東京オフィス賃料8四半期連続で上昇
[14/06/05]
提供元:PRTIMES
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2014年第1四半期 (1‐3月)、空室率は3%台で推移 ジャパン プロパティ ダイジェスト
総合不動産サービス大手のJLL(本社: 東京都千代田区、代表取締役社長 河西利信)は、日本のオフィス、リテール、ロジスティクス、ホテル市場における市況、需給や空室状況、賃料・価格動向及び12ヵ月予測をまとめた調査レポート「ジャパン プロパティ ダイジェスト(JPPD)2014年第1四半期」を発表しました。セクター別の概要は、以下の通りです。
なお、今回のレポートから日本の経済指標や不動産売買動向を加え、日本に特化して横断的に不動産市場を分析しており、レポート名を「アジア パシフィック プロパティ ダイジェスト(APPD)」から「ジャパン プロパティ ダイジェスト(JPPD)」に変更しています。
東京のAグレードオフィス市場
賃料
8四半期連続の上昇
月額坪当たり32,268円(共益費込)となり、前期比1.4%上昇、前年比3.2%上昇。経済状況の好転と限定的な空室を反映して上昇率は加速し、6四半期ぶりに1%超となった。
空室率
2四半期連続3%台で推移
空室率は、3.7%(前期比0.3ポイント上昇、前年比0.7ポイント低下)。4四半期ぶりに上昇するも、2四半期連続で4%を下回る水準で推移し、貸主優位市場に拍車をかけている。
ネット・アブゾープション(※1)
第1四半期は29千m2 、前期比減少、過去10年平均と比して4割程度と控えめな水準にとどまった。これは、大手町・丸の内や赤坂・六本木における空室率上昇が反映されたためである。ただし、企業の営業利益の増加や労働市場のタイト化を背景に、需要は引き続き堅調。
供給
第1四半期の新規供給は48千m2 、ストックは前期比0.7%増加。「室町古河三井ビルディング」(貸床面積: 20千m2 )と「京橋トラストタワー」(貸床面積: 28千m2 )が竣工。
12ヵ月見通し
空室率は一層低下、賃料は穏やかな回復を持続
賃貸市場では、今後12ヵ月にかけて需要は好調な経済に支えられて堅調に推移する見通しである一方、2014年の新規供給は過去10年平均比140%程度と大規模であるにもかかわらず契約率は9割に迫っている。このような状況下、空室率は一層低下、市場は貸主優位に傾き、賃料の緩やかな上昇基調を支える見通し。投資市場では、賃料の上昇に加えて、利回りは引き続き低下圧力が加えられるとの予測から、価格は上昇を持続する見通しである。
(※1)当期中に新たに賃貸された床面積から当期中に退去した床面積を控除したネットの床面積の増減
大阪のAグレードオフィス市場
賃料
11四半期連続の下落、ただし下落率は1%未満と小幅
月額坪当たり15,554円(共益費込)。前期比0.2%、前年比1.3%ともに下落。下落は11四半期連続となったものの、下落率は1%未満と小幅。
空室率
引き続き低下、2四半期連続1.0ポイント以上のペース
第1四半期は10.3%となり、前期比1.0ポイント低下、前年比4.1ポイント上昇。引き続き高い水準を示すも2四半期連続前期比1.0ポイント以上と速いペースで低下している。
ネット・アブゾープション
第1四半期に17千m2 と、概ね前期並、過去5年平均をわずかに下回る水準となった。吸収は梅田、中之島、御堂筋沿い等CBD市場全体でみられ、製造業、卸売・小売業、サービス業等のテナントが集約等の業務効率化、人員増、BCP強化に対応すべく移転を行った。
供給
第1四半期に新規供給はなかった。
12ヵ月見通し
需給バランスは大幅に改善、賃料は2014年中に底打ちの見通し
