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「MONEX個人投資家サーベイ 2013年4月調査」

安倍政権はデフレ脱却期待を背景に高評価




 マネックス証券株式会社(以下「マネックス証券」)は、2009年10月より、マネックス証券に口座を保有する個人投資家を対象に、相場環境に対する意識調査を月次で実施しております。

 このたび、2013年4月19日〜22日にインターネットを通じて実施したアンケート調査1,380件の回答結果を報告書にまとめました。マネックス証券チーフ・ストラテジスト広木 隆の総括と併せてご活用ください。

【調査結果要約】
(1)DI(注)はまちまちでいずれも小動きにとどまる
【日本株DI】(2013年3月)72 →(2013年4月)69 (-3)
【米国株DI】(2013年3月)62 →(2013年4月)40 (-22)
【中国株DI】(2013年3月)-19 →(2013年4月)-46 (-27)
 4月のDIは3地域とも低下しました。なかでも米国株DIと中国株DIは20ポイントを超える大幅な低下となりました。特に中国株DIは、調査の週初に発表された1-3月期実質GDP成長率が予想を下回ったことも影響したとみられ、-46ポイントと調査開始以来の最低水準に迫りました。
(注)「上昇すると思う」と回答した割合(%)から「下落すると思う」と回答した割合(%)を引いたポイント。

(2)業種別魅力度ランキングは「自動車」、「銀行」などが堅調
 個人投資家が「魅力的であると思う業種」ランキングでは、首位となった「自動車」をはじめ、「銀行」(5位→4位)、「小売」(9位→8位)、「鉄鋼」(12位→11位)が前回調査時(2013年3月)からそれぞれ一つずつ順位を上げ堅調でした。一方、今回9位の「機械」は3ヶ月連続、5位の「商社」も2ヶ月続けて順位を落としました。

(3)今後3ヶ月程度の米ドル/円相場の見通しはほぼ変化なし
 今後3ヶ月程度の米ドル/円相場の見通しは前月からほぼ変化がありませんでした。円安を見込む向きは71%と引続き圧倒的多数を占めています。

(4)安倍政権はデフレ脱却期待を背景に高評価

 今回の調査では、4月上旬で安倍政権の誕生から100日が経過したことをうけ、同政権のこれまでに対する評価をたずねる設問を追加しました。「高く評価する」と「どちらかといえば評価する」の合計は8割を超え、デフレ脱却期待及び円安・株高を背景に個人投資家から良好な評価を得ていることが確認されました。「評価する」とした理由では、「日銀との二人三脚で、長年続いたデフレからの脱却について、これまでの内閣にはない姿勢で取り組んでいる」ことや、「円安、株高」についての意見が挙げられました。

■調査結果
1. 株式市場を取り巻く環境について(参照グラフ1.、2.、3.)


2. 為替市場について(参照グラフ4.)


3. お客さまの日本株取引について(参照グラフ5.)


4. 注目するトピック(参照グラフ6.)


5. これまでの安倍政権への評価(参照グラフ7.)


「評価する」理由

「日銀との二人三脚で、長年続いたデフレからの脱却について、これまでの内閣にはない姿勢で取り組んでいるから」
「リフレ政策を強力に推し進めたこと。そのための日銀人事が適切だったこと。そして日銀人事の効果がハッキリと日本経済に反映されていること。」
「デフレが終わるかもしれないという期待感があるから」
「一部ではあるけれど賃金アップをはかる企業が出てきている。」
「円安、株高。何か変わりそうな期待が持てる。」
「経済重視、円安誘導」
「金融緩和、TPP参加など前に進んでいるため」


「評価しない」理由
「実体経済は何ら変わっていないから」
「労働者の賃金が上がらない。大企業ばかり儲かっている。」
「次の選挙までの対策としか思えないから」
「日本を破綻に導くと思うから」
「財政の危機に対して反対の政策、憲法の改悪を模索、アメリカべったり、TPP加入。」
「円高是正の方向には進んでいるが、原発推進を隠れた形で進めているのが嫌だ。」
など

■総 括 (マネックス証券 チーフ・ストラテジスト 広木 隆)
 株式市場の先行きを尋ねる質問で、日本株のDIが先月から低下した。個人投資家サーベイにおける相場見通しは基本的に順張りであり、相場が上昇している時の調査でDIが低下(すなわち、この先、株価が下がると予想)するのは珍しいことである。さすがに個人投資家も、そろそろ上昇一服と思ったに違いない。なにしろ、昨年の秋以降、ほぼ一本調子に押し目らしい押し目なしに上げてきて、気がつけば日経平均は14,000円に乗せようかという水準である。

 確かに、この相場、まだまだ上値がありそうだ。そんな「先高期待」が相場を支えているのだろうが、逆に言えば連日の上値追いは、そうした「先高期待」以外に要因がない。何も材料がないのに、上がるから買う、買うから上がるといったマネーゲームの色彩を強めており、短期的には危うさを感じる。

 例えば、ドル円は100円の節目突破は時間の問題と見られていたが、その100円の大台を目前に何度も押し返される展開が続いている。為替は2通貨の交換レートだから、日銀による「異次元緩和」という円安要因だけでなく、ドルを買う材料もあってはじめて100円の壁は突破できるのではないか。その意味では、このところ米国で発表される経済指標には勢いがない。米国だけでなく欧州、中国なども経済指標は冴えないものが目立つ。端的に言えば、世界景気に減速懸念が台頭してきている。

 そしてまもなく5月。5月と言えば、「Sell In May (セル・イン・メイ、5月に売れ)」という格言通り、ここ数年は必ず株式市場が変調を来す季節性が見られた。
 従って、日本株の先行きを示すDIが低下したのは無理もないことと納得できる。納得できないのは押し目なしに上がり続ける株式市場のほうである。(4月25日現在)

 今回も皆様のご協力により有益な調査結果を得ることができました。皆様の資産運用を考える一助となれば幸いです。
  (マネックス証券 チーフ・ストラテジスト 広木 隆)

■調査の概要と回答者の属性
調査方式:インターネット調査
調査対象:マネックス証券に口座を保有している個人投資家
回答数:1,380件
調査期間:2013年4月19日〜4月22日


本情報は当社が実施したアンケートに基づいて作成したものです。

・ 本情報は売買のタイミング等を反映したものではなく、また示唆するものではありません。
・ 当社は記載した銘柄の取引を推奨し、勧誘するものではありません。
・ 当社は本情報の内容に依拠してお客さまが取った行動の結果に対し責任を負うものではございません。
・ 銘柄選択や売買タイミングなどの投資にかかる最終決定は、お客さまご自身の判断と責任でなさるようにお願いいたします。
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