〈中小企業のESG経営に関する実態調査~S(社会)~〉社内・従業員向けの研修機会を提供していない中小企業が80.8% 育児・介護休暇について制度があるにもかかわらず取得事例が無い企業も36.1%
[24/07/26]
提供元:PRTIMES
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中小企業の社会活動に関わる取り組みは進んでいない実態が明らかに
Green(グリーン)とDigital(デジタル)を活用した中小企業の変革を目指すフォーバル GDXリサーチ研究所(本社:東京都渋谷区、所長:平良学)は、中小企業のESG経営について調査をした「研究レポート」を7月26日(金)に発行しました。
[画像1: https://prtimes.jp/i/117855/45/resize/d117855-45-b89bfe807151c5a81703-0.png ]
「ESG投資」「ESG経営」など、近年ESGが注目されています。ESGとはEnvironment(環境)、Social(社会)、Governance(ガバナンス=企業統治)の頭文字から作られた言葉です。企業がESGに配慮した経営を行うことは、社会に対する責任を果たす存在として投資家や金融機関からの注目され、さらに市場からの企業評価も高まるとして期待されています。前回の研究レポートに続いて、今回は中小企業のESG経営について、S(社会)に着目し実態を調査しました。
●本レポートの詳細は、こちらをご覧ください。
URL:https://www.forval-consul.com/bluereport/wp-content/uploads/2024/07/20240723_researchreportS.pdf
[表: https://prtimes.jp/data/corp/117855/table/45_1_4d04dd3a881a4ed0db86f5036f6b5079.jpg ]
本リリースの調査結果をご利用いただく際は、必ず【フォーバル GDXリサーチ研究所調べ】とご明記ください。
【アンケート概要】
・調査主体 :株式会社フォーバル
・調査期間 :2024年4月1日〜2024年5月31日
・調査対象者:全国の中小企業経営者
・調査方法 :ウェブでのアンケートを実施し、回答を分析
・有効回答数:990人
1.社会活動推進のための取り組みについて、
社内・従業員向けの研修機会を提供していない中小企業が80.8%
社外向けの課題の把握と改善は64.4%が実施
直接売上や利益に繋がる活動の優先度が高い結果に
Q1.コンプライアンス・倫理に関する研修機会を提供しているか
まずは、社内・従業員向けの取り組み結果です。コンプライアンス・倫理に関して、従業員が正しい知識や認識を持つための研修機会を提供することは重要な取り組みです。実際に研修機会を提供しているかどうかについては、80.8%が「提供していない」と回答しており、提供できている経営者は2割に満たない状況でした。コンプライアンス遵守の重要性が高まっている中、ほとんどの企業で具体的な取り組みまでの実施はできていない実態が明らかとなりました。
[画像2: https://prtimes.jp/i/117855/45/resize/d117855-45-7e7b0bea27f708382d58-0.png ]
Q2. 商品・サービスの品質水準確保のための活動
Q3. 地方創生・地域活性化に向けた支援の実施
次に社外向け、つまり、外部、商品・サービスや地域社会に向けた推進のための取り組みの調査結果です。ESGのS(社会)への対応では、顧客のために自社の商品・サービスの課題を把握し、品質水準を確保するため、企業内で情報共有や改善に向けた原則・価値観を共有することや、自社だけでなく地方や地域に対する活動を行うことは重要です。本件に関する調査では「課題の把握と改善実施が運用化されている」、「課題を把握しており、必要に応じて改善を実施している」の両方を合わせた64.4%の中小企業が、日々商品・サービスの課題を把握し改善するサイクルを回していました。
一方で地方創生・地域活性化に向けた支援の実施については「実施していない」が最も多く、具体的な資金、物、人の支援においては「人的支援」が若干多い状況でした。
現状では、地方や地域に対する活動よりも自社の直接の売り上げ・利益に繋がる商品やサービスに関する活動の方が優先度が高くなっていると推察されます。
[画像3: https://prtimes.jp/i/117855/45/resize/d117855-45-d797bf49703ee149ea9a-0.png ]
2.女性従業員比率は50%を超えている企業が最も多く、
中小企業でも女性の採用が推進されている結果に
離職率5%未満の企業が75%と低い水準に
従業員比率・離職率については取り組みが進んでいる結果に
Q4.女性従業員比率
Q5.離職率
