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〜 2012年 トレンドレポート 「ソー活」実態調査編 〜 変化する就職活動、そのソーシャルメディア活用の実態を探る 内定率もUP! SNSでのつながり200人超で内定率88.1%

今年度、大学生の就職活動における1つのトレンドとして、「ソー活」というワードが注目を集めました。「ソー活」の“ソー”は、“ソーシャルメディア”の“ソー”と、“双方向性”の“双”をかけたもの。企業と就職活動を行う学生が、FacebookやTwitterなどの“ソーシャルメディア”を介して“双方向的”な情報交換を行う、就職活動における新たな取り組みの1つです。

トレンド総研(東京都渋谷区)では、間もなく本格的な始動を迎える来年度の就職活動において、「ソー活」がますます拡大していくのではないかと予想しています。そこで、今年度、実際に就職活動を行った大学生・大学院生652名を対象に、「就職活動とソーシャルメディアの活用に関する調査」を実施しました。




■ レポート内容 〜短期化する就職活動におけるソーシャルメディア活用の実態とは?〜


1. 活用広がるソーシャルメディア、就職活動生の3人に1人が既に活用

2. ソーシャルメディア活用で、内定率UP! Facebook利用者で“+16%”

3. 勝負を分ける、Facebookの友達数!? 「友達200人」で内定率“+30%”

4. 先輩からの生のアドバイス! 求められる“ソーシャルメディア・リテラシー”


■ Summary

本レポートでは、“ソーシャルメディア利用者の拡大”や“就職活動の短期化”などを背景に、「ソー活」の注目度が高まっていることを受け、今年度の就職活動生を対象に、就職活動におけるソーシャルメディア活用の実態を探りました。


今年度の就職活動においてソーシャルメディアを活用した人は35.3%で、3人に1人以上

ソーシャルメディア   活用した人の内定率:67.1% ⇔ 活用しなかった人の内定率:57.6%

利用者の内定率が最も高かったのは、「Facebook」で、その内定率は73.7%

Facebookの友達の数が増えると内定率は増加する傾向を確認 友達の数が200人以上の人の内定率:88.1%

今年度の就職活動生から後輩へのアドバイスとして、「ソーシャルメディアでのオススメの情報収集の方法」や、
「ソーシャルメディアで情報収集する際の注意点」について、聞くことができました。


今年度の就職活動は、まさに変化の年だったと言えるでしょう。日本経済団体連合会の「採用選考に関する企業の倫理憲章」の改定により、会社説明会など、就職活動に関する企業の広報活動の開始が2ヶ月後ろ倒しとなり、就職活動の短期化が話題になりました。その中で注目を集めたのが、「ソー活」です。短期化する就職活動において、双方向的に、効率良く情報収集することができるソーシャルメディアの活用は、企業にとっても、就職活動を行う大学生・大学院生にとっても、大きなメリットがあったのではないでしょうか。さらに、ソーシャルメディア利用者の拡大も後押しし、有名企業や人気企業も含め、多くの企業が「ソー活」への取り組みを開始しました。そして、それに伴い、「ソー活」の認知は急速に拡大しました。

2014年度の就職・採用活動でも、日本経済団体連合会は、「採用選考に関する企業の倫理憲章」の改定を引き継ぐことを発表し、企業の広報活動の本格的な開始は、2012年12月1日(土)となります。引き続き、短期間において展開される来年度の大学生・大学院生の就職活動。依然として利用者が拡大するソーシャルメディアへの注目は、より大きなものになると予想されます。
そこで、本調査では、今年度の就職活動における大学生・大学院生のソーシャルメディア活用の実態を探りました。


[調査概要]


調査期間:2012年10月12日(金)〜10月15日(月)

調査方法:インターネット調査

調査対象:2013年度採用の就職活動に取り組んだ、大学生・大学院生652名 (※男性293名、女性359名)


1. 活用広がるソーシャルメディア、就職活動生の3人に1人が既に活用


はじめに、2013年度4月入社の就職活動を行った大学生に、「就職活動において、ソーシャルメディアを活用しましたか?」と聞きました。この質問に対して、「頻繁に活用した」と回答した人は13.2%で、「活用した」と回答した人が22.1%。両者を合わせれば35.3%と、大学生の3人に1人以上が、ソーシャルメディアを就職活動に活用していたことがわかりました。


それでは、大学生たちは、ソーシャルメディアをどのように就職活動に役立てていたのでしょうか。

実際にソーシャルメディアを就職活動に活用したという人に、「就職活動におけるソーシャルメディアを活用するメリット」をあげてもらいました。最も多くの人があげたメリットは、「就職活動先の企業のことを知ることができる」(61.7%)。以下、「より早く情報を得ることができる」(50.9%)、「人間関係を広げることができる」(47.0%)、「ソーシャルメディア上でしか得られない情報がある」(39.1%)と続きました。1位、2位、4位と情報収集に関する項目が並び、就職活動において、ソーシャルメディアは情報収集の効果的な1手段として活用されていることがうかがえます。

また、「就職活動において役立つと思うソーシャルメディア」を、実際にソーシャルメディアを就職活動に活用したという人にたずねました。これには、“就職活動特化型”のソーシャルメディアサービス、「みん就(みんなの就職活動日記)」(63.5%)と、近年、頻繁に注目を集めている「Facebook」(59.1%)、「Twitter」(50.0%)が、その他の回答を大きく上回る結果となりました。