今後12ヵ月にかけて、好調な経済を受けて、賃貸需要は引き続き回復する一方、2014年の新規供給は13千m2 と過去5年平均の1割程度となることから、需給バランスは大きく改善する見通し。したがって、空室率は低下、賃料は2014年中に底打ちし、一部上昇に転じるエリアもみられる見通し。投資市場は活発化の様相を強める見通しである。したがって、競争から投資利回りには引き続き一層の低下圧力が加えられ、賃料下げ止まりとも相まって、価格は上昇する見通しである。
JLLリサーチ事業部長の赤城威志は、次のように述べています。「東京Aグレードオフィスの賃料は緩やかながらも上昇が継続しています。また足元では好調な企業業績もあり、更なるテナント需要の活発化が見られ始めています。売買市場においても良好な資金調達環境を背景に、大型物件の流動性が高まってきています。今後も賃貸・売買両市場の相乗効果によって、更なる市況改善が期待されます」
東京のリテール(商業施設)市場
賃料
6四半期連続上昇
月額坪当たり66,753円(共益費込)。前期比0.6%、前年比1.8%の上昇。上昇は6四半期連続。主に銀座における賃料上昇を反映した。
価格
前年比7.4%上昇
価格は前期比0.6%増、前年比7.4%増となり、2四半期連続で上昇。投資利回りは横ばいとなった。
12ヵ月見通し
賃料は引き続き上昇基調、価格も上昇傾向で推移
消費税引き上げ後は駆け込み需要の反動が一時的にみられるものの、テナントの出店意欲に与える影響は限定的となるため、需要は引き続き旺盛、一方新規供給は限定的となる見通し。空室は引き続き限定的となり、賃料の上昇基調を下支えする見通しである。投資市場では、賃料の上昇を反映して価格が上昇する見通しであるため、投資利回りは小幅縮小がみられる可能性がある。また、土地価格の上昇や建設資材の需給バランスも賃料と価格に上昇圧力を加える可能性がある。
東京のロジスティクス(物流)市場
賃料
11四半期連続上昇
月額坪当たり5,921円(共益費込)、前期比0.1%、前年比1.4%上昇し、11四半期連続の上昇となった。
需要
消費の持ち直し、成長を続ける通信販売市場、物流効率化推進の流れを背景に、第1四半期に需要は引き続き旺盛となり、倉庫業、運輸業、卸売・小売業等のテナントが賃貸借活動を行った。ただし、東京ベイエリアにおける空室は引き続き限定的となっていることから、吸収は主に千葉・川崎・横須賀港エリアや内陸の新規供給にてみられた。
供給
第1四半期に東京ベイエリアにおける新規供給は見られなかった。東京圏の新規供給は、千葉港エリアで「GLP・MFLP市川塩浜」(延床面積122千m2 )、内陸で「DPL横浜大黒」(賃借面積 118千m2 )、「プロロジスパーク北本」(延床面積 74千m2 )、「プロロジスパーク川島2」(延床面積 46千m2 )が挙げられる。
12ヵ月見通し
堅調な需要、賃料は緩やかな上昇基調を維持
需要は堅調に推移、一方新規供給は限定的となり、空室は引き続き限定される見通しである。こうした需給バランスと、上昇する土地価格、建設資材等もあり、賃料は緩やかな上昇基調を維持する見通しである。
東京のホテル市場
需要
訪日需要、日本人の宿泊需要、ともに震災後からの回復が好調
訪日外客数は2014年初来2月までの累計で前年同期比30.5%増加の1.8百万人となった。これは中国と台湾からの訪日客が前年比でそれぞれ92.0%、48.3%の大幅増となったことに起因する。2013年7月以降の観光ビザの規制緩和により、タイとマレーシアからの訪日客も同様にそれぞれ70.9%、51.1%と大幅に増加。
国内の宿泊需要は、2011年3月の震災以降、ビジネス、レジャー双方において引き続き力強く回復。円安や格安航空会社の普及も日本人の国内旅行を促進する結果となっている。
供給
