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がん免疫療法の認知率は約6割だが、正しい内容認知は約3割。求められる正しい情報提供。「生活向上WEB」にてがん免疫療法認識調査を実施。

株式会社クロエ(本社 東京都豊島区 代表取締役 安藤 昌)は、治験情報サイト「生活向上WEB」会員を対象に「がん免疫療法についての認識調査」を行い、1,613名から回答を得ました。




京都大学高等研究院の本庶佑特別教授が医学・生理学賞を受賞されたことで、がんの「免疫療法」に注目が集まり、様々なメディアを通してニュースが配信されました。一方で本庶教授の研究をもとに開発された「免疫チェックポイント阻害薬」の効果が過剰に評価されてしまう懸念や「免疫チェックポイント阻害薬」とは異なる自由診療で行われている「免疫療法」なども同一にとられてしまう可能性に対し、注意を喚起するニュースも配信されております。

日本では、正しいがん情報を発信しているWebサイトが少なく、Google等で『肺癌』、『肺がん』と検索した場合の上位50のうち7割は正しくない情報であるという研究結果1)が報告されるなど、正しいがんの情報提供が課題となっています。
そこで本調査では、「免疫チェックポイント阻害薬」と自由診療で行われる「免疫療法」についての生活者の認識を明らかにすることを目的に実施しました。
その結果、ノーベル医学生理学賞の受賞をきっかけに、がんの免疫療法が注目を集めており、6割を超える方が「免疫療法」を知っていましたが、「免疫チェックポイント阻害薬」であることまで認知している方は、回答者全体からみて3割に満たない結果となりました。また、がんの自由診療クリニックの広告は比較的多くの方が目にしており、その内容に対して好意的にとらえている方も一定数いることもわかりました。

がんの「免疫療法」の内容が十分に理解されていない状況であり、一部の患者さんやご家族が、十分な知識や情報を取得した上で、がんの治療選択ができない可能性が懸念されます。患者さんや一般の方に向け、エビデンスに基づいた情報をわかりやすく伝えていくことが求められます。
1) Yasushi Goto et al. Differences in the Quality of Information on the Internet about Lung Cancer between the United States and
 Japan: Journal of Thoracic oncology, July 2009 Volume 4, Issue 7, Pages 829–833.  http://dx.doi.org/10.1097/JTO.0b013e3181a76fe1

【調査サマリー】
・「免疫療法」の認知率は63.4%だが、本庶佑特別教授をきっかけに開発された「免疫チェックポイント阻害薬」を理解していたのは、27.3%にとどまった。
・「免疫チェックポイント阻害薬」の効果は、現在、単剤で使用された場合、奏効率は20~30%程度と言われているが、奏効率30%以上の効果があると思った方が、40.4%となり、10~29%と回答した方の約2倍となった。(奏効率:がんが縮小・消失するなど一定の効果を示した割合)
・保険適用外である理由について質問したところ、「最新治療のため」44.7%、「高価なため」41.7%との回答が最も多かった。
・自由診療の「免疫療法」の広告に接触したことがある方は30.0%であった。また自由診療の広告を見て治療を受けてみたいと回答した方は21.0%となった。

【病気や健康に関する情報収集についての調査概要】
生活向上WEB会員を対象にした、病気や健康に関する情報収集についてのインターネット調査
調査期間  :2018年10月5日~15日
調査回収数 :1,613サンプル
調査対象者 :生活向上WEB会員
質問数   :24問
性別    :女性52.3% 男性47.7%
年代    :20代以下3.0%、30代7.6%、40代23.4%、50代36.0%、60代以上30.1%
生活向上WEB:https://www.seikatsu-kojo.jp/

【調査結果】
■あなたはがんの「免疫療法」についてどの程度ご存知ですか?


[画像1: https://prtimes.jp/i/13827/49/resize/d13827-49-467532-11.png ]

■今回のノーベル医学生理学賞を受賞した本庶先生の発見で実現した「がんの治療法」は、以下のどれかにあたるかご存知ですか?

