フューチャーショップ、2020年4月〜6月の流通額が432億円。7業種で昨対比200%超。
[20/08/17]
提供元:PRTIMES
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〜継続利用1店舗あたりの月商平均は昨対比152%の729万円。巣ごもり状況下での生活必需品や暮らしの質向上関連業種が販売増〜
株式会社フューチャーショップ(本社:大阪市北区、代表取締役:星野 裕子、以下フューチャーショップ)が運営するSaaS型ECサイト構築プラットフォーム「futureshop」シリーズの2020年4月〜6月流通額は432億円、昨対比143.10%でした。以上の状況から、同期間中に発生した、新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言による外出自粛や巣ごもり状況下でのEC利用が拡大したと考えられます。
また、開店準備中や閉店中の店舗を含めた1店舗あたり月商平均は549万円(昨対比133.01%)、そのうち、期間中の開店継続店舗※に限定すると、月商平均726万円(同151.87%)という結果でした。
[画像1: https://prtimes.jp/i/8279/38/resize/d8279-38-310320-0.png ]
この状況下、どの業種のEC利用が拡大したかを調査すると、下記7つの業種で流通額が昨対比で200%を突破したことが分かりました。業種は、サービス申込時にご申告いただいた内容にて分類しています。
表1:流通額が昨年同期間比200%を超えた業種
[表1: https://prtimes.jp/data/corp/8279/table/38_1.jpg ]
この結果から、期間中に販売が伸びた業種は、下記3つの要因が関連したと考察します。
1.生活必需品、日用品
・キッズ・ベビー・マタニティ
・食品
・下着・ナイトウエア
2.在宅時間が増加。生活を豊かにしたい
・楽器・音響機材
・キッチン・日用雑貨・文具
・ワイン・ビール・洋酒
3.リモートワーク対応で急きょ手配
・インテリア・寝具・収納
下記のような商材も売上が増加傾向にありました。
・介護用品
・知育玩具や、身体を動かして遊べるようなおもちゃ
・おとりよせスイーツ
・アウトドア用品
・DIY用品
・PC、イヤホンなどのPC周辺機器
また、マスク販売が流通額に占める割合をまとめたのが下記の表2です。
表2:流通額にマスク販売が占める割合
[表2: https://prtimes.jp/data/corp/8279/table/38_2.jpg ]
※ 商品名に「マスク」の文字列が含まれている商品の流通額割合を調査しているため、コスメ系のシートマスクやマスクメロンなども一部含まれている可能性があります。
品切れが続いた4月をピークに、ECでの販売は減少していることが分かりました。
続いて、このコロナ禍での生活者のEC利用状況について調査しました。
巣ごもり期間中はどのような変化が起こったのでしょうか。調査前に仮説を立て、下記の5点を調査しました。
1.利用デバイスの変化
2.注文件数の変化
3.新規顧客利用状況
4.購買単価の変化
5.決済手段の変化
調査対象は、2019年・2020年4月〜6月の期間中、各月の注文件数が100件以上の店舗の中から500店舗を無作為に抽出しています。
1.利用デバイスの変化
調査前の仮説は、下記のとおりです。
期間中に緊急事態宣言が発令、在宅時間の増加。通勤などが不要になり、PCも利用しやすい状況。また、在宅ワークによるPC販売台数増加。
これらの背景からECは画面あたりの情報量が多く、買い物をしやすいPC経由での購入が増加する。
調査対象となる店舗のスマートフォン経由の購入割合を示したのが下記のグラフ1です。
[画像2: https://prtimes.jp/i/8279/38/resize/d8279-38-426594-1.png ]
グラフ1:スマートフォン経由の購入割合(注文件数)
結果として、仮説を全く支持するものではありませんでした。期間中すべての月でスマートフォン経由の購入割合が増加しています。
2.注文件数の変化
対象店舗の注文件数は下記の表3のとおり、どちらのデバイスも受注件数は増加しています。
表3:各月注文件数の昨対比推移