年内に2軒の5ツ星ホテル開業予定
第1四半期は主要な4ツ星または5ツ星ホテルの新規開業はなかったが、2014年内に2軒の5ツ星ホテルが開業予定。アマン東京は客室数80室を備える都内最高級のホテルとしてアンダーズ東京は2014年夏に開業する地上52階建の複合ビル 虎ノ門ヒルズの高層階に入居する客室数164室のホテルとして開業予定。
運営パフォーマンス
引き続き順調に推移、RevPAR(※2)、客室稼働率、ADR(※3)ともに上昇
引き続き好調に推移し、RevPARは、年初来2月末までの累計で前年比23.8%の増加となった。これは客室稼働率、ADRの双方において前年比で、それぞれ7.1%、12.2%上昇したことによる。
売買取引では、1月に兵庫県西宮市の客室数200室を備えるフルサービスホテル、ノボテル甲子園が、泰明ハウジングに売却された。2013年において、日本は不動産取引総額が27億米ドル(前年比480%増)とアジアで首位であり、アベノミクスの経済政策や2020年東京オリンピック開催決定は、こうした活発な取引活動に貢献した。
(※2)1日当たり販売可能客室数当り宿泊売上
(※3)平均客室単価
12ヵ月見通し
短期的にはADRの上昇がRevPARの成長を牽引
国内外の需要は2011年以降訪日外客数の伸びが堅調なことなどから、引き続き増加が見込まれる。客室稼働率は既に過去7年で最高水準まで回復していることから、短期的にはADR上昇がRevPARの伸びを牽引する形となっている。
多くの日本企業では今期、従業員の給与ベースアップが検討され、消費への刺激が期待される。国内の消費税率が8%になったことで一定の消費抑制が懸念されるものの、企業業績の改善に伴う世帯収入増加は観光需要を喚起していくものと見込まれる。
JLLホテルズ&ホスピタリティ事業部 マネージングディレクターの沢柳知彦は、次のように述べています。「年初来の円安傾向が持続しており、日本人レジャー需要の海外旅行から国内旅行へのシフトおよびインバウンド需要拡大が継続中です。また、ホテル投資マーケットも、運営パフォーマンス改善期待と金融緩和によるより良いローン条件を背景に活況を呈しています」
【補足】
本レポートの日本での調査対象地区は次の通りです。
東京CBD(中心業務地区):千代田区、中央区、港区、新宿区、渋谷区
大阪CBD(中心業務地区):中央区、北区
東京リテール:銀座と表参道のプライムリテールマーケット
東京ロジスティクス:主に東京都のベイエリア(品川区、大田区、江東区)
東京ホテル:特段の説明がない限り東京所在の5ツ星ホテルマーケット
「ジャパン プロパティ ダイジェスト(JPPD) 2014年第1四半期」の詳細はwww.joneslanglasalle.co.jpをご覧ください。
JLLグループについて
JLLグループ(ニューヨーク証券取引所上場:JLL)は、不動産オーナー、テナント、投資家に対し、包括的な不動産サービスをグローバルに提供する総合不動産サービス会社です。世界75ヵ国、1,000都市、200超拠点で展開し、売上高は約40億ドルに上ります。2013年度は、プロパティ・マネジメント及び企業向けファシリティ・マネジメントにおいて、約2億7,900万m2 (約8,370 万坪)の不動産ポートフォリオを管理し、990億ドルの取引を完了しました。JLLグループで不動産投資・運用を担当するラサール インベスト マネジメントは、総額480億ドルの資産を運用しています。
JLLのアジア太平洋地域での活動は50年以上にわたり、現在15ヵ国、80事業所で27,500名超のスタッフを擁しています。2014年インターナショナル・プロパティ・アワード・アジア・パシフィックでは7ヵ国・地域で「最優秀不動産コンサルタント賞」を受賞、また2013年ユーロマネー・リアルエステート・アワードにおいては9つの賞を受賞しました。詳細な情報はホームページをご覧下さい。www.joneslanglasalle.co.jp