[画像2: https://prtimes.jp/i/13827/49/resize/d13827-49-124569-7.png ]


免疫療法を聞いたことがあるまで含めると、63.4%の方が「免疫療法」を認知していましたが、「免疫チェックポイント阻害薬」であることを知っていた方は27.3%でした。「わからない」を除いた12.1%の方が誤った治療法を選択しており、このことからノーベル賞とは関係のない治療法をノーベル賞のものと勘違いしてしまうことが懸念されます。

■「免疫チェックポイント阻害薬」は、どの程度の方に効果がある薬剤だと思いますか?
[画像3: https://prtimes.jp/i/13827/49/resize/d13827-49-303559-5.png ]


「10〜29%」(19.9%)、「50〜79%」(18.6%)、「30〜49%」(17.2%)との回答がほぼ同等で上位となった。免疫チェックポイント阻害薬を単剤で使用した場合、効果のある方は効果の出やすい方でも20~30%程度です。それを踏まえて結果をみてみると、過度な期待を持っている人が多いことが考えられます。※免疫チェックポイント阻害薬の効果の出やすさは、がんの種類や効きやすさの指標によって変わることが分かっています。


■「免疫チェックポイント阻害薬」は、どのがん種の患者さんでも保険適応内で投与ができると思いますか?
[画像4: https://prtimes.jp/i/13827/49/resize/d13827-49-544431-8.png ]


「投与できない」ことを知っていた方は48.8%と約半数でした。免疫チェックポイント阻害薬は様々ながん種で臨床試験が行われていますが、効果の出やすいがん、出にくいがんが存在します。効果の証明されていないがん種では保険適応がないため、保険による治療ができるがんは限られています。


■「免疫チェックポイント阻害薬」は、どの程度安全に使える薬剤だと思いますか?
[画像5: https://prtimes.jp/i/13827/49/resize/d13827-49-973305-3.png ]

安全だと思う方の合計(38.9%)は安全だと思わない方の合計(12.8%)よりも約3倍多い結果となりました。免疫チェックポイント阻害薬は従来の抗がん剤にみられる一般的な副作用が出にくい傾向にはあります。しかし、重症化する恐れのある副作用が出ることもあり、安全な薬剤と考えることには注意が必要です。免疫チェックポイント阻害薬には、1.すべてのがん種につかえる、2.多くの方に効果がある、3.安全に使える、という三つの誤解があることがわかりました。


■がんの免疫療法には保険適用外(自費)のものがあります。何故だと思いますか。あなたの考えにあてはまるものを全てお選びください。(複数選択可)
[画像6: https://prtimes.jp/i/13827/49/resize/d13827-49-497760-6.png ]


上位から、「最新治療のため」(44.7%) 、「高価なため」(41.7%) 、「海外では認められても日本では認められていないため」(36.1%) 、「効果が不明のため」(35.2%) でした。この結果より、保険適用外の治療法について十分な理解が得られていない可能性があることがわかります。保険適用外(自費)のがんの免疫療法には昔から存在する治療法も多くあるため、最新の治療とは一概に言えません。また、現在の日本の保険制度では高額なものであるかは関係なしに最良であると認められた治療法が保険として使えるようになる仕組みとなっています。


■がんの治療方法について等インターネットで調べた際、「自由診療」による治療の広告が表示されましたか。*自由診療とは、効果が証明されていないため保険適用外(自費)となる治療法です。


[画像7: https://prtimes.jp/i/13827/49/resize/d13827-49-329631-2.png ]


■インターネットで見かけた「自由診療」によるがん治療の広告を見て、どう感じましたか。また、どのような行動をとりましたか。あてはまるものを全てお選びください。(複数選択可)


[画像8: https://prtimes.jp/i/13827/49/resize/d13827-49-915240-1.png ]


■インターネットで見かけた「自由診療」によるがん治療の広告を見て、治療を受けてみたいと思いましたか。がんに罹っていない方も、想像でお答えください。


[画像9: https://prtimes.jp/i/13827/49/resize/d13827-49-543428-0.png ]


30.0%の方が自由診療の「免疫療法」の広告に接触していました。また広告に対してどのように感じたかを質問したところ、否定的な意見も多いものの、肯定的な意見や広告のクリック、問い合わせや知人への紹介などの肯定的なアクションの合算が否定的な意見を上回る結果を示しました。治療を受けてみたいという受診につながる感情変化を起こした回答も21.0%となっており、がんの治療については、生死に関わる重要な選択になるので、無知な選択は、以後の治療の選択肢を狭める結果につながることもあります。正確かつ十分な情報提供が必要と考えられます。


クロエは、今後もがん情報サイト「オンコロ」及び治験情報サイト「生活向上WEB」を通してがんに関するエビデンスに基づいた情報を提供してまいります。


【株式会社クロエ 概要】
本社所在地:東京都豊島区南池袋1-13-23 池袋YSビル 2F
代表者:代表取締役 安藤 昌
事業内容:臨床試験支援事業、ヘルスケアマーケティング事業、ヘルスケアIT事業
資本金:1,500万円
設 立:2009年3月6日
グループ会社:株式会社クリニカル・トライアル、株式会社CTS
企業サイト:https://www.croee.com/
生活向上WEB:https://www.seikatsu-kojo.jp/
がん情報サイト:オンコロhttps://oncolo.jp/
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