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2型糖尿病治療薬Trajenta(R)(リナグリプチン)が欧州にて製造販売承認を取得

<この資料は、ドイツ ベーリンガーインゲルハイムと米国イーライリリー・アンド・カンパニーが8月25日に発表したプレスリリースを日本語に翻訳したものです。尚、日本の法規制などの観点から一部、削除、改変または追記している部分があります。この資料の内容および解釈についてはオリジナルが優先することをご了承ください。>

2011年8月25日、ドイツ、インゲルハイム

ベーリンガーインゲルハイムとイーライリリー・アンド・カンパニー(NYSE: LLY)は8月25日、2型糖尿病治療薬Trajenta(R)(リナグリプチン) の製造販売承認を欧州委員会より取得しました。欧州委員会は、メトホルミンとの併用投与およびメトホルミン+スルホニル尿素剤との併用投与にてリナグリプチンを承認しました1。リナグリプチンは、食事療法や運動療法のみでコントロール不良である患者や不耐性のためにメトホルミン治療が適切でない患者、または腎機能障害のためにメトホルミン治療が禁忌である患者に対する単独投与でも承認されています1。

ベーリンガーインゲルハイム医薬開発担当上級副社長のProf.クラウス・デュギは次のように述べています。「リナグリプチンがまもなく欧州全土で販売されることを大変嬉しく思います。第III相臨床試験プログラムによって2型糖尿病治療にリナグリプチンが臨床的に意義のある効果を示すことが明らかにされました。広範な成人の糖尿病患者さんに対して、血糖コントロールの改善が最大52週間の長期にわたり持続したことから、リナグリプチンは2型糖尿病治療に対して信頼できる効果を有する治療薬として認められたのです」。

ハート・オブ・イングランドNHSファウンデーション・トラスト(英国バーミンガム)糖尿病・内分泌学部門内科教授兼臨床部長のアンソニー・バーネットは次のように述べています。「他のDPP-4阻害薬と異なり、リナグリプチンは代謝されず、主に胆汁を介して排泄されます。そのため、腎機能や肝機能が低下している成人患者でも用量調整が不要です。つまり、リナグリプチンは1用量のみですべての成人患者に投与できるため、医師は用量調整をする必要がないのです」。

リリー糖尿病事業部 プレジデント エンリケ・コンテルノは次のように述べています。「欧州委員会によるリナグリプチンの承認は、ベーリンガーインゲルハイムとイーライリリー・アンド・カンパニーの糖尿病領域における戦略的なアライアンス上の重要なマイルストーンの1つです。リナグリプチンは、2型糖尿病患者さんにとって新たな治療選択肢を提供することになります」。

参考資料:

リナグリプチンについて

リナグリプチンは、インクレチンホルモンGLP-1(グルカゴン様ペプチド‐1)およびGIP(グルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチド)の不活化に関与する酵素である酵素DPP-4(ジペプチジル・ペプチダーゼ-4)の阻害薬です。リナグリプチンはグルコース依存性にインスリン分泌を増加させ、グルカゴン分泌を低下させることによって、グルコース恒常性を全体的に改善します1。

注) リナグリプチンは2011年5月に米国で、2011年8月に欧州で承認されました。日本では、7月1日に食事療法、運動療法のみで十分な効果が得られない2型糖尿病患者の治療薬(単独療法)として、日本ベーリンガーインゲルハイムが、トラゼンタ(R)錠 5mg(一般名:リナグリプチン)」の製造販売承認を取得しました。他の糖尿病治療薬との併用療法での製造販売承認は現時点では取得していません。

トラゼンタ(R)は日本で、日本ベーリンガーインゲルハイムが製造、販売を行い、日本イーライリリーと共同販促(コ・プロモーション)をいたします。日本での効能効果と用法用量は、以下の通りです。

【日本での効能効果】
2型糖尿病(ただし、食事療法・運動療法のみで十分な効果が得られない場合に限る。)

【日本での用法用量】
通常、成人にはリナグリプチンとして5mgを1日1回経口投与する。

糖尿病について

糖尿病患者は世界で2億8,500万人と推定されています2。なかでも2型糖尿病はもっとも一般的なタイプの糖尿病であり、糖尿病全体の90%を占めます2。糖尿病は、インスリンというホルモンを生体が適切に生成したり、利用しにくくなった場合に発症する慢性疾患です3。

