「あなたたち日本人。」―今年1年分の広告集計から見えてきた「一行」。『広告コピービッグデータ解析2016』発表
[16/11/21]
提供元:PRTIMES
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東京コピーライターズクラブ(以下TCC)は、一年間の広告に実際に使用された「広告コピー(キャッチフレーズ)」を分析、その特徴と傾向を明らかにすると共に、広告業界や世相を反映させたマッシュアップのコピーを生成し、『広告コピービッグデータ解析』として発表した。
第2回となる今回は、2016年TCC賞の選考対象となった広告コピー全8,199件が調査対象。そのうちCMに関してはひとつのセリフを1件の広告コピーとしてカウントし、分析対象はトータルで24,629件となった。
ビッグデータ解析では、調査対象の全広告コピーについて自然言語解析を実施。そこから「最も多く見られる広告コピーは4単語」から成り、その中で「最も多く見られる文章構造 は名詞―名詞―名詞―名詞」という結果を得た。さらに、語順・品詞別頻出単語トップ10から、文章が成立する単語を選出したところ、2016年を象徴する広告コピーとも言える、下記の一行が浮かび上がった。
[画像1: http://prtimes.jp/i/3505/32/resize/d3505-32-991477-3.jpg ]
※調査結果の詳細は、データ解析に協力した、かっこ株式会社の調査ページを参照。
http://cacco.co.jp/findings/tcc_2016
なお、語順・品詞別頻出単語トップ10一覧は次のとおり。
※背景色赤字が今年を象徴する広告コピーに利用した単語
[画像2: http://prtimes.jp/i/3505/32/resize/d3505-32-686424-1.jpg ]
品詞別の頻出単語の特徴としては、名詞の場合「人」「私」「あなた」が昨年同様にトップ3を占める一方で、「世界」「日本」が急上昇しランクインした。動詞の場合「する」「いる」「なる」「ある」までが不動のトップ4で、以下、順位変動はあるものの、トップ10の組み合わせは変わらなかった。また、形容詞の場合「おいしい」「よい」「悪い」の使用頻度が増加し、ポジティブワードとネガティブワードの両方に動きが見られた。
昨年の一行「あなたのことは、好きだ。」と比較すると、今年は広告が日本人のアイデンティティに語りかけた一年であったように見える。
このコピーの解析結果について、タレントの松尾貴史氏にインタビューした。
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アイデンティティ・クライシスという言葉は使い古された感がありますが、実は今、日本の国自体がそういうメンタリティに陥っているのではないでしょうか。
自分の中に自分が何であるかということを見失ったり、不安になったり、しかしその中で帰属意識を確認できる最大で確実なものが「日本」であるかのように感じているのかも知れません。その反動でなのか、他者を貶める人々も跋扈するようになってきました。
しかし、国家というものが幻想であるかのような不安すら感じる事象が目白押しの昨今。一刻も早く、私たちのアイデンティティが「地球人」であることを日々、意識できる時が来てほしいものです。
松尾貴史
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背景にあるのは、オリンピックイヤーであり、国際情勢・社会問題であり、それを受けてナショナリズムがにわかに高まる世相である。実際の広告コピーにも、世界で戦う日本、挑戦する日本といった、日本を鼓舞する表現が多く見られた。また日本的な情景をイメージさせる自治体広告も数多く制作されている。
今年の一行は、さらなるグローバル化によって、ますます立ち位置があいまいになる「わたしたち日本人」の危機感が表面化したものと、とらえることもできるのではないだろうか。
■TCC(東京コピーライターズクラブ)紹介
東京を中心に日本全国で活躍するコピーライターやCMプランナーの団体。毎年4月、前年度に実際に使用された広告の中から、優秀作品を選出。その制作者を「TCC賞」受賞者として発表し、秋に受賞作品のほか優秀作品を掲載した「コピー年鑑」を発行。ことばを専門とするスタンスから、日本の広告界のコミュニケーション技術の向上を牽引している。
公式HP: http://www.tcc.gr.jp/
■松尾貴史氏プロフィール
1960年5月11日生まれ。兵庫県神戸市出身。大阪芸術大学を卒業後、デビュー。TV・ラジオはもとより、映画・舞台、イベント、エッセイ、イラスト、はたまた折り紙等、幅広い分野で活躍。更には似せたり、撮ったり、折ったり、録ったり、回したりまでするなど、よく言えば多彩、悪く言えば節操がない。いったい今後、どんな分野に繁殖していくつもりなのか?本人ですら予想がつかない。
■かっこ株式会社紹介
かっこ株式会社は「ちょっとだけ未来の判断材料を提供するビッグデータカンパニー」。インターネットにおける取引内容をリアルタイムに審査するシステム「O-PLUX」をはじめ、政府統計、インターネット、ソーシャルメディア上にあるオープンデータと、クライアント保有のデータとの関係を明らかにするコンサルティング事業や、サービス開発を統計解析の手法を用いて提供している。
