資源循環プロジェクト「BLUE Plastics(R)」において産業系由来の再生プラスチック利用促進システム開発を開始
[22/07/28]
提供元:PRTIMES
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日本プラスチック工業連盟会員の協力により、ブロックチェーンを用いたトレーサビリティシステムを構築
旭化成株式会社(本社:東京都千代田区、社長:工藤 幸四郎、以下「当社」)は、資源循環社会の実現に向けたデジタルプラットフォーム構築プロジェクト「BLUE Plastics(R)(Blockchain Loop to Unlock the value of the circular Economy)」において、産業廃棄物や工場より排出される不要となったプラスチック(以下、「産業系廃棄物」)を対象とした再生プラスチック利用促進システム(以下、「本システム」)の開発を開始します。本システムの開発は当社も参画する日本プラスチック工業連盟の会員リサイクラーの協力を得て、モノづくりの現場で使いやすいシステムの構築を目指します。なお、本システムを用いた実証実験を2022年秋以降に行う予定です。
本システム開発の背景
昨今、資源循環社会の実現に向けて、国は2019年に策定した「プラスチック資源循環戦略」の中で、2030年までに国内における再生材の循環量を倍増させることを目標として掲げています。2020年の国内廃プラ総排出量は822万トン、そのうち、産業系廃棄物は413万トンと約半分を占めています*1。さらにその中で再生利用されている産業系廃棄物のプラスチックは106万トンと約25%という状況であり*2、目標達成に向けて各企業の努力が必要とされています。
国内での流通量が少ないことの一因として、産業系廃棄物はマニフェストや伝票により廃棄から回収に至る段階ではその動きが管理され始めているものの、回収以降のプロセスにおいて流通している再生材の出所や製品化までの工程、品質管理情報等を正確に把握することは困難であるため、再生材の品質安定性に対する懸念が存在することも考えられます。
(*1、2 プラスチック循環利用協会資料「2020年プラスチック製品の生産・廃棄・再資源化・処理処分の状況 マテリアルフロー図」より引用)
当社は、資源循環社会の課題の解決への取り組みとして、既に「BLUE Plastics(R)」プロジェクトにおいて一般消費者向けに再生プラスチックのリサイクルチェーンを可視化するプラットフォーム構築を推進しており、一般消費者が参加する実証実験も今後予定しています。
一方で、国内の産業系廃棄物の再生材循環量を増加させるためには、今まで一般消費者向けのプラットフォームにおいて推進してきた「トレーサビリティの確保」に加え、「品質情報の提供」と「取引実績や認証情報等の提供」の3つの要件が必要だと捉えています。本システムはこれらを満たし、再生材の循環量の増加に貢献するプラットフォームとしての開発を目指します。
産業系廃棄物向け「BLUE Plastics(R)」再生材利用促進システムと実証実験の概要
本システムは特定のメンバーや樹脂種に利用が限定されるものではなく、より多くの企業・団体に利用いただくことを想定しており*3、将来は同業他社問わず誰もが活用できるデジタルプラットフォームとして公開する予定です。2022年秋以降に行う実証実験においては、協力いただくリサイクラーの既存の再生プロセスにてシステムを実際に稼働させ、作業フローやデータ管理など、ユーザーエクスペリエンスの観点での価値検証を実施する予定です。開発にあたり日本プラスチック工業連盟のメンバーであるモノづくり系リサイクラーと議論を進め、再生材のモノづくり現場が使いやすい利用促進システムを目指します。
(*3 本システムは当社が製造・販売する樹脂をリサイクルすることを目的とするものではありません。)
本システムが貢献する産業系廃棄物の再生材に関する課題
(1)再生材の明確な出所情報提供(ブロックチェーン技術を使ったトレーサビリティの確保)
本システムは一般消費者向けのプラットフォーム同様、ブロックチェーン技術を応用し、再生プラスチックが正しくリサイクルされていることを証明します。各サプライチェーン企業は各プロセスにおいて、今まで個別のデータベースやファイルに入力していた材料再生に係る情報をシステム内に入力することにより、サプライチェーンをまたいで、産業系廃棄物がどのようなルートで、どのような再生割合でリサイクルされたかを1つのシステムで確認することができます。
(2)安心して再生材を利用するための明確な品質情報提供(品質情報の提供)
トレーサビリティの確保と同時に、提供される再生材の品質情報を提供し、再生材を販売する側も、購入する側も、そして最終製品を使う消費者も安心して品質が明確な再生材を販売、購入、使用できるようにします。
