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【値上げ】2年でどこまで変わったか?油カテゴリの動向をウォッチ

勢力図が変わる兆しを発見…!

【油の値上げ】価格差が縮小!このまま値上げが続けば買い替えが加速か!?
2023年までのここ数年、消費財や食品といった、私たちにとって必需品に近い日用品の値上げが相次いでいます。家計への影響は無視できるものではありません。
カタリナマーケティングジャパンは、自社に集積された年間売上10兆円分にも及ぶスーパー・GMS・ドラッグストアの売上データから、値上げと購入金額の実態をレポート、消費の現場がどのような変化を迎えようとしているのかレポートします。




[画像1: https://prtimes.jp/i/41311/31/resize/d41311-31-8053b6c8b5ba13576ce4-0.jpg ]

今回お伝えするのは、キャノーラ油やオリーブオイルといった「油」カテゴリの購入金額の変化です。ここ数年の変化を見てみると、油の利用が大きく変化する可能性があることがわかりました。

平均購入単価差が縮小!このまま値上げが続けば買い替えが加速する可能性も…!?
平均購入単価変化(2021/05-2023/05比較)

[画像2: https://prtimes.jp/i/41311/31/resize/d41311-31-94d92bf25e6ae99da5ff-1.jpg ]


油類カテゴリの平均購入単価を2021年5月と2023年5月で比較した表です。キャノーラ油が63.7%と上昇しており、コーン/ベニバナ油が28%と増加している一方で、他のカテゴリは10%前後上昇、サラダ油に関しては-3.9%と平均購入単価が下がっており、カテゴリ間の価格差が小さくなっています。

キャノーラ油との価格差が縮まってきている

[画像3: https://prtimes.jp/i/41311/31/resize/d41311-31-9ca016b8b622adefbb9a-2.jpg ]


2021年5月と2023年5月のキャノーラ油と健康油の価格差は129円から23円、キャノーラ油とサラダ油との価格差は259円から100円に縮まりました。これにより、購入のハードルが下がり、キャノーラ油から健康油へとブランドスイッチが起こってゆく可能性があります。

100gあたりの平均購入単価の変化
こちらは、平均購入単価の変化を、100gあたりに算出しなおしたものです。

[画像4: https://prtimes.jp/i/41311/31/resize/d41311-31-31dec772ac9992fc67a5-3.jpg ]


購入金額(百万円:左軸)、購入数量(万個:右軸)
こちらは、油類の購入金額(青色)と購入数量(オレンジ)を2021年5月から2023年5月まで月別で表したグラフです。

[画像5: https://prtimes.jp/i/41311/31/resize/d41311-31-22f2cd02517654278f20-4.jpg ]


2021年5月と2023年5月の購入金額を比較すると105.1%と市場規模は拡大しているものの、2021年5月と2023年5月の購入数量を比較すると83.3%と減少しています。それは商品の平均購入単価が上昇していることで、購入数量が減っても購入金額は上昇した、ということになりました。

キャノーラ油から健康油・サラダ油への買い替えが起こってゆく?
購入金額、購入者数、カテゴリ購入金額の変化(2021年5月 vs 2023年5月)
縦軸:購入金額 横軸:購入人数 円の大きさ:購入金額

[画像6: https://prtimes.jp/i/41311/31/resize/d41311-31-88701a0a4ee7cab5f217-5.jpg ]


これは各カテゴリの2021年5月と2023年5月の購入金額(縦軸)、購入者数(横軸)、カテゴリ購入金額(円の大きさ)を表したグラフです。また、各円に青い枠線があるのが2023年、ないのが2021年となっています。

購入人数を見ると、サラダ油、健康油が増加している一方でその他は減少しており、特にキャノーラ油の減少幅が大きくなっています。購入金額は、サラダ油・健康油で増加していますが、他は減少しています。
前で述べたとおり、キャノーラ油とサラダ油・健康油の価格差は縮まってきており、その利用シーンが似ていることから、キャノーラ油からサラダ油・健康油への買い替え、ブランドスイッチが起こっていく可能性が考えられます。しかし、キャノーラ油からサラダ油・健康油への流出がどの程度あるか確認したところ、現時点では、目立った変化は確認できませんでした。要するに、現段階ではキャノーラ油が大きく買い控えられているという状態です。しかし、キャノーラ油が価格優位性を失った現状が継続すると、やはりサラダ油・健康油への買い替え、ブランドスイッチが起こる可能性が高まっていくと考えられます。

まとめ
・価格の上昇と共に購入数量は減少しているが、総購入金額は微増しており、油の市場規模そのものは変化していない。
・油カテゴリ内での価格の上昇幅の差が激しい。キャノーラ油は63.7%増、コーン/ベニバナ油は28%増、一方、サラダ油は-3.9%減。
・各油間の価格差が少なくなっており、日常的に使われる油が入れ替わる可能性が。

