CBREが特別レポート 「CREマネジメント・アウトソーシング - コアビジネス強化のための不動産マネジメント」を発表 不動産アウトソーシングは企業価値向上のキーポイント
[19/07/27]
提供元:PRTIMES
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CBRE(日本本社:東京都千代田区丸の内)は本日、特別レポート「CREマネジメント・アウトソーシング - コアビジネス強化のための不動産マネジメント」を発表しました。当レポートはアウトソーシングの有用性に関する考察とともに、CREマネジメントにおけるアウトソーシングの特徴とその導入効果について解説しています。
日本の労働環境とアウトソーシング
◎経営手法として広がりを見せるアウトソーシング
米国を中心に拡大したアウトソーシングは、日本においても1980年代以降、情報システムの分野で浸透し始めました。現在では、経理、人事等の間接業務をはじめ、物流関連、コールセンター、マーケティングや研究開発に至るまで様々な領域でアウトソーシングの導入が見られます。
日本においても定着しつつあるアウトソーシングですが、あまり浸透していない領域もあります。その一つがCRE(Corporate Real Estate)マネジメント関連業務です。CREマネジメントとは、企業が保有・賃借する不動産を、企業価値向上のための経営資源として運用することです。運用にあたっては、建築・設備、環境、賃貸借、ファイナンス、会計・税務等に関する幅広い専門知識やノウハウが求められます。しかし、海外に比べ、日本の企業は不動産の管理を自前で行うケースが多く、非効率な運用がなされているケースも散見されます。
◎激減する日本の労働力と低い労働生産性
今後の日本は、人口減少と高齢化が同時進行するという未曾有の時代に突入します。国立社会保障・人口問題研究所の推計によれば、2065年の日本の全人口は2015年比で約3,900万人減の8,800万人。このうち15-64歳の生産人口は2015年比で約3,200万人減(42%減)の4,500万人で、全人口に占める割合は60.8%から51.4%に低下する見込みです。
一方、足元の日本の労働生産性は国際比較において中位以下にとどまっています。OECD加盟国中、日本の一人当たり労働生産性は21位。主要7か国の中では過去20年にわたって低位が続いています。日本は、労働生産性が主要国の中でも低いことに加え、今後は労働人口が減少していきます。このような環境下、経営資源を効率よく活用することは、企業にとってますます重要になると考えられます。選択と集中を促すアウトソーシングは、そのための有効な施策になると推察されます。
専門分化の進むアウトソーシング
アウトソーシングには様々な形態がありますが、中でもビジネス・プロセス・アウトソーシング(BPO)は、対象とする業務範囲が極めて広く、活用の場が増えています。BPOとはノンコア業務のプロセス全体に関して、企画立案から実行・管理までの全てを外部委託することです。一連の業務プロセスを効率化することで、経営効率の向上を図ることがその目的です。不動産の開発・投資、賃貸借、管理等に関するCREマネジメントのアウトソーシングも、このBPOの対象に含まれます。
企業アンケートにみるアウトソーシング実施状況
CBREでは、BPOの導入状況について国内企業を中心にアンケートを実施し、BPOの浸透度合いと、その対象業務について傾向を集計しました。BPOを「5年前までに導入した」と回答した企業は15%でした。「最近導入した」、もしくは「将来導入する計画がある」との回答は、合わせても16%にとどまり、新規の導入はそれほど増えていないことがうかがえます。
BPOを導入済、または導入を予定している主な業務の内訳は、IT、HR、社内向けサービス、福利厚生で、これらが全体の半数以上を占めています。他方、ファシリティ運用、ワークプレイス管理、資産活用といったCREに関する業務群は合計で16%にとどまりました。CRE関連業務におけるBPOはいまだマイナーといえます。
BPO実施・未実施企業における各経営指標比較
BPOの導入が企業の収益性や生産性の向上につながるということは、定量的にも確認できます。アンケート回答企業のうち上場企業について、BPO実施企業と未実施企業とに分け、売上高営業利益率、総資産利益率(ROA)、労働生産性の3つの指標を比較しました。
