2020年第3四半期台湾再生エネルギー産業の振り返りと今後の展望<ワイズ機械業界ジャーナル11月第4週号発行>
[20/11/26]
提供元:PRTIMES
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〜台湾機械業界の動向が分かる〜
ワイズコンサルティング グループ(本社:中華民国台北市、代表取締役:吉本康志)は台湾機械業界専門誌「ワイズ機械業界ジャーナル」の11月第4週号を発行しました。今週号では、エネルギー業界、手動工具業界、エアシリンダメーカーの台湾気立(CHELIC)、台湾工作機械部品の輸出入速報について紹介します。
[画像1: https://prtimes.jp/i/59899/30/resize/d59899-30-211592-0.png ]
<201126号内容案内>
[表: https://prtimes.jp/data/corp/59899/table/30_1.jpg ]
●今週号の記事を一部紹介します。
台湾再生エネルギー産業の振り返りと今後の展望—2020年第3四半期
一、産業概況
太陽光発電は台湾の新エネルギー産業において最大の産業である。2020年の世界太陽光発電市場は新型コロナウイルス感染症の流行によって打撃を受け、規模が縮小した。感染状況が落ち着いた後、各国が太陽光発電装置の新設を促進する政策を打ち出しており、今後市場の回復が期待される。台湾太陽光発電産業はサプライチェーンの回復と、地面設置型発電所の工事が第3四半期にずれ込んだことから、20年第3四半期の生産額が前期比14.2%成長した。下半期は関連政策によって市場の需要が回復し、生産額は上半期を上回るとみられ、20年通年の生産額は555億台湾元に達する見通しだ。
風力発電産業は第3四半期、世界市場の需要が依然として強く、風力発電機システムの原材料及び部品の需要が拡大したことに加えて、メーカーの新設生産ラインの出荷量も増加した。一方、台湾風力発電市場は洋上発電が中心で、第3四半期はトランジションピースと水中基礎部分の組み立てが完成して各顧客に出荷された。このため、2020年第3四半期の台湾風力発電産業の生産額は前期比48.5%増、前年同期比123.2%増の108億7,000万台湾元となった。
その他新エネルギー産業には、燃料電池とバイオ燃料産業がある。このうち、燃料電池産業は部品メーカーが中心で、電力供給システムや燃料電池自動車向けの部品などを生産する。第3四半期の燃料電池産業は、新型コロナウイルスの感染流行を受けて受注が遅延し、生産額は前期比4.7%減の7億1,000万台湾元に落ち込んだ。バイオ燃料産業は、台湾は新型コロナウイルスの影響が少なかったことに加えて、海外での需要が拡大したことから、第3四半期の生産額は前期比18.8%増の1,800億台湾元だった。第3四半期のその他新エネルギー産業の生産額は、合計7億3,000万台湾元となった。
第3四半期の台湾新エネルギー産業の生産額は合計271億6,000万台湾元で、前期比25%増、前年同期比37.1%増だった。
[画像2: https://prtimes.jp/i/59899/30/resize/d59899-30-770187-1.png ]
二、2020年第3四半期の重大トピック
1)晶科能源が610WのN型TOPCon高効率電池モジュールを発表
中国の晶科能源(Jinko Solar)はSNEC2020上海で610WのN型電池モジュールを発表した。同製品はN型HOT2.0高効率電池技術によって変換効率を24.79%まで引き上げることに成功しており、積層技術によって電池間の隙間を減らし、全体的な発電能力を高めてコストを抑えている。
高効率の太陽光発電製品を開発すべく、中国メーカー各社は新技術を導入して新しい最適な組み合わせを模索している。現在、太陽光発電製品は電池本体の変換効率の向上とモジュール設計の改良を同時に行って、モジュール全体の出力を引き上げることで高効率化を進めている。台湾では茂迪(モテック・インダストリーズ)などのメーカーがTOPCon技術による大量生産を目指しているが、モジュールの販売はブランド知名度に大きく左右されることに加えて、生産規模では中国大手メーカーに強みがあるため、モテック・インダストリーズは量産後も国際市場において晶科能源など同業他社の脅威に直面することとなるだろう。
2)パナソニックが中国GSソーラーとの協業中止