(3)サプライチェーン企業間の取引を促進させるための情報提供(取引実績や認証情報等の提供)
リサイクラー以降のサプライチェーン企業が安心して取引ができること、つまり再生材を安全、安心に流通させることが資源循環社会を創る最大の解決方法であると考え、各取引環境に適した情報をリサイクル証明と同時に発信する仕組みを取り入れます。
[画像: https://prtimes.jp/i/79452/45/resize/d79452-45-fb184e711598f626fa6f-0.png ]
「BLUE Plastics Salon」について
当社は、2021年10月にデジタルプラットフォームを活用して資源循環社会実現を推進する、循環プロバイダーの役割を担うための開かれた場である「BLUE Plastics Salon」を立ち上げました(https://www.plastictraceability.com/)。廃プラスチックの資源循環を推進し、化石資源に依存しないサーキュラーエコノミー社会を実現するために、資源循環のループに関わる生産者、販売者、消費者など全ての関係者が一丸となって行動することが必要です。情報交換や勉強会を開催するほか、当社等が開発するデジタルプラットフォームを使ってメンバーの皆様と事業化を目指した実証実験を、今後も進めていく予定です。
今後、当社は本システムの開発を通じ、産業系廃棄物業界におけるリサイクル率・リサイクルチェーンの可視化によるリサイクル証明手法を確立します。また、日本だけでなく、グローバル展開にも取り組んでいくことで、国内外におけるプラスチック資源循環を推進してまいります。
〇関連プレスリリース
旭化成、プラスチック資源循環プロジェクト「BLUE Plastics」を日本IBMと開始(2021/5/24)
https://www.asahi-kasei.com/jp/news/2021/ze210524.html
BLUE Plasticsプロジェクトにおける実証実験の結果報告 消費者の意識・行動の変容に対する有効性の調査(2022/4/19)
https://www.asahi-kasei.com/jp/news/2022/ze220419_2.html
プラスチック資源循環プロジェクト「BLUE Plastics」においてファミリーマートの実店舗における実証実験の検討を開始(2022/7/6)
https://www.asahi-kasei.com/jp/news/2022/ze220706.html
旭化成株式会社(本社:東京都千代田区、社長:工藤 幸四郎、以下「当社」)は、資源循環社会の実現に向けたデジタルプラットフォーム構築プロジェクト「BLUE Plastics(R)(Blockchain Loop to Unlock the value of the circular Economy)」において、産業廃棄物や工場より排出される不要となったプラスチック(以下、「産業系廃棄物」)を対象とした再生プラスチック利用促進システム(以下、「本システム」)の開発を開始します。本システムの開発は当社も参画する日本プラスチック工業連盟の会員リサイクラーの協力を得て、モノづくりの現場で使いやすいシステムの構築を目指します。なお、本システムを用いた実証実験を2022年秋以降に行う予定です。
本システム開発の背景
昨今、資源循環社会の実現に向けて、国は2019年に策定した「プラスチック資源循環戦略」の中で、2030年までに国内における再生材の循環量を倍増させることを目標として掲げています。2020年の国内廃プラ総排出量は822万トン、そのうち、産業系廃棄物は413万トンと約半分を占めています*1。さらにその中で再生利用されている産業系廃棄物のプラスチックは106万トンと約25%という状況であり*2、目標達成に向けて各企業の努力が必要とされています。
国内での流通量が少ないことの一因として、産業系廃棄物はマニフェストや伝票により廃棄から回収に至る段階ではその動きが管理され始めているものの、回収以降のプロセスにおいて流通している再生材の出所や製品化までの工程、品質管理情報等を正確に把握することは困難であるため、再生材の品質安定性に対する懸念が存在することも考えられます。
(*1、2 プラスチック循環利用協会資料「2020年プラスチック製品の生産・廃棄・再資源化・処理処分の状況 マテリアルフロー図」より引用)
当社は、資源循環社会の課題の解決への取り組みとして、既に「BLUE Plastics(R)」プロジェクトにおいて一般消費者向けに再生プラスチックのリサイクルチェーンを可視化するプラットフォーム構築を推進しており、一般消費者が参加する実証実験も今後予定しています。
