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生態系保全を目指す庭づくり・まちづくりの提案「5本の樹」「第3回プラチナ大賞」の最上位である大賞・経済産業大臣賞を受賞

積水ハウス株式会社(本社:大阪市北区、社長:阿部 俊則)は、10月23日(金)に発表された「第3回プラチナ大賞」(主催:プラチナ構想ネットワーク/所在:東京都千代田区、発起人代表:小宮山 宏氏)において、生態系に配慮した庭づくり・まちづくり提案「5本の樹」計画で、最上位である大賞・経済産業大臣賞を受賞いたしました。




<講評>
「5本の樹」計画は、「プラチナ社会」実現に向けた取り組みをビジネスを通じて実践していることが評価できる。このように企業には社会課題を解決する潜在力があるが、まだまだその潜在能力は十分に活かされていない。
「5本の樹」計画は、企業による社会課題解決の今後の可能性を示すものだ。

[画像1: http://prtimes.jp/i/12902/44/resize/d12902-44-461487-5.jpg ]

環境・エネルギー問題や生態系保全、コミュニティの崩壊、少子高齢化などの社会課題の多くは、住まいやまちのあり方と密接に関連しています。積水ハウスは、本業である住まいやまちづくりを通じてこれらの社会課題解決に取り組んできました。その一つが、生態系に配慮した庭づくり・まちづくり提案「5本の樹」計画です。
当社は1999年より、いち早く環境を経営課題として取り入れ、生態系保全を重要なテーマとして、2001年から「5本の樹」計画を開始しました。
都市における緑は減少しつつあります。都市の緑は、人に潤いと安らぎを与えてくれるとともに、環境の改善に資する身近で貴重な自然です。 「5本の樹」計画は、地域のいきものが利用しやすい「在来種」 の植物を、お客様のお庭や分譲地などに植えることで、子どもがいきものと触れあって命の重さを肌で感じたり、大人が鳴く虫の声や鳥のさえずり、四季折々の花の移ろいなどで季節を感じたり、いきものや植物によって豊かさを実感できる住まいやまちの創造を目指す取り組みです。
「5本の樹」計画は、多くのお客様にご理解と賛同をいただき、市場での流通が少なかった「在来種」を生産する生産者やサプライヤー、さらにはNPOとの緊密な協力関係を築くことで実現できました。
その結果、2001年度から2014年度の累計植栽本数が1,100万本を超えました。この数字は、東京都に植栽されている街路樹の15.6倍に値します。
生態系保全を目指す庭づくり・まちづくり「5本の樹」計画を、一邸一邸からまち全体へ、さらに地域へ、そして社会に広げ、いきものが活用する在来植物を増やし、まちと郊外の「生きものの生態系ネットワーク」を形成することで、住まい手や市民がいきものや植物などの命を身近に感じ、癒される豊かで快適な「プラチナ社会」の実現に寄与してまいります。

※ 「プラチナ大賞」は、「課題先進国」である我が国が課題解決して目指すべき「プラチナ社会」の実現に向け、イノベーションによる新産業の創出やアイディア溢れる方策などにより社会や地域の課題を解決している自治体や企業などの取り組みを表彰し、「プラチナ社会」のモデルとして紹介することにより、さらなる広がりにつなげることを目的としています。「社会的ニーズへの対応」や「創造性・革新性」など7項目のポイントについて審査されます。
【参考】プラチナ構想ネットワークホームページ http://www.platinum-network.jp/pt-taishou/index.html

[画像2: http://prtimes.jp/i/12902/44/resize/d12902-44-267608-4.jpg ]

〜 「5本の樹」計画の意義 〜


自然の豊かさを楽しむ住まいづくり

豊かな緑と生き物が訪れる庭で潤いのある暮らしを実現
2010年より快適な住空間の実現として、大きな開口部を設けた室内と、縁側空間や土間空間といった中間領域によって、庭を上手に生活空間に取り込み、ゆるやかにつなげる「スローリビング」を推進しています。その庭づくりにおいても、もちろん「5本の樹」が主役となります。庭に季節の移ろいを感じさせる野鳥のさえずりや蝶の舞う姿、虫の声などによって、潤いのある暮らしを実現。子どもの情操教育にもつながります。豊かな生態系を戸建レベルで復活させ、大きなネットワークの一つとなります。

まちづくりへの展開
当社は2005年より独自の「まちづくり憲章」を制定し、全国で展開する分譲地などで住めば住むほどに美しさが増す「経年美化」のまちづくりを推進しています。地域の生態系の保全・育成を基本方針のひとつとして、「5本の樹」計画を採用しています。樹木だけでなく、もともとの地形やシンボルツリー、自然石なども上手に生かし歴史風土に配慮したまちなみを形成しています。

「シャーメゾン ガーデンズ」(賃貸住宅)の普及
将来まで選ばれ続ける賃貸住宅であるために街や自然、住むひとなど、様々な視点から敷地環境を高める当社独自の「5つの環境プレミアム」を指標として賃貸住宅の「シャーメゾン ガーデンズ」の提案をおこなっています。その指標のひとつに「自然環境の保存と再生」を掲げ、「5本の樹」計画を採用し、入居者にとって魅力的な敷地環境を創っています。

都市型3・4階建住宅への壁面緑化の提案
樹木を十分に植える面積のない都市部の狭小宅地において、今後は壁面緑化等で立面的な緑も提案していきます。都市型3階、4階建て住宅の1割で採用を目指します。


資産価値の向上

「経年美化」のまちづくり

[画像3: http://prtimes.jp/i/12902/44/resize/d12902-44-142648-2.jpg ]

