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オリコン 運転支援システムに関するトレンド調査

「自動ブレーキ機能」の存在を知っている人は79.6% 一方、約2人に1人がその性能に違いがあることを知らないという結果に

82.7%が「ヒヤリ・ハット」を経験、その中でも歩行者、自転車の飛び出しによるものが半数以上!
「自動ブレーキ機能」の存在を知っている人は79.6%も、性能に違いがあることを知らない人が約2人に1人
〜運転支援システムを正しく知って、高齢化に備えを〜




[画像: http://prtimes.jp/i/7103/31/resize/d7103-31-844218-0.jpg ]



この10年、自動車の安全性能が向上したこともあり、交通事故は減り続けています。しかし、その中で目立つのが高齢者による交通事故のニュースです。特に高齢者が事故の加害者になるケースが増えています。理由は一概には言えませんが、高齢になって運転機能が低下することも要因としてあるようです。今後、高齢化社会が進む中で、さらに事故が増える可能性が予想され、対策が求められます。その一つとして大きく注目を集めているのが、自動車に搭載されはじめた運転支援システムです。中でも「自動ブレーキ機能」などは、事故回避への高い期待が寄せられています。しかし、システムは、正しく理解してこそ、その役割を果たすものです。この点で、運転支援システムに対しては、誤った理解が過信を引き起こすことを懸念する声もマスコミや専門家の間で聞かれます。

オリコンでは、5月20日の「交通事故死ゼロを目指す日」に向け、運転免許を保有する全国の10〜60代の男女1000名を対象に、「運転支援システムに対する認知・理解度調査」を実施、あわせて専門家の方に運転支援システムの正しい知識と将来性についてお伺いしました。

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【調査結果と傾向】
1. 82.7%が「ヒヤリ・ハット」を経験、その中でも歩行者、自転車の飛び出しによるものが半数以上!

2.「自動ブレーキ機能」の存在を知っている人は79.6%

次に車を購入する際、本機能を搭載した車が欲しいという人は78.3%

3.「自動ブレーキ機能」の性能に違いがあることを“知らない人”が46%

人、自転車などどのような対象に対しても作動すると考えている人が33.7%も

4.自動車評論家 まるも亜希子氏/「日経Automotive」編集長 林達彦氏

「自動ブレーキ機能の性能にはメーカーや車種ごとに大きな差異がある」

5.専門家注目の運転支援システム、国産メーカーは「スバル」(富士重工業)、海外は「ボルボ」

6.まるも氏/林氏「今後、全車両に搭載されることによって、事故発生数の軽減が期待される」
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1.82.7%が「ヒヤリ・ハット」を経験、
その中でも歩行者、自転車の飛び出しによるものが半数以上!

そもそも運転支援システムが活きるような場面をどの程度の人が経験しているのでしょうか。これを調べるために、運転中の「ヒヤリ・ハット」の経験を尋ねたところ、実に82.7%が「ある」と答えました。ほとんどの人が、経験しており、道路上では、衝突の危険が非常に高い頻度で発生していることがわかります。
その危険を感じたことがあるシチュエーションとして最も多かったのは、「歩行者が飛び出したとき」で56.1%があげています。次いで「強引な割り込み・追い抜きをされたとき」が52.1%、「自転車が飛び出したとき」が50.2%で続いており、過半数を越えた上位3つがいずれも前方の衝突に対する危険につながるものでした。

2.「自動ブレーキ機能」の存在を知っている人は79.6%! 次に車を購入する際、本機能を搭載した車が欲しいという人も78.3%!

そこで運転支援システムの中でも認知度が56.2%と一番高かった自動ブレーキ機能について尋ねてみました。結果、自動ブレーキ機能を「知っている」37.6%、「なんとなく知っている」42.0%で、あわせて79.6%が「知っている」と答えています。このところ、マスコミなどでも取り上げられる機会が多く、自動ブレーキ機能に対する認知は高まっているようです。
需要も高まっており、自動ブレーキ機能を知っていると答えた人に対し、次に車を購入するなら、自動ブレーキ機能が搭載された車が欲しいと思うかを尋ねたところ、欲しいと考える人が78.3%とこちらも8割近い数字を占めました。
欲しい理由としては、「アクセルとブレーキの踏み間違えが怖いから」(女性50代/山口県)など日頃の運転に対する不安を和らげたいというものが多く見受けられましたが、中には、「その機能があれば防げた事故を起こしたことがあるから」(男性30代/大阪府)といった実際の事故経験から必要度を感じている方もいました。さらに、「こちらも歳を取っていくので反応が鈍くなると思う。そこを 補ってくれるような気がする。」(女性50代/広島県)など、高齢になることによって起きる自らの運転技能の低下に対する不安が ニーズを後押ししている姿も見られます。

3.自動ブレーキ機能の性能に違いがあることを“知らない人”が46%!
人、自転者などどのような対象に対しても作動すると考えている人が33.7%も

では、自動ブレーキ機能の中身については、どの程度理解しているのでしょうか?自動ブレーキ機能の存在を知っていると答えた796人を対象に質問しました。まず自動ブレーキ機能で回避できる危険にどんなものがあるかを尋ねたところ、「前方車の急ブレーキ」をあげた人が57.5%、「歩行者との衝突」「自転車との衝突」をそれぞれあげた人が40.2%を占めました。さらに、自動ブレーキ機能は、「人、自転車、その他障害物」など、どのような対象物に対しても作動すると考えている人が33.7%いました。