[表3: https://prtimes.jp/data/corp/8279/table/38_3.jpg ]
この表からは以下の内容が読み取れます。
月別に見ると、外出自粛が求められていた4月から5月の注文件数昨対比が約2.5倍に急増。緊急事態宣言期間中は自社ECの利用増加が加速。
緊急事態宣言が明けた6月には少し加速が落ち着いているようにも見えますが、これは店舗の営業再開や営業時間の正常化が始まったことにより、購入場所が分散されたことの影響ではないかと考えています。
また、6月をデバイス別に見てみると、PCよりもスマートフォンの加速が落ち着いた、という結果が出ています。
この結果から、「実店舗の営業再開がスマートフォンメインでECを利用する方に影響を与えた」という仮説を立ててみると、スマートフォンでのEC利用ユーザーは、ショッピング行動自体にアクティブな一面が見えてきます。
「場所を限定されずに購入できる」というスマートフォンの利点がありながら実店舗の営業再開に影響を受けたことから、EC内での商品検索にとどまらず、EC・実店舗といったチャネルにこだわらず、生活者がその時々で最も優先したい理由(実際に試着してそのまま購入したい、商品券が利用できる、荷物を運んできてくれるECで購入したい、など)が実現できる場所で購入するという、チャネルを超えた購買行動の進行を示唆しているように思えます。
スマートフォンを中心にECや実店舗、そしてSNSやコミュニケーションツールといった多くのチャネルから情報を集め、最終的に購入する場所はECや実店舗にこだわらないアクティブなショッピング行動は、今後も増加すると予想します。
3.新規顧客利用状況
ここまで注文件数の増加を確認できたのですが、新規利用は広がったのでしょうか。期間中新たに会員登録された顧客の利用を新規利用とみなし、各店舗の平均増加率を月ごとに調査した結果が下記表4です。なお、会員機能を利用していない店舗は、調査対象から除外しています(n=495で調査)。
表4:新規顧客利用増加率(昨年同月比)
[表4: https://prtimes.jp/data/corp/8279/table/38_4.jpg ]
調査期間中は新規顧客利用が急増したことが分かりました。この理由として、外出して買い物するのが不安なのでECで購入した、という方が多くいらっしゃったことが考えられます。
6月は実店舗が再開されましたが、新規顧客利用は昨対比2倍強増加するなど、まだまだEC利用の拡大が予想されます。
4.購買単価の変化
調査前の仮説は、下記のとおりです。
実店舗では、アルコール消毒液やマスク、トイレットペーパーやキッチンペーパーなどの生活必需品にはじまり、パスタや小麦粉、ホットケーキミックスなどの食料品も生活不安からか、まとめ買いが発生し在庫不足の商品が見かけられた。
ECでも同じく、備蓄できる商品はまとめ買いが発生し、単価が向上しているのではないか。
調査結果は下記表5の通りとなりました。
表5:各月の購買単価の変化
[表5: https://prtimes.jp/data/corp/8279/table/38_5.jpg ]
対象店舗では、まとめ買いによる単価増は見られないようです。特に、緊急事態宣言の影響を強く受けた4月から5月にかけては、単価が4%から8%ほど減少するなど、仮説とは全く異なる結果となりました。
業種別に見てみると、仮説で挙げた生活密着型の業種でもまとめ買いは発生していないように、結果から考察されます。
・食品(昨年同期間比PC:91.24%、SP:92.68%)
・キッチン・日用品雑貨・文具(同PC:92.11%、SP:98.58%)
・水・ソフトドリンク(同PC:99.55%、SP:90.43%)
この結果は、下記3つの理由が大きく関与していると考えられます。
・新規購入が増加した(一般的に、リピート購入時はより単価が高額になる傾向がある)
・法人の発注が減少
・futureshopでは購入時の個数制限が設定できるため、なるべく多くの方にお届けしたい商品に適用するなど、EC事業者様側のご配慮
5.決済手段の変化
調査前の仮説は、下記のとおりです。
期間中にキャッシュレス・消費者還元事業が行われていたため、クレジットカードやID決済など、対象となる決済手段の利用が増加。
銀行などもなるべく来店を控えてほしいと呼びかけていること、対面しての支払いを回避したい気持ちから、現金引き出し回数や支払いが減少。
