【マリ・内戦の影響は47万人に】コレラ、食糧不足など新たな危機のリスク高まる
[13/05/14]
提供元:PRTIMES
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5月15日 ブリュッセルでマリ支援国会議開催
【本信は、ユニセフ本部から提供された情報を元に日本ユニセフ協会が作成・配信しています】
反政府勢力と政府軍による武力衝突が続くマリ。1月のフランス軍介入後、北部の主要都市は3月に政府側に奪還されたものの、トゥンブクトゥやガオでは、現在も断続的に戦闘が勃発、緊迫した状況が続いています。
7月には大統領選挙が予定されていますが、治安の回復には相当な時間がかかるとみられています。
マリ国内のみならず周辺諸国地域の安定のためには、国際社会が人道支援の手を緩めないことが不可欠です。
5月15日には、ベルギーのブリュッセルで、フランスと欧州連合(EU)が共同議長を務め、マリ支援国会議が開催予定です。
■紛争に巻き込まれた人は約47万人
3月21日現在、マリの国内避難民の数は29万2,648人。また、周辺国に難民となって逃れた人たちは、17万5,221人に達しています。2012年12月から2013年2月までの期間に、親と離れ離れになり、保護され、登録された子どもたちは1,572人。地雷や不発弾の犠牲になった人は69人に上ります。
■ユニセフの支援活動ハイライト(4月の活動)トゥンブクトゥとガオで、321の小学校が再開。7万6,600人の子どもと1,561人の教員が学校に戻りました。これは主に都市部の小学校です。今後、例年以上にコレラの発生件数が増えることが危惧されているため、ユニセフは、石けんなどが入った衛生キットを配布。武力衝突があった北部キダル、中部モプティとセグーの各州で、社会インフラの修復作業を引き続き行っています。
3月に武力勢力に捕らわれていた7人の子どもたちは保護され、ユニセフによる支援を受けて、保護施設で心理的ケアと職業訓練を含む支援を受けています。
ユニセフは、マリ政府、世界食糧計画(WFP)、地元NGO組織とともに、4月30日より、
ガオで栄養調査を開始。この調査は、2011年のマリ北部での武力衝突勃発後初めて実施されるもので、
栄養分野でのニーズと支援上優先すべき課題を決める上で重要な調査となります。
■確保できた支援活動資金は、必要額の4分の1
ユニセフは、マリの人道支援活動に必要な資金として、8,190万米ドルの支援を国際社会に要請していますが、現時点で確保できたのは、その25%に過ぎません。
■教育の機会を失っている難民となった子どもたち
周辺国には、17万3,000人が避難。こうした状況の中でも、学齢期の子どもたちが学校に通い、教育を受けることが重要です。4月、ユニセフはマリの教育大臣とともに、ニジェール(5万人が避難)、ブルキナファソ(4万9,000人が避難)の難民キャンプを訪問。マリ難民の子どもを対象にした教育支援プログラムを準備しています。
国連高等弁務官事務所(UNHCR)によると、ブルキナファソには学齢期の子どもたち1万3,000人が難民登録されており、2,000人がブルキナファソのカリキュラムで学んでいるものの、残りの1万1,000人の子どもたちは、教育の機会を逃している状況です。
ニジェールでは5,724人が難民登録され、うち4,500人が学校に通っていますが、それらの学校では、マリとニジェールのカリキュラムの両方が取り入れられているため、学年末の試験時期が異なるなどの問題が生じています。
■新たな脅威-地雷、感染症、インフラの損壊、食料危機
4月、トゥンブクトゥで地雷や不発弾の犠牲になった人が新たに4人報告され、そのうち負傷した2人は子どもでした。
ガオとキダルでは、これまでに462人がはしかに感染。うち12人が亡くなりました。
去年の同時期には178人が感染したものの死者は出ていませんでした。
ユニセフは、今後、コレラの発生件数が多くなるものと危惧しています。
これまで実施した調査結果から、紛争により、以前より多くの人が既存の給水設備を使えなくなったことが明らかになっています。略奪行為や資材の入手が困難な状況、燃料の不足、干ばつの影響を受け、多くの人々が、汚れた水源から汲んだ水を使っていることが確認されています。
また、上水道の水質を維持する管理機能や技術者が1年以上不在で、政府による技術的、組織的な支援もないモプティやセグー、バマコで避難生活を送る国内避難民の方々は、安全な飲料安全な水を確保することが非常に困難な状況に置かれています。
石けんなどの日用品の価格も高騰。そうしたものを最も必要としている最も貧しい人たちが、最も手に入れ難い状況となっています。
「子どもの保護」の分野では、武装グループにとらわれていた子どもたちが、自分たちの村に帰還しているとの報告がある一方で、子どもたちが報復や差別を受けることがないよう、地域に根ざした保護活動を強化する必要があります。
マリ北部の治安情勢が改善されず、紛争に巻き込まれている地域への人道支援が行われなければ、今後2ヵ月以内に、食料不足は緊急事態のレベルにまで陥ると人道支援に関わる諸機関は警鐘を鳴らしています。ユニセフも、引き続きこうした状況の監視を続けています。
■ お問い合わせ先
(公財)日本ユニセフ協会 広報室
TEL:03-5789-2016 FAX : 03-5789-2036 メール: jcuinfo@unicef.or.jp
■日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国36の国と地域にあるユニセフ