パナソニックは2019年5月に太陽光エネルギー研究開発部門を子会社化し、中国のGSソーラー(福建省)と共同でHJT電池の研究開発と販売を行って、マレーシアの子会社Sun Everywhereに譲渡する計画を進めていた。しかし、出資期限を過ぎても提携の必要条件を満たさなかったため、協業の中止を発表した。
台湾でHJT電池を生産しているのは、聯合再生能源(URE)だ。同社は日本企業と共同開発を行っており、自社ブランドはまだない。パナソニックとGSソーラーの協業中止がHJT電池市場に影響し、パナソニック以外のメーカーのシェア拡大に有利な状況となるだろう。
三、今後の展望
太陽光発電産業
2020年第1四半期は新型コロナウイルスの感染拡大を受けて生産額が大幅減少したが、中国のサプライチェーン回復に加え、台湾で大規模な地面設置型発電所に有利な政策が実施されて電池及びモジュールの出荷量が成長したことが、上半期の生産額減少を補う見込みだ。20年通年の台湾太陽光発電産業の生産額は278億9,000万台湾元で、前年比4.42%の小幅成長となると予測される。
風力発電産業
2020年の風力発電機新設台数は予測を上回って成長した。これによって中国および欧米の風力発電機システムメーカーの部品需要が拡大し、▽ブレード用樹脂▽炭素繊維▽鉄鋼鋳造部品▽電機設備──などの出荷が前年を上回った。台湾市場では、洋上風力発電場の設置が多くの新興メーカーの参入を促進しており、水中基礎や陸上変電場などに関連する原材料や部品、組立メーカーが今年の生産額に貢献するだろう。現在、いくつかのメーカーの生産ラインが稼働開始し、発電所へ製品を出荷している。20年通年の台湾風力発電産業の生産額は342億5,000万台湾元で、前年比101.9%の大幅成長となる見通しだ。
その他産業
世界では現在、水素エネルギー関連技術とインフラが重視されており、各国も資源を投入するようになったため、燃料電池市場は世界的に縮小している。このため、2020年の台湾燃料電池産業の生産額は28億7,000万台湾元にとどまるとみられる。さらに、新型コロナウイルスの影響で燃料需要が減少しており、20年の台湾バイオ燃料産業の生産額も低迷すると予測される。
<ワイズ機械業界ジャーナルとは>
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【会社概要】
会社名:ワイズコンサルティング グループ
所在地:中華民国台北市襄陽路9號8F
代表者:吉本康志
設立:1996年11月
URL:https://www.ys-consulting.com.tw/
事業内容:
・経営コンサルティング(人事労務・マーケティング・経営戦略・情報セキュリティ)
・人材トレーニング(階層別研修・職種別研修)
・日本語台湾経済ニュース、機械業界ジャーナル配信
・市場調査・業界調査・顧客調査
・クラウドサービスの販売
【お客様からのお問い合わせ先】
ワイズコンサルティング
TEL:+886-22381-9711(日本時間10:00〜19:00)
e-mail:research@ys-consulting.com
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●今週号の記事を一部紹介します。
台湾再生エネルギー産業の振り返りと今後の展望—2020年第3四半期
一、産業概況
太陽光発電は台湾の新エネルギー産業において最大の産業である。2020年の世界太陽光発電市場は新型コロナウイルス感染症の流行によって打撃を受け、規模が縮小した。感染状況が落ち着いた後、各国が太陽光発電装置の新設を促進する政策を打ち出しており、今後市場の回復が期待される。台湾太陽光発電産業はサプライチェーンの回復と、地面設置型発電所の工事が第3四半期にずれ込んだことから、20年第3四半期の生産額が前期比14.2%成長した。下半期は関連政策によって市場の需要が回復し、生産額は上半期を上回るとみられ、20年通年の生産額は555億台湾元に達する見通しだ。
風力発電産業は第3四半期、世界市場の需要が依然として強く、風力発電機システムの原材料及び部品の需要が拡大したことに加えて、メーカーの新設生産ラインの出荷量も増加した。一方、台湾風力発電市場は洋上発電が中心で、第3四半期はトランジションピースと水中基礎部分の組み立てが完成して各顧客に出荷された。このため、2020年第3四半期の台湾風力発電産業の生産額は前期比48.5%増、前年同期比123.2%増の108億7,000万台湾元となった。