総合不動産サービス大手のJLL(本社: 東京都千代田区、代表取締役社長 河西利信)は、日本のオフィス、リテール、ロジスティクス、ホテル市場における市況、需給や空室状況、賃料・価格動向及び12ヵ月予測をまとめた調査レポート「ジャパン プロパティ ダイジェスト(JPPD)2014年第1四半期」を発表しました。セクター別の概要は、以下の通りです。
なお、今回のレポートから日本の経済指標や不動産売買動向を加え、日本に特化して横断的に不動産市場を分析しており、レポート名を「アジア パシフィック プロパティ ダイジェスト(APPD)」から「ジャパン プロパティ ダイジェスト(JPPD)」に変更しています。
東京のAグレードオフィス市場
賃料
8四半期連続の上昇
月額坪当たり32,268円(共益費込)となり、前期比1.4%上昇、前年比3.2%上昇。経済状況の好転と限定的な空室を反映して上昇率は加速し、6四半期ぶりに1%超となった。
空室率
2四半期連続3%台で推移
空室率は、3.7%(前期比0.3ポイント上昇、前年比0.7ポイント低下)。4四半期ぶりに上昇するも、2四半期連続で4%を下回る水準で推移し、貸主優位市場に拍車をかけている。
ネット・アブゾープション(※1)
第1四半期は29千m2 、前期比減少、過去10年平均と比して4割程度と控えめな水準にとどまった。これは、大手町・丸の内や赤坂・六本木における空室率上昇が反映されたためである。ただし、企業の営業利益の増加や労働市場のタイト化を背景に、需要は引き続き堅調。
供給
第1四半期の新規供給は48千m2 、ストックは前期比0.7%増加。「室町古河三井ビルディング」(貸床面積: 20千m2 )と「京橋トラストタワー」(貸床面積: 28千m2 )が竣工。
12ヵ月見通し
空室率は一層低下、賃料は穏やかな回復を持続
賃貸市場では、今後12ヵ月にかけて需要は好調な経済に支えられて堅調に推移する見通しである一方、2014年の新規供給は過去10年平均比140%程度と大規模であるにもかかわらず契約率は9割に迫っている。このような状況下、空室率は一層低下、市場は貸主優位に傾き、賃料の緩やかな上昇基調を支える見通し。投資市場では、賃料の上昇に加えて、利回りは引き続き低下圧力が加えられるとの予測から、価格は上昇を持続する見通しである。
(※1)当期中に新たに賃貸された床面積から当期中に退去した床面積を控除したネットの床面積の増減
大阪のAグレードオフィス市場
賃料
11四半期連続の下落、ただし下落率は1%未満と小幅
月額坪当たり15,554円(共益費込)。前期比0.2%、前年比1.3%ともに下落。下落は11四半期連続となったものの、下落率は1%未満と小幅。
空室率
引き続き低下、2四半期連続1.0ポイント以上のペース
第1四半期は10.3%となり、前期比1.0ポイント低下、前年比4.1ポイント上昇。引き続き高い水準を示すも2四半期連続前期比1.0ポイント以上と速いペースで低下している。
ネット・アブゾープション
第1四半期に17千m2 と、概ね前期並、過去5年平均をわずかに下回る水準となった。吸収は梅田、中之島、御堂筋沿い等CBD市場全体でみられ、製造業、卸売・小売業、サービス業等のテナントが集約等の業務効率化、人員増、BCP強化に対応すべく移転を行った。
供給
第1四半期に新規供給はなかった。
12ヵ月見通し
需給バランスは大幅に改善、賃料は2014年中に底打ちの見通し
