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【STARTUP DB 緊急調査】 新型コロナウイルスの拡大による、スタートアップの資金調達への影響は?

成長産業支援事業を推進するフォースタートアップス株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:志水雄一郎 以下、フォースタートアップス)は、継続的に調査を行い、当社サービスである「STARTUP DB (スタートアップデータベース)」に調査結果を公開しています。世界的に猛威を振るう新型コロナウイルス感染症(COVID-19)により、国内の感染者が1万人を超え、経済への影響も懸念されている今、緊急調査として、2019年と2020年における「国内スタートアップ資金調達額状況の比較」を行い、このような状況で「日本のスタートアップ企業への投資状況などにはどういった変化が起こっているのか」を調査いたしました。




2019年と2020年における、スタートアップ資金調達状況の比較

まずは、昨年の同時期と比較した際の資金調達に関連したデータ。1月から4月20日を対象期間として、資金調達を実施した企業数と総資金調達額を比較しました。2019年と2020年の1月から4月20日までに資金調達を実施した企業数は以下です。

[画像1: https://prtimes.jp/i/32589/38/resize/d32589-38-884722-0.jpg ]

2020年に入ってからは、前年に比べて資金調達を実施する企業が全体的に減少しています。新型コロナウイルスの影響が拡大する以前である1月、2月でも前年に比べて企業数は少ない傾向にあることがわかりました。

次に、資金調達金額です。企業数と同様に資金調達金額に関して比較した図が以下になります。
[画像2: https://prtimes.jp/i/32589/38/resize/d32589-38-257890-3.png ]

資金調達金額としては、前年に比べて3月に大幅に下がっていることがわかりました。また、2019年1月から4月20日の総調達額1,662億円に比べて2020年1月から4月20日では総調達額1,430億円で、総調達額が232億円減少していることがわかります。この減少は、2019年にJOLEDのINCJからの調達、LINE証券、Paypay、メルペイなどの親会社からの大型調達が含まれたことによって生まれた差によるものと考えられます。

上記を加味すると、新型コロナウイルスの影響はあるものの、現時点(4月20日時点)ではスタートアップにおける資金調達金額に大きな増減はなく、実態はまだあまり累が及んでいないものと考えられます。

2020年の投資件数からみる、積極的な投資家とは

[画像3: https://prtimes.jp/i/32589/38/resize/d32589-38-737197-4.png ]

投資件数において上位にある投資家の内訳は、2019年通年と比べて、大きな変動はありませんでした。また、みずほキャピタル、SMBCベンチャーキャピタル、三菱UFJキャピタルなどの金融系VCが上位を占めています。このような状況下でも、積極的な投資家たちはスタートアップへの投資を継続していることがわかります。

次に新型コロナウイルス感染症に対しての取り組みを行っているファンドや企業の動向をみていきます。

各VCによる新規ファンド設立、コロナ危機の乗り越えを支援

新型コロナウイルス感染症の感染拡大を受け、VCの業界団体である日本ベンチャーキャピタル協会は、スタートアップの支援を求める要望を政府に提出しました。スタートアップに特化した資金繰り対策や、感染症の治療や終息後の社会に貢献する企業への支援を求めるなど、経済や企業への打撃を考慮し、支援に動き出そうとしています。

日本経済新聞が計30社のVCやCVCに対して実施したアンケートによると、現時点では新型コロナウイルス感染症拡大の影響を考慮しつつも、積極的な投資方針を採ると答えたVCが8割を占める結果となりました。理由として、ファンドの資金集めをすでに終えていることや、株価を下げて資金調達する企業が増えると予想されるので、投資に割安感があることが挙げられました。次は、各VCが直近で新たに設立したファンドをまとめました。
[画像4: https://prtimes.jp/i/32589/38/resize/d32589-38-995842-1.png ]

■ピックアップ企業
・Coral Capital
新型コロナウイルス感染症の影響が広がる中、機関投資家を中心に資金を調達し、既存投資先へのフォローオン投資に特化したグロースファンドを組成。4月までに27億円の調達に成功しました。また、1社あたりの投資額の上限を数億円から15億円まで拡大する方針です。

・エムスリー
医療分野のスタートアップに投資するコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)ファンドの運用を本格的に開始。出資総額は100億円に及びます。

・みずほ銀行 × みずほキャピタル
総額50億円規模の、ライフサイエンス分野の投資に特化したベンチャー投資ファンド「みずほライフサイエンス1号ファンド」を設立。

・グローバル・ブレイン
エプソングループと共同で「EP-GB投資事業有限責任組合」を、ヤマトホールディングスと共同で「KURONEKO Innovation Fund」を設立。それぞれ50億円規模のファンドで、有望なスタートアップ企業を支援していく方針です。

・グロービス・キャピタル・パートナーズ
5号ファンド(2016年設立、160億円)の既存投資先に対して、コロナ危機を乗り越え、さらに事業拡大を進められるための追加投資を行う5号Sファンドを設立。今年5月に募集上限の40億円で最終募集を完了する予定です。