しかし、これらは、各車自動車メーカーが搭載している自動ブレーキ機能によって大きく差異がある部分で、歩行者や自転車に対して機能しないシステムが多くある中、そのことを知らずに過信していると、大きな事故にもつながりかねません。そもそも、自動ブレーキ機能を搭載している自動車でも、機能の性能に違いがあることを知らない人が46%を占めています。

4.自動車評論家 まるも亜希子氏/「日経Automotive」編集長 林達彦氏「自動ブレーキ機能の性能にはメーカーや車種ごとに大きな差異がある」

では、実際のところ、自動ブレーキ機能にはどの程度の差異があるのでしょうか?自動車評論家のまるも亜希子氏に伺いました。「自動ブレーキ機能とひと口に行っても、自動車によってその機能はまるで違います。大きな違いを生み出しているのが前方のセンシング方式です。ミリ波レーダーや赤外線レーダー、カメラ方式があり、それぞれ長所と短所を持っています。ミリ波レーダーは、高速走行に向いており、天候や明るさなどに左右されにくいですが、障害物の形や大きさを判別するのは不得意です。赤外線レーダーは、低コストでコンパクトな構造が強みですが、監視できる距離が短く、高い速度域では作動が難しいという弱みを持ちます。カメラ方式、特に2台のカメラを使用するステレオカメラ方式は、障害物が車両なのか歩行者なのか、あるいは自転車なのかを詳しく判別することが可能で、車線や道路標識を読み取ることもできます。以前は、逆光や霧などの悪環境での作動に 難がありましたが、これも最近は改善されています。これらのセンシング方式のどれが採用されているかは、メーカーによっても違いますし、車種によっても違います」と、自動ブレーキ機能を搭載していても、その機能は自動車によって大きく違うとのことです。
しかし、今回の調査からもこの点、理解が進んでいない現状があるようで、「日経Automotive」編集長の林達彦氏も、「タイプを大きく分けていると、車両だけを検知するものと、歩行者や自転車なども検知できるものがあるし、各メーカーによって、作動する条件、例えば速度範囲や対象物などが違うが、ユーザーがそれを把握できているか疑問」と懸念の声をあげます。安全向上のために開発された自動ブレーキ機能も誤った理解で使用すると、かえって危険を軽く見る結果となりかねません。 交通事故死のゼロを目指す、春の交通安全運動の一つとして、この理解を高めていくことも大切ではないでしょうか。

5.専門家が最も注目する「運転支援システム」は、国内メーカーでは「スバル」(富士重工業)、海外メーカーでは「ボルボ」

機能性能に違いがあることを正しく認識すれば、次に気になるのは、ではどの自動ブレーキ機能がより安全性が高いかということです。この点についても、まるも亜希子氏、林達彦氏にお伺いしたところ、お二方とも同じメーカーをあげました。

【まるも亜希子氏】
注目しているのは、高い速度域で作動するものや、実際に事故率が高いシーンで効果を発揮するものです。予防安全性能アセスメント(JNCAP)の予防安全性能評価では、スバル(富士重工業)のアイサイトはすべての評価車種で満点に近い得点をあげ、最高ランクを獲得しています。スバル(富士重工業)のアイサイトは、ステレオカメラ方式を採用しており、これまで識別が難しかった動く歩行者や、自転車、バイクも識別できるため、大きな期待を寄せています。
また、ボルボが開発した自動ブレーキ機能は、事故率が非常に高い交差点における出会い頭での衝突を防止するもので、画期的だと思います。

【林達彦氏】
車両だけでなく、歩行者や自動車などを検出でき、かつ高い精度でブレーキが機能するものがより事故を低減できるとみています。 その点、スバル(富士重工業)と、ボルボ社の自動ブレーキ機能が、「日経Automotive」が実施した「ぶつからないクルマ実車試験」で、最高ランクに入りました。

6.今後、全車両に搭載されることによって、事故発生数の軽減が期待される

最後に、技術がさらに進む中で、運転支援システムがどのように進化していくか、今後の予想をお二方にお伺いしました。
【まるも亜希子氏】
近い将来には、性能差はあっても全車にこのシステムが搭載されるでしょう。作動する速度域も高くなってきて、高速道路などでの 大きな衝突事故が軽減されるのではという期待があります。そして、ABSやエアバッグの有無で保険料が変わったように、自動車の任意保険にも割引が適用されるようになるのではないでしょうか。 また、運転支援システムには数多くの機能が追加されてきているので、高齢者が運転できる期間が延びたり、将来的には免許取得年齢を現在の18歳から引き下げることも検討できるかもしれません。

【林達彦氏】
日本で大型バスやトラックへの自動ブレーキ機能の搭載が義務化されたことで、関越道でのバス事故のような重大事故が減ることが期待できます。また、こうした機能が普及し、運転支援システムが発展していくと、半自動運転(高速道路や渋滞時などでの手放しでの運転)が進む可能性もあります。さらに技術が発展すれば、完全な自動運転に向かうでしょう。ただし、法整備や道路インフラ、事故時の責任の所在などの課題もあり、完全な自動運転がすぐに実現するかはわかりません。


詳細はWEB ORICON STYLE
「運転中の“ヒヤリ・ハット”を未然に防ぐ! 知っているようで知らない、自動車「自動ブレーキ機能」の進化」をご覧ください
URL :http://www.oricon.co.jp/special/2015/automatic-brake/index.html
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