日本では、1型および2型糖尿病の患者数は約2,210万人4と推定されています。また、2型糖尿病患者の42%が慢性腎臓病(CKD)のステージ2(軽度GFR低下を伴う腎障害)以上を合併しているとの報告があります5。また、腎機能低下のリスクの高い高血圧を合併している2型糖尿病患者さんの割合は40%との報告もあります6。このように、2型糖尿病患者さんの多くが高血圧や微量アルブミン尿症を合併しており、腎機能低下リスクが高い状態にさらされています。

ベーリンガーインゲルハイムとイーライリリー・アンド・カンパニー の提携について
2011年1月、ベーリンガーインゲルハイムとイーライリリー・アンド・カンパニーは、糖尿病領域におけるアライアンスを結び、糖尿病領域において大型製品に育成されることが期待される4つの治療薬候補化合物を中心に協働していくことを発表しました。同アライアンスは、ベーリンガーインゲルハイムが持つ研究開発主導型イノベーションの確かな実績とイーライリリーが持つ糖尿病領域での革新的な研究、経験、先駆的実績を合わせ、世界的製薬企業である両社の強みを最大限に活用するものです。この提携によって両社は、糖尿病患者のケアにおけるコミットメントを示し、患者のニーズに応えるべく協力しています。

ベーリンガーインゲルハイムについて
ベーリンガーインゲルハイムグループは、世界でトップ20の製薬企業のひとつです。ドイツのインゲルハイムを本拠とし、世界で145の関連会社と42,500人以上の社員が、事業を展開しています。1885年の設立以来、株式公開をしない企業形態の特色を生かしながら、臨床的価値の高いヒト用医薬品および動物薬の研究開発、製造、販売に注力してきました。

2010年度は126億ユーロの売上を示しました。革新的な医薬品を世に送り出すべく、医療用医薬品事業の売上の約24%相当額を研究開発に投資しました。

ベーリンガーインゲルハイムについての詳細情報は以下のウェブサイトをご覧ください。

www.boehringer-ingelheim.co.jp 

イーライリリー・アンド・カンパニーについて
1876年創業のイーライリリーは130年の歴史ある研究開発主導型の先進企業であり、世界140カ国以上、約38,000人の社員が自社の研究施設の最新の成果を応用するとともに、社外の研究機関との提携を通じて医薬品のポートフォリオを拡大しています。米インディアナ州インディアナポリスに本社を置くリリーは、医薬品と情報を通じて「こたえ」を提供し、世界で最も急を要する医療ニーズを満たしています。リリーについての詳細は以下のウェブサイトをご覧ください。

www.lilly.com

リリーの糖尿病事業について
リリーは85年以上にわたり、糖尿病の患者さんの生命ならびに治療を支援する先駆的企業として、常に世界をリードしてきました。リリーは世界初の商業用インスリンを1923年に開発した企業であり、今日も糖尿病を管理するための医薬品ならびに投与システム分野で最先端を走り続けています。また、リリーは、実用的なツール、教育、支援プログラムなど、治療以外のソリューションの提供にも注力しており、こうしたプログラムは長期にわたる糖尿病治療における障壁の克服に寄与しています。糖尿病と共に生き、治療を続ける患者さん一人ひとりの道のりが、リリーの活動の原動力となっています。詳細は以下のウェブサイトをご覧ください。

www.lillydiabetes.com

このプレスリリースには、2型糖尿病治療薬であるリナグリプチン錠について、リリーの現在の予想に基づく前向き声明が含まれていますが、医薬品の研究開発プロセスおよび商品化には常に多大なリスクと不確実性が伴います。今後の試験結果や患者経験がこれまでに試験から得られた知見と一致するという保証も、リナグリプチンが商業的に成功を収めるという保証もありません。こうしたリスクや不確実性については、米国証券取引委員会に提出されたリリーの最新のフォーム10-Kおよび10-Qに記載されています。なお、リリーは将来の予想に関する記述を更新する義務を負いません。

References

1.Trajenta(TM) (linagliptin) tablets. EMA Summary of Product Characteristics. 2011
2. International Diabetes Federation: www.idf.org, 2010.
3. World Health Organization: Fact Sheet No. 312 What is Diabetes?, 2010.
4. 厚生労働省2007年国民健康・栄養調査
5 Yokoyama H, et al. Diabetes Care 30: 989, 2007
6 Iimura O: Hypertens Res 19: S1-S8, 1996
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