調査は、決済手段を「クレジットカード」、「ID決済(Amazon Pay、楽天ペイ(オンライン決済)、Apple Pay)」、「現金・その他決済(店頭払いや後払い、銀行振込やコンビニ払いなど)」の3つに分けて行いました。各月の総注文件数を1とした結果が下記のグラフ2です。
[画像3: https://prtimes.jp/i/8279/38/resize/d8279-38-195673-2.png ]
グラフ2:各月決済手段の割合(注文件数)
結果は仮説を支持するものとなりました。クレジットカード、ID決済の割合が増加し、現金・その他決済は減少。現金・その他決済の比率は3割程度まで減少しています。
なお、このグラフでは対象店舗の注文件数をすべて合算し、算出しています。上記3つの決済手段すべてを導入している店舗さまに限定していないため、3つの決済手段すべてを導入されている店舗さまの場合は、さらにキャッシュレス化の波が迫っていることが予想されます。
続いて決済方法の成長率を調査すると、下記表6のようにID決済の成長率がトップでした。6月末にキャッシュレス・消費者還元事業は終了し、今後のID決済やクレジットカードの利用状況に影響を与えることも想定されますが、利便性浸透と今後のID決済手段増加、つまり8月のPayPay(オンライン決済)連携、11月のd払い連携により自社ECでの利用機会が増加し、今後も利用増加が見込まれると予測します。
表6:各月決済手段の前年同月比
[表6: https://prtimes.jp/data/corp/8279/table/38_6.jpg ]
まとめ
これまでの調査から、コロナ禍にあった生活者の購買行動について下記のようにまとめました。
2020年4月〜6月のEC利用は全体的に増加。新規顧客利用も増加。
・緊急事態宣言中の4月〜5月は去年の同時期と比べ、EC利用が激増した。
・緊急事態宣言明けの6月は実店舗の営業再開が始まったものの、ECは継続して利用増加。意外にも、PC経由よりもいつでもECが利用できるスマートフォン経由のほうが実店舗営業再開の影響を強く受けた。
・新規顧客利用増。
・スマートフォン経由での購入割合増加。
顧客単価は大きな変化なし。EC利用人口や頻度が増加。また、キャッシュレス化の流れが強化。
・コロナ禍の中でもまとめ買いは発生せず。新規利用の増加、法人利用の減少、生活必需品など多くの人が必要な商品の購入個数制限が影響している可能性が高い。
・決済方法はクレジットカードやID決済利用が増加。外出や対面での支払いを回避したい気持ちや、キャッシュレス・消費者還元事業が影響を与えた可能性が高い。
コロナ禍には商品の流通としてのEコマースが果たす役割が大きくなりました。また、緊急事態宣言が解除された6月も自社ECの利用が増加したことから、今後も同じように、EC利用が増加する傾向が続くと予想されます。
今回の調査を簡易的にまとめたインフォグラフィックは、下記に公開しております。
コロナ禍でどうなった?数字でよみ解くEコマース futureshop 2020年4月〜6月利用状況まとめ
https://www.future-shop.jp/magazine/infographic-2020ec-1
フューチャーショップは今後も環境の変化をとらえ、成長しつづけるEコマースのために、しなやかに変化し、フレンドリーに伴走します。
※ 2019年4月〜6月、2020年4月〜6月に継続して開店していた店舗を指します。
◆「futureshop」について
フューチャーショップが提供するfutureshop(https://www.future-shop.jp/)シリーズは、未来に向けたコマース戦略を創造するSaaS型ECサイト構築プラットフォームです。futureshopはCMS機能「commerce creator」で高いデザインカスタマイズの自由度と更新性を実現しているほか、ロイヤルティマーケティングに取り組める豊富な機能を有しています。
オムニチャネル対応には実店舗とECの顧客統合を行い、さらにきめ細やかなデジタルマーケティングを目的とした、O2Oを実践するポイント統合、実店舗在庫表示機能も備えた「futureshop omni-channel」をご利用いただけます。