比較の結果、いずれの指標についても、BPO実施企業が未実施企業を上回りました(Figure1・2)。BPO実施済の企業のROAは製造業、非製造業ともに5%超、特に製造業については5.28%と、未実施企業のそれを2.2ポイント上回りました。労働生産性については、未実施企業に比べて実施済みの製造業は18ポイント高く、非製造業は38ポイント高い結果となりました。特に非製造業は、「人」の生産性の依存度が製造業に比べて高いため、BPOの導入によって生産性が高まる度合いがより大きいと推察されます。
Figure 1:BPO実施企業と未実施企業との売上高営業利益率とROAの各比較(2017年度実績)
[画像1: https://prtimes.jp/i/27786/57/resize/d27786-57-417224-0.gif ]
出所:THOMSON REUTERS、CBRE、 2019年5月
※各社有価証券報告書を基に作成、売上高営業利益率(%)= 営業利益÷売上高、ROA(%)= 当期純利益÷期首と期末の平均資産合計、各指標は中央値にて比較
Figure 2 :BPO実施企業と未実施企業との労働生産性比較(2017年度実績)
[画像2: https://prtimes.jp/i/27786/57/resize/d27786-57-510659-1.gif ]
出所:CBRE、2019年5月
※各社有価証券報告書を基に作成、労働生産性 = 売上総利益÷{(前期末従業員数+当期末従業員数)/2}(便宜的に売上総利益(粗利)を用いて算出)、BPO未実施企業を100%として中央値にて比較
CREマネジメントにおけるBPOの特徴
◎幅広い専門性が求められる不動産の運用・管理
CREマネジメントの対象となる不動産は、運用次第で大きなビジネスの機会や収益をもたらす可能性があります。反面、その運用には多くの時間と労力に加えて、幅広い専門知識やノウハウが必要とされます。このため、CREマネジメントを全て自社で行うことは、人材育成やノウハウ蓄積に時間とコストがかかるだけでなく、現実的に困難であることも少なくありません。一方、CRE関連業務全般に明るいパートナーをアウトソース先として起用すれば、幅広い専門知識やノウハウ、リソースをすぐに調達することができます。CREマネジメントは、他の領域に比べてBPO活用の場が多いといえます。
CBRE リサーチ アソシエイトディレクター岩間有史は、次のように述べています。「少子高齢化に伴う労働人口の減少、働き方改革関連法の施行により、日本の企業は労働の“質”を高める必要に迫られている。アウトソーシングは、そのための有効な施策の一つとなろう。中でも不動産アウトソーシングは、企業の収益性や生産性を高める上で有効であり、今後、さらにニーズが高まることが期待される」
詳しい内容は、本日発刊の「CREマネジメント・アウトソーシング - コアビジネス強化のための不動産マネジメント」をご覧ください。
https://www.cbre.co.jp/ja-jp/research-reports/japan-research-archives
CBRE日本法人について
CBRE日本法人は、不動産賃貸・売買仲介サービスにとどまらず、各種アドバイザリー機能やファシリティマネジメント(FM)などの18の幅広いサービスラインを全国規模で展開する法人向け不動産のトータル・ソリューション・プロバイダーです。CBREの前身となった生駒商事が1970年に設立されて以来、半世紀近くにわたり、日本における不動産の専門家として、全国10拠点で地域に根ざしたサービスを展開してきました。企業にとって必要不可欠な「ビジネスインフラ」として認められる不動産アドバイザリー&サービス企業を目指して、国内約1,100名を超えるプロフェッショナルが、最適かつ的確な不動産ソリューションを中立的な立場で提供いたします。詳細につきましては日本国内ホームページwww.cbre.co.jp をご覧ください。 公式Twitterアカウント:@cbrejapan
CBREグループについて
CBREグループ(NYSE:CBRE)は、「フォーチュン500」や「S&P 500」にランクされ、ロサンゼルスを本拠とする世界最大の事業用不動産サービスおよび投資顧問会社です(2018年の売上ベース)。全世界で90,000 人を超える従業員、約480 カ所以上の拠点(系列会社および提携先は除く)を有し、投資家、オキュパイアーに対し、幅広いサービスを提供しています。不動産売買・賃貸借の取引業務、プロパティマネジメント、ファシリティマネジメント、プロジェクトマネジメント、事業用不動産ローン、不動産鑑定評価、不動産開発サービス、不動産投資マネジメント、戦略的コンサルティングを主要業務としています。※免責事項: 本文書は貴社の責任と判断で利用いただくものであり、弊社は、貴社又は第三者が本文書に基づいて行われた検討、判断、意思決定及びその結果について法律構成・請求原因の如何を問わず一切の責任を負わないものとします。
