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6Gに向けて:ローデ・シュワルツはNVIDIA社とともに、AI/MLベースのニューラル・レシーバをMWC Barcelonaで紹介します

未来の6G技術における人工知能/機械学習を実装の段階へ。MWC Barcelonaでは6Gを目前に捉えたローデ・シュワルツのハイエンドなテスト・ソリューションのデモを体験いただけます。

将来の6G無線通信規格に向けた技術要素に関する研究が活発になるなか、6GのためのAIネイティブ無線インターフェース(AI-native air interface)の可能性も追求されています。なかでもNVIDIA社と連携するローデ・シュワルツは、未来の6G技術における人工知能/機械学習(AI/ML)について、シミュレーションの段階から実装の段階へともう一歩踏み出そうとしています。MWC Barcelonaでは、私ども両社から、業界初となるニューラル・レシーバのHiL(hardware-in-the-loop)を実演しながら、学習済みMLモデルを使えば従来の信号処理よりも性能の向上が達成できることを紹介する予定です。

[画像: https://prtimes.jp/i/104512/33/resize/d104512-33-c4c7078f9cb61e177dd9-0.jpg ]

今年のMobile World Congress(MWC)にお越しいただくと、6G物理層の青写真と言える5G NR アップリンクのMU-MIMO(multi-user multiple input multiple output)シナリオのもとニューラル・レシーバ方式がどのように機能するかという初めてのデモを体験できます。このセットアップでは、信号生成と解析のためにローデ・シュワルツのハイエンドなテスト・ソリューションを、リンクレベルのシミュレーションのためにはNVIDIA社のSionna™ GPUアクセラレーション対応オープンソース・ライブラリを合わせて用いました。

ニューラル・レシーバは、無線通信システムの物理層のための信号処理ブロックを学習済みのMLモデルで置き換えるというコンセプトに基づいています。世界中の学会や主要な研究機関、業界のエキスパートは、将来の6G規格ではチャネル推定やチャネルイコライゼーション、デマッピングといった信号処理タスクにAI/MLが利用されるものと予想しています。最新のシミュレーションでも、5G NRに利用される決定論的な高性能ソフトウェア・アルゴリズムと比較して、ニューラル・レシーバがリンク品質を高め、スループットにも影響を与えることが示されています。

MLモデルに学習させるには、データセットが必ず必要です。しかしながら、使えるデータセットが限られていたり、そもそも入手できないといった場合も多くあります。初期段階にある6G研究の現状では、信号処理タスクに向けたMLモデルのトレーニングのために異なる信号設定のもとでさまざまなデータセット生成するという場合、電子計測機器が活用できる有効な代替手段となります。

今回、ローデ・シュワルツのブースで紹介するAI/MLベースのニューラル・レシーバの構成は、R&S SMW200Aベクトル信号発生器によって、MIMO 2x2の信号構成でアップリンク方向に帯域幅80 MHzの信号を2人のユーザーが個別に送信するという状況をエミュレートします。それぞれのユーザーは違うタイミングで姿を消し、ノイズも加えることで現実的な無線チャネルの状況を模擬するのです。その一方で、R&S MSR4汎用衛星レシーバを受信機として用い、その4つの位相コヒーレントな受信チャネルを使ってキャリア周波数3 GHzで送信された信号を取得します。その後、このデータをリアルタイムなストリーミング・インターフェースを介してサーバーに送ります。サーバー側では、R&S VSEベクトル信号解析のマイクロ・サービスを含むR&Sサーバー・ベース試験(SBT)フレームワークを使って信号の前処理を行います。VSE信号解析ソフトウェアによって信号を同期させ、高速フーリエ変換(FFT)するのです。このFFT後のデータセットが、NVIDIA Sionnaを使って実装したニューラル・レシーバの入力になります。

NVIDIA Sionnaは、リンクレベルのシミュレーションのためのGPUアクセラレーション対応オープンソース・ライブラリです。複雑な通信システムのアーキテクチャを高速に模擬できるうえ、6G信号処理への機械学習の統合にもネイティブに対応可能です。