また、プラットフォーム自体の機能が充実しているだけでなく、他システムとも多数連携し、柔軟性や拡張性にも優れています。“売上を創るEコマースプラットフォーム”を目指し、プロユースに応える高機能であることにこだわり、事業者の「やりたいこと」にとことん、応えます。
株式会社フューチャーショップ(本社:大阪市北区、代表取締役:星野 裕子、以下フューチャーショップ)が運営するSaaS型ECサイト構築プラットフォーム「futureshop」シリーズの2020年4月〜6月流通額は432億円、昨対比143.10%でした。以上の状況から、同期間中に発生した、新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言による外出自粛や巣ごもり状況下でのEC利用が拡大したと考えられます。
また、開店準備中や閉店中の店舗を含めた1店舗あたり月商平均は549万円(昨対比133.01%)、そのうち、期間中の開店継続店舗※に限定すると、月商平均726万円(同151.87%)という結果でした。
[画像1: https://prtimes.jp/i/8279/38/resize/d8279-38-310320-0.png ]
この状況下、どの業種のEC利用が拡大したかを調査すると、下記7つの業種で流通額が昨対比で200%を突破したことが分かりました。業種は、サービス申込時にご申告いただいた内容にて分類しています。
表1:流通額が昨年同期間比200%を超えた業種
[表1: https://prtimes.jp/data/corp/8279/table/38_1.jpg ]
この結果から、期間中に販売が伸びた業種は、下記3つの要因が関連したと考察します。
1.生活必需品、日用品
・キッズ・ベビー・マタニティ
・食品
・下着・ナイトウエア
2.在宅時間が増加。生活を豊かにしたい
・楽器・音響機材
・キッチン・日用雑貨・文具
・ワイン・ビール・洋酒
3.リモートワーク対応で急きょ手配
・インテリア・寝具・収納
下記のような商材も売上が増加傾向にありました。
・介護用品
・知育玩具や、身体を動かして遊べるようなおもちゃ
・おとりよせスイーツ
・アウトドア用品
・DIY用品
・PC、イヤホンなどのPC周辺機器
また、マスク販売が流通額に占める割合をまとめたのが下記の表2です。
表2:流通額にマスク販売が占める割合
[表2: https://prtimes.jp/data/corp/8279/table/38_2.jpg ]
※ 商品名に「マスク」の文字列が含まれている商品の流通額割合を調査しているため、コスメ系のシートマスクやマスクメロンなども一部含まれている可能性があります。
品切れが続いた4月をピークに、ECでの販売は減少していることが分かりました。
続いて、このコロナ禍での生活者のEC利用状況について調査しました。
巣ごもり期間中はどのような変化が起こったのでしょうか。調査前に仮説を立て、下記の5点を調査しました。
1.利用デバイスの変化
2.注文件数の変化
3.新規顧客利用状況
4.購買単価の変化
5.決済手段の変化
調査対象は、2019年・2020年4月〜6月の期間中、各月の注文件数が100件以上の店舗の中から500店舗を無作為に抽出しています。
1.利用デバイスの変化
調査前の仮説は、下記のとおりです。
期間中に緊急事態宣言が発令、在宅時間の増加。通勤などが不要になり、PCも利用しやすい状況。また、在宅ワークによるPC販売台数増加。
これらの背景からECは画面あたりの情報量が多く、買い物をしやすいPC経由での購入が増加する。
調査対象となる店舗のスマートフォン経由の購入割合を示したのが下記のグラフ1です。
[画像2: https://prtimes.jp/i/8279/38/resize/d8279-38-426594-1.png ]
グラフ1:スマートフォン経由の購入割合(注文件数)
結果として、仮説を全く支持するものではありませんでした。期間中すべての月でスマートフォン経由の購入割合が増加しています。
2.注文件数の変化
対象店舗の注文件数は下記の表3のとおり、どちらのデバイスも受注件数は増加しています。
表3:各月注文件数の昨対比推移
[表3: https://prtimes.jp/data/corp/8279/table/38_3.jpg ]
この表からは以下の内容が読み取れます。