かっこ株式会社HP: http://cacco.co.jp/
広告コピービッグデータ解析調査結果: http://cacco.co.jp/findings/tcc_2016
第2回となる今回は、2016年TCC賞の選考対象となった広告コピー全8,199件が調査対象。そのうちCMに関してはひとつのセリフを1件の広告コピーとしてカウントし、分析対象はトータルで24,629件となった。
ビッグデータ解析では、調査対象の全広告コピーについて自然言語解析を実施。そこから「最も多く見られる広告コピーは4単語」から成り、その中で「最も多く見られる文章構造 は名詞―名詞―名詞―名詞」という結果を得た。さらに、語順・品詞別頻出単語トップ10から、文章が成立する単語を選出したところ、2016年を象徴する広告コピーとも言える、下記の一行が浮かび上がった。
[画像1: http://prtimes.jp/i/3505/32/resize/d3505-32-991477-3.jpg ]
※調査結果の詳細は、データ解析に協力した、かっこ株式会社の調査ページを参照。
http://cacco.co.jp/findings/tcc_2016
なお、語順・品詞別頻出単語トップ10一覧は次のとおり。
※背景色赤字が今年を象徴する広告コピーに利用した単語
[画像2: http://prtimes.jp/i/3505/32/resize/d3505-32-686424-1.jpg ]
品詞別の頻出単語の特徴としては、名詞の場合「人」「私」「あなた」が昨年同様にトップ3を占める一方で、「世界」「日本」が急上昇しランクインした。動詞の場合「する」「いる」「なる」「ある」までが不動のトップ4で、以下、順位変動はあるものの、トップ10の組み合わせは変わらなかった。また、形容詞の場合「おいしい」「よい」「悪い」の使用頻度が増加し、ポジティブワードとネガティブワードの両方に動きが見られた。
昨年の一行「あなたのことは、好きだ。」と比較すると、今年は広告が日本人のアイデンティティに語りかけた一年であったように見える。
このコピーの解析結果について、タレントの松尾貴史氏にインタビューした。
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アイデンティティ・クライシスという言葉は使い古された感がありますが、実は今、日本の国自体がそういうメンタリティに陥っているのではないでしょうか。
自分の中に自分が何であるかということを見失ったり、不安になったり、しかしその中で帰属意識を確認できる最大で確実なものが「日本」であるかのように感じているのかも知れません。その反動でなのか、他者を貶める人々も跋扈するようになってきました。
しかし、国家というものが幻想であるかのような不安すら感じる事象が目白押しの昨今。一刻も早く、私たちのアイデンティティが「地球人」であることを日々、意識できる時が来てほしいものです。
松尾貴史
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背景にあるのは、オリンピックイヤーであり、国際情勢・社会問題であり、それを受けてナショナリズムがにわかに高まる世相である。実際の広告コピーにも、世界で戦う日本、挑戦する日本といった、日本を鼓舞する表現が多く見られた。また日本的な情景をイメージさせる自治体広告も数多く制作されている。
今年の一行は、さらなるグローバル化によって、ますます立ち位置があいまいになる「わたしたち日本人」の危機感が表面化したものと、とらえることもできるのではないだろうか。
■TCC(東京コピーライターズクラブ)紹介
東京を中心に日本全国で活躍するコピーライターやCMプランナーの団体。毎年4月、前年度に実際に使用された広告の中から、優秀作品を選出。その制作者を「TCC賞」受賞者として発表し、秋に受賞作品のほか優秀作品を掲載した「コピー年鑑」を発行。ことばを専門とするスタンスから、日本の広告界のコミュニケーション技術の向上を牽引している。
公式HP: http://www.tcc.gr.jp/
■松尾貴史氏プロフィール
1960年5月11日生まれ。兵庫県神戸市出身。大阪芸術大学を卒業後、デビュー。TV・ラジオはもとより、映画・舞台、イベント、エッセイ、イラスト、はたまた折り紙等、幅広い分野で活躍。更には似せたり、撮ったり、折ったり、録ったり、回したりまでするなど、よく言えば多彩、悪く言えば節操がない。いったい今後、どんな分野に繁殖していくつもりなのか?本人ですら予想がつかない。
■かっこ株式会社紹介
かっこ株式会社は「ちょっとだけ未来の判断材料を提供するビッグデータカンパニー」。インターネットにおける取引内容をリアルタイムに審査するシステム「O-PLUX」をはじめ、政府統計、インターネット、ソーシャルメディア上にあるオープンデータと、クライアント保有のデータとの関係を明らかにするコンサルティング事業や、サービス開発を統計解析の手法を用いて提供している。
かっこ株式会社HP: http://cacco.co.jp/
広告コピービッグデータ解析調査結果: http://cacco.co.jp/findings/tcc_2016