高めるための戦略策定に向けて、国際的で多角的な視点から助言・提言や支援を行うことを目的とした国際アドバイザリーボードを設置し、新たな融合計算技術に関するサービス提供に関わる国内外企業との連携を進め、新たな融合計算技術とその産業化にたけた世界レベルの人材育成の拠点を形成します。
・量子・A I融合技術ビジネス開発グローバル研究センターを7月27日に設立
・三つのテーマの研究開発と人材育成に取り組み、新たな融合計算技術の社会実装を推進する
・世界に先駆けたビジネス開発およびグローバルビジネスエコシステムの構築を目指す
[画像1: https://prtimes.jp/i/113674/29/resize/d113674-29-8f5863ede7888c6dcf19-0.png ]
概 要
国立研究開発法人 産業技術総合研究所(以下「産総研」という)は、2023年7月27日に新たに量子・A I融合技術ビジネス開発グローバル研究センター(略称:G-QuAT)を設立しました。
情報技術の進展により、大規模データを高速かつ効率的に解析処理する新たな技術開発の必要性が高まっています。本研究センターでは、そのような情報処理技術に適した量子コンピューティング技術とAI等の古典コンピューティング技術の相互補完的な利用による高度な融合計算技術を確立し、この新たな融合計算技術の社会実装を目指して、量子コンピューターを活用したユースケースを創出します。これにはさまざまな融合方法がありますが、例えば、量子コンピューターが得意とする組合せ最適化計算と、予測を得意とする機械学習を組み合わせることで、交通渋滞予測緩和や電力のデマンドレスポンスなどの予測最適化が可能となります。また、高品質な部素材の安定供給を目指した評価方法の開発や、その標準化をけん引します。量子デバイスの開発については、これまでに産総研が行ってきた量子ビットの大規模集積化に向けた開発を推進します。これらの取り組みにより、本研究センターが新たな融合計算技術の社会実装を推進し、経済社会課題解決・新市場創出、その利益による次の市場開拓というグローバルビジネスエコシステムの構築を目指していきます。
設立の背景
新たな融合計算技術は、多くの社会課題解決に資する代表的な先端技術であり、国際的に開発競争が激化する中、経済安全保障の観点からも、日本が他国に先んじて保有すべき重要技術です。内閣府の統合イノベーション戦略推進会議で公開された「量子未来社会ビジョン(令和4年4月)」に基づき、日本を新たな融合計算技術の産業利用の国際的なハブとするために、グローバル企業やスタートアップの巻き込みも念頭におき、新たな融合計算技術の産業化に関するグローバルな開発を行う拠点の創出が「量子未来産業創出戦略(令和5年4月)」において表明されました。その結果、日本においても新たな融合計算技術の社会実装への取り組みへの機運が高まってきました。これを受け産総研は、次の市場開拓活動につながるグローバルビジネスエコシステムを構築することで日本の量子技術に関する優位性を確保し、新たな融合計算技術の社会実装による新市場創出と社会課題の解決を目的とする研究拠点を作る準備を進めてきました。
量子・A I融合技術ビジネス開発グローバル研究センターの組織概要
本研究センターで取り組む新たな融合計算技術は、世界的に高い注目を集める研究開発分野です。関連する技術分野は多岐にわたり、かつ国際的に開発競争が激化しています。世界に先駆けたビジネス開発に向けた研究開発を実施するためには、既存の研究分野の垣根を越えて、機動的に研究活動を行う必要があります。そのため本研究センターは、産総研で実施する全ての研究分野を統括する研究開発責任者の直下に設置され、六つの「研究チーム」および企画管理を行う「企画室」から構成される組織としました。
[画像2: https://prtimes.jp/i/113674/29/resize/d113674-29-33bb733d51bfb4a98f8f-1.png ]
量子・A I融合技術ビジネス開発グローバル研究センターの研究内容
本研究センターでは、主に以下の三つのテーマを中心に研究開発を行います。一つ目は、新たな融合計算技術のユースケース創出です。量子シミュレーターなどの実行に適したGPUスーパーコンピューター(ABCI-Q)を新たに設置し、量子・古典アニーリングマシンや量子コンピューターシミュレーターを統合したクラウド環境を整備し、ユーザー企業と連携して研究開発に取り組みます。二つ目は、企業による製品化、サプライチェーンの強靱化です。最大1000量子ビット対応の大規模量子ハードウエア(量子アニーリングマシン・量子コンピューター)の低温評価システムを整備し、企業によるインテグレーション、動作評価を行える場を整備するとともに、低温(10 mK)〜室温において、部素材の評価を可能とする設備を整備し、企業が開発した部品・部素材の評価・認証と標準化を行います。三つ目は、量子ビットの大規模集積化です。具体的には、量子デバイス試作のためのプラットフォームを整備するとともに、量子アニーリングマシン用デバイスの開発、3次元パッケージングによる100量子ビット以上の実装技術の開発、シリコン量子ビットを集積化する技術の開発、誤り耐性量子コンピューター用量子ビット回路の研究開発を行います。
今後の予定
本研究センターでは、量子ビットの大規模集積化に向けた研究開発を行うとともに、高品質な部素材を安定供給するための評価方法の開発や、その標準化をけん引することで、新たな融合計算技術の社会実装を推進して、経済社会課題解決・新市場創出、その利益による次の市場開拓というグローバルビジネスエコシステムの構築を目指します。加えて、国際的プレゼンスを高めるための戦略策定に向けて、国際的で多角的な視点から助言・提言や支援を行うことを目的とした国際アドバイザリーボードを設置し、新たな融合計算技術に関するサービス提供に関わる国内外企業との連携を進め、新たな融合計算技術とその産業化にたけた世界レベルの人材育成の拠点を形成します。