油カテゴリ全体では、価格の上昇と共に購入数量は減少していますが、平均購入単価の上昇の影響で、カテゴリ全体の購入金額はあまり変化していません。
カテゴリ別で見れば、キャノーラ油の平均購入単価が大きく上昇し、健康油やサラダ油との価格差が縮まった結果、キャノーラ油ユーザーにとっては健康油やサラダ油との価格差が許容できる程度になったことから、ブランドスイッチが起こる可能性が高まっています。油カテゴリは他に代替できる商品カテゴリが多くないため、油カテゴリ内での競争が強くなっていくと思われます。
カタリナ消費者総研では、引き続き、カテゴリの詳細な分析をする記事を複数回に分けてレポートします。次回記事をお待ちください。

付録
油カテゴリ内、各グループの購入数量と平均価格の変化グラフ

<キャノーラ油>
・2022年7月の購入価格の上昇から購入数量が減少

[画像7: https://prtimes.jp/i/41311/31/resize/d41311-31-507118b7ccb0faea2e98-6.jpg ]


2021年5月から2023年5月までのキャノーラ油購入価格の変化のグラフです。2022年8月の購入価格の上昇から購入数量が減少しています。購入価格がほぼ横ばいとなってからも購入数量は減少傾向。しかし、2023年5月の購入価格が少し減少したタイミングで、購入数量も上がっています。

<コーン/ベニバナ油>
・2023年の3月から購入価格が大きく上昇

[画像8: https://prtimes.jp/i/41311/31/resize/d41311-31-7a4657359967f8f2688f-7.jpg ]


2021年5月から2023年5月までのコーン/ベニバナ油の購入価格の変化のグラフです。2023年2月までは価格、購入価格、購入数量の変化はあまりありませんでしたが、3月に購入価格が上がってから、購入数量も減少しています。

<健康油>
・購入価格の変動ともに購入数量も変化

[画像9: https://prtimes.jp/i/41311/31/resize/d41311-31-f06c638a5e8e48ac2d44-8.jpg ]


2021年5月から2023年5月までの健康油の購入価格の変化のグラフです。購入価格はアップダウンを繰り返しながら、緩やか上昇傾向となっています。購入数量はその変化に連動して動いており、2023年1月からは上昇傾向となっています。

<オリーブ油>
・2022年5月から購入数量が減少

[画像10: https://prtimes.jp/i/41311/31/resize/d41311-31-5ae0dd839636b7bb7da8-9.jpg ]


2021年5月から2023年5月までのオリーブ油の購入価格の変化のグラフです。購入価格の変化は緩やかだが、2022年5月から購入数量は減少傾向が続いています。

<ごま油>
・購入価格はとても緩やかに上昇

[画像11: https://prtimes.jp/i/41311/31/resize/d41311-31-e4ccfa44c63aefc975fd-10.jpg ]


2021年5月から2023年5月までのごま油の購入価格の変化のグラフです。購入価格の変化は緩やかですが、2022年5月から購入数量は減少傾向が続いています。

<その他 油>
・購入価格はとても緩やかに上昇

[画像12: https://prtimes.jp/i/41311/31/resize/d41311-31-09ae8a2021b6ace58713-11.jpg ]


2021年5月から2023年5月までのごま油の購入価格の変化のグラフです。購入価格はとても緩やかに上昇していて、それに伴い購入数量も減少しています。

<サラダ油>
・購入価格の変動が大きく、それに伴い購入数量も大きく変化

[画像13: https://prtimes.jp/i/41311/31/resize/d41311-31-afa7c052a4d61f39b253-12.jpg ]


2021年5月から2023年5月までのサラダ油の購入価格の変化のグラフです。2022年1月から購入価格が減少し始め、それに伴い購入数量も上昇し、2022年9月に最も多くなっています。その後は、購入数量は減少傾向となっています。

カタリナマーケティングジャパンでお手伝いできること
価格を上げざるを得ず、結果として購入数量が減っている商品は、買い控えやより安価な代替商品へのスイッチが起こる可能性があります。それを恒常的な生活習慣として定着させない(ブランド離反防止)ため、カテゴリ内価格差を埋める施策(ターゲティングオファーなどによる流出の防止策)を実施することや、一度他の商品に流れてしまった消費者に再度手にとってもらうクーポニングなどの実施が考えられます。また、逆に価格差が縮まり、トライアル獲得のチャンスが訪れている商品は、サンプリングなどでまず商品の良さや味や価値を伝えることが、商品スイッチを検討してもらうために大切です。
カタリナマーケティングジャパンでは事実データに基づいて、各施策のサポートを行っております。お気軽にお問い合わせください。

カタリナ消費者総研の他レポートについて
カタリナ消費者総研の過去のレポートは下記URLからご覧いただけます。
https://jp.catalina.com/knowledge/

カタリナマーケティングジャパン株式会社について
国内最大規模の質と量を誇るID-POSデータをはじめ、レシートデータからなるデモグラデータなどの各種データを活用し、小売業様、メーカー様のマーケティング戦略立案・施策の実施をサポート。オンライン・オフライン問わずプロモーションやブランディング、企業の意思決定まで、あらゆるフェーズで実データに基づく最適解をお届けしています。
https://jp.catalina.com/
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