日本の労働環境とアウトソーシング
◎経営手法として広がりを見せるアウトソーシング
米国を中心に拡大したアウトソーシングは、日本においても1980年代以降、情報システムの分野で浸透し始めました。現在では、経理、人事等の間接業務をはじめ、物流関連、コールセンター、マーケティングや研究開発に至るまで様々な領域でアウトソーシングの導入が見られます。
日本においても定着しつつあるアウトソーシングですが、あまり浸透していない領域もあります。その一つがCRE(Corporate Real Estate)マネジメント関連業務です。CREマネジメントとは、企業が保有・賃借する不動産を、企業価値向上のための経営資源として運用することです。運用にあたっては、建築・設備、環境、賃貸借、ファイナンス、会計・税務等に関する幅広い専門知識やノウハウが求められます。しかし、海外に比べ、日本の企業は不動産の管理を自前で行うケースが多く、非効率な運用がなされているケースも散見されます。
◎激減する日本の労働力と低い労働生産性
今後の日本は、人口減少と高齢化が同時進行するという未曾有の時代に突入します。国立社会保障・人口問題研究所の推計によれば、2065年の日本の全人口は2015年比で約3,900万人減の8,800万人。このうち15-64歳の生産人口は2015年比で約3,200万人減(42%減)の4,500万人で、全人口に占める割合は60.8%から51.4%に低下する見込みです。
一方、足元の日本の労働生産性は国際比較において中位以下にとどまっています。OECD加盟国中、日本の一人当たり労働生産性は21位。主要7か国の中では過去20年にわたって低位が続いています。日本は、労働生産性が主要国の中でも低いことに加え、今後は労働人口が減少していきます。このような環境下、経営資源を効率よく活用することは、企業にとってますます重要になると考えられます。選択と集中を促すアウトソーシングは、そのための有効な施策になると推察されます。
専門分化の進むアウトソーシング
アウトソーシングには様々な形態がありますが、中でもビジネス・プロセス・アウトソーシング(BPO)は、対象とする業務範囲が極めて広く、活用の場が増えています。BPOとはノンコア業務のプロセス全体に関して、企画立案から実行・管理までの全てを外部委託することです。一連の業務プロセスを効率化することで、経営効率の向上を図ることがその目的です。不動産の開発・投資、賃貸借、管理等に関するCREマネジメントのアウトソーシングも、このBPOの対象に含まれます。
企業アンケートにみるアウトソーシング実施状況
CBREでは、BPOの導入状況について国内企業を中心にアンケートを実施し、BPOの浸透度合いと、その対象業務について傾向を集計しました。BPOを「5年前までに導入した」と回答した企業は15%でした。「最近導入した」、もしくは「将来導入する計画がある」との回答は、合わせても16%にとどまり、新規の導入はそれほど増えていないことがうかがえます。
BPOを導入済、または導入を予定している主な業務の内訳は、IT、HR、社内向けサービス、福利厚生で、これらが全体の半数以上を占めています。他方、ファシリティ運用、ワークプレイス管理、資産活用といったCREに関する業務群は合計で16%にとどまりました。CRE関連業務におけるBPOはいまだマイナーといえます。
BPO実施・未実施企業における各経営指標比較
BPOの導入が企業の収益性や生産性の向上につながるということは、定量的にも確認できます。アンケート回答企業のうち上場企業について、BPO実施企業と未実施企業とに分け、売上高営業利益率、総資産利益率(ROA)、労働生産性の3つの指標を比較しました。
比較の結果、いずれの指標についても、BPO実施企業が未実施企業を上回りました(Figure1・2)。BPO実施済の企業のROAは製造業、非製造業ともに5%超、特に製造業については5.28%と、未実施企業のそれを2.2ポイント上回りました。労働生産性については、未実施企業に比べて実施済みの製造業は18ポイント高く、非製造業は38ポイント高い結果となりました。特に非製造業は、「人」の生産性の依存度が製造業に比べて高いため、BPOの導入によって生産性が高まる度合いがより大きいと推察されます。