今後12ヵ月にかけて、好調な経済を受けて、賃貸需要は引き続き回復する一方、2014年の新規供給は13千m2 と過去5年平均の1割程度となることから、需給バランスは大きく改善する見通し。したがって、空室率は低下、賃料は2014年中に底打ちし、一部上昇に転じるエリアもみられる見通し。投資市場は活発化の様相を強める見通しである。したがって、競争から投資利回りには引き続き一層の低下圧力が加えられ、賃料下げ止まりとも相まって、価格は上昇する見通しである。
JLLリサーチ事業部長の赤城威志は、次のように述べています。「東京Aグレードオフィスの賃料は緩やかながらも上昇が継続しています。また足元では好調な企業業績もあり、更なるテナント需要の活発化が見られ始めています。売買市場においても良好な資金調達環境を背景に、大型物件の流動性が高まってきています。今後も賃貸・売買両市場の相乗効果によって、更なる市況改善が期待されます」
東京のリテール(商業施設)市場
賃料
6四半期連続上昇
月額坪当たり66,753円(共益費込)。前期比0.6%、前年比1.8%の上昇。上昇は6四半期連続。主に銀座における賃料上昇を反映した。
価格
前年比7.4%上昇
価格は前期比0.6%増、前年比7.4%増となり、2四半期連続で上昇。投資利回りは横ばいとなった。
12ヵ月見通し
賃料は引き続き上昇基調、価格も上昇傾向で推移
消費税引き上げ後は駆け込み需要の反動が一時的にみられるものの、テナントの出店意欲に与える影響は限定的となるため、需要は引き続き旺盛、一方新規供給は限定的となる見通し。空室は引き続き限定的となり、賃料の上昇基調を下支えする見通しである。投資市場では、賃料の上昇を反映して価格が上昇する見通しであるため、投資利回りは小幅縮小がみられる可能性がある。また、土地価格の上昇や建設資材の需給バランスも賃料と価格に上昇圧力を加える可能性がある。
東京のロジスティクス(物流)市場
賃料
11四半期連続上昇
月額坪当たり5,921円(共益費込)、前期比0.1%、前年比1.4%上昇し、11四半期連続の上昇となった。
需要
消費の持ち直し、成長を続ける通信販売市場、物流効率化推進の流れを背景に、第1四半期に需要は引き続き旺盛となり、倉庫業、運輸業、卸売・小売業等のテナントが賃貸借活動を行った。ただし、東京ベイエリアにおける空室は引き続き限定的となっていることから、吸収は主に千葉・川崎・横須賀港エリアや内陸の新規供給にてみられた。
供給
第1四半期に東京ベイエリアにおける新規供給は見られなかった。東京圏の新規供給は、千葉港エリアで「GLP・MFLP市川塩浜」(延床面積122千m2 )、内陸で「DPL横浜大黒」(賃借面積 118千m2 )、「プロロジスパーク北本」(延床面積 74千m2 )、「プロロジスパーク川島2」(延床面積 46千m2 )が挙げられる。
12ヵ月見通し
堅調な需要、賃料は緩やかな上昇基調を維持
需要は堅調に推移、一方新規供給は限定的となり、空室は引き続き限定される見通しである。こうした需給バランスと、上昇する土地価格、建設資材等もあり、賃料は緩やかな上昇基調を維持する見通しである。
東京のホテル市場
需要
訪日需要、日本人の宿泊需要、ともに震災後からの回復が好調
訪日外客数は2014年初来2月までの累計で前年同期比30.5%増加の1.8百万人となった。これは中国と台湾からの訪日客が前年比でそれぞれ92.0%、48.3%の大幅増となったことに起因する。2013年7月以降の観光ビザの規制緩和により、タイとマレーシアからの訪日客も同様にそれぞれ70.9%、51.1%と大幅に増加。
国内の宿泊需要は、2011年3月の震災以降、ビジネス、レジャー双方において引き続き力強く回復。円安や格安航空会社の普及も日本人の国内旅行を促進する結果となっている。
供給
年内に2軒の5ツ星ホテル開業予定