月別に見ると、外出自粛が求められていた4月から5月の注文件数昨対比が約2.5倍に急増。緊急事態宣言期間中は自社ECの利用増加が加速。
緊急事態宣言が明けた6月には少し加速が落ち着いているようにも見えますが、これは店舗の営業再開や営業時間の正常化が始まったことにより、購入場所が分散されたことの影響ではないかと考えています。
また、6月をデバイス別に見てみると、PCよりもスマートフォンの加速が落ち着いた、という結果が出ています。
この結果から、「実店舗の営業再開がスマートフォンメインでECを利用する方に影響を与えた」という仮説を立ててみると、スマートフォンでのEC利用ユーザーは、ショッピング行動自体にアクティブな一面が見えてきます。
「場所を限定されずに購入できる」というスマートフォンの利点がありながら実店舗の営業再開に影響を受けたことから、EC内での商品検索にとどまらず、EC・実店舗といったチャネルにこだわらず、生活者がその時々で最も優先したい理由(実際に試着してそのまま購入したい、商品券が利用できる、荷物を運んできてくれるECで購入したい、など)が実現できる場所で購入するという、チャネルを超えた購買行動の進行を示唆しているように思えます。
スマートフォンを中心にECや実店舗、そしてSNSやコミュニケーションツールといった多くのチャネルから情報を集め、最終的に購入する場所はECや実店舗にこだわらないアクティブなショッピング行動は、今後も増加すると予想します。
3.新規顧客利用状況
ここまで注文件数の増加を確認できたのですが、新規利用は広がったのでしょうか。期間中新たに会員登録された顧客の利用を新規利用とみなし、各店舗の平均増加率を月ごとに調査した結果が下記表4です。なお、会員機能を利用していない店舗は、調査対象から除外しています(n=495で調査)。
表4:新規顧客利用増加率(昨年同月比)
[表4: https://prtimes.jp/data/corp/8279/table/38_4.jpg ]
調査期間中は新規顧客利用が急増したことが分かりました。この理由として、外出して買い物するのが不安なのでECで購入した、という方が多くいらっしゃったことが考えられます。
6月は実店舗が再開されましたが、新規顧客利用は昨対比2倍強増加するなど、まだまだEC利用の拡大が予想されます。
4.購買単価の変化
調査前の仮説は、下記のとおりです。
実店舗では、アルコール消毒液やマスク、トイレットペーパーやキッチンペーパーなどの生活必需品にはじまり、パスタや小麦粉、ホットケーキミックスなどの食料品も生活不安からか、まとめ買いが発生し在庫不足の商品が見かけられた。
ECでも同じく、備蓄できる商品はまとめ買いが発生し、単価が向上しているのではないか。
調査結果は下記表5の通りとなりました。
表5:各月の購買単価の変化
[表5: https://prtimes.jp/data/corp/8279/table/38_5.jpg ]
対象店舗では、まとめ買いによる単価増は見られないようです。特に、緊急事態宣言の影響を強く受けた4月から5月にかけては、単価が4%から8%ほど減少するなど、仮説とは全く異なる結果となりました。
業種別に見てみると、仮説で挙げた生活密着型の業種でもまとめ買いは発生していないように、結果から考察されます。
・食品(昨年同期間比PC:91.24%、SP:92.68%)
・キッチン・日用品雑貨・文具(同PC:92.11%、SP:98.58%)
・水・ソフトドリンク(同PC:99.55%、SP:90.43%)
この結果は、下記3つの理由が大きく関与していると考えられます。
・新規購入が増加した(一般的に、リピート購入時はより単価が高額になる傾向がある)
・法人の発注が減少
・futureshopでは購入時の個数制限が設定できるため、なるべく多くの方にお届けしたい商品に適用するなど、EC事業者様側のご配慮
5.決済手段の変化
調査前の仮説は、下記のとおりです。
期間中にキャッシュレス・消費者還元事業が行われていたため、クレジットカードやID決済など、対象となる決済手段の利用が増加。
銀行などもなるべく来店を控えてほしいと呼びかけていること、対面しての支払いを回避したい気持ちから、現金引き出し回数や支払いが減少。
調査は、決済手段を「クレジットカード」、「ID決済(Amazon Pay、楽天ペイ(オンライン決済)、Apple Pay)」、「現金・その他決済(店頭払いや後払い、銀行振込やコンビニ払いなど)」の3つに分けて行いました。各月の総注文件数を1とした結果が下記のグラフ2です。