当社では「5本の樹」計画に基づいたまちづくりを推進しています。時間の経過により資産価値が低下するのではなく、経年変化とともに樹木が育ち、歴史を刻みながらより美しさを増し、住む人々にも愛着を育むことで、良好なコミュニティ形成にも貢献します。「まちなみ参観日」として、美しいまちなみや景観、成熟したまちの雰囲気などを実感いただき、当社のまちづくりに関する考え方を知って頂くための全国イベントを開催しています。

経年変化による資産価値の推移を周辺と比較
豊かな緑は成長して住宅や街を美しく彩り、景観美の優れた街は経済的にも資産価値を維持します。 1989年にまちびらきした「シーサイドももち」(福岡県福岡市・藤崎駅より約1,300m)と、より駅に近い隣接エリア(藤崎駅より約350m)の基準地価格を比較してみると、1998年時点ではm2 あたり5.6万円ほどの差がありましたが、9年後の2007年では差がなくなり、その後はより駅に近い隣接エリアを上回る基準地価格で推移しています。樹木の成長とそれに伴い一体化する建物が美しさを保ち、居住者が愛着を持てるまちとなることで、新しいまちのブランドを創造しています。

賃貸住宅でも資産価値が高まるまちづくり

[画像4: http://prtimes.jp/i/12902/44/resize/d12902-44-461487-5.jpg ]

積水ハウスの賃貸住宅の「シャーメゾン ガーデンズ」では、一般的に一戸建ての住宅にくらべ緑化率の低い賃貸住宅においても、一定の基準を設け「5本の樹」計画にもとづいた提案をおこなっています。緑豊かな賃貸住宅は入居者にとっての住環境を向上させ、オーナーにとっても空室率や賃料の下落をおさえることとなり、また資産価値の向上や維持にもつながります。



生態系の保全

積水ハウスでは「5本の樹」計画が生態系に与える効果を検証するために、全国6ヵ所の大規模分譲地で「いきもの調査」※を継続して実施しています。効果の著しい分譲地では1年前と比べて鳥類が3種から8種、昆虫類が4種から32種に増えたり、小型昆虫を捕食するギンヤンマなどの大型昆虫が観察されたりするなど、豊かな生態系の回復に効果があることが確認できています。
豊かな自然を持つ住宅地の成熟は、地域の評価を高めるいわば公共財ともなります。

※「いきもの調査」とは、「5本の樹」計画のまちづくりが生態系に与える効果を、専門家にも協力をあおぎ評価分析するもので、住宅メーカーが自社の分譲地を対象として行う生物多様性の調査の調査は、他に例のない取組みです。また、地域の住民が身近な環境で楽しみながら生物多様性について学ぶ機会となる、住民参加型の「いきもの観察会」も実施しています。

「5本の樹」を普及するためのツールを整備
「庭木セレクトブック」 「5本の樹・野鳥ケータイ図鑑」サイト

[画像5: http://prtimes.jp/i/12902/44/resize/d12902-44-922707-1.jpg ]



「5本の樹」の樹種(190種以上の植物)と生き物の関係などをカラーで紹介。2001年のスタートから約16万冊を配布し、お客様の庭づくり計画などに活用いただいています。2013年12月からは動画がその場で見られる機能を新たに追加。スマートフォンなどのタブレット端末で画像を読み取ることでテーマに合わせた映像と解説を見ることができ、庭づくりを通して自然を楽しむことに興味を深めていただくことができます。また、植栽された「5本の樹」にはQRコードが印字された「植栽カード」をつけ、専用の「5本の樹・野鳥ケータイ図鑑」サイトで樹木とそれに集まる鳥や蝶などの種類や名前を知らなくても写真や鳴き声で確認したり、親子で楽しみながら学ぶことができ子どもの情操教育にもつながります。

全国80社の植木生産者や造園業者とのネットワークを構築
「5本の樹」計画の事業化に際しては、これまで「園芸品種・外来種」に押され市場での流通が少なかった「自生種・在来種」を生産する、全国約80社の植木生産者や造園業者とのネットワークを構築することから準備をすすめました。「園芸品種・外来種」は見た目はきれいでも、生物多様性の観点からは多くの課題があります。1,100万本の達成は、「5本の樹」計画の思想を理解していただける生産者との緊密な協力関係を築くことで成し遂げることができました。

専門家「グリーンエキスパート」を育成し「5本の樹」計画に基づく提案を

[画像6: http://prtimes.jp/i/12902/44/resize/d12902-44-541004-3.jpg ]

積水ハウスグループでは社内の専門研修を行い、一定基準を満たした社員を「グリーンエキスパート」(社内資格)として認定しています。「グリーンエキスパート」は庭木それぞれの性質や適した土壌などを専門的に理解し、庭木の剪定や管理手法など、みどりに関する知識を活かして「5本の樹」計画に基づく提案を行っています。





過去の受賞歴

・「2006年度 グッドデザイン賞(新領域デザイン部門)」[主催:財団法人日本産業デザイン振興会]受賞
・第6回パートナーシップ大賞「パートナーシップ賞」(2008年)[主催:パートシップ・サポートセンター]
・第2回いきものにぎわい企業活動コンテスト「(財)水と緑の惑星保全機構会長賞」(2011年)[主催:経団連自然保護協議会他]
・「5本の樹」計画を取り入れた「新・里山」と「希望の壁」が 第34回(平成26年度)「 緑の都市賞」[主催:公益財団法人都市緑化機構] 最上位の「内閣総理大臣賞」受賞 他

「5本の樹」計画
http://www.sekisuihouse.com/exterior/bio/flash.html
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