その他新エネルギー産業には、燃料電池とバイオ燃料産業がある。このうち、燃料電池産業は部品メーカーが中心で、電力供給システムや燃料電池自動車向けの部品などを生産する。第3四半期の燃料電池産業は、新型コロナウイルスの感染流行を受けて受注が遅延し、生産額は前期比4.7%減の7億1,000万台湾元に落ち込んだ。バイオ燃料産業は、台湾は新型コロナウイルスの影響が少なかったことに加えて、海外での需要が拡大したことから、第3四半期の生産額は前期比18.8%増の1,800億台湾元だった。第3四半期のその他新エネルギー産業の生産額は、合計7億3,000万台湾元となった。
第3四半期の台湾新エネルギー産業の生産額は合計271億6,000万台湾元で、前期比25%増、前年同期比37.1%増だった。
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二、2020年第3四半期の重大トピック
1)晶科能源が610WのN型TOPCon高効率電池モジュールを発表
中国の晶科能源(Jinko Solar)はSNEC2020上海で610WのN型電池モジュールを発表した。同製品はN型HOT2.0高効率電池技術によって変換効率を24.79%まで引き上げることに成功しており、積層技術によって電池間の隙間を減らし、全体的な発電能力を高めてコストを抑えている。
高効率の太陽光発電製品を開発すべく、中国メーカー各社は新技術を導入して新しい最適な組み合わせを模索している。現在、太陽光発電製品は電池本体の変換効率の向上とモジュール設計の改良を同時に行って、モジュール全体の出力を引き上げることで高効率化を進めている。台湾では茂迪(モテック・インダストリーズ)などのメーカーがTOPCon技術による大量生産を目指しているが、モジュールの販売はブランド知名度に大きく左右されることに加えて、生産規模では中国大手メーカーに強みがあるため、モテック・インダストリーズは量産後も国際市場において晶科能源など同業他社の脅威に直面することとなるだろう。
2)パナソニックが中国GSソーラーとの協業中止
パナソニックは2019年5月に太陽光エネルギー研究開発部門を子会社化し、中国のGSソーラー(福建省)と共同でHJT電池の研究開発と販売を行って、マレーシアの子会社Sun Everywhereに譲渡する計画を進めていた。しかし、出資期限を過ぎても提携の必要条件を満たさなかったため、協業の中止を発表した。
台湾でHJT電池を生産しているのは、聯合再生能源(URE)だ。同社は日本企業と共同開発を行っており、自社ブランドはまだない。パナソニックとGSソーラーの協業中止がHJT電池市場に影響し、パナソニック以外のメーカーのシェア拡大に有利な状況となるだろう。
三、今後の展望
太陽光発電産業
2020年第1四半期は新型コロナウイルスの感染拡大を受けて生産額が大幅減少したが、中国のサプライチェーン回復に加え、台湾で大規模な地面設置型発電所に有利な政策が実施されて電池及びモジュールの出荷量が成長したことが、上半期の生産額減少を補う見込みだ。20年通年の台湾太陽光発電産業の生産額は278億9,000万台湾元で、前年比4.42%の小幅成長となると予測される。
風力発電産業
2020年の風力発電機新設台数は予測を上回って成長した。これによって中国および欧米の風力発電機システムメーカーの部品需要が拡大し、▽ブレード用樹脂▽炭素繊維▽鉄鋼鋳造部品▽電機設備──などの出荷が前年を上回った。台湾市場では、洋上風力発電場の設置が多くの新興メーカーの参入を促進しており、水中基礎や陸上変電場などに関連する原材料や部品、組立メーカーが今年の生産額に貢献するだろう。現在、いくつかのメーカーの生産ラインが稼働開始し、発電所へ製品を出荷している。20年通年の台湾風力発電産業の生産額は342億5,000万台湾元で、前年比101.9%の大幅成長となる見通しだ。
その他産業
世界では現在、水素エネルギー関連技術とインフラが重視されており、各国も資源を投入するようになったため、燃料電池市場は世界的に縮小している。このため、2020年の台湾燃料電池産業の生産額は28億7,000万台湾元にとどまるとみられる。さらに、新型コロナウイルスの影響で燃料需要が減少しており、20年の台湾バイオ燃料産業の生産額も低迷すると予測される。
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