2. ソーシャルメディア活用で、内定率UP! Facebook利用者で“+16%”


このように、大学生の就職活動において大きな地位を獲得しつつあるソーシャルメディア。では、ソーシャルメディアの活用は、就職活動の成否のカギとなり得るのでしょうか。今回の調査対象とした大学生652名に内定の獲得の有無について聞いたところ、「企業からの内定をもらっている」という人は、63.7%。この内定をもらっている人の割合、内定率と、ソーシャルメディア利用との関連性について探りました。

はじめに、前段の「就職活動におけるソーシャルメディアの活用」に関する質問に対して、「まったく活用しなかった」と答えたソーシャルメディアの“非活用グループ”と、それ以外の少しでも活用した“活用グループ”にとの内定率の違いを調べました。その結果、“活用グループ”の内定率は67.1%だったのに対し、“非活用グループ”の内定率は57.6%。9.5%と、およそ10ポイントもの差があることが明らかになりました。ソーシャルメディアの活用の有無により、就職活動の結果に一定の違いが生まれているようです。

しかし、ソーシャルメディアと言っても、その種類は数多くあります。そこで、代表的なものをピックアップし、それぞれの利用者の内定率の違いを比較しました。その結果、最も内定率が高かったのは、「Facebook」の利用者。その内定率は73.7%で、ソーシャルメディアの“非活用グループ”との差は、16.1ポイントにのぼりました。企業や学生の注目も高い「Facebook」は、就職活動において与える影響も大きいようです。また、その他のソーシャルメディアについても、いずれも“非活用グループ”よりも高い内定率でしたが、最も多くの人が就職活動に役立つと思うと答えた「みん就」や、「YouTube」(63.6%)、「ニコニコ動画」(60.9%)などの動画系のソーシャルメディアの利用者については、その内定率の伸びがいまひとつという結果になりました。


3. 勝負を分ける、Facebookの友達数!? 「友達200人」で内定率“+30%”


次に、利用者の内定率が最も高かったFacebookについて、より詳しく調べました。Facebook上では、複数のユーザーが、互いに承認し、友達の登録をすることにより、ユーザー間で様々な情報を共有することができます。この友達の数と内定率の関係を探りました。

友達の人数が「50人以下」の人に限定すると、内定率は66.0%。これに対し、「51人以上」の人では、内定率は75.8%になります。さらに、「101人以上」で79.6%、「151人以上」で82.8%と、Facebook上の友達の人数が増えるにつれて、内定率も上昇していきます。そして、友達の数が「201人以上」の人では、内定率は88.1%で、ソーシャルメディアを就職活動に活用していない人と比べると、その差は30ポイント以上。実際の友人の多寡と同様に、Facebook上でも、より多くの人とつながり、情報を共有することができる人は、就職活動におけるアドバンテージを得られていると言えるかもしれません。

ただし、その一方で、「251人以上」では88.1%、「301人以上」で86.2%、「351人以上」で90.5%というように、友達の数が200人以上の人では、その内定率は横ばいになります。Facebookにおける友達の数が200人を超えているかどうかというのは、就職活動を有利に進められるかの1つの指標になると言えるかもしれません。


4. 先輩からの生のアドバイス! 求められる“ソーシャルメディア・リテラシー”


最後に、就職活動においてソーシャルメディアを活用したという大学生たちに、「これから就職活動を行う大学生に向けたアドバイスやオススメのソーシャルメディア活用法」を教えてもらいました。

ここでは、ソーシャルメディアの機能や特長を生かした、様々な情報収集の方法があげられたので、その一部を紹介します。様々な工夫を重ね、就職活動にソーシャルメディアを活用する大学生たちの様子を垣間見ることができました。


Facebookページを閲覧し、企業の基本的な情報はもちろん、雰囲気や風土について調べた。また、同じ企業を志望している学生はどんな人が多いのかを知ることができるのもオススメ。 ≪立教大学・女性≫

Twitterを利用して、気になる企業やその関係者のアカウントをフォローすれば、必要な情報を随時キャッチアップすることができる。 ≪関東学院大学・男性≫

自分と同じ企業を受ける人たちとつながり、情報交換をした。 ≪東北大学・女性≫


一方で、ソーシャルメディアゆえの注意点をあげる人もいました。


企業からだけでなく、周りの就職活動生からも情報を手に入れることができるソーシャルメディアは、非常に強力な情報収集手段だが、その情報の真偽は、自分自身で判断しなければならない。 ≪早稲田大学・男性≫

ソーシャルメディアから情報を得るのはいいが、出来るだけ多角的に得ること。例えば、たった1人からの情報をあまり鵜呑みにしないこと。 ≪大阪工業大学・男性≫


ソーシャルメディア上の情報は玉石混淆。正しい情報もあれば、誤った情報や嘘の情報もあります。その中から、自身の責任で、参考にすべき情報を選び出さなければなりません。ソーシャルメディアを上手く利用するためには、こうした側面もきちんと理解しなければならないと言えるでしょう。


就職活動においても、上手に情報の取捨選択をしながら、ソーシャルメディアを有効に活用することが求められる時代が始まりつつあります。間もなく始まる、来年度の就職活動。厳しい状況も予想されていますが、その中で、本調査結果と同様にソーシャルメディアの活用が採用試験の可否を左右することもあるかもしれません。


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担当:川浦(かわうら)

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