まずは女性従業員比率についての調査です。女性の社会進出が定着し、企業規模を問わずに女性の採用が増えています。女性従業員比率を問う設問では、50%を超えている企業が最も多く、30.8%でした。厚生労働省による『女性活躍に関する調査』報告書(令和5年)によると従業員300人以上の企業では女性従業員比率50%以上の企業4割を超えていて、企業規模が大きくなるほど、比率が上がっていることが明らかになりました。
続いて、離職率についての調査です。離職率5%未満の企業は75%近くに上りました。一方で10%以上の企業が14.5%、15%以上の企業が6.7%を占め、従業員の流動性が高い企業も一定数存在していることが判明しました。厚生労働省による雇用動向調査によると、直近15年間の平均離職率はおおむね15%前後で推移していますが、今回調査した中小企業で見ると低い水準にとどまる結果となりました。本レポートは平均を示した数値ではないため単純な比較はできませんが、中小企業では働く環境整備については推進されていることが推察されます。
[画像4: https://prtimes.jp/i/117855/45/resize/d117855-45-2249e5a4e429948522af-0.png ]
3.健康診断の実施率が100%に達している企業は71.3%
年次有給休暇取得の徹底ができている企業は77.7%
育児・介護休暇について制度があるにもかかわらず取得事例が無い企業が36.1%
中小企業では制度の徹底・活用ができていない企業がいる実態が明らかに
Q6.健康診断実施率
Q7.年次有給休暇の徹底
Q8.育児休暇の取得
従業員が働きやすい環境づくりの事例として、健康診断実施率、年次有給休暇取得の徹底状況、育児休暇の取得状況に関する調査を実施しました。まず、健康診断実施率については、100%に達している企業は約7割にとどまりました。健康診断の実施は労働安全衛生法により事業者の義務とされており、定期的に実施し従業員の健康管理を推進することが重要であり、すべての企業で実施されることが理想です。
続いて、年次有給休暇取得の徹底状況についても、取得が徹底できている企業は約8割でした。2019年4月から、条件(入社から半年が経過し、出勤率が8割以上の場合)を満たした従業員には年5日の有給休暇を取得させることが義務化されており、違反した際の罰則が設けられています。健康診断同様、100%の徹底が理想です。
最後の育児・介護休暇の取得に関しては、「育休制度はあるが、男女ともに取得事例がない」が最も多く36.1%でした。活用が難しい環境や取得できない別な課題を抱えている企業がいることも推察されます。
[画像5: https://prtimes.jp/i/117855/45/resize/d117855-45-71b83a73665547081a56-0.png ]
[画像6: https://prtimes.jp/i/117855/45/resize/d117855-45-5e64d08c74695a5a2ffa-0.png ]
【有識者のコメント】中小企業の人的資本経営について
[画像7: https://prtimes.jp/i/117855/45/resize/d117855-45-0cf0bac4686bbbbc4a99-0.jpg ]
フォーバル GDXリサーチ研究所所長
平良 学(たいら・まなぶ)
■経歴
1992年、株式会社フォーバルに入社。
九州支店での赤字経営の立て直し、コンサルティング事業の新規立ち上げ、全体統括を経て、2022年に新たに発足した中立の独立機関「フォーバル GDXリサーチ研究所」の初代所長に就任。
中小企業経営の実態をまとめた白書「ブルーレポート」の発刊、
全国の自治体と連携し、地域の中小企業経営者に向けたDX、GXの講演、
中小企業経営者向けのイベントの企画などを通じて、中小企業のGDXを世に発信している。
■コメント
今号ではESGのS(社会)に関する分析と業種比較を行った研究レポートをお届けしました。このS(社会)については先月お届けしたE(環境)と比べると、比較的身近な内容ということもあり、対応している企業が多い調査項目もありました。ただ、健康診断の実施や年次有給休暇の取得のように事業者の義務にもかかわらず、100%でない項目があることも事実です。また、育児休暇の取得状況のように、制度は整っているものの取得事例がないというケースも見られました。制度は活用されてはじめて価値を発揮するためこのような点も課題と言えるでしょう。経営者がESG経営のS(社会)における重要さを理解し、義務となっている項目の100%の実施、制度の活用促進について実践していただくことを期待します。
[画像8: https://prtimes.jp/i/117855/45/resize/d117855-45-6ff0e34a2a92e5860185-0.png ]
■フォーバル GDXリサーチ研究所とは
日本に存在する法人の99%以上を占める中小企業。この中小企業1社1社が成長することこそが日本の活力につながります。中小企業が成長するための原動力の1つにGreen(グリーン)とDigital(デジタル)を活用し企業そのものを変革するGDX(Green Digital transformation)があります。