国内委員会のひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、政策提言(アドボカシー)、募金活動を担っています。
(www.unicef.or.jp)
【本信は、ユニセフ本部から提供された情報を元に日本ユニセフ協会が作成・配信しています】
反政府勢力と政府軍による武力衝突が続くマリ。1月のフランス軍介入後、北部の主要都市は3月に政府側に奪還されたものの、トゥンブクトゥやガオでは、現在も断続的に戦闘が勃発、緊迫した状況が続いています。
7月には大統領選挙が予定されていますが、治安の回復には相当な時間がかかるとみられています。
マリ国内のみならず周辺諸国地域の安定のためには、国際社会が人道支援の手を緩めないことが不可欠です。
5月15日には、ベルギーのブリュッセルで、フランスと欧州連合(EU)が共同議長を務め、マリ支援国会議が開催予定です。
■紛争に巻き込まれた人は約47万人
3月21日現在、マリの国内避難民の数は29万2,648人。また、周辺国に難民となって逃れた人たちは、17万5,221人に達しています。2012年12月から2013年2月までの期間に、親と離れ離れになり、保護され、登録された子どもたちは1,572人。地雷や不発弾の犠牲になった人は69人に上ります。
■ユニセフの支援活動ハイライト(4月の活動)トゥンブクトゥとガオで、321の小学校が再開。7万6,600人の子どもと1,561人の教員が学校に戻りました。これは主に都市部の小学校です。今後、例年以上にコレラの発生件数が増えることが危惧されているため、ユニセフは、石けんなどが入った衛生キットを配布。武力衝突があった北部キダル、中部モプティとセグーの各州で、社会インフラの修復作業を引き続き行っています。
3月に武力勢力に捕らわれていた7人の子どもたちは保護され、ユニセフによる支援を受けて、保護施設で心理的ケアと職業訓練を含む支援を受けています。
ユニセフは、マリ政府、世界食糧計画(WFP)、地元NGO組織とともに、4月30日より、
ガオで栄養調査を開始。この調査は、2011年のマリ北部での武力衝突勃発後初めて実施されるもので、
栄養分野でのニーズと支援上優先すべき課題を決める上で重要な調査となります。
■確保できた支援活動資金は、必要額の4分の1
ユニセフは、マリの人道支援活動に必要な資金として、8,190万米ドルの支援を国際社会に要請していますが、現時点で確保できたのは、その25%に過ぎません。
■教育の機会を失っている難民となった子どもたち
周辺国には、17万3,000人が避難。こうした状況の中でも、学齢期の子どもたちが学校に通い、教育を受けることが重要です。4月、ユニセフはマリの教育大臣とともに、ニジェール(5万人が避難)、ブルキナファソ(4万9,000人が避難)の難民キャンプを訪問。マリ難民の子どもを対象にした教育支援プログラムを準備しています。
国連高等弁務官事務所(UNHCR)によると、ブルキナファソには学齢期の子どもたち1万3,000人が難民登録されており、2,000人がブルキナファソのカリキュラムで学んでいるものの、残りの1万1,000人の子どもたちは、教育の機会を逃している状況です。
ニジェールでは5,724人が難民登録され、うち4,500人が学校に通っていますが、それらの学校では、マリとニジェールのカリキュラムの両方が取り入れられているため、学年末の試験時期が異なるなどの問題が生じています。
■新たな脅威-地雷、感染症、インフラの損壊、食料危機
4月、トゥンブクトゥで地雷や不発弾の犠牲になった人が新たに4人報告され、そのうち負傷した2人は子どもでした。
ガオとキダルでは、これまでに462人がはしかに感染。うち12人が亡くなりました。
去年の同時期には178人が感染したものの死者は出ていませんでした。
ユニセフは、今後、コレラの発生件数が多くなるものと危惧しています。
これまで実施した調査結果から、紛争により、以前より多くの人が既存の給水設備を使えなくなったことが明らかになっています。略奪行為や資材の入手が困難な状況、燃料の不足、干ばつの影響を受け、多くの人々が、汚れた水源から汲んだ水を使っていることが確認されています。
また、上水道の水質を維持する管理機能や技術者が1年以上不在で、政府による技術的、組織的な支援もないモプティやセグー、バマコで避難生活を送る国内避難民の方々は、安全な飲料安全な水を確保することが非常に困難な状況に置かれています。
石けんなどの日用品の価格も高騰。そうしたものを最も必要としている最も貧しい人たちが、最も手に入れ難い状況となっています。
「子どもの保護」の分野では、武装グループにとらわれていた子どもたちが、自分たちの村に帰還しているとの報告がある一方で、子どもたちが報復や差別を受けることがないよう、地域に根ざした保護活動を強化する必要があります。
マリ北部の治安情勢が改善されず、紛争に巻き込まれている地域への人道支援が行われなければ、今後2ヵ月以内に、食料不足は緊急事態のレベルにまで陥ると人道支援に関わる諸機関は警鐘を鳴らしています。ユニセフも、引き続きこうした状況の監視を続けています。
■ お問い合わせ先
(公財)日本ユニセフ協会 広報室
TEL:03-5789-2016 FAX : 03-5789-2036 メール: jcuinfo@unicef.or.jp
■日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国36の国と地域にあるユニセフ
国内委員会のひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、政策提言(アドボカシー)、募金活動を担っています。
(www.unicef.or.jp)