この実演紹介の一環として、旧来のコンセプトである線形最小2乗平均誤差(LMMSE)レシーバのアーキテクチャと学習済みニューラル・レシーバを比較します。LMMSEは、決定論に基づいて開発されたソフトウェア・アルゴリズムをベースとする従来の信号処理手法であり、高性能なアルゴリズムとして現行の4Gや5Gのモバイルネットワークで広く採用されています。

ローデ・シュワルツの試験・計測部門の執行役副社長Andreas Paulyは次のように説明しています。「無線通信における機械学習アルゴリズムを使った信号処理は、業界でいま非常に注目度の高いトピックであり、業界各社のあいだで論争を呼ぶこともよくあります。そうしたなか、今回のテストベッドでNVIDIA社のようなパートナーと協力できたことは大変光栄です。この信号生成と解析に対応した私どもの最新テスト・ソリューションを使えば、研究者や業界のエキスパートの皆様がデータ駆動アプローチにもとづいてそれぞれのモデルを検証できるようになり、それをさらにHiL環境でのテストにかけることも可能になるでしょう」。

NVIDIA社で遠距離通信を担当する上席副社長のRonnie Vasishta氏も次のように話しています。「学習済みのMLモデルを使えば、従来の信号処理と比べて、性能の向上に大きな可能性が広がります。ローデ・シュワルツと当社NVIDIAによる今回のニューラル・レシーバのHiL実演紹介は、6G技術においてAIと機械学習の実用性を実証するものとして業界の画期的な事績と位置付けられます」。

ローデ・シュワルツは、研究プロジェクトや業界団体の事業への貢献のほか、主要な研究機関・大学と連携しながら、欧州・アジア・米国におよぶ6G研究活動を積極的にサポートしています。商用展開が2030年ごろと見込まれる次世代ワイヤレス通信6Gのための基盤整備に、当社がもつ試験・計測の専門技術とソリューションが活躍しているのです。

ローデ・シュワルツは、AI/MLベースの学習済みニューラル・レシーバをバルセロナで開催のMobile World Congress 2023で実演紹介します。展示会場のFira Gran Viaでは、ホール5・小間番号5A80のブースにお越しください。ニューラル・レシーバによる性能向上をご覧いただき、その詳細やコンセプト全般についてローデ・シュワルツやNVIDIA社のエキスパートと意見交換できるようにお待ちしています。

6Gを目前に捉えたローデ・シュワルツのテスト・ソリューションについて詳しくは、https://www.rohde-schwarz.com/6Gをご覧ください。

お問い合わせ:
欧州(本社):Christian Mokry(電話:+49 89 4129 13052、email:press@rohde-schwarz.com)
北米:Dominique Loberg(電話:+1 503 523-7951、email:Dominique.Loberg @rsa.rohde-schwarz.com)アジア太平洋地域:Sze Ming Ng(電話:+603 5569 0011、email:press.apac@rohde-schwarz.com)

R&S(R)は、Rohde & Schwarz GmbH & Co. KG.の登録商標です。

すべてのプレスリリースは、画像のダウンロードを含め、http://www.press.rohde-schwarz.comからインターネットでご提供しています。

ローデ・シュワルツについて
ローデ・シュワルツは、より安全に“つながる”社会の実現に向けた基盤を整えようと取り組む先駆的企業のなかでも、特に技術指向のグループとして、試験・計測などを始めとする技術システムやネットワークおよびサイバーセキュリティにおけるトップレベルのソリューションを提供しています。設立から85年以上にわたり、世界中の産業界や行政機関のお客様の信頼できるパートナーとして歩んできました。そのローデ・シュワルツでは、2021年6月30日現在、全世界で約13,000名の従業員が活躍しています。2020/2021会計年度(昨年7月から本年6月まで)には独立した企業グループとして23.4億ユーロの売上を達成しました。本社はドイツ・ミュンヘンに構えています。
R&S(R)はRohde & Schwarz GmbH & Co. KGの登録商標です。
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