第1四半期は主要な4ツ星または5ツ星ホテルの新規開業はなかったが、2014年内に2軒の5ツ星ホテルが開業予定。アマン東京は客室数80室を備える都内最高級のホテルとしてアンダーズ東京は2014年夏に開業する地上52階建の複合ビル 虎ノ門ヒルズの高層階に入居する客室数164室のホテルとして開業予定。
運営パフォーマンス
引き続き順調に推移、RevPAR(※2)、客室稼働率、ADR(※3)ともに上昇
引き続き好調に推移し、RevPARは、年初来2月末までの累計で前年比23.8%の増加となった。これは客室稼働率、ADRの双方において前年比で、それぞれ7.1%、12.2%上昇したことによる。
売買取引では、1月に兵庫県西宮市の客室数200室を備えるフルサービスホテル、ノボテル甲子園が、泰明ハウジングに売却された。2013年において、日本は不動産取引総額が27億米ドル(前年比480%増)とアジアで首位であり、アベノミクスの経済政策や2020年東京オリンピック開催決定は、こうした活発な取引活動に貢献した。
(※2)1日当たり販売可能客室数当り宿泊売上
(※3)平均客室単価
12ヵ月見通し
短期的にはADRの上昇がRevPARの成長を牽引
国内外の需要は2011年以降訪日外客数の伸びが堅調なことなどから、引き続き増加が見込まれる。客室稼働率は既に過去7年で最高水準まで回復していることから、短期的にはADR上昇がRevPARの伸びを牽引する形となっている。
多くの日本企業では今期、従業員の給与ベースアップが検討され、消費への刺激が期待される。国内の消費税率が8%になったことで一定の消費抑制が懸念されるものの、企業業績の改善に伴う世帯収入増加は観光需要を喚起していくものと見込まれる。
JLLホテルズ&ホスピタリティ事業部 マネージングディレクターの沢柳知彦は、次のように述べています。「年初来の円安傾向が持続しており、日本人レジャー需要の海外旅行から国内旅行へのシフトおよびインバウンド需要拡大が継続中です。また、ホテル投資マーケットも、運営パフォーマンス改善期待と金融緩和によるより良いローン条件を背景に活況を呈しています」
【補足】
本レポートの日本での調査対象地区は次の通りです。
東京CBD(中心業務地区):千代田区、中央区、港区、新宿区、渋谷区
大阪CBD(中心業務地区):中央区、北区
東京リテール:銀座と表参道のプライムリテールマーケット
東京ロジスティクス:主に東京都のベイエリア(品川区、大田区、江東区)
東京ホテル:特段の説明がない限り東京所在の5ツ星ホテルマーケット
「ジャパン プロパティ ダイジェスト(JPPD) 2014年第1四半期」の詳細はwww.joneslanglasalle.co.jpをご覧ください。
JLLグループについて
JLLグループ(ニューヨーク証券取引所上場:JLL)は、不動産オーナー、テナント、投資家に対し、包括的な不動産サービスをグローバルに提供する総合不動産サービス会社です。世界75ヵ国、1,000都市、200超拠点で展開し、売上高は約40億ドルに上ります。2013年度は、プロパティ・マネジメント及び企業向けファシリティ・マネジメントにおいて、約2億7,900万m2 (約8,370 万坪)の不動産ポートフォリオを管理し、990億ドルの取引を完了しました。JLLグループで不動産投資・運用を担当するラサール インベスト マネジメントは、総額480億ドルの資産を運用しています。
JLLのアジア太平洋地域での活動は50年以上にわたり、現在15ヵ国、80事業所で27,500名超のスタッフを擁しています。2014年インターナショナル・プロパティ・アワード・アジア・パシフィックでは7ヵ国・地域で「最優秀不動産コンサルタント賞」を受賞、また2013年ユーロマネー・リアルエステート・アワードにおいては9つの賞を受賞しました。詳細な情報はホームページをご覧下さい。www.joneslanglasalle.co.jp