フォーバル GDXリサーチ研究所は、中小企業のGDXに関する実態を調査し、各種レポートや論文、報告書などをまとめ、世に発信するための研究機関です。「中小企業のGDXにおける現状や実態を調査し、世に発信する」をミッションに「中小企業のGDXにおいてなくてはならない存在」を目指し活動していきます。
https://gdx-research.com/
Green(グリーン)とDigital(デジタル)を活用した中小企業の変革を目指すフォーバル GDXリサーチ研究所(本社:東京都渋谷区、所長:平良学)は、中小企業のESG経営について調査をした「研究レポート」を7月26日(金)に発行しました。
[画像1: https://prtimes.jp/i/117855/45/resize/d117855-45-b89bfe807151c5a81703-0.png ]
「ESG投資」「ESG経営」など、近年ESGが注目されています。ESGとはEnvironment(環境)、Social(社会)、Governance(ガバナンス=企業統治)の頭文字から作られた言葉です。企業がESGに配慮した経営を行うことは、社会に対する責任を果たす存在として投資家や金融機関からの注目され、さらに市場からの企業評価も高まるとして期待されています。前回の研究レポートに続いて、今回は中小企業のESG経営について、S(社会)に着目し実態を調査しました。
●本レポートの詳細は、こちらをご覧ください。
URL:https://www.forval-consul.com/bluereport/wp-content/uploads/2024/07/20240723_researchreportS.pdf
[表: https://prtimes.jp/data/corp/117855/table/45_1_4d04dd3a881a4ed0db86f5036f6b5079.jpg ]
本リリースの調査結果をご利用いただく際は、必ず【フォーバル GDXリサーチ研究所調べ】とご明記ください。
【アンケート概要】
・調査主体 :株式会社フォーバル
・調査期間 :2024年4月1日〜2024年5月31日
・調査対象者:全国の中小企業経営者
・調査方法 :ウェブでのアンケートを実施し、回答を分析
・有効回答数:990人
1.社会活動推進のための取り組みについて、
社内・従業員向けの研修機会を提供していない中小企業が80.8%
社外向けの課題の把握と改善は64.4%が実施
直接売上や利益に繋がる活動の優先度が高い結果に
Q1.コンプライアンス・倫理に関する研修機会を提供しているか
まずは、社内・従業員向けの取り組み結果です。コンプライアンス・倫理に関して、従業員が正しい知識や認識を持つための研修機会を提供することは重要な取り組みです。実際に研修機会を提供しているかどうかについては、80.8%が「提供していない」と回答しており、提供できている経営者は2割に満たない状況でした。コンプライアンス遵守の重要性が高まっている中、ほとんどの企業で具体的な取り組みまでの実施はできていない実態が明らかとなりました。
[画像2: https://prtimes.jp/i/117855/45/resize/d117855-45-7e7b0bea27f708382d58-0.png ]
Q2. 商品・サービスの品質水準確保のための活動
Q3. 地方創生・地域活性化に向けた支援の実施
次に社外向け、つまり、外部、商品・サービスや地域社会に向けた推進のための取り組みの調査結果です。ESGのS(社会)への対応では、顧客のために自社の商品・サービスの課題を把握し、品質水準を確保するため、企業内で情報共有や改善に向けた原則・価値観を共有することや、自社だけでなく地方や地域に対する活動を行うことは重要です。本件に関する調査では「課題の把握と改善実施が運用化されている」、「課題を把握しており、必要に応じて改善を実施している」の両方を合わせた64.4%の中小企業が、日々商品・サービスの課題を把握し改善するサイクルを回していました。
一方で地方創生・地域活性化に向けた支援の実施については「実施していない」が最も多く、具体的な資金、物、人の支援においては「人的支援」が若干多い状況でした。
現状では、地方や地域に対する活動よりも自社の直接の売り上げ・利益に繋がる商品やサービスに関する活動の方が優先度が高くなっていると推察されます。
[画像3: https://prtimes.jp/i/117855/45/resize/d117855-45-d797bf49703ee149ea9a-0.png ]
2.女性従業員比率は50%を超えている企業が最も多く、
中小企業でも女性の採用が推進されている結果に
離職率5%未満の企業が75%と低い水準に
従業員比率・離職率については取り組みが進んでいる結果に
Q4.女性従業員比率
Q5.離職率
まずは女性従業員比率についての調査です。女性の社会進出が定着し、企業規模を問わずに女性の採用が増えています。女性従業員比率を問う設問では、50%を超えている企業が最も多く、30.8%でした。厚生労働省による『女性活躍に関する調査』報告書(令和5年)によると従業員300人以上の企業では女性従業員比率50%以上の企業4割を超えていて、企業規模が大きくなるほど、比率が上がっていることが明らかになりました。