Figure 1:BPO実施企業と未実施企業との売上高営業利益率とROAの各比較(2017年度実績)
[画像1: https://prtimes.jp/i/27786/57/resize/d27786-57-417224-0.gif ]
出所:THOMSON REUTERS、CBRE、 2019年5月
※各社有価証券報告書を基に作成、売上高営業利益率(%)= 営業利益÷売上高、ROA(%)= 当期純利益÷期首と期末の平均資産合計、各指標は中央値にて比較
Figure 2 :BPO実施企業と未実施企業との労働生産性比較(2017年度実績)
[画像2: https://prtimes.jp/i/27786/57/resize/d27786-57-510659-1.gif ]
出所:CBRE、2019年5月
※各社有価証券報告書を基に作成、労働生産性 = 売上総利益÷{(前期末従業員数+当期末従業員数)/2}(便宜的に売上総利益(粗利)を用いて算出)、BPO未実施企業を100%として中央値にて比較
CREマネジメントにおけるBPOの特徴
◎幅広い専門性が求められる不動産の運用・管理
CREマネジメントの対象となる不動産は、運用次第で大きなビジネスの機会や収益をもたらす可能性があります。反面、その運用には多くの時間と労力に加えて、幅広い専門知識やノウハウが必要とされます。このため、CREマネジメントを全て自社で行うことは、人材育成やノウハウ蓄積に時間とコストがかかるだけでなく、現実的に困難であることも少なくありません。一方、CRE関連業務全般に明るいパートナーをアウトソース先として起用すれば、幅広い専門知識やノウハウ、リソースをすぐに調達することができます。CREマネジメントは、他の領域に比べてBPO活用の場が多いといえます。
CBRE リサーチ アソシエイトディレクター岩間有史は、次のように述べています。「少子高齢化に伴う労働人口の減少、働き方改革関連法の施行により、日本の企業は労働の“質”を高める必要に迫られている。アウトソーシングは、そのための有効な施策の一つとなろう。中でも不動産アウトソーシングは、企業の収益性や生産性を高める上で有効であり、今後、さらにニーズが高まることが期待される」
詳しい内容は、本日発刊の「CREマネジメント・アウトソーシング - コアビジネス強化のための不動産マネジメント」をご覧ください。
https://www.cbre.co.jp/ja-jp/research-reports/japan-research-archives
CBRE日本法人について
CBRE日本法人は、不動産賃貸・売買仲介サービスにとどまらず、各種アドバイザリー機能やファシリティマネジメント(FM)などの18の幅広いサービスラインを全国規模で展開する法人向け不動産のトータル・ソリューション・プロバイダーです。CBREの前身となった生駒商事が1970年に設立されて以来、半世紀近くにわたり、日本における不動産の専門家として、全国10拠点で地域に根ざしたサービスを展開してきました。企業にとって必要不可欠な「ビジネスインフラ」として認められる不動産アドバイザリー&サービス企業を目指して、国内約1,100名を超えるプロフェッショナルが、最適かつ的確な不動産ソリューションを中立的な立場で提供いたします。詳細につきましては日本国内ホームページwww.cbre.co.jp をご覧ください。 公式Twitterアカウント:@cbrejapan
CBREグループについて
CBREグループ(NYSE:CBRE)は、「フォーチュン500」や「S&P 500」にランクされ、ロサンゼルスを本拠とする世界最大の事業用不動産サービスおよび投資顧問会社です(2018年の売上ベース)。全世界で90,000 人を超える従業員、約480 カ所以上の拠点(系列会社および提携先は除く)を有し、投資家、オキュパイアーに対し、幅広いサービスを提供しています。不動産売買・賃貸借の取引業務、プロパティマネジメント、ファシリティマネジメント、プロジェクトマネジメント、事業用不動産ローン、不動産鑑定評価、不動産開発サービス、不動産投資マネジメント、戦略的コンサルティングを主要業務としています。※免責事項: 本文書は貴社の責任と判断で利用いただくものであり、弊社は、貴社又は第三者が本文書に基づいて行われた検討、判断、意思決定及びその結果について法律構成・請求原因の如何を問わず一切の責任を負わないものとします。