[画像3: https://prtimes.jp/i/8279/38/resize/d8279-38-195673-2.png ]
グラフ2:各月決済手段の割合(注文件数)
結果は仮説を支持するものとなりました。クレジットカード、ID決済の割合が増加し、現金・その他決済は減少。現金・その他決済の比率は3割程度まで減少しています。
なお、このグラフでは対象店舗の注文件数をすべて合算し、算出しています。上記3つの決済手段すべてを導入している店舗さまに限定していないため、3つの決済手段すべてを導入されている店舗さまの場合は、さらにキャッシュレス化の波が迫っていることが予想されます。
続いて決済方法の成長率を調査すると、下記表6のようにID決済の成長率がトップでした。6月末にキャッシュレス・消費者還元事業は終了し、今後のID決済やクレジットカードの利用状況に影響を与えることも想定されますが、利便性浸透と今後のID決済手段増加、つまり8月のPayPay(オンライン決済)連携、11月のd払い連携により自社ECでの利用機会が増加し、今後も利用増加が見込まれると予測します。
表6:各月決済手段の前年同月比
[表6: https://prtimes.jp/data/corp/8279/table/38_6.jpg ]
まとめ
これまでの調査から、コロナ禍にあった生活者の購買行動について下記のようにまとめました。
2020年4月〜6月のEC利用は全体的に増加。新規顧客利用も増加。
・緊急事態宣言中の4月〜5月は去年の同時期と比べ、EC利用が激増した。
・緊急事態宣言明けの6月は実店舗の営業再開が始まったものの、ECは継続して利用増加。意外にも、PC経由よりもいつでもECが利用できるスマートフォン経由のほうが実店舗営業再開の影響を強く受けた。
・新規顧客利用増。
・スマートフォン経由での購入割合増加。
顧客単価は大きな変化なし。EC利用人口や頻度が増加。また、キャッシュレス化の流れが強化。
・コロナ禍の中でもまとめ買いは発生せず。新規利用の増加、法人利用の減少、生活必需品など多くの人が必要な商品の購入個数制限が影響している可能性が高い。
・決済方法はクレジットカードやID決済利用が増加。外出や対面での支払いを回避したい気持ちや、キャッシュレス・消費者還元事業が影響を与えた可能性が高い。
コロナ禍には商品の流通としてのEコマースが果たす役割が大きくなりました。また、緊急事態宣言が解除された6月も自社ECの利用が増加したことから、今後も同じように、EC利用が増加する傾向が続くと予想されます。
今回の調査を簡易的にまとめたインフォグラフィックは、下記に公開しております。
コロナ禍でどうなった?数字でよみ解くEコマース futureshop 2020年4月〜6月利用状況まとめ
https://www.future-shop.jp/magazine/infographic-2020ec-1
フューチャーショップは今後も環境の変化をとらえ、成長しつづけるEコマースのために、しなやかに変化し、フレンドリーに伴走します。
※ 2019年4月〜6月、2020年4月〜6月に継続して開店していた店舗を指します。
◆「futureshop」について
フューチャーショップが提供するfutureshop(https://www.future-shop.jp/)シリーズは、未来に向けたコマース戦略を創造するSaaS型ECサイト構築プラットフォームです。futureshopはCMS機能「commerce creator」で高いデザインカスタマイズの自由度と更新性を実現しているほか、ロイヤルティマーケティングに取り組める豊富な機能を有しています。
オムニチャネル対応には実店舗とECの顧客統合を行い、さらにきめ細やかなデジタルマーケティングを目的とした、O2Oを実践するポイント統合、実店舗在庫表示機能も備えた「futureshop omni-channel」をご利用いただけます。
また、プラットフォーム自体の機能が充実しているだけでなく、他システムとも多数連携し、柔軟性や拡張性にも優れています。“売上を創るEコマースプラットフォーム”を目指し、プロユースに応える高機能であることにこだわり、事業者の「やりたいこと」にとことん、応えます。