続いて、離職率についての調査です。離職率5%未満の企業は75%近くに上りました。一方で10%以上の企業が14.5%、15%以上の企業が6.7%を占め、従業員の流動性が高い企業も一定数存在していることが判明しました。厚生労働省による雇用動向調査によると、直近15年間の平均離職率はおおむね15%前後で推移していますが、今回調査した中小企業で見ると低い水準にとどまる結果となりました。本レポートは平均を示した数値ではないため単純な比較はできませんが、中小企業では働く環境整備については推進されていることが推察されます。
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3.健康診断の実施率が100%に達している企業は71.3%
年次有給休暇取得の徹底ができている企業は77.7%
育児・介護休暇について制度があるにもかかわらず取得事例が無い企業が36.1%
中小企業では制度の徹底・活用ができていない企業がいる実態が明らかに
Q6.健康診断実施率
Q7.年次有給休暇の徹底
Q8.育児休暇の取得
従業員が働きやすい環境づくりの事例として、健康診断実施率、年次有給休暇取得の徹底状況、育児休暇の取得状況に関する調査を実施しました。まず、健康診断実施率については、100%に達している企業は約7割にとどまりました。健康診断の実施は労働安全衛生法により事業者の義務とされており、定期的に実施し従業員の健康管理を推進することが重要であり、すべての企業で実施されることが理想です。
続いて、年次有給休暇取得の徹底状況についても、取得が徹底できている企業は約8割でした。2019年4月から、条件(入社から半年が経過し、出勤率が8割以上の場合)を満たした従業員には年5日の有給休暇を取得させることが義務化されており、違反した際の罰則が設けられています。健康診断同様、100%の徹底が理想です。
最後の育児・介護休暇の取得に関しては、「育休制度はあるが、男女ともに取得事例がない」が最も多く36.1%でした。活用が難しい環境や取得できない別な課題を抱えている企業がいることも推察されます。
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【有識者のコメント】中小企業の人的資本経営について
[画像7: https://prtimes.jp/i/117855/45/resize/d117855-45-0cf0bac4686bbbbc4a99-0.jpg ]
フォーバル GDXリサーチ研究所所長
平良 学(たいら・まなぶ)
■経歴
1992年、株式会社フォーバルに入社。
九州支店での赤字経営の立て直し、コンサルティング事業の新規立ち上げ、全体統括を経て、2022年に新たに発足した中立の独立機関「フォーバル GDXリサーチ研究所」の初代所長に就任。
中小企業経営の実態をまとめた白書「ブルーレポート」の発刊、
全国の自治体と連携し、地域の中小企業経営者に向けたDX、GXの講演、
中小企業経営者向けのイベントの企画などを通じて、中小企業のGDXを世に発信している。
■コメント
今号ではESGのS(社会)に関する分析と業種比較を行った研究レポートをお届けしました。このS(社会)については先月お届けしたE(環境)と比べると、比較的身近な内容ということもあり、対応している企業が多い調査項目もありました。ただ、健康診断の実施や年次有給休暇の取得のように事業者の義務にもかかわらず、100%でない項目があることも事実です。また、育児休暇の取得状況のように、制度は整っているものの取得事例がないというケースも見られました。制度は活用されてはじめて価値を発揮するためこのような点も課題と言えるでしょう。経営者がESG経営のS(社会)における重要さを理解し、義務となっている項目の100%の実施、制度の活用促進について実践していただくことを期待します。
[画像8: https://prtimes.jp/i/117855/45/resize/d117855-45-6ff0e34a2a92e5860185-0.png ]
■フォーバル GDXリサーチ研究所とは
日本に存在する法人の99%以上を占める中小企業。この中小企業1社1社が成長することこそが日本の活力につながります。中小企業が成長するための原動力の1つにGreen(グリーン)とDigital(デジタル)を活用し企業そのものを変革するGDX(Green Digital transformation)があります。
フォーバル GDXリサーチ研究所は、中小企業のGDXに関する実態を調査し、各種レポートや論文、報告書などをまとめ、世に発信するための研究機関です。「中小企業のGDXにおける現状や実態を調査し、世に発信する」をミッションに「中小企業のGDXにおいてなくてはならない存在」を目指し活動していきます。
https://gdx-research.com/