・iSGSインベストメントワークス
新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う、医療・社会へのネガティブな影響に対抗し、改善可能性のあるサービスを提供するスタートアップを対象とした投資プログラムを4月1日より開始。迅速な投資意決定と投資実行、さらにサービスの開始と成長に向けた様々な経営支援を行う方針です。

先行きが不透明になり、経済成長が鈍化している中でも、各VCや事業投資会社は、新たにファンドを設立し、既存・新規投資先に対して支援拡大を行っています。

オンライン完結型の出資や無利子貸付など、注目の取り組み
新規のファンド設立以外にも、資金調達に関する斬新な取り組みを行い、スタートアップをはじめとする企業への資金支援をサポートしている会社が確認できました。

1 ANRI
オンライン完結型の投資を開始。同社では、今年3月に開始した即決投資プログラム「ソクダン」を通じて既に投資実行に至ったケースもあり、オンラインでしか接点がない起業家にも積極的に投資を進めていく方針です。

2 商工組合中央金庫
コロナ危機を受け、商工中金の全国約100支店において、中小・小規模事業者に対する実質無利子貸付の相談を受付。

3 マネーフォワードシンカ
ベンチャーキャピタルとスタートアップ企業のオンライン資金調達相談のマッチングを開始。2020年3月4日時点で、参画するベンチャーキャピタルは20社を超えています。

オンライン完結型の出資を実施したり、ビデオミーティングを活用した資金調達相談を開催するなど、今後の新たな資金調達の形を模索し、変革をもたらす可能性を秘めている取り組みも多く行われています。

「コロナ危機」を乗り越えるために

近年は、スタートアップが出資元を選べる時代になったともいわれていました。スタートアップがコロナ危機を乗り越えられるための支援が加速しているとはいえ、社会状況を鑑みて、依然として、投資に慎重になっているVCも多いでしょう。

世界では日本経済新聞によると、2020年1月から3月の期間において、世界のCVC投資額は前四半期比で13%減の340億ドルに留まりました。投資件数は1337件で、前四半期比19%減、前年同期比24%減となりました。しかし、国際的に経済成長と投資が鈍化する中、希望を感じられるデータもあります。現在のFortune 500に選出されている企業のうち、半数以上が不況や弱気市場で生まれたというのです。また、2007年から2009年の不況期に、50社以上のユニコーン企業が創業されたという事実もあります。

革新的なサービスや製品を提供し、人々の暮らしを飛躍的に向上させる可能性を秘めている企業こそが、スタートアップです。今後の不況が予想される今だからこそ、スタートアップに対する支援を拡大しているVCと企業が多いといえるでしょう。

当社は、今後もSTARTUP DBを通じて、スタートアップ・エコシステムの活性化を行い、国内成長産業の発展に貢献してまいります。

【調査概要】
タイトル:「新型コロナウイルスの拡大による、スタートアップの資金調達への影響は?」
調査期間:2019年1月から4月20日、2020年1月から4月20日
レポート記事:STARTUP DB(https://media.startup-db.com/research/covid19-funding
※当社が取得した登記簿謄本に記載している情報を元に参考値として算出しておりますが、当社は、本情報の正確性、信頼性、完全性を保証するものではなく、本情報に基づいて被ったいかなる損害についても一切責任を負いません。

STARTUP DB(スタートアップデータベース)について
国内最大級の成長産業領域に特化した情報プラットフォームです。企業データベースは、11,000社を越える日本のベンチャー・スタートアップ企業の情報を保有するとともに、起業家・投資家、エコシステムビルダーの方々累計100名以上のインタビューコンテンツをリリースしています。2019年6月24日より、英語版リリース。また、世界最大級のベンチャー企業データベース「Crunchbase」とデータ連携し、日本企業の情報を海外のプロフェッショナルに届けることで、国内の成長産業領域市場の発展に貢献しています。
https://startup-db.com/

フォースタートアップス株式会社 概要
社名:フォースタートアップス株式会社
代表者:代表取締役社長 兼 CEO 志水 雄一郎
設立:2016年9月1日
所在地:東京都港区六本木1-6-1 泉ガーデンタワー36F
https://forstartups.com/

フォースタートアップスは、「世界で勝負できる産業、企業、サービス、人を創出し、日本の成長を支えていく」 ために、「for Startups」というビジョンのもと、インターネット/IoTセクターをはじめ、ディープテック等リアルビジネス領域も含めた成長産業領域特化型の起業支援と転職支援を中心に事業を推進。国内有力ベンチャーキャピタルと連携したスタートアップ・ベンチャー企業への戦略的資金支援や、成長産業領域に特化した情報プラットフォーム「STARTUP DB(スタートアップデータベース)」の運用、及び、大企業とのビジネス共創モデルによる産業エコシステム強化にも取り組む。今後もビジョンとともに、日本の成長・発展に貢献してまいります。
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