一方で、国内の産業系廃棄物の再生材循環量を増加させるためには、今まで一般消費者向けのプラットフォームにおいて推進してきた「トレーサビリティの確保」に加え、「品質情報の提供」と「取引実績や認証情報等の提供」の3つの要件が必要だと捉えています。本システムはこれらを満たし、再生材の循環量の増加に貢献するプラットフォームとしての開発を目指します。
産業系廃棄物向け「BLUE Plastics(R)」再生材利用促進システムと実証実験の概要
本システムは特定のメンバーや樹脂種に利用が限定されるものではなく、より多くの企業・団体に利用いただくことを想定しており*3、将来は同業他社問わず誰もが活用できるデジタルプラットフォームとして公開する予定です。2022年秋以降に行う実証実験においては、協力いただくリサイクラーの既存の再生プロセスにてシステムを実際に稼働させ、作業フローやデータ管理など、ユーザーエクスペリエンスの観点での価値検証を実施する予定です。開発にあたり日本プラスチック工業連盟のメンバーであるモノづくり系リサイクラーと議論を進め、再生材のモノづくり現場が使いやすい利用促進システムを目指します。
(*3 本システムは当社が製造・販売する樹脂をリサイクルすることを目的とするものではありません。)
本システムが貢献する産業系廃棄物の再生材に関する課題
(1)再生材の明確な出所情報提供(ブロックチェーン技術を使ったトレーサビリティの確保)
本システムは一般消費者向けのプラットフォーム同様、ブロックチェーン技術を応用し、再生プラスチックが正しくリサイクルされていることを証明します。各サプライチェーン企業は各プロセスにおいて、今まで個別のデータベースやファイルに入力していた材料再生に係る情報をシステム内に入力することにより、サプライチェーンをまたいで、産業系廃棄物がどのようなルートで、どのような再生割合でリサイクルされたかを1つのシステムで確認することができます。
(2)安心して再生材を利用するための明確な品質情報提供(品質情報の提供)
トレーサビリティの確保と同時に、提供される再生材の品質情報を提供し、再生材を販売する側も、購入する側も、そして最終製品を使う消費者も安心して品質が明確な再生材を販売、購入、使用できるようにします。
(3)サプライチェーン企業間の取引を促進させるための情報提供(取引実績や認証情報等の提供)
リサイクラー以降のサプライチェーン企業が安心して取引ができること、つまり再生材を安全、安心に流通させることが資源循環社会を創る最大の解決方法であると考え、各取引環境に適した情報をリサイクル証明と同時に発信する仕組みを取り入れます。
[画像: https://prtimes.jp/i/79452/45/resize/d79452-45-fb184e711598f626fa6f-0.png ]
「BLUE Plastics Salon」について
当社は、2021年10月にデジタルプラットフォームを活用して資源循環社会実現を推進する、循環プロバイダーの役割を担うための開かれた場である「BLUE Plastics Salon」を立ち上げました(https://www.plastictraceability.com/)。廃プラスチックの資源循環を推進し、化石資源に依存しないサーキュラーエコノミー社会を実現するために、資源循環のループに関わる生産者、販売者、消費者など全ての関係者が一丸となって行動することが必要です。情報交換や勉強会を開催するほか、当社等が開発するデジタルプラットフォームを使ってメンバーの皆様と事業化を目指した実証実験を、今後も進めていく予定です。
今後、当社は本システムの開発を通じ、産業系廃棄物業界におけるリサイクル率・リサイクルチェーンの可視化によるリサイクル証明手法を確立します。また、日本だけでなく、グローバル展開にも取り組んでいくことで、国内外におけるプラスチック資源循環を推進してまいります。
〇関連プレスリリース
旭化成、プラスチック資源循環プロジェクト「BLUE Plastics」を日本IBMと開始(2021/5/24)
https://www.asahi-kasei.com/jp/news/2021/ze210524.html
BLUE Plasticsプロジェクトにおける実証実験の結果報告 消費者の意識・行動の変容に対する有効性の調査(2022/4/19)
https://www.asahi-kasei.com/jp/news/2022/ze220419_2.html
プラスチック資源循環プロジェクト「BLUE Plastics」においてファミリーマートの実店舗における実証実験の検討を開始(2022/7/6)
https://www.asahi-kasei.com/